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2002年6月 アーカイブ

2002年6月 3日

さらば哲二と言おう

 岡田武史前監督の契約満了を受けて今季コンサドーレ札幌の監督に就任したものの、リーグ戦とカップ戦を合わせて13試合を戦い2勝9敗2分で10得点25失点、リーグでもカップでも最下位という結果もさることながら、涙すら枯れ果てる残念な試合内容に終始し、サポーターを解任派、擁護派、無視派、尊皇攘夷派に分けての論争を巻き起こしていた柱谷哲二監督の解任が、本日クラブより正式に発表されました。
 それはまぁいいのですが、ナビスコカップも終わって3週間以上が経ち、新助っ人ジャディの入団も発表され、チームの練習もまさに始まろうかという時期に来ての突然の解任発表には、正直疑問符が付きます。もちろんHFC的には我々には伺い知ることの出来ない事情や思惑があったのかもしれませんので、その辺りを知らないオレがあれこれ言うことは出来ないのですけど、とりあえずお陰で「コンサイズム」の原稿を書き直すハメになりました

 で、気になる後任ですが、クラブからのリリースによると張外龍コーチが監督代行として昇格するようです。泉谷しげるな容貌が魅力の張さんは、監督としてはヴェルディ川崎(現東京ヴェルディ1969)監督時代の「影武者李国秀」という印象が強いかと思われますが、鳥栖フューチャーズ(現サガン鳥栖)や大宇ロイヤルズ(現釜山アイコンス)でも監督代行を務めた経験があり、むしろ生まれながらの監督代行と言えるかもしれません。
 昨季から札幌のコーチを務め、主に若手選手の面倒を見てきた張さんなら選手の特徴も把握済みでしょうし、また外部から監督を呼んで最初からやり直すよりはずっといいんじゃないかと思います。

 それにしても、いざ解任が現実となるとあっけないものですね。意外とあっけなかったという点ではビグ・ザムにも勝るとも劣らないといった感じです。そういえば、ドズル中将もモビルスーツを相手にマシンガンで挑むという無駄なあがきを見せてあっけなく霧散してましたけど
 とはいえ、哲二監督がいなくなったからといって、これで全てが好転するかと言われれば必ずしもそうではありません。改めて言わずとも皆さんも充分おわかりかと思いますが、むしろこれからが大変でしょう。我々の望みは哲二氏解任ではなくあくまで「J1残留」です。そのための手段を一つ使ったに過ぎません。クラブがロブとマクさんの契約を解除して新助っ人を獲得し、さらには監督も解任という手を打った以上、我々も今まで以上にチームを支えていかなければいけないと思います。

 荒れきった畑を再び耕すほうが大変ですからね。

2002年6月 5日

元気が出る雑誌

 日本対ベルギーの試合は稲本の逆転ゴールからしか見てないのでなんとも言えないんですが、試合終了後のインタビューで1点目を挙げた鈴木隆行の顔つきががらりと変わっていたのが印象に残りました。いつもは何となく眼に力がないような感じだったのが、引き締まったいい表情をしていました。彼はこの大会でブレイクするかも知れませんね。
 また、我が敬愛するリバウド師匠(同い年で同じ左利きというだけで)がトルコ戦での演技で出場停止の可能性もあるそうです。FIFAもわかってないなぁ。ボールをぶつけられたのは足だったはずなのに顔を押さえてうめくなんざ、誰がどう見たって単なる達川のマネじゃないですか。

 さてそれはさておき、先日ここで書いたとおり、ワールドカップ真っ盛りの現在、サッカー・スポーツ系の雑誌に限らずいろいろな雑誌がサッカーの話題を取り上げています。ただ、日本が初出場した98年のフランス大会の時もそうでしたが、そういう雑誌の記事って「これを読めばサッカー通」というようなかなり怪しげなタイトルの記事も多いですよね。今日会社に行くときの電車で、まさに「これを読めば即席サッカー通」というような「週刊朝日」の中吊り広告を見つけました。
 「週刊朝日」はその名の通り、刊行しているのは新聞業界の左の大将・朝日新聞。ワールドカップのオフィシャルスポンサーでもあり、「33歳で初代表となった高校時代のチームメイトを新聞で見つけるサラリーマン」のテレビCMを流している会社です。日本リーグ時代ならともかくプロサッカーがある昨今、代表に選ばれるほどの選手を昔サッカーをやっていたような人が新聞に載るまで知らないわけがないと思うんですが。
 ちょっと話が逸れましたが、その朝日新聞の雑誌は先日紹介した集英社の「週刊プレイボーイ」よりも高めの年齢層をターゲットにしています。もっとも、この「週刊朝日」はさすがに天下の朝日新聞社らしく、女性タレントの水着やヌードグラビアなどのエロ記事はなく、「おっさん雑誌」ではなく純粋な「おじさん雑誌」と言ったところです。何が純粋なのかはわかりませんが。
 しかしそんな週刊朝日ですら世間の流れには逆らえないのか、ワールドカップの特集をトップに持ってきています。もちろん、世界的イベントであるワールドカップを見るのはサッカーファンだけではありませんし、そういった雑誌の主読者層には「サッカーファン以外の人」も含まれているわけですから、そんな人たちがワールドカップを見るに当たってある程度の「予備知識」が必要になってくるとは思うんですが、たった数ペイジの記事を読んでサッカー通になれるくらいなら、今頃哲二さんのクビは飛んでなかったと思うんですけどね。

 とはいえ、見もせずにあれこれ言うわけにもいきませんし、そもそも自分自身もそれほどサッカーに詳しいわけではありません。ですから、そんなオレだってサッカー通になって、「フラットスリーがダブルボランチだからここはポストプレーをオフサイドしてコザックで決まりだね」とか訳知り顔して言ってみたいので、早速その雑誌を買って読んでみました。で、そのサッカー通養成講座、タイトルもズバリ「これであなたも即席サッカーおやじ」。伝授してくれるのは、あのカトリーヌあやこさんだ!

 誰?

 読む前からなんだか不安になってしまいますが、気になるその内容はいきなりフラット3の説明から始まり、「ライン」「オフサイド」「プレス」など専門用語の連発。「フラット3は4バックより攻撃的」と断言しているのはご愛敬として、どこがどう攻撃的なのかは説明ナシ。文字数の都合もあるでしょうけど、通になりたい初心者オヤジは最初から完全放置されます。その後は戸田の紹介で「過去にしつこい当たりでピクシー(ストイコビッチ)を完全にキレさせた実績のある男」と書いていますが、ピクシーが何者なのかの説明はやはりナシ。しかもそれってデビュー当時の稲本とごっちゃにしてるんではないかという気もしますし、そもそもピクシーがキレるのは珍しくもなんともないと思うんですが。
 あとは鈴木隆行について「アフリカに強いのでチュニジア戦には期待できる」と書かれていたのはいいとして、ロシア戦でのキープレイヤーとして川口能活の名を挙げています。曰く、「『ヨシカツは8月15日生まれなんだ』といえばもう、サッカー通どころか、あなたは立派な日本代表おたくです」ということらしいです。
 多少なりともサッカーを見ているオレにもなぜオタクなのかさっぱりわからないのですが、後に続くのは「つまり、ヨシカツこそ日露戦争には欠かせない男。」

 8月15日は太平洋戦争だと思いますが。つうか終戦記念日だし。

 もう、フォント操作だらけで見苦しいのが申し訳ないのですが、それくらいつっこみどころがありすぎです。日韓の歴史問題にこだわる朝日新聞社の方は誰も止めなかったのでしょうか。ちなみに余談になりますが、川口の所属しているポーツマスは日露戦争のポーツマス条約とは全然関係ありません(ポーツマス条約が調印されたのはアメリカのニューハンプシャー州にあるポーツマス)。
 まぁ、「他人に自分を少しでもかっこよく見せたい」と思うのは人間の性ですが、どっちかというとこのコラムで得た知識を飲み屋などでお姉ちゃん相手に披露したら、子供へのクリスマスプレゼントにファミコンを頼まれてメガドライブを買ってきたときのようなことになると思いますので、週刊朝日の愛読者のおじさんは努々お気をつけ下さい。

2002年6月 7日

ジャディウソン合流

 窮地を救うべくブラジルのグアラニFCからやってきた新助っ人・ジャディウソンが先日来日し、昨日から早速チームの練習に合流したそうです。先日Webから拾ってきた彼の顔写真を見て「宇宙人」と形容しましたが、各道内メディアに掲載されていた前身写真などを見ると、実際のジャディウソンはMJ12に両手を捕まれるのがよく似合いそうな感じです。
 最下位で監督が交代したばかりという難しい状況の中、救世主としての活躍を期待される彼ですが、チームメイトからは早速「ジャジィ」というニックネームを付けられたそうです。本人は「ブラジルの人気テレビドラマに出てくる役の名前と同じで気に入っている」そうです。日本で言えば「イソップ」と呼ばれるようなものでしょうか。スポォツニッポンの道内版では「札幌のユニホームに誇りを持って戦う。巻き返しに貢献したい」となかなかサポーター心をくすぐるコメントが載っていたジャジィですが、石栗フィジカルコーチもジャジィの身体にはかなり感心したご様子で、「脂肪が少ない。チーム練習まで長くかからないと思う」と、思わずロシア産ブラジル人への当てつけのようなセリフを漏らしてしまっています。
 ところで今更の話になりますが、ジャジィの入団を伝えるクラブからのオフィシャルリリースでは、「ジャディウソン選手コンサドーレ札幌に新加入内定のお知らせ」となっていました。レンタル移籍ならば「期限付き移籍加入」の文字が入っているはずですが、今回そのいつも見慣れた語句が付いていなかったと言うことは、もしかしたらHFCは思い切って買っちゃったのでしょうか。
 まぁ小山統括部長が直々にその目で見て選んできた選手ですから(だから犬なんでしょうね)相当ジャジィの活躍には自信を持っているのでしょうし、新聞のコメントからもその自信のほどが伺えますが、いずれにしても、クラブの「カケ」が吉と出ることを望みます。とりあえず、オレにとってはジャジィにオモシロ人間の香りがぷんぷんするので、再開後のJリーグが今から楽しみです。

2002年6月10日

現金なヤツら

 一昨日行われた道都大学との練習試合の結果は、6-0という圧勝に終わりました。オフィシャルサイトによると、得点者はオグ2点、山瀬、新居、曽田、今野となっています。相手は大学生とはいえ、ついこの間まではその大学生(札幌大学)を相手にすら1点も獲れずに負けていたコンサドーレが、柱谷哲二前監督が解任されてから初のテストマッチでいきなり今季最多得点で快勝。なんてわかりやすい人たちでしょうか。なお、ジャジィことジャディウソンはこの日のテストマッチには参加せず、これからチームメイトとなる選手を見学していたとのこと。
 そのジャジィですが、どうやら北海道名物であるジンギスカンをお気に召したご様子。羊肉というのは独特の臭みがあるためにダメな人はほんとにダメなものなのですが、「ジンギスカンがおいしかった」と言っていたそうです。続けて「母星の『ヌダモジュヤ』という料理に似てるんだ」という発言があったそうなのですが、それは通訳のウリセスに握りつぶされた模様です。

 さて、話は変わりますが日本代表の初勝利、素直におめでとうございます。モストボイの欠場やホームの利などのプラス要素が影響したのはもちろんありますが、それでも勝ちは勝ち。ワールドカップの歴史上、ホームアドバンテージを利用して優勝した開催国だって多いのですから、誇りこそすれそれを蔑む必要は何らありません。
 それにしてもよく勝てたものです。モストボイやカルピン、オノプコらの国外組を除けば、ロシア代表のメンバーは大半がスパルタク・モスクワの選手で構成されています。スパルタク・モスクワといえば、あのロブがいた(もう戻ったんでしょうか)チーム。北のくにから哀をこめてのたぐさんのおっしゃっているように、「ロブソンですら活躍できるリーグの代表」とも言えますが、逆に言えばスパルタクの監督も兼任するロマンツェフ・ロシア代表監督はそのロブすら生かすことが出来る名将という見方も出来ますし、スパルタク所属のティトフなどはそのロブにすら点を獲らせていた選手という見方も出来るわけです。まぁ、終わってみればすべては杞憂だったわけですが。

 ところで、昨日の試合はスカパー!で観戦していたのですが、今更ながらスカパー!の映像って、いったん宇宙まで行っているせいなのか地上波での放送より若干のタイムラグがあるんですね。まぁ普段ならばまったく問題はないんですが、今回は何しろ全国の人たちも見るワールドカップ。隣のうちも観戦していたようです。オレの住んでいるアパートはぼろい上に、昨晩も暑くてお互い窓を開けていましたから、家族揃って大変盛り上がっているらしき声が聞こえてきます。それだけならもちろん何の問題もないのですが、どうやら隣は地上波で見ているようなんです。こっちはスカパー!、あっち地上波。

 盛り上がられちゃうんですよ。こっちより先に。

 稲本の先制ゴールの時だって柳沢がポストで落とした辺りで隣の大歓声が聞こえてきて、決まったのがわかっちゃっいまして。オレも地上波にしてしまえばよかったのですが、スカパー!の実況・倉敷保雄、解説・原博実というオレの中でのゴールデンコンビをむざむざ捨てるわけにもいかないので、とりあえず暑いのは我慢して家の窓を閉め切ってみました。しかし、こういうのはいったん気になるとどうにも気になってしょうがないものですし、何より隣の盛り上がり方が尋常じゃありません。その後も日本のチャンス、ロシアのチャンスともども隣の盛り上がり方でその結果がわかるという有様で、オレんちだけ置いてけぼり。
 もちろん隣の家族には何の罪もないのですが、スタープラチナ・ザ・ワールドをかけられたらこんな感じなのかなぁとしみじみ思いました。

 あとリンク2件追加。コンサおじさんのCONSANOVA TIMEと、くまちゃんさんのフジ君と今ちゃんで遊ぶページです。

2002年6月13日

東欧からの使者

 柱谷哲二前監督が解任されてから10日経った今日13日、噂に上っていた新監督とコーチ、そして新助っ人の獲得が発表されました。監督はラドミロ・イバンチェビッチ氏、コーチがミオドラグ・ボージョビッチ氏、そしてFWがスルジャン・バーヤック選手という顔ぶれで、噂通り3人ともユーゴスラビア国籍です。
 クラブからのリリースによると、イバンチェビッチ監督はスペインリーグ2部のレアル・オビエドというチームでコーディネイターをやっていたということです。レアル・オビエドは先日ワールドカップで日本代表と対戦したロシア代表のキャプテン・オノプコのいるチーム。リーグ・カップとも優勝経験はなく、2部と1部を行ったり来たりというどっかに非常によく似たチームで、日本人的には「城にゴールを許したスペイン唯一のチーム」と言えばわかりやすいでしょうか。札幌とのつながりとしては、97~98年に在籍していたデリーバルデスの双子の弟であるフリオセサール・デリーバルデスがいたことがあります。「カミさんの親戚の友人」くらいの無理矢理な関係ですけど。

 さて、道新スポォツには「1991年から2年間クウェート五輪代表監督を務めた」とありますが、何しろ外国人の経歴についてはロブソンという前科があるため100%は信用できません。というわけで、いつものごとく必殺「教えて! Google」攻撃をかましてみたのですが、ヨーロッパでもマイナーなのかあまりヒットせず、ヒットしたところでスペイン語はほとんどわかんないので大した情報は得られませんでした。その数少ない情報の中に、Pobladoresというサイトのオビエドの紹介がありました。いつの時点の情報なのかはちょっと不明なのですが、それによるとRadmilo Ivancevicの肩書きはEntrenador de porteros。…ってこれ、ゴールキーパーコーチじゃん。確かにイバンチェビッチ監督の選手時代はポルテーロ、つまりゴールキーパーだったようですが。
 じゃあコーディネイターってのはいったいどこから出てきた情報じゃい、と思ってもう少し調べを続けてみると、La Nueva Espanaというサイトの2001年7月13日の記事にそれらしきことが書いてありました。スペイン語をいったん英語に訳して日本語にしたものですからもしかしたら全然違うかもしれませんが、新監督のオビエド時代のコーディネイターというのは、どうやらまんま張コーチみたいな役割だったようです。とはいえ、監督経験が全くないわけではないようで、イバンチェビッチ監督は1998/99シーズンにトルコのサカリヤスポルの監督を務めているらしき記述を見つけました。

 唯一気になるのは、そのシーズンサカリヤスポルは2部降格していることなんですけどね。

 そしてボージョビッチコーチ。名前を聞いて「おや?」と思われた方もいるかもしれませんが、その通りコンサドーレにとっては忘れようにも忘れらない1998年シーズンのアビスパ福岡にいたボージョビッチです。1stステージ途中から福岡に入団した選手で、同年の8月5日には厚別での札幌との試合にも出場しています。この年のアビスパ福岡がドラマティックなJ1残留劇を見せたのは日本サッカー界の横綱電波ライター・金子達仁氏のドキュメントで有名ですが、ボージョビッチ自身は速攻でケガをしていつの間にか消えていたので、彼は神を見ておりません。
 コーチとしての実力はわかりませんが、日本には半年くらいしかいなかったとはいえ当時福岡にいた森くんとも旧知の仲でしょうから、まぁ割と納得できる人選なんじゃないでしょうか。

 最後にバーヤックですが、この選手に関してはほんとにもう情報がありません。所属元のパルチザン・ベオグラードは、ユーゴスラビアではピクシーのいたレッドスター・ベオグラードと並ぶ強豪クラブで、昨シーズンはリーグ優勝を果たしたクラブなのですが、彼自身はレンタルでの放浪生活を続けていたようです。2001/02シーズンはユーゴスラビア2部リーグで(2チームにまたがって)20得点を挙げ、これは得点ランキング2位の数字であることはわかったのですが、Baljakで検索してもヤンコさんとかアレクサンダーさんとかの別人がわんさか出てくる有様。当然どんな選手なのかはまったく不明なのですが、とりあえずWebに画像が転がっていたので無断転載。


バーヤック選手

 どこの川谷拓三さんですか?

2002年6月16日

リスタート

 ドイツ対パラグアイはオモロかったですね。試合後に両チームのキャプテンが肩を抱き合って互いの労をねぎらっている姿は、決闘後のネアンデルタール人を見ているようでほほえましかったです。

 さて、前回触れたイバンチェビッチ新監督の話題なんですが、そこここでの経歴を見ると、サカリヤスポルの監督を務めたことはないみたいですね。まぁ別人なのかもしれませんが、それにしても紛らわしい。
 というわけでそんなイバンチェビッチ監督の就任後初となった横浜FCとの練習試合は0-2で負けた模様。先日は道都大学に6点獲りましたが、札幌から移動してすぐの試合というのもあったでしょうし、さすがにJ2とはいえプロチームが相手だとごまかしは利かなかった模様。なお、合流したてのバーヤックは出場しなかったようです。
 まぁ今回のテストマッチは選手見極めと現状での問題点の洗い出し、いわば新監督の「御前試合」的な意味合いが強かったでしょうから、これから1ヶ月かけて再構築していけば大丈夫だと思います。

 ただ、イバンチェが「このチームをオレにどうしろと?」とか言ってなければいいんですけどね。

2002年6月19日

暗中模索

 日本代表が決勝トーナメント1回戦でトルコに敗北し、とりあえずは異常なまでの「日本代表フィーバー」が収束に向かいつつある中、現在御殿場でひっそりと合宿中のコンサドーレは、本日JFLの本田技研との練習試合に臨みました。結果から言えば0-1。相手の本田技研はJFLではありますが、それは単に本田技研がプロ化を考えてないためにJFLに留まり続けているだけのことで、実力はあるが表舞台には出てこない、いわばちあきなおみ的チームです。事実、2000年は横浜FCに次ぐ2位、2001年JFL優勝、今年も開幕から5連勝で首位を突っ走っており、アマチュアクラブとはいえJ2中位程度の実力は持っていると言われています。
 しかしそうはいっても、横浜FCとの試合に続いて2戦連続無得点というのはさすがに大丈夫なんだろうかという気はしますね。なかなか勝てずに自信を失い、自信がないから消極的なプレイを繰り返し、そして勝てずにまた自信を失うという、いわゆる「負のスパイラル」に陥ってしまっているんでしょうか。たかがテストマッチ、と割り切ってくれるといいのですが。

 まぁイバンチェが就任してまだ1週間も経っておらず、ジャジィやバーヤックもまだ合流して日が浅いですから、そうそうすぐにうまく行くはずはないと思いますが、外科手術をして病巣を取り除いたはいいけど、転移がヒドくて手遅れでしたというのじゃないことを祈ります。イバンチェがスーパードクターかゴッドハンドであってくれるといいのですが。

2002年6月22日

五里霧中

 コンサドーレの御殿場キャンプも最終日。イバンチェビッチ監督が就任し、チーム作りは順調なのか? 新助っ人のジャディウソン、バーヤックはどれほどのものなのか? 彼らが合流して果たしてチームはどれだけ変わったのか? などなどいろいろと気になることは多いのですが、いずれにしても実際に見てみないことにはなんとも言えません。というわけで、本日川崎フロンターレとの練習試合が予定されているということで、ゴール裏メイトの車に便乗させてもらって御殿場まで行って参りました。
 御殿場に着いたのがキックオフ40分ほど前。お互い勝敗は度外視のテストマッチですし、相手の川崎は黄川田賢司や伊藤優津樹らの元札幌選手が在籍しているチームですから、お互いのチームを立てるために「札幌のジャージを着て首からは川崎のタオルマフラー」というイタい出で立ちでグラウンド脇を歩いていると、突然グラウンドの中からオレに向かって「おはようございます」という声が。一般人立ち入り禁止のハズのグラウンドの「中」から?

 声の主は川崎の石崎監督でした。直々にお声をいただけるとは本当にいい人ですノブリン。つうかコンサドーレサポーターですいません。コウモリさんといいますか、むしろあしゅら男爵です。

 札幌がキャンプを行っている時之栖には、宮の沢のグラウンドのようにレストランに隣接したスタンド付きの(といっても芝生席でベンチはありませんが)メインのグラウンドがあるのですが、そこは現在芝の張り替え作業中ということで、試合はもう少し山の中に入ったところにある、四方をネットで囲まれているだけのただのグラウンドで行われました。もちろんグラウンドは一般人は立ち入り禁止で、久しぶりに再会したゴール裏メイトを始めとした観客はネットの外から中を見ていたわけですが、キックオフ近くなってくると一見して札幌の関係者でも川崎の関係者でもない紺色のジャージを着た人たちが続々と中に入って行きます。どっかで見たような顔だなぁ…って、よく見なくたってバロンじゃん。ツビタノビッチもいるし。
 そう、同じ時の栖でキャンプ中の清水エスパルスの皆さんです。続いて澤登やゼムノビッチ監督、バビチ・ブランココーチもやってきて、ネットを隔てて我々の前に清水の一団が腰を下ろしました。
 今年のJ1リーグではまだ札幌と対戦していない清水が、監督が代わった札幌の様子を偵察しに来たのでしょう。清水の監督コーチ選手たちは、鋭い視線をピッチに投げかけ…ることなくすっかりリラックス観戦ムード。中には御殿場名物ブルーベリーヨーグルト喰ってるヤツもいるし。何しに来たんですかあなた達は。

 そんなこんなで試合は始まりましたが、やはりというかなんというかいまいちぴりっとしない内容。どのくらいぴりっとしないかというと、お集まり頂いた清水の皆さんが、開始20分ほどで澤登ら5人が退散し、前半が終了するとさらに半分くらいが消えたほど。
 後半はバーヤックがどフリーでダイレクトシュートを狙いすましてボテボテのゴロを打ったり、フリーキックを蹴った板長がボールを蹴るやいなや「ゴメン!」と叫ぶ(そしてボールはあさっての方向へ)などネタ的には笑えるシーンは続出しましたが、選手入れ替えモードだったこともあり、細かいミスの目立つ大味な展開に。後半途中からはようやく「King of Sapporo」新居も出場しましたが、何しろボールが回ってこないのではどうしようもありません。後半35分くらいにゴール前でのクリアミスをかっさらわれて伊藤宏樹にゴールを決められ、そのまま0-1でタイムアップ。

 というわけで新助っ人の2人ですが、まずジャジィは「当たり」。彼のドリブルはちょっとやそっとでは止められず、セットプレイでも精度の高いキックを見せていました。ただ、自陣の危険なエリアでもいきなりドリブルを始める辺りは、「シャア専用平間」という感じ。バーヤックについてはまだフィットしてないのか、似たようなタイプのオグと併用しているせいか、いまいち存在感が感じられず。ちょっと評価は保留したいところです。
 全体の印象としては、これまでと比べて守備に関しては若干の改善が見られるものの、攻撃のほうはいまいち。イバンチェが来てから一週間では無理もありませんが、まだパターンが出来ていないようです。ボランチに入った山瀬はまだ動きをよくわかっていないのか消えている時間が長く、現時点ではジャジィのドリブル突破だけが「何かが起こりそうな予感」をさせる程度で、時間はもう少しかかりそうな感じです。
 まぁいずれにしても御殿場合宿は今日で終わり、TBSで素人っぽさを全国のお茶の間にアッピールした山瀬を除いてチームは北海道に帰りました。Jリーグ再開まであと3週間。何とかチーム状態が上向くといいですね。

2002年6月27日

ちょっとだけ光明?

 昨日行われた道都大学との練習試合は8-0で大勝したそうです。ここのところJ2、JFLのチームとの練習試合では3試合無得点が続いていましたが、この日はバーヤックが4得点と爆発したのを始め、ジャジィことジャディウソンも1得点と大学生を相手にとりあえず鬱憤晴らしを敢行。なんとなくのび太の「大人になったらガキ大将になる」という宣言を思い出しました。
 とはいえ、道都大学には柱谷哲二前監督解任直後(つまりイバンチェビッチ監督就任前)の練習試合でも6-0で勝っていますから「イバンチェ効果」が現れているのかどうかはわからないのですが、新戦力もフィットし始めているようなのは好材料でしょうか。とりあえず、今週土曜日に予定されている「俺王様と新・愉快な下僕たち」とのテストマッチの内容如何で現在のチーム状況がわかることでしょう。

 そんなイバンチェですが、新聞報道によると「1000のトレーニング方法」で練習を行っているそうです。千と言えばマスカラス、万といえばドスカラスですが、岡田武史元監督も監督としての苦労に「いかに飽きさせずに練習をさせるか」ということを挙げていたように、ともすれば単調になりがちな基本練習やフィジカルトレーニングは選手に飽きや慣れが来やすく、そうなってくると充分な効果が望めない場合が多々あります。そういった対策として、イバンチェビッチ監督は同じ目的の練習でも異なったやり方を執ることにしているようで、次々とメニューを繰り出すイバンチェを日刊スポォツ北海道ではドラえもんの四次元ポケットになぞらえ、「イバえもんのどこでもドアがJ1残留の扉を開く」を結んでいました。
 なんつうか「イバえもん」とはいかにも突っ込んで欲しそうな名前ですが、サポーターとしては「どこでもドア」よりは「ソノウソホント」で札幌J1残留を明言してくれたほうがいいのですがね。

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