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2008年12月16日

鬼が出るか蛇が出るか

 「ストーブリーグ」という言葉があります。ここでも何度か使ったことはありますが、もともとはプロ野球用語で選手の契約更改や移籍の動向を指しています。プロ野球選手の契約更改や移籍が行われるシーズンオフがストーブの必要となる季節、つまり冬であることからついたと言われていますが、プロ野球以外ではせいぜいF1などで使われることがあるくらいで、プロ野球とシーズンオフを同じくするJリーグでは、プロ野球以上に選手の移籍が激しいにもかかわらず、新聞などでもあまり使われることはありません。実際、各スポォツ新聞のサイトでもプロ野球のカテゴリには「ストーブリーグ情報」というコーナーがあるのにJリーグには同じようなコーナーはありません。プロ野球の場合はどちらかというと移籍動向より選手の年俸の増減の話題が注目されるからなのかも知れませんが、ストーブが熱いことから「レギュラーシーズンよりも熱い」という意味合いでも使われることがある言葉ですから、Jリーグでもこの時期はどんな選手が来るのか、また来ることになった選手はどうなのかという期待感で盛り上がる時期でもあります。とりわけ外国籍の助っ人選手、特にJリーグのチーム以外からやってくる選手については、情報がないぶんだけ却っていろいろな妄想も膨らみます。
 もっとも、決して潤沢ではない資金力しか持たない札幌においては、おいそれとスーパーな選手を獲得できるはずもないわけで、毎日ショーウィンドウに張り付いてカカを見てたら通りすがりの老紳士が何も言わずに買ってくれたりとか、現実にそんなうまい話が転がってるはずもないですから、その期待や妄想はシーズンが始まってしばらく後には、伝説の責任取らされた人とか伝説のスーパークロスの人とかみたいに残念極まりない現実として降りかかってくる場合も少なくないですし、プレイ面では問題がなくても監督とそりが合わずに退団したりとか、よくわからないけど「国に帰ります」と空港から電話掛けてきてそのままいなくなったりとか、加入したはずなのにそもそも札幌のユニフォームを着てプレイした姿を誰も見たことがないという都市伝説レベルの話もあったりします。
 その一方で、J2でもJ1でも得点王を獲り海外でもプレイするようになったエメルソン(まぁ海外と言っても中東ですけど)や、気がつけばJリーグのみならず海外からも注目されるほどの選手になったダヴィ(まぁ海外と言っても中東ですけど)みたいに、来た時は無名であっても札幌で飛躍のきっかけを掴んだ選手もいるわけですから、サポーターとしては「やっぱり」を覚悟する一方で、「もしかして」も期待してしまうのもまた事実。そんな中、既報通りスウェーデンリーグのユールゴーデンからブラジル人FWチアゴ・キリーノ・ダ・シウバ選手の移籍加入がチームから正式発表されました。
 登録名はキリノ。もともと発音の種類の少ない日本語で外国の人の名前を表記すること自体けっこう無理がある(たとえば英語の"R"と"L"の発音の区別を日本語で表すことはできない)もので、さらに英語圏以外の国の人の名前だと現地語での発音を日本語に直すか、それとも英語での発音を日本語にするかで同じ名前でもまったく別の発音になったりします。キリノのいたスウェーデンなんてその最たるもので、スウェーデンの有名なテニス選手にSterfan Edbergという人がいますが、英語読みだと「エドバーグ」がスウェーデン語では「エドベリ」と読みますね。ちなみに自分はマッケンローが好きでした。ブラジルで主に使われているブラジルポルトガル語も同様で、大きなところでは"R"の発音なんですが、たとえばRonaldoは英語読みでは「ロナルド」ですが、ブラジルでのポルトガル語読みでは「ホナウド」となります。日本では「ロナウド」という表記が一般的ですが、これは英語読みとポルトガル語読みがごっちゃになったものなんだそうです。
 で、このキリノもご多分に漏れず、獲得のニュースを伝える新聞ごとに「カリーノ」「キリーノ」などとそれぞれ違った名前で表記されていました。最終的に基準になるのは選手登録名となるわけなのですが、かつてRobertという選手を「ロバート」とも「ロベルチ」とも「ホベルチ」とも「ホベルト」とも読める名前を「ホベルッチ」という斜め上の名前で登録した札幌だけにどうなるかと思われましたが、結局「キリノ」となったようです。
 キリノといえば思い出されるのが、前にも書いたとおりアニヲタ的にはバンブーブレードに出てくる千葉紀梨乃なんですけど、道民的には摩周湖でしょうか。エニックス(現スクウェアエニックス)の「堀井雄二ミステリー三部作」のうち最高傑作との呼び声高い「北海道連鎖殺人オホーツクに消ゆ」のMSX版では、第3巻のテープ(!)をロードする時のパスワードがそれでしたので、レトロゲーマーにとっても霧と言えば摩周湖でしょう。まぁ前のエントリをごらんいただければわかるとおり、実際のキリノ選手は猫口金髪ポニーテールの部長どころか摩周湖っぽい雰囲気すらないわけですけど、とりあえずここでは何となく紀梨乃と呼ぶことにします。
 ところで、クラブからの公式リリースによれば、紀梨乃さんの身長は181cmとなっていました。あれ? 確か以前の記事では彼の身長は183cmだったはずですけど、いつの間にか2cm縮んでますね。まぁこういうのってあんまりアテにはならないものですし、どう好意的に見ても80kgを下回ることはないように見えるのに公称77kgとかいうよりはいいのかなという気もします。とりあえずどんな選手かは実際に見てみないとなんとも言えませんので、来年また熊本に行くことになりそうです。

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コメント (1)

>来年また熊本に行くことになりそうです
お待ちしております。「はかたんタクシー」のご用命はお早めにw


今年もまた熊日や県サッカー協会HPでキャンプ日程を探る
シーズンが始まりました。

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