2025年05月一覧

特に改善はない

明治安田J2リーグ第12節(2025年4月29日・大和ハウスプレミストドーム)
北海道コンサドーレ札幌 2-2 V・ファーレン長崎

前節RB大宮アルディージャに完封負けを食らい、GW連戦の初戦を落とした北海道コンサドーレ札幌は、中2日でV・ファーレン長崎をプレミストドームに迎えての一戦となりました。ホームでは連勝中ということで、この試合も「ホーム3連勝をかけて」という文句で士気を煽っていましたが、確かにホームではここ2戦勝っているものの、アウェイではきっちり連敗してるので、ものは言い様だなぁと思わないでもありません。

相手の長崎は、2018年の降格以来毎年昇格候補に挙げられながら、惜しいところまでは行くけど昇格できないシーズンが続き、昨季も年間3位となりながらも、昇格プレーオフでベガルタ仙台に不覚を取り、苦汁を舐めています。今年は元日本代表山口蛍らを補強し、開幕から好調を維持していたものの、その山口蛍の負傷離脱に伴い一気に失速。試合前時点で4勝4敗3分の10位にまで交代しています。

キーマンが欠けると苦戦を強いられるというのは、こちらから見れば助っ人も含めてだいぶ恵まれた陣容に見える長崎すら例外ではないのでしょうが、札幌の場合キーマンが欠けているというよりは、ぶっちゃけキーマンが誰なのかもあんまよくわからない、全盛期の笑点でいえばピンクの人しか残ってないような感じではあるので、悩みの質としてはちょっと違うような気がします。

この試合でしばらく怪我による離脱をしていたレオさんこと大﨑玲央がスタメン出場。荒野パイセンもリーグ戦では開幕の大分戦以来のスタメンとなりました。ようやく普通の布陣になったかと思いきや、大宮戦を発熱で欠場したりょーちんはベンチスタート…は仕方ないとしても、アマドゥさんまでがベンチスタートで、前節スタメンだったチェックと宮澤さんがベンチにもいません。日程も詰まってますし、なんちゃらとかいう怪我防止システムが「コノヒトタチハヤスマセタホウガイイヨ」って井澤詩織声で言った上でのスタメン変更であればいいのですけどね。去年はそれを無視しまくった挙げ句、当たり前のように怪我人続出してたらしいので。

で、やはりレオさんとパイセンが中盤にいるのは大きいのか、守備でも攻撃でも、やりたいことがわかる感じ。問題は、欲を言えばこれを3節くらいで見せてもらえばよかったというのと、それで点が取れるとは限らないということ、おまけに中盤までの守備は整備されたとしても、ゴール近くになると途端に腰が引ける悪癖は直ってないままということ。

案の定、相手を押し込んで何度もゴールに迫るも打つシュート打つシュート狙い澄ましたように相手選手に当て続け、ゴールを割れないうちに前半38分、いつものようにセットされた状態からのユルユルディフェンスを突かれて失点。2戦連続でブラインドからシュートを打たれた小次郎も気の毒ですが、このシュートはできれば止めてほしかった感もありつつ、0-1で前半終了。

イケイケの時間帯ではオラオラするのに、失点するととたんにスン…となるのもいつもの通り。バランス取りとボール散らしをやっていた引率のレオさんが下がったこともあってか、普通にやれていた前半とは打って変わって、またいつもの行き当たりばったりサッカーに戻ってしまいます。

ほんでもってそれに伴い守備もバラバラ、後半6分にはいつものなんとなくプレスを順番に剥がされ、サイドに家様がつり出されたところでクロスを上げられ、マテウスジェズスにマーカーごと弾き飛ばすゴールを頭で決められ0-2。早くも追い詰められた岩政監督は、その10分後にキムゴンヒを入れて、後半頭から入ったアマドゥさんとともにツインタワーとしました。

こうすると思ったのに…

にもかかわらず、前半あれだけ精一杯飛んだハッセの頭を無情にも通り越すような無体なクロスを入れてたのに、上背のある選手を並べた途端に今度はクロスを入れずにコネコネし出した挙げ句に、クロスを入れてもなぜかグラウンダーばかりというあまのじゃく。なんなんですか。

多少タイミングが悪くても中に放り込めば何かしら起こる可能性はあるし、実際サイドからのクロスがこぼれてきたところをドゥーくんが蹴り込んで1点を返したのに、それをしつこく狙おうとすることもしない。まだ残り時間もあったので、早めに追いつけば長崎も焦って逆転できる可能性もあったのに、それでも相変わらずのコネコネサッカー。クロスを上げたら黒ひげが飛び出すルールでもあるんでしょうか。

アディショナルタイムにこぼれてきたボールをドゥーくんが半ば無理矢理折り返したところに、交代出場の原康介くんが詰めて同点に追いついたものの、最後もりょーちんがシンプルにクロスを入れずに、なぜか縦に中村桐耶を走らそうとしてゴールラインを割ったところで試合終了。うーん。

決して選手が手を抜いているなんて思いませんけど、一方で泥をすすってでも勝とうという気概が感じられないのも事実。「自分たちでやるべきことを考えてプレイする」ってのは理想ですけど、それができないなら…っていうか、去年からずっとこんな感じなんですから、こういうシチュエーションになった場合のやるべきことを、事前にちゃんと指示として与えてなきゃダメなんじゃないでしょうかねぇ。