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2009年6月 アーカイブ

2009年6月 1日

なかなかうまく行かないけど

2009年Jリーグディビジョン2第18節
コンサドーレ札幌 0-0 ヴァンフォーレ甲府
得点者:札幌/null
     甲府/null

 今節から第2クール。Jリーグディビジョン2も日程の3分の1を消化したことになります。第1クール終了時点での札幌の順位は7勝4敗6分、25得点21失点、勝点27で6位となっています。序盤の躓きから考えればよく持ち直したと考えることもできますが、さりとて上位チームがなかなか負けてくれない現状を考えると、3位のベガルタ仙台との勝点差が8というのは、いくらまだまだ先があるといってもあまり悠長に構えているわけにもいきません。悠長に構えていいのはものまねしゴゴとの対決の時だけです。
 まぁそれはそれとして、ひとまず札幌がやらないといけないのは、1つでも順位を上げていくこと。そういう意味では4位のヴァンフォーレ甲府との対戦となる今節は非常に重要な試合です。甲府は前節終了時点で勝点34と、札幌との勝点差は7。この試合で勝ったところですぐに順位を逆転できる差ではありませんが、直接対決で勝利すればこちらが勝点3を得ると同時に、相手の勝点3を削ることにもなります。桜木花道のオフェンスリバウンド理論になぞらえるならば、+6点分の働きということになります。逆にそれは相手にも同じことが言えるわけで、こっちが負ければ勝点差が二桁になってしまう諸刃の剣。というわけで、「絶対に負けられない試合」と書くとどうしても某テレビ局の煽りっぽくてうさんくさい上に陳腐なでアレでいやなのですけど、雰囲気的にはそんな感じです。
 そんなわけでその大事な決戦の場は、前節に引き続いてホーム厚別。過密日程のJ2において、一週間のインターバルを置いた連続ホーム開催というのは滅多にあるものでもない、つーか今回しかありません(※)。おまけに甲府は前回2点入れられたMF大西容平やMF林健太郎、DF石原克哉といった主力に怪我人が続出している上、おまけにFWマラニョンも累積警告で出場停止。飛車角桂馬落ちとも言える相手に、こちらは前節出場停止だった趙晟桓も復帰し、ほぼベストメンバー。ここまで好条件で試合ができるのですから、第1クールの試合で1-2で敗れた倍返し…は高望みし過ぎとしても、同じスコアで勝つくらいはしないと嘘ですよね。

 果たしてその結果は、スコアレスドロー。


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 なんだかまぁ、有利と思えば思うほどこういうふうになりますね。試合そのものは引き分けでしたけど、勝負としては甲府の勝ちですよね。前述の通り条件的には不利ながらも、勝点差が7ある甲府にとっては、無理に勝ちに行く必要はないわけで、引き分けは狙い通り…とまではいかずとも、少なくとも悪い結果ではないはず。しかし札幌にとってはこの引き分けは非常に痛いです。
 試合そのものは、折からの強風の影響でロングボールはもちろんサイドチェンジもほとんど意味をなさないため、ショートパスを繋いでいくほかないのですが、札幌はもとより甲府だってプレッシングサッカーはお手のもの。両者とも中盤で激しくプレスをかけてボールを奪うまではいいんですが、そこから大きな展開に持って行けないため、逆にすぐに相手にプレスをかけられてボールを奪われる、そんな感じの戦いが延々と続きます。近年では「ボールも人も動くサッカー」でなければ試合に勝つのは難しいとされており、かつては引いて守ることが当たり前だったJ2でもそういった戦い方が普通になってきていますけど、こと少ない人数でプレスをかいくぐれる選手が少ないJ2においては、この試合みたいにひたすら中盤のつぶし合いに終始という内容になりがち。甲府の選手たちが何人も足をつらせていたように、決してだらけた試合ではなかったですし、札幌の選手もよく走っていたとは思うんですけど、例えるならフィニッシュブローまで持って行けないデンプシーロールの出し合いみたいなもので、見てるほうとしては何とも微妙な試合内容でした。クライトンにしたってJ2では図抜けた選手ではありますが、2~3人に囲まれてフォローもないのでは1人でなんとかしろと言うのは酷な話。あまり調子も良くなさそうでしたしね。調子がいい時なら1人で特殊部隊をほぼ全滅させられるんですけどね。[要出典]

 まぁそんなわけで札幌にとっては負けに近い感じの引き分けでしたし、12戦負けなしとはいってもその実「勝てる試合を落とした」という印象のほうが強い試合も少なくはないのですけど、それでも「なんだかんだ言って負けなくなった」というのは、「せめて引き分けにはできたのに」という試合を落とし続けていたシーズン序盤から比べれば、多少は成長しているんじゃないかと思います。もう一皮剥けるのはもしかしたらまた少し時間がかかるかも知れませんけど、それなりに順調に来てるように思いますね。忘れちゃいけない、我々が応援しているのは「コンサドーレ札幌」なのですから。

(※6/5追記)…まだ1回ありましたね。

2009年6月 5日

薄氷の勝利

2009年Jリーグディビジョン2第19節
栃木SC 0-1 コンサドーレ札幌
得点者:札幌/俺たちの砂さん
     栃木/なし

 前節4位ヴァンフォーレ甲府との直接対決で痛恨のドローに終わってしまったコンサドーレ札幌は、今節は中3日で栃木SCとのアウェイ戦となります。アウェイゲームとは言っても、栃木SCの「SC」とは「サッカークラブ」の略と思わせて実は「しもつかれ」の略であると教えてくれたとあるゴール裏メイトが住むと言われている栃木県ではなく、県境を越えた埼玉県は熊谷市での開催となります。第1クールの試合ではミス絡みで2点を取られてから3点を奪い返すという限りなく自作自演っぽい大逆転劇を果たしましたが、その試合以降は1勝4分けと勝点の牛歩戦術を絶賛敢行中。逆に栃木は札幌に負けた試合の後、それまでわずか1勝しかできていなかったチームが3勝1敗1分と好調です。栃木SCというチームはもともと教員チームだっただけに、うっかり「好調先生」などと口に出したら周囲に心底イヤな顔をされそうな言葉も頭に浮かんできますが、それはおいといて札幌はこの試合、前節4枚目のイエローを食らったクライトンが出場停止。ここまで大半の得点に絡んできた大黒柱の穴はかなり大きいですが、この翌日からクライトンが父親の看病でブラジルに2週間帰国することがクラブから発表されています。シーズン中での離脱は開幕前から織り込み済みでしたら、クライトンがいなければいないなりの戦い方ができるようにならないといけません。そういう意味ではこの試合は試金石とも言えます。
 前回出場停止(ロアッソ熊本戦での一発退場)でクライトンがいなかった第7節カターレ富山戦では、ノブリンは紀梨乃と宮澤裕樹の2トップという布陣を敷きましたが、あまりしっくりは来なかったためか、この試合では1トップは変えずにクライトンのポジションにそのまま砂川誠を入れる形に。クライトンの代わりは無理としてもチーム内での実力を考えれば彼がスタメンに名を連ねるのはごく自然なことではあるのですけど、さりとて開幕から一貫して砂川を「交代の切り札」としてきたノブリンにとっては、その最大にして唯一のジョーカーを先に使ってしまうということですから、そうなるとベンチワークをどうするのかというのが大きなポイントになります。そうでなくてもJ1より2人少ない5人(実質4人)というJ2のベンチ枠に、なるべく多くの状況に対応できるように選手を入れるのは監督にとっても悩み所だと思いますが、その石井謙伍、横野純貴、上原慎也と3人のFW登録の選手を入れてきました。そこにどんな深謀遠慮があったのかはわかりませんが、パッと見ヤケクソとしか思えないノブリンの用兵です。

 さて熊谷と言えば「日本一暑い街」として有名で、Wikipediaによれば「熱風交差点」という弘兼憲史先生の漫画みたいな名前もあるそうです。聞いたことないですけど。普段北海道で暮らすコンサドーレの選手たちにとっては暑さは天敵だけに、気温がひとつの懸念事項となっていましたが、この日はキックオフ時点で21.1℃と比較的過ごしやすい気温が幸いにしてか、概してコンディション的には難しいことの多い平日のナイトゲームの試合にしてはコンサドーレの選手の動きは悪くなく、積極的なプレスでゲームを支配します。とはいえ、やはりクライトンがいないことでボールの落ち着きどころがない上、征也をなるべくフリーにするために左サイドでボールをキープしようとする砂さんがサイドに流れると、似たようなタイプの岡本賢明が行き場を失うことが多く、ヤスにしろボランチの宮澤にしろダニルソンにしろ、砂さんが流れたスペースに誰か入っていけばもう少し厚くできたと思いますが、誰が行くかというのがいまいちはっきりせず、サイドアタックはしても中の人数が足りなかったり、足りててもわざと味方のいないところを狙ったような残念なクロスだったりと、あまり得点できそうな感じがしません。もちろんボランチが出ていけばそのぶん空いた後ろのスペースを誰かがケアしなければなりませんから、カウンターを食らうリスクを考えれば前に出てけばいいってもんでもないですけど、しかし「虎穴に入らずんば虎児を得ず」というのもまた真理なのであります。つまり、二次元に入らずんば二次元ドリームを得ずということです。
 まぁ要するにそんな感じであんまり得点の匂いのしないまま時間は進み、何度かいい形は作っても、開始早々の砂さんのミドルシュートがクロスバーを叩いたり、セットプレイからの西嶋弘之のヘディングシュートがゴールポストに当たったり、オーバーラップしてきた西嶋大ヒロのドンピシャシュートがゴールポストに当たったりとツキにも見放され得点できず、前半は0-0で終了。

 流れが悪いと見たノブリンは結局1トップ+トップ下をあきらめ、砂川兄弟の弟のほう(ヤス)を下げて兄を左サイドハーフに置き、ヤスとの交代で入れた西大伍をボランチに入れ、宮澤をトップに上げて2トップにしてきました。「どうせトップ下いなくなるなら最初から置かなきゃいいじゃない」といった理由なのかはわかりませんが、システムの変更で現状を打開しようと試みたものの、やはりしっくり来ない感は拭えず。後半7分に相手ペナルティエリア右サイド手前で得たいい位置でのFKも、ダニルソンの蹴ったシュートがお約束のようにポストを叩いた時点で、「今日はこういう日なのかも…」と覚悟しましたが、その3分後に相手のクリアボールに猛然と突っ込んで奪った紀梨乃からのパスを征也がダイレクトで入れたグラウンダーのクロスに走り込んだ砂さんが、相手と競りながらもスライディングでゴールに押し込み、ようやく、ほんとにようやく先制点をゲットしました。
 「1点取れば調子に乗る」傾向の強い札幌だけに、待望のゴールが生まれたことで追加点への期待も膨らみましたが、どうにも肝心なところでミスが出て後に繋がりません。そうこうしているうちにだんだんと選手にも疲れが見え始め、徐々に栃木に押されるようになります。こうなると監督としては難しいところ。点の取れそうな雰囲気がますますしなくなってきているとはいえ、このまま1-0で守りきれるようなチームでもないし、そもそも既に大伍を使ってしまっている以上、後残ってるのはGKの高原を除いてはFW登録の選手ばかりしかおらず、事実上守備固めの選択肢はありません。そうなると可能性としては追加点を狙うほうに賭けるしかない、ということで後半27分、上里一将に替えて石井謙伍を投入、宮澤を再びボランチ戻してきました。あわよくば追加点という狙いの他に、前にフレッシュな選手を入れて前線からのプレスを再度徹底させる目論見もあった、と思うんですけどね。果たして、いったい何しに出てきたんでしょうか石井くんは。
 確かにほとんどの選手の足が止まっている上に、こういう時に鬼キープしてくれるクライトンがいないためにボールポゼッションもままならず、なかなか前線までボールが来なかったのもありますけど、体力的には余裕があるのですから、それならそれでもっと後ろを楽にするプレイをするべきなのに、そのあまりの消えっぷりに、これまでの実績を鑑みたノブリンが、1-0で逃げ切るためにこちらの人数を合法的に10人にしたんじゃないかと思えてしまったほど。ここしばらく出番を上原に先んじられていたのも何となくわかるような気がします。
 まぁそれでも攻められつつもなんとか踏ん張り、普段は自信満々に持ち場を離れ、別の意味で熱いプレイで俺たちを揺らすミツが、もう焦らさないでとばかりにクリアミスをプレゼントするものの、栃木の拙攻にも助けられ何とか逃げ切りに成功。4試合振りの勝利を手にしたのでした。

2009年6月 8日

書く気ゼロ

2009年Jリーグディビジョン2第20節
コンサドーレ札幌 1-2 サガン鳥栖
得点者:札幌/紀梨乃
     鳥栖/たかちつくちて、マイク

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2009年6月16日

道民祭

2009年Jリーグディビジョン2第21節
コンサドーレ札幌 1-1 徳島ヴォルティス
得点者:札幌/室江高校剣道部部長
     徳島/室江高校剣道部顧問

 実は札幌に帰っておりました。

 とはいえ、帰省が法事によるもののため厚別の試合には行けなかったのですが、この週末の札幌はうちの実家もストーブをつけるほどの寒さでした。「これが北海道」と言ってしまえばそこまでなのですが、そんな底冷えのする寒さの上、試合当日の天気は雨。ただでさえ出足の鈍くなる天候の上、この日の札幌は中心部で既によさこいでもソーランでもない踊りの大会が、札幌ドームでは日本ハムの試合があり、さらに北海道神宮祭も重なり(まぁこの天気では神宮祭も散々だったかも知れませんが)、おまけに札幌市にほど近い恵庭市では石川遼選手が出場した日本プロゴルフ選手権もあったり、挙げ句に俺のじいちゃんの3回忌があったりと、コンサドーレを忘却の彼方に追いやるに充分なイベントづくしの日曜日(一部個人的事情)。案の定観客の出足は鈍く、観客数は5,700人強と寂しい限りだったわけですが、こういう状況で札幌サポーターであれば思い出されるのが2006年9月27日の試合。そう、日本ハムのパリーグ優勝がかかった試合が重なった上、同じような悪天候で厚別での最少観客数(3,896人)を記録した試合です。わざわざ一番人のいないスタンドを写し、みなまで言われずともわかっている不人気っぷりを実際の不人気以上に不人気なように強調した某新聞記事も含めていろいろ忘れようにも忘れられない試合ですが、その試合では6-0という大勝を飾りました。同じような状況で行われるこの試合の相手は、奇しくもその時と同じ徳島ヴォルティス。もちろんそんなジンクスみたいなもんが試合の勝敗を左右すると思ってるほどピュアではありませんけど、キックオフ時点で12.6度という気温の中では、おそらくは10度以上の差がある徳島から来た選手たちはコンディション的にはゆるくない(北海道弁)はずですから、同じスコアとまでは行かずともとにかく勝点3を得ることを期待したいところ。だったんですけどね。そういえば徳島にはそんなもん充分承知済みの道産子が何人もいて、実際に試合の鍵を握ったのもその道産子でした。
 ゴールマウスに立ちはだかり、何度もファインセーブを見せて失点を最小限にとどめたのが室蘭出身のGK上野秀章、そして同点ゴールを決めたのは札幌出身のFW石田祐樹。アウェイでの対戦でゴールを決められた室蘭出身の菅原康太はメンバー入りはしてませんでしたが、ゲームキャプテンとしてチームを引っ張った三田光が妙に大泉洋に似ているのも決して無関係ではないでしょう(無関係)。

 そんなこんなで試合は1-1の引き分けで終わったわけなんですが、大黒柱のクライトンがブラジルに帰国しチームを離れている中で、チームにとって最大の命題だった「クライトンなしでどう戦うか」ということについては、この2試合である程度の形は見えたんじゃないかと思います。何度も書いているとおりクライトンは欠点がないとは言いませんがそれでもJ2では図抜けた存在なわけで、これまでの試合でも多くの得点に絡んできたように、こと攻撃についてはクライトンの力に依る部分が大きかったのは事実。まぁ強力な選手がいればいたでその選手への依存に対する危惧は当然出てくるわけですが、そのことについては自分はそんなに否定的ではありません。力を持った選手を獲得する、あるいはそういう選手を育てることも含めてチームの力なのですし、「立ってるものは親でも使え」という言葉もあるように、力があるなら使わなきゃ損です。麦わら海賊団だって結局ボスを倒すのはルフィですからね。自分はウソップが好きですけど。
 まぁただその選手に頼りすぎてその選手がいないと何もできない、もう恋なんてしないよ絶対なんてのもまた困ります。特にクライトンは心臓病の父親をブラジルに残しているため、チームに戻ってきたとしても、父上の容態によってはまたチームを離れなければならないことがあるかも知れません。もちろんそういう事態にならないことが我々にとっても、そしてクライトンにとってもいいことだとは思いますが、怪我や出場停止の可能性だってありますから、いなきゃいないで何とかしなきゃいけないのもまた事実。とはいえクライトンの代わりなんて他の誰にもできないわけですから、攻撃のやり方そのものを変える必要性も出てくるだろうとは思っていたのですが、宮澤がクライトンの代役とまでは行かずとも、少なくとも前線での起点にはなれそうです。得点力という面では物足りない部分はありますけど、ポストプレイは紀梨乃より確実にうまいですし、アイディアも豊富。紀梨乃も先制点の時のような形でボールをもらえたほうが生きるでしょうから、2トップにするのであればこのコンビがガチとなるでしょう。
 それだけに、前半の時点で1点しか取れなかったことが悔やまれます。確かに上野が当たっていたこともありますが、取れる時に取っておかないと…と書くのももう飽きてきたくらいですし、とりわけこの日も後ろにいたはずの石田に抜かれてチギられる「ドップラーディフェンス」という新技をよせばいいのに編み出していた札幌の守備陣にとってはなおさら。案の定、後半立ち上がりのこのプレイから形勢は一気に徳島へ。ここで痛かったのはやっぱりダニルソンの不在ですね。彼がいればある程度は中盤での潰しが効いて、そして奪ったボールを丁寧に相手に返していたと思いますが、なんだかんだで重要な選手になっているということでしょうか。
 とにかく、結果としては勝点1を上乗せするに留まったことで3位との差を大きく縮めるには至らず、この試合で得られたものはあまり多くありませんでしたが、その数少ないプラス要素の1つが中山元気の復帰でしょうか。終盤の怒濤の攻撃で1本でも決めていれば、と思わないでもありませんが、中山さんだったからこそあの短い時間で3本のシュートを放ち、そして中山さんだったからこそ全部外した、ということなんでしょう。そんな中山さんが好きです。でもやっぱり点を決める中山さんはもっと好きです。

2009年6月18日

ダイエットは地道に

 クライトンは無事に戻ってきました。コンディション次第でしょうが次節湘南ベルマーレ戦への出場も出来そうで、ひとまずは首位チームとのアウェイ戦に多少の格好はつきそうな感じです。ただ2回目の警告累積のダニルソンは次節も引き続き出場停止ですから、クライトン不在の間チームの中心になりそうな可能性を見せた宮澤への期待が高まるところ。
 その宮澤ですが、なにやらノブリンから減量指令を下されたそうです。別にそんなに太ってるようには見えないのですが、日刊スポォツによると、「宮沢は見た目はスリムだが、体重75キロ、体脂肪12%。チームメートからは『デブ』といじられる。」という話。182cmという身長に対して75kgという体重はそんなに多いとは思いませんが、体脂肪12%というのはどれくらいなんでしょうか。今ではすっかり過去の人となったFC東京の平山相太がまだ世間(というか主にマスコミ)の注目を浴びてた頃は、体脂肪15%で大騒ぎされていましたが、サッカー選手の平均はだいたい10%前後だそうです。それを考えれば12%というのはそんなに悪くないような気もします。オレなんて体脂肪はもとより体筋肉が12%くらいなのに。とはいえ、本格的にスポーツをやったことのないオレにはわからないだけで、その1~2%の差が大きいのかも知れないですけどね。つーか、実はよくわかってないんですけど、体脂肪の10%って、要するにお前の1割は脂肪で出来ているって感じなんですかね。75kgで体脂肪率10%としたら、身体には7.5kgの脂肪がついてるってことでいいんでしょうか。だとしたら確かにすごい。

 ちなみに昨季まで札幌にいたダヴィは炭酸飲料が好きみたいで、以前熊本キャンプ中に行われた水原三星とのテストマッチで90分フル出場したその後に、水前寺競技場の入り口近くにあった自販機に小銭を入れて迷うことなく選んだのはコーラ。しかし残念ながらコーラは売り切れで、日本語が読めずウリセスにに教えてもらうまでボタンを激しく連打していたダヴィが次に選んだのはファンタグレープでした。無類のラーメン好きであることから考えてもその体脂肪が低いはずもないのに、現在J1得点ランキングトップを走っているわけですし、同じく「体脂肪? ラーメンの具のことか?」みたいな感じだった俺王様だってJ1得点王に輝いてましたから、一概に体脂肪率が高いのは悪、というわけでもないような気がしないでもありません。まぁ限りなく特殊な人を引き合いに出しているような気もしますけどね。ノナトみたいなのもいたわけですし。

2009年6月23日

ダメではない

2009年Jリーグディビジョン2第22節
湘南ベルマーレ 3-2 コンサドーレ札幌
得点者:札幌/クライトン、西
     湘南/中村、阿部、猪狩

 この試合は平塚競技場で湘南サポーターの友人と一緒に見ておりました。普段はどうしても自分のひいきチーム中心の視点にならざるを得ないわけですが、じゃあ相手から見たコンサドーレというチームはどうなんだろう? ということについては、なかなか客観的な視点を持つことは難しいですから、他の目線からの話を聞くのはいろいろと参考になるものです。まぁオレが参考にしたところで別にチームがどうにかなるものでもないんですけど、ともすれば悪いところばかりに目に付きがちなひいきチームに対して新しい発見が出来ることもあり、単純に楽しいものです。
 そんなわけであれこれ会話しながら試合を見ていたわけですが、昇格圏内へ食い込むためにはむろんのこと、上位とこれ以上離されると、ともすればアイスクライマーで最後の1人が置いてけぼりになった状態になりかねません。札幌にとっては大事な試合であることはもちろんなんですが、逆に湘南にとってどうだったかといえば、勝点にして15も離れた6位のチーム、7人の悪魔超人で言えばザ・魔雲天くらいの序列に過ぎない札幌を迎えたホームゲームながらも、まるで昇格を争う直接のライバルに対するような感じでした。もう10年もJ2にいて、その間ずっと昇格を目指しながらその夢が叶わなかったチームのサポーターですから、順位表の一番上にいる状況ですら、たとえ下位のチームが相手だったとしても「確実に勝てる」などとは全然思っていないようですが(それは逆の立場だったとしても同じでしょうが)、少なくともコンサドーレ札幌というチームに対して、今現在の順位以上の評価をしているということは間違いないようです。

 まぁ、結果としてはその気合に屈した形で首位湘南の引き立て役となってしまったわけですが、それでも札幌としては及第点以上の試合ができていたと思います。前半はブラジル帰国から戻ってきたばかりのクライトンを中心に、首位のチームをアウェイで押し込む堂々たる戦いを繰り広げます。共に観戦していた友人もメリハリのある札幌のサッカー、とりわけ一発でのサイドチェンジに対し、湘南がどちらかと言えばこぢんまりとした中央突破に偏ったサッカーであることと比較して賞賛の声を上げていました。それでもカウンター1発でキッチリ失点するあたりは札幌らしいと言えば札幌らしいのですが、湘南GK野澤のファインセーブがなければ前半のうちに追いついてもおかしくない展開。意地と意地がぶつかり合う好ゲームとなりました。
 そして後半はさらに札幌ノブリン、湘南ソリさんというこれまで数々の修羅場をくぐり抜けてきた監督同士の腕の見せ合いが加わります。まず後半頭からノブリンが岡本賢明に変えて中山元気を投入。3-5-2のフォーメーションにします。この形が奏功し、開始早々に宮澤がペナルティエリア内で倒されPKをゲット。このPKをクライトンが決めて同点に追いつくと、さらにその9分後には右サイドからの征也のクロスを逆サイドから突っ込んできた大伍が頭で決めて逆転に成功します。逆転された反町監督はすぐさま先制点を決めた以外は動きのあまり良くなかった中村祐也に替えて阿部吉朗を投入。逆転した後に再び4バックに戻した札幌に対し、さらにその9分後に左サイドバックの鈴木伸貴に替え、友人曰く「もともとFWだった」という島村毅を入れて今度は湘南が3-5-2にシフトチェンジ。アジエルを少し下げた位置にしてよりボールタッチの機会を増やそうという狙いだったのでしょうが、その通りキープ力の高いアジエルに翻弄され、また疲労もあってか徐々に中盤でのプレッシャーもかからなくなってきます。もしこの試合でダニルソンが出場停止じゃなければ、ここでアジエルを封じることが出来ていたかも知れませんが、それもたらればの話。後半38分、下げられたラインに対して上げられたロングボールはいったん西嶋がクリアしますが、そのこぼれ球をダイレクトに阿部に叩き込まれ同点。この失点で集中の糸が切れたか、そのわずか4分後にはアジエルからのスルーパスをセンターバックの間に抜け出された猪狩に決められあっという間に逆転を許してしまいました。第1クールでの中村祐也に引き続き、一緒に観戦した友人と同じ中学校出身という平塚生まれの猪狩にプロ初ゴールを献上。友人とあれこれ雑談する中で、自分が「札幌って残り30分の失点が多いんだよ。このままでは終わらないと思うよ」、「札幌はプロ初ゴール献上することが多いんだよね…」、「札幌はセンターバックの間が弱点」などということを言っていたのですが、何も全部証明してくれなくてもいいのに
 その後、ノブリンが上原を投入して最後のあがきに出ますが、何でもないロングボールでぽこぽこ失点するようなプロチームなんてないですよね普通。いたら見てみたいものですよ。4分間のアディショナルタイムでも見せ場自体は作ったものの、決めることが出来ず結局2-3で敗戦。試合そのものはガチンコのぶつかり合いでしたし、両監督の采配も含めて見応えのある試合だったと思いますが、さりとて札幌はいつもの悪いクセが出てしまったことが悔やまれます。わかっているのに毎度同じような形でやられる様は、スーパーマリオでもいっつも同じところでハンマーブロスに当たって死ぬのと同じような感じではありますが、フィジカル的な問題なのかメンタル的な問題なのか、あるいはその両方か、いずれにしてもこれを克服しない限りは昇格争いなんて言えるもんでもないと思いますので、なんとかなるもんであればなんとかしてもらいたいものです。

2009年6月30日

勝てない

2009年Jリーグディビジョン2第23節
コンサドーレ札幌 1-1 横浜FC
得点者:札幌/西嶋
     横浜FC/西嶋

 首位湘南ベルマーレとのアウェイ戦でいったんは逆転しながらも終盤の連続失点で再逆転され、上位浮上へのきっかけをつかみ損ねた札幌は、中2日のホームゲームで横浜FCと対戦しました。前節終了時点で17位とブービーに沈む横浜FCにきっちり勝利を収め、再び上位への足がかりを掴むべき試合でしたが、PKで先制されて追いつくのが精一杯。試合内容的に追いついただけでもよし、というような感じだったらこの結果もまだあきらめつくんですが、シュート19本を放っておきながらわずか1点止まり、しかも失点の原因となったPKも、まぁ若干厳しかったかなとは思いますけど、とはいえなんか以前も見たような「このボール誰クリアするの? お前? あいつ? それともあ・た・し?」というようなお見合い中にボールかっさらわれたのを慌てて追いかけて倒したんですから、レフェリーへの印象は最悪ですよね。レフェリーがドジっ子萌えな方なら「やっちゃった、てへっ☆」とか言っておけば見逃してくれたかも知れませんが、残念ながら岡部主審にはその属性はなかったみたいですし。非常にもったいない失点でした。いつもの残り30分からの失点はしなかったですけどね。そういう問題でもないですよね。横浜ベイスターズでいえば、川村丈夫が敗戦投手になりましたけどホームランは打たれませんでしたよ! という感じ。湘南シーレックスでコーチやってるそうですがお元気ですか川村くん。
 まぁどんなにディフェンスの強いチームだって失点するときはするもんですし、選手たちだって別に失点しようと思って守っているわけではないでしょうけど、札幌の場合は失点の仕方が残念すぎること、そしてそれがいつまで経っても治らないことは問題ですよね。現在ジュビロ磐田の監督を務めているヤンツーこと柳下正明監督が札幌の監督をしていた時に、あまりにも簡単に失点しまうことについて「殴られて初めて、あ、痛いんだ、と気づく」と表現していましたが、要するにその当時とあまり変わってないってこですよね。この日のスタメンの中でもヤンツー時代にはいなかった選手が半分以上を占めていますし、ヤンツーの後に監督を務めた三浦俊也監督時代も、J2の時はリーグ最少失点でしたがJ1ではあっけなく失点するシーンが目立っていました。「ロスタイム失点病」も少なくとも岡田武史監督時代から見られたことですし、この辺はもうもうほとんど伝統芸能と言っていいのかも知れません。もうここまで来たらむしろそれを逆利用するくらいの開き直りがあってもいいと思うんですよ。つまり、90分を5分くらいずつに分けて、どの時間帯で失点をするかサポーターにベットしてもらうと。名付けて「コンサドーレ失点ルーレット」。日本では私的ギャンブルは禁止なので、設備投資回収と天下り役員の給料分で利益が消えてるんじゃないかと思うくらい売れてないtotoに何パーセントか寺銭握らせれば、きっとチケットより大きな収入になると思います。

 まぁ冗談はさておき、65535歩譲って失点は仕方がないにしても、勝つためには当たり前の話ながら失った点以上にゴールを入れなければ勝てないわけで、そこを考えるとシュート19本で1点しか入らないというのはなんとかしないといけないですよね。一時期は1試合2点3点くらいは取れていたことを考えれば、コンサドーレの攻撃力がてんでだめってわけではないと思うんですが、とはいえ第15節のFC岐阜戦を最後に、2点以上取った試合が湘南ベルマーレ戦しかない上、その湘南戦でも1点はPKによるものというのはちょっと深刻ですね。完全に崩してもバーを叩いたり、シュートミスで入らなかったりと、なんだか最近はツキもないなぁと思います。もちろんシュートミスに関しては選手のスキルによるものもあるでしょうし、このサイトでも何度か書いたとおり「運も実力のうち」という意味では運のないということはそのまま実力がないから、と言えなくもないわけですけど、別に選手たちが(昔に比べて)サッカーを真面目にやってないようには見えない(自分から見て少なくともやる気がないとは思えない)ですから、もうちょっといいことがあってもいいような気もしないでもないんですけどね。最近絶好調なオレの運気を少し分けてあげたいです。何しろ今のオレは、応募した憶えのないプレゼント当選のメールが携帯メールにバンバン来るくらいツキまくっていますからね。

 あとは相変わらずな中山さんに加えて、最近は上原くんまでもが高機動型中山元気になりつつあるのがちょっと心配です。元気は確かにチームに必要な選手ですが、だからといって2人は必要ないと思います。

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