思い出の大宮
2012年Jリーグディビジョン1第8節
大宮アルディージャ 2-1 コンサドーレ札幌
得点者:札幌/高木
大宮/カルリーニョス、青木
良い子のみんな! 選手がえっちぃ本を買っている姿を目撃してもTwitterとかに書かずにそっとしておいてあげような!
いつ来るとも知れない初勝利を目指し、コンサドーレ札幌は大宮アルディージャの敵地・NACK5スタジアムに乗り込みました。世間はゴールデンウィーク初日、特にこれといってやることもないオレは、大宮まで6歳になる娘とサッカーを見に行くことに。私事ですが、1999年に新婚のカミさんと初めてコンサドーレ札幌の試合を観たのがここNACK5スタジアムです。当時はまだ「大宮公園サッカー場」という名称で、スタンドも簡素なもので、ゴール裏のチケット価格はなんと800円でした。あれから10年以上が経ち、娘と2人でサッカーを見に来るなんて当時からは想像も付かなかったのですが、娘はどうやらマエシュンと近藤がお気に入りのようです。見る目があるということにしておきましょう。
そんな思い出のスタジアムであるNACK5ですが、実はここに来るのはかなり久しぶり。2005年に大宮アルディージャがJ1昇格をしてからは唯一の対戦機会だった2008年も行けず、その前も2004年の9月の試合はなぜだったかは憶えてませんが行けなかったらしく、3月の試合はさいたまスタジアム(大雪の中、トニーニョがもんじゃのマネをして雪でボール台作って怒られた試合)でしたからね。で、2003年も8月の試合はどうやら休日出勤してたらしく…とするとアレか、最後に来たのって俺王様が復帰後初ゴール決めたあの試合以来なのか。何もかもが懐かしいですね。
ここまで間が空いたのはもちろん長いこと大宮と札幌のカテゴリが違ったからに他ならないのですけど、大宮は昇格以来昨季まで一度も1桁の順位でシーズンを終えたことがなく、天皇杯でのベスト4が最高成績という「キング・オブ・ジミー」なクラブですが、その代わりに一度も降格したこともありません。J1の勢力図なんて毎年のように変わるのに、どのチームが優勝してもほぼ毎年12位か13位で終えているというのは見事な安定感で、たいてい残留ラインのやや上になることから、「残留職人」とも呼ばれています。残留こそが目標の札幌から見ればなんともうらやましい限りですが、逆に言えば大宮並かそれより少しでも上に行ければ残留は堅いとも言えるわけで、そういう意味でもこの試合は大事な一戦となります。
川崎戦で先手必勝とばかりに先手を打ったはいいものの、先走りすぎて必勝とはならなかった反省を生かしてか、あるいは4月にしてはかなり暑かったことで体力の消耗を抑えたかったのか、前節よりはおとなしめな立ち上がり。しかし、高い位置でボールを奪ってからのハーフカウンターがメイン…というよりかは現状それくらいしか攻撃の手段がないコンサドーレにとっては、運動量を減らせばそのままチャンスそのものが減るということです。パスを繋ぐ攻撃もやってはいるのですが、パスを繋ぐというのは要するに「ボールを回すことで有効なスペースを作り出し、そのスペースを使う」ためのもの。パスしても相手の選手が一緒についてくればスペースは生まれませんし、スペースが出来てもそこを使えなければ意味がないわけです。そういった「有効な攻撃」の成功率の差があった感じですね。前半10分の1失点目なんて、右サイド(札幌側から見れば左サイド)で攻撃を作られて、サイドチェンジから左サイドの下平にフリーでボールが渡った時点で「あ、これまずいな」と思いましたものね。案の定、フリーでクロスを上げられ、センターバックの間に入ってきたカルリーニョスに頭で決められてしまいました。
その後、20分を過ぎたあたりから札幌も次第にチャンスを作れるようになってきます。27分には相手ペナルティエリア手前からの直接フリーキックのチャンスで、前くん(道産子)が絶妙なフリーキックを蹴りますが、GK北野(道産子)の好セーブに遭いゴールならず。その後も押し気味にチャンスを作り出しますが、最後の最後でミスが出てしまいます。それでも前半ロスタイム、左サイドでボールを受けたマエシュンがDF2人に囲まれながらもペナルティエリアでボールをキープし、出したパスを高木純平が丁寧に決めて同点に追いつきました。
前半のうちにスコアを五分に持ち込んだのはよかったのですが、前半の流れから言えば2点は取れていてもおかしくなかったんですよね。後半も立ち上がりからよく札幌が攻め込み、逆転のチャンスは何度もあり、決定的なものもあったのですが、どうしても1点が奪えません。逆に後半26分、札幌ゴール前に入ったクリアしようとしたDFが交錯してこぼれたボールをMF青木に拾われ、ゴール隅に決められてしまいました。
再び突き放されてしまった札幌は猛反撃を仕掛けます。しかしそれでもあと十数センチが届かない状態。チャンスは少なくともきっちり決める大宮、多くても決められない札幌、この辺がギリギリであってもJ1に居続けているチームとの差ということなんでしょうか。しかしあそこまで「シュートの飛んでった方向になぜかDFがいる」状態だと、オカルト的な何かを感じてしまいますよね。オカルト的なものといえば、「2点取ったら怪我するの法則」から、後半途中で純平が痛んだときはどうしようかと思ったのですが。大事に至らなかったようで何よりです。
そんなわけで、結局攻め込みながらも同点に追いつくことは出来ず、これで7連敗。なんかもうここまで来たら、「今年最初に札幌に負けたチーム」がどれだけm9(^Д^)プギャーされるのかと思うとすごい楽しくなってきますね(ナビスコカップではマリノスが既に札幌に負けていますが)。もとより「この戦力でのJ1残留」という無謀とも言える挑戦をしているのですから、これくらいどってことないです。「もう少しで勝てそうな気がする」まま負けてますから、もどかしい思いはありますけど、現状で選手が精一杯やってるのは伝わってきますので、やるだけやってダメだったらしょうがないなと。去年昇格を勝ち取った段階で、こちらも何があろうとJ1を精一杯楽しむと決めてますからね。