わたしの、最高の助っ人
2011年Jリーグディビジョン2第14節
コンサドーレ札幌 2-1 ファジアーノ岡山
得点者:札幌/近藤、魅惑の助っ人
岡山/金民友均
久しぶりに厚別に見に行きました。今回は別件での帰省だったため当初はまったく見に行く予定ではなかったんですけど、思いの外時間が出来たので急遽試合観戦を決定。去年は結局ホームゲームは見に行けなかったし、2009年は厚別ではなく室蘭、2008年もホームゲームに行けず、2007年が札幌ドームだったので、厚別に来るのは2006年以来実に5年ぶりです。
もともと予定してなかったために持ち株会の招待券も東京の自宅に置きっぱなしだったので、たまのホーム参りということでここは奮発してSS席を購入したのですが、厚別開幕戦という割にはスタンドの埋まり具合もまばら。同じ時間に札幌ドームで日本ハムファイターズの試合をやってたこともあるのでしょうが、それを差し引いてもお客さんは毎年順調に減る一方。アクセスのあまりよくない厚別はドームに比べて観客があまり入らないとはいえ、それでも6~7年くらい前までは開幕戦で10,000人以上は入ってたのですけど、今じゃ先着5,000人にもらえるローソンスペシャルデーオリジナルリストバンドがうっかり来場者全員プレゼントになりそうなくらいのレベルですからね。すっかり「ごく一般的なJ2チーム」になってしまったなぁという印象。
全然話は変わりますけど会場に着いたのはキックオフの30分くらい前だったので、「PEACEFUL」とかいうアイドルユニットがデビュー曲を披露してたことは後で知ったのですが、なにやら北海道からアイドルを誕生させようという「北海道アイドルプロジェクト」で選ばれたメンバーらしいですね。そういえば北海道出身のアイドルグループってあんま記憶にないですよね。モー娘。みたいにグループの中に北海道出身の子が多くいるという例はありますし、女性バンドならZONEとかホワイトベリーとかゴーバンズとかいますけど。沖本姉妹なんて憶えてる人少ないでしょうね。
さて、そんな中でも足繁くスタジアムに通うサポーターたちのためにも、アウェイで勝てないならせめてホームではいいところを見せて欲しいわけですが、サイドバックの日高、前節プロデビューを果たした櫛引が怪我で欠場。リアル三杉くんになりかけた山下に頼らざるを得ない情況で、ここんとこ毎年の流れである「開幕つまずき」に続く第2段階「怪我人続出」が早くも出始めているような感じです。ちなみに第3段階の「テコ入れ失敗」、最終段階である第4段階「昇格レース脱落」を経て「チーム内不協和音」の末期症状へ進化します。
そんなわけで今回は芳賀を1ボランチとする4-1-4-1にシステムを変更。ちょっとまだ荷が重かった三上の1トップをあきらめ、1トップに宮澤を起用。日高のポジションには高木純平が入り、空いたトップ下にはブルーノとアンドレジーニョを並べる形となりました。ところがメンツが足りないゆえの急造システムの割には、この宮澤・アンドレ・ブルーノのトライアングルはそこそこ機能します。宮澤もがっつり身体を張るのではなくシンプルにはたくタイプですが、それがブラジル人とリズムが合うのか、ヒールパスなどのトリッキーなプレイも割と繋がります。もう少し連携が煮詰められれば面白いことになりそうな感じ。キャンプでやってきたことは何だったんだろうかと思うくらいけっこうスムーズにボールが回り、中央でパスが通る分サイドも生きてきて、なんかあんまり札幌らしくないサッカーが繰り広げられます。
しかしいくら札幌っぽくないと言ってもやってるのはまごう事なき札幌であり、押し気味に試合を進めてもシュートを打つタイミングが遅れたり、打っても狙い澄ましたかのように枠を外れていったりでなかなか得点が入りません。単純なクロスなどでは岡山の最終ラインに立ちはだかるストヤノフは破れませんから、攻めにも工夫が必要ではあるんですけど、そもそもシュートは入らないというのでは相手がストヤノフだろうがガリガリ君だろうが得点は取れません。とりあえず相手FWのチアゴに手を焼きつつも札幌もゴールを許さず、前半は0-0かなーと思っていた前半40分、左サイドを突破した近藤が角度のないところから何の前触れもなく豪快に決め札幌が先制し、前半を1-0で折り返します。
なんだかんだ言ってリーグ4位タイの5失点と、そこそこ守備は堅い札幌。それでいながら下位をうろうろしてるのはひとえに点が取れないからなんですが、今日は点を取っちまったんだからもう大丈夫だぜーとか思ってたら、後半始まって早々の4分になんかさっくり破られて金民均にゴール隅に決められてしまい同点。全然大丈夫じゃなかったですね。さぁどうしよう。また点取らなきゃなんですけど、とにかく点の取れない札幌がどうやって点を取ろうかという話。まぁ前半はそこそこ前線機能してたし近藤か古田に代えて砂さん入れればなんとかなるかな~などと思ってら、ノブリンはサイドバックの純平を下げて三上を投入。ボランチの芳賀を右サイドバックに入れて1トップの宮澤をボランチに下げ、三上はトップに入りました。純平も怪我を押して出場していたみたいですから交代もしかたないですし、今いるメンバーで右サイドバック出来そうなのは芳賀くらいしかおらず、そうなるとボランチ出来るのが宮澤しかいなくなるのは確かですけど、宮澤のトップは機能していただけにもったいないというか、やっぱ適材適所だと思うんですよ。ほら、中華料理屋に入ったら厨房にいたのがインド人だったりしたら、別にダメじゃないけど困るじゃないですか。メイド喫茶に入ったら、出迎えてくれたのが還暦近い家政婦さんだったら、確かに間違ってはいないけど困るじゃないですか。
まぁそんなわけで宮澤が下がったことにより前線でのキープもおぼつかなくなり、62分にはアンドレを下げて砂さんを、76分には結局南極チアゴ大作戦を開始。74分には相手選手が退場し数的優位になったにも関わらず、むしろそれが相手を引かせる結果となり余計にゴールの予感がしません。なんかどうせだったらいっそのこと奈良くん入れて河合をボランチに上げ、宮澤1トップのままのほうがよかったんじゃないかと無責任なサポーターは思うわけですけど、さりとてどういう布陣であったとしてもやっぱり取るべき人が取らないとチームは乗っていかないのであり、果たして引き分けでの終了も頭がちらついた83分、その取るべき人が点を取りました。言うまでもなく、魅惑の助っ人オウン・ゴール選手。結局助っ人に頼るしかないのが今の札幌なわけですね。まぁこの魅惑の助っ人もあんまりあてになんないんですけど。
そんなわけでようやっと勝ち越した札幌。あとは残りの時間を逃げ切るだけだったんですけど、試合終了のホイッスルまであとわずかというところでブルーノが退場。この日の岡主審、カードの枚数こそ少ないものの出すときはためらいなく出していたので、前半の時点で1人くらい退場しそうだなと思っていて、案の定相手に退場者が出たところまでは想定内だったんですけど、最後の最後での退場は余計でしたね。まぁ一発で飛び込んで交わされて後追いで倒したんじゃ印象悪すぎなんで、あれじゃカードもらいますよね。せっかく出番もらったのに次節出場停止じゃ、ポジション定着もおぼつかないと思うんで、もう少しディフェンスのやり方を憶えて欲しいものです。