ホーム最終戦もなんだかアレな感じで終わり、サポーターの心中には漠然とした不安ばかりが募っているであろう今日この頃ですが、先日正式に発表されたユース所属6選手のトップチーム昇格に続き、2013年シーズンの新戦力として東洋大学のDF松本怜大(まつもとりょうた)選手の加入が発表されました。
ユース昇格以外の新卒加入は2011年加入のDF櫛引一紀(室蘭大谷高校)以来2シーズンぶり、大卒選手としては2009年加入のFW上原慎也(沖縄大学)以来5シーズンぶりとなりますが、実はこの松本選手もまたコンサドーレユースの出身。世代としてはGK曵地裕哉と同期で、古田寛幸の1年先輩、横野純貴の1年後輩に当たるそうです。ポジションは左のサイドバックです。実質ユース7人目の加入。ますますユース頼みの糞サッカーへの期待が高まりますね。
そんな彼の在籍している東洋大学サッカー部は、関東大学リーグ2部に所属し、今年はリーグ優勝を果たして創部以来初めて1部への昇格を決めています。その主力選手として活躍していたとのこと。ちなみにこの東洋大学体育会サッカー部は、監督に古川毅、コーチに磯山和司、GKに荒谷弘樹というこれでもかといった感じの札幌押し。まぁといっても古川先生は大宮アルディージャからの派遣で東洋大に行っているので、どっちかというと大宮押しなんですけどね(コンサドーレからの派遣で札大に行ってたのと同じ)。なんで埼玉のチームが東京都(文京区)にある大学にコーチングスタッフを派遣しているのかといえば、他の在京大学同様に東洋も体育会系の練習施設は埼玉県のキャンパス内にあるからなんですね。東洋大の場合は川越市や朝霞市にキャンパスを設置しています。サッカー部があるのは朝霞キャンパスですね。「山の神」として有名な「走るアニヲタ」こと柏原竜二選手は川越キャンパスのほうでした。ちなみに川越キャンパスはカミさんの実家の近くです(関係ない)。東洋大サッカー部のOBとしては関隆倫がいますね。
さて、アカデミーの強化に力を入れるようになり、その甲斐あってここ数年はコンスタントにトップチームへ選手を輩出できるようになってきていますが、大学を経由してトップチームに加入するパターンは初めてのこと。サテライトリーグに参加しておらず、また近隣にJリーグチームがないコンサドーレの場合、若手選手がトップの試合に出られないと実戦経験が不足しがちになってしまいます。若手育成においては20歳前後の時期に真剣勝負の経験を積めないのはやはりマイナスです。
そういう意味では、ユース所属の選手が有力な選手の集まる関東や関西の強豪大学に進学し、そこで揉まれて成長して帰ってくるという流れ、いわゆる「カムバックサーモン作戦」はこれからのコンサドーレにとっても割と重要だと思います。それに、ユースからの昇格というのも、本人の実力以外にもチーム事情によるところも大きいですからね(これは単なる推測ですが、松本くんがユースを卒業した2009年の時点では、フロントの「石崎監督は4バックやらない」という誤認が影響していたのかもしれません)。そういう場合でも、大学ルートが確立されていると何かと好都合でしょう。もちろんいったん放流してしまうのですから本当に帰ってきてくれるとは限りませんが…。
いずれにせよ、今の札幌にとって本職の左サイドバックはのどから手が出るほど欲しかった人材です。三上部長あたりは実際にのどから手が生えていたという噂も聞いています(いません)。即戦力としてガンガン活躍して欲しいですね。