2025年04月一覧

勝たなきゃ意味がない

明治安田J2リーグ第11節(2025年4月25日・NACK5スタジアム)
RB大宮アルディージャ 1-0 北海道コンサドーレ札幌

「昇格」を目標にしていると言いつつ、勝ったり負けたりの不安定な戦いから脱することのできていない札幌は、逆に安定した戦いぶりで昇格圏内につける大宮とアウェイで対戦。0-1で敗戦となりました。これまでの試合に比べれば割とマシではありましたけど、もうそんな「惜しかったね」とか「次頑張ろうぜ」とか「この恨み晴らさでおくべきか」とか言ってられる状況じゃないんですよね。ゴール裏はいい感じに狂ってて楽しかったですけどね。

守備の面にしても、危機察知能力が異能レベルの宮澤さんがいたからなんとかなってたという印象のほうが強く、実際失点シーンもそうでしたけど、「ボールホルダーに詰めずに余裕を与える」悪癖は改善されないまま。攻撃だっていくつか惜しいシーンはありましたけど、全体的にスピード感はなく、せっかくいい位置で奪ってるのに、もたもたしてるうちに相手の帰陣を許すみたいなシーンも多かったです。いつも言ってることですが、こっちが主導権を握らないといけないのに、なんでか相手の出方をうかがってばかりの「泥棒を見て縄をなうサッカー」は直らないですよね。

もちろん相手もあることなので、毎試合何点も取れるとは限らないし、逆に毎試合無失点に抑えられるわけでもない。選手も決して手を抜いているわけではないと思うんですけど、そうかといって「何が何でも勝つんだ」という意識をいまいち感じにくいのも事実。この試合も、アディショナルタイムを入れて残り10分くらいの状況でゴニを入れてアマドゥさんと並べた上で、さらに家様も前線に上げる。1点負けてる状況ならやるべきことは一つなのに、なぜかサイドを取ってもすぐ後ろに戻して、逆サイドに振った後にやっぱり後ろに戻す…というのの繰り返し。

これは去年も似たような感じだったので、ひょっとしたら監督どうこうの話ではないのかも知れませんけど、残り時間わずかで2点取らなきゃ勝てない状況なのに、1点リードしてるみたいなプレイを選択し続ける選手を見ると、手を抜いているかどうかはともかく、「考えてプレイしているかどうか」については、疑問の余地が北大の敷地くらいあると思わないでもありません。

岩政監督自身は、たぶん現役時代からめっちゃ考えながらプレイしていたんだと思いますが、実際多くの選手はそこまでみんな考えてないんじゃないかと思うんですよね。「人間万事塞翁が馬」を知らなかった日本代表選手だっていたんですから。だから、監督が普段から言っている「選手がその場の状況に応じてプレイを選択する」ってのは、絵に描いた餅であり、ぼくの考える最強の超人でしかない気がします。

そのあたりに気づいてくれれば(というか、かつての岡田武史監督みたいに完全に割り切ることができれば)成績も出せる監督になれるような気はするんですけど、今のコンサドーレにその監督の成長を待つ余裕があるのかどうかは不明。

監督を変えるにせよ変えないにせよ、こうなってしまったからには、ここから自動昇格圏を狙うのはほぼ無理だと思うので、もう今年はプレーオフ進出できれば御の字、くらいのところまで目標レベルを下げるしかないでしょう。そもそも、シーズンもそろそろ3分の1が終わろうという状況で、J2ではトップクラスの人件費をかけておきながら、既に自動昇格圏の争いから早々に脱落している状況を、クラブはどう捉えているかは不明ですが。

ほとんど意向が反映されていない、しかも極端にバランスの悪い、プラレールで言えば曲線レールと微妙にかみ合わない1/4直線レールしかないみたいな戦力を任されてしまった監督も気の毒ではありますが、よしんばプレーオフ進出できたとしても、こういう安定しないサッカーでプレーオフとかいう魔空空間で勝ち抜くのは至難の業だと思うのですよね。

こんな感じのまま今年は過ごさないといけないのかなぁと思うと、モヤモヤはしますよね。いっそ「昇格しなくてもいいじゃないか」と思ってたほうが健康的なのかも知れません。