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2006年7月 アーカイブ

2006年7月 2日

神田川/かぐや姫

貴方は もう忘れたかしら
緑のチームを チンチンにして
4点取った 先週の試合
次も勝とうねって言ったのに
いつものパターンで 負かされた
ループの虹が ゴールにかかり
フリーのFW 裏から決めた
私は 貴方の試合を見つめ
ご無体ねって 言ったのよ

勝っていたあの頃何も怖くなかった
ただ 曽田さんのやさしさが怖かった

貴方は もう捨てたのかしら
ジュビロ磐田の 監督呼んで
貴方が書いた 必勝パターン
アクションしてねって言ったのに
いつも滅多に やらないの
ピッチの上では 年寄りサッカー
J2中位の 小さなチーム
私は 貴方の失点見つめ
またですかいって 言ったのよ

勝っていたあの頃何も怖くなかった
ただ 曽田さんのやさしさが怖かった

(※曽田さんは悪くなかったです)

2006年7月 5日

元の木阿弥

2006年Jリーグディビジョン2第25節
湘南ベルマーレ2-1コンサドーレ札幌
得点者:札幌/池内(notデパート)
     湘南/石原(not都知事)

 ああいう試合は正直書きにくいんですが、とってつけたような替え歌だけでお茶を濁すのもアレなので、多少は湘南戦のことを書いておこうと思います。つってもまぁ、オレがあれこれ書いたところでチームが劇的に変わったり、ジオンがあと10年戦えるようになったりはしないんですけどね。

 最初はアウェイだし様子見してるのかなぁと思ったんですよ。湘南の攻撃はそれほど脅威となるものでもなくあまりスピードがなかったこともあり、さほど危険なシーンは作られず、逆に札幌がカウンターで湘南ゴールを脅かすシーンが見られました。ワントップ気味に入った梅田の高さに対しても、ソダンがマンマークにつき、ソダンがラインを離れたときは西嶋が3バックに入りケア。この辺りはある程度相手に合わせたサッカーをしつつ、カウンターでチャンスを狙うという感じで、それなりにうまく行ってましたんで、連勝中の余裕なのかなと思ったんですよね。先制されるまでは。
 サッカーという競技は先制したほうが有利なスポーツと言われています。実際去年のJ2のデータを見ると、先制点を取った場合の勝率は、横浜FCとザスパ草津を除く全てのチームが5割以上の勝率となっており、そのうちコンサドーレを含む7チームが勝率6割以上という結果でした。ということは逆に先取点を取られた場合の勝率はどのチームも相当低いということになるわけで、「先制するとジャイアン、されるとのび太」なのは別に札幌に限った話ではないのです。しかしそれはそれとしても失点後の札幌は、焦りなのか意気消沈なのか目に見えてパフォーマンスが落ちていきます。
 ただそれでも、後半にフッキのライナー性のクロスを池内が頭で合わせて同点に追いついたときは、もしかしたら逆転できるかもとは思ったんですけどね。何しろ8連敗中の湘南、先制したはいいけど追いつかれて湘南の選手が「やっぱ今日も勝てないのか」というダメスパイラルに陥る可能性と、札幌の選手が「さあ逆転するぞ」というイケイケ思考に切り替わる可能性をちょっとは期待したんですがね。結局フリーランニングも少なく、プレスも徐々に遅くなってずるずると下がり、決勝点を献上するちょっと前あたりから、最終ラインに意味なく5人が並んでいるという腰の引けた陣形になっていて、やばいなという気はしてました。んで、ボールホルダーへのプレスが遅れてフリーでクロスを上げられ、ファーに入り込んだFWに3バックの外側からやられるという、10試合勝てなかったときとまったく同じやられ方で負け。相変わらずよくなったと見せかけてちょっと気を抜くと途端に元に戻る。ダイエットのリバウンドみたいなチームですね。ちなみにオレも体重が2kgくらい落ちたら、途端にいい気になってビール飲んで、結局すぐに元に戻ることが多いです。先日久しぶりにお会いした笹田さんに、しばらく誰だかわかってもらえませんでした。だからなんだと言われても困るんですけど。

 ところでこの試合に湘南の選手としてピッチに立っていた松本昂聡と尾亦弘友希の両選手、この2人には実は個人的にちょっとした思い入れがありまして。コンサドーレ札幌ユースU-18が準優勝を果たした2001年の全日本クラブユース選手権で彼らを見ています。松本は京都ユースの選手としてグループリーグと準決勝で、尾亦はFC東京ユースの選手として決勝で札幌ユースとそれぞれ対戦しており、確か2人とも主将じゃなかったかな? いい選手だなぁと思ったものです。ちなみに当時の京都ユースには六車拓也や角田誠らがおり(角田はこの時期既にトップチームにいたためこの大会には不出場)、東京ユースには馬場憂太がいました。松本は準決勝の札幌戦でクリアしようとしてゴールポストに激突して負傷退場したはずです。
 結局この大会で優勝したのは札幌ユースを馬場の2ゴールで倒した東京ユースだったのですが、その東京ユースよりも京都ユースのほうが前評判は高かったのです。そんなチームに当時の札幌ユースはグループリーグで引き分け(しかも0-3から追いついた)、準決勝で2-1で競り勝っています。で、その時のメンバーが2人プロになっているのですが、そのうち1人は鈴木智樹、もう1人この大会で得点王を獲得したエースストライカーだった男が、今のKing of ARIAKEです。ちょっとだけ、湘南対鳥栖の試合を見に行きたくなりました。

2006年7月 8日

みかん畑でつかまえて

2006年Jリーグディビジョン2第26節
コンサドーレ札幌3-1愛媛FC
得点者:札幌/元川崎、元ユース、元柏
     愛媛/元柏

 相変わらずスカイTVのチャンネルを見られないオレは試合を見てないので、各方面からの情報を元に好きなように妄想して書くことにします。まずは試合後のヤンツーコメントから。

 「前半の初めは1点取るまでは動き出しもあったし、良かったと思う(J's GOAL)」

 先制点は前半1分なんですけど、よかったのは出だしだけってことですかヤンツー。あれですか。第1話だけが面白かったアニメみたいなものですか。フタコ(ry
 わずか1分ちょいでフィーバーの終了したらしい札幌は前半13分に菅沼実にゴールを許しあっさりと同点にされるものの、前半終了間際に石井謙伍がゴールを決めて突き放しに成功しました。最初と最後のページだけ字がきれいな勉強用ノートを思い出す点の取り方です。その後、後半に千葉が退場して数的ビハインドを背負ってしまいましたが、そのすぐあとに愛媛も同様に退場者が出て10人対10人となり、後半25分にスナマコが今季5点目となるゴールを決めてダメ押しっていう流れのゲームだったということでしょうか。

 ところで、この試合の前々日には現在赤井川村にあるキロロリゾートでキャンプ中の横浜F・マリノスとの練習試合が行われました。試合自体は45分×3本で0-3で敗れ、J1との力の差を見せつけられた格好でしたが、1999年から2001年まで札幌の監督を務めていたマリノスの岡田武史監督が、「今の札幌は若い選手も多いし、勢いがついたらもっと上位に行くはず。(スポォツ報知)」とコメントしていたそうです。
 まぁ岡田監督のことですから多分にリップサービスが含まれているとは思いますけど、確かに連勝中はイケイケなサッカーが出来てましたし、あながち的外れなコメントとは言い切れないでしょう。勢いに乗ればこの先昇格争いに加わっていけると思いますし、またそうなってくれないといろいろと困るのですけど、一番の問題がその「勢いに乗る」ことなんですよね。何しろせんちめんたるじぇねれ~しょんな我らがコンサドーレ、傷つきやすい世代ばかりなので、ちょっとなんかあると湘南戦みたいなことになっちゃうんですよねぇ。まぁ今日みたいにそれでも勝てればいいんですけどね。
 長い長いJ2ももう折り返し地点。その最初の試合は首位柏レイソルとの試合です。ここで柏に勝てれば「勢いに乗る」ことも今度こそ可能だと思いますので、主に曽田さんは頑張って欲しいと思います。

2006年7月13日

まとめてドン

2006年Jリーグディビジョン2第27節
コンサドーレ札幌2-1柏レイソル
得点者:札幌/謙伍、フッキ
     柏/小林亮

 柏戦に触れる前に愛媛戦の試合を見た感想を少し。なんといいますか、一言でいえば「The J2」という試合でしたね。両チームとも相手のミスでボールを取るのはいいけど、逆にオノレのミスでボールを渡してしまうという展開が多く、まぁサッカーはミスのスポォツですし、守備におけるプレスの第一目的は、「ボールを奪う」ことではなく「相手のミスを誘う」ことですから、そういう意味ではあるべき姿とも言えなくもないのですけど、そんなダメ攻守の切り替えばっかりだとこっちも困ってしまうわけで。まぁそんなダメな試合でもきっちり勝点3を取ったことは評価しなければいけないとは思いますけど、逆に言えば勝点3を取ったこと以外は評価に苦しむ試合ではありましたね。
 それにしても愛媛のGK川本は散々でしたね。2点目の謙伍のゴールはノーチャンスだったと思いますが、フッキの先制ゴールの時もスナマコの3点目もちょっとお粗末なセービングではありましたし、その他にも「思い切り飛び出して空振り」という往年のいのっちを見るようなびっくりどっきりプレイもありました。初めての札幌ドームで距離感が掴めなかったんでしょうかね。そういう意味では、結果論ではありますけど控えの羽田は清水エスパルス時代に札幌ドームを経験しているんで、羽田を使ってもよかったんじゃないかと思います。まぁ、経験があると言ってもアダウトにあり得ないゴールを決められた上に俺王様に軽くあしらわれ、岳也にVゴールを決められた試合なんで、イヤな経験かもしれませんが。

 さて話は柏戦。柏戦と言えば、ほとんどの方が思い出すのが、日立台での「ものすごい表情で迫ってくる柳想鐵のツラ」…ではなく、やっぱり函館でのアレでしょう。そう、絶不調に加えて助っ人ブラジル人を丸ごと欠いた柏を相手にフッキのゴールで先制、しかもセットプレイでの得点源である岡山も負傷退場というかなりの追い風が札幌に吹いていたにもかかわらず、自らのミスで逆転負け。柏を蘇生させただけでなく、李忠成というストライカーまで覚醒させてしまった上、そこから怒濤の無勝地獄にはまったのはご存じの通りです。今回の試合に勝利してあのイヤな記憶を払拭したいという期待と、またあの試合の繰り返しになるんじゃないかという不安の両方があったんじゃないかと思います。イヤな記憶というのは忘れたくても忘れられないもんですからね。函館のアレなんてトラウマ度で言えば「日本昔ばなし」の「牛鬼淵」くらいのレベルですよ。誰もわかんねぇか。
 そんな中でも、札幌の選手はご丁寧に「前半の10分以内に先制」という見事なトレースを見せてくれるのだからタチが悪い。こっちはいつ同点にされて逆転されるかとハラハラなわけですよ。それでまたご丁寧にちゃんと追いつかれてくれるのですからまた困ったもので。ただ、あの時と違って追いつかれたのがけっこう早い時間だったから、逆にそれがよかったのかもしれないですけどね。追加点を奪うための時間はたっぷり残されていたわけですし、時間帯としても「振り出しに戻った」と切り替えるのがまだ容易でしたから。なので、前半の終了間際にPKをゲットして突き放しに成功したのは、かなり大きかったですね。「次の1点」がどちらに入るかで試合展開が大きく変わってくるのですから、その1点を札幌が取ったというのは、チームはもちろん、サポーターにとってもあのトラウマを払拭する大きな材料となったわけです。
 でも、ご丁寧にフッキが退場してくれちゃうんですけどね。まぁあのジャッジについてはオレも疑問を持たざるを得ないというか、正直かわいそすぎると思いましたけど、とにかく結果として柏にとってもっとも危険な男がピッチからいなくなった、ということはある程度の失点リスクが軽減された上で反撃できるのですから、あのトラウマが再び頭をもたげてくるのも無理はありません。ただ、今回はリードした上でのビハインドでしたからね。点を取れなくても点を取られなければOKと開き直ることが出来たんでしょうね。まぁ開き直ろうが直らまいが失点するときはさくっと失点していた札幌が、柏の怒濤の攻撃を凌ぎきることが出来たのは、以前よりは集中できるようになったということでしょうかね。ちょこちょこと穴っぽいシーンはあったんですけどね。その辺りは「石崎監督は厚別では勝てないジンクス」が作用したのかもしれません。

 ちなみに愛媛戦では、「カズゥ」こと上里一将がほぼ1年ぶりの復帰を果たしました。まだまだ本調子には遠いかもしれませんが、コンディションさえ上がってくれば大きな戦力アップになると思います。また、西澤画伯ももうすぐ復帰予定。こちらもコンディションの問題はあるでしょうが、ポカは少なくないものの、顔色ひとつ変えずに相手をさりげなく潰す必殺仕事人風情な画伯は今のDF陣にはない持ち味なので、ここ最近頑張ってはいるけど無失点に抑えた試合があんまりない守備陣に活を入れることが出来るでしょう。効果は未知数!

2006年7月17日

こてんぱん

2006年Jリーグディビジョン2第28節
サガン鳥栖4-0コンサドーレ札幌
得点者:札幌/いねえって書くの久しぶり
     鳥栖/King of ARIAKE×2、山城、高橋

 このやり場のない怒りはどこにぶつけるべきでしょうか。時間変更で「貧乏姉妹物語」の、HDDレコーダのフリーズで「ARIA The NATURAL」の録画に失敗したこの怒りを…。

 ああ、試合ですか? 何となくこの結末は予想してたんで、試合についての怒りは実はそんなにないんですよね。愛媛戦、柏戦の連戦を勝ちはしたものの連続して10人で戦い、いつも以上に体力を消耗していたに違いないですし、しかも中3日での九州遠征。ましてや柏戦での退場によってエースのフッキがこの試合と次節の草津戦は出場停止となれば、どんなに脳天気な人でもまずいと思うでしょう。実際、前節柏戦終了後に選手が口々に「次勝たなければ意味がない」と呪文のように繰り返していたことが、決意と言うよりは自分に言い聞かせているような感じがして、なんとなく「死亡フラグ」みたいにも聞こえましたし、ちょっとまずいなぁという気はしてたんですよね。うれしくない予想が当たってしまった、というよりかは予想以上の当たりっぷりはどういうことかと思いますけど。
 フッキという選手は、今のところ決してスーパーな選手ではない(俺王様やエメみたいな誰が見てもスーパーな選手に比べれば、という意味において)ですが、それでも現状のコンサドーレにおいては彼の体躯の強さやキープ力がなければ前線でのボールキープすらままならないのも事実。この日先発した謙伍にしろ元気にしろ、いずれもあまりキープは得意ではないタイプの選手…というよりは、フッキの他にキープの得意な日本人選手はチームにはいません。まぁこれはコンサドーレに限った話ではなく、そういうキープ力に無闇に長けた日本人選手が少ないからこそどのチームも助っ人選手に頼っているんだと思いますが、いずれにしてもフッキがいない以上、得点を取るためにはフッキがいる時と同じ戦い方をしていてはいけないということです。具体的には、前線でボールを収めることが出来ないのであれば、ボールを動かしつつ人も動いくアクション&ムービングサッカーをこれでもかとばかりに繰り返して、全体的なラインを押し上げていくほかないのですけど、そのためにはあまりにも身体が重すぎました。動かなければパスコースは生まれず、パスが出来なければ攻めることは出来ず、攻められなければシュートも打てず、シュートが打てなきゃゴールも生まれないわけですから、こういう結果になるのも取り立てて不思議なことではありません。
 とはいえ、だからといってじゃあこういう状況になったら負けてもいいのかというつもりはさらさらないわけで。こういう試合でもしっかり勝ち点をものに出来るような、そういう「しぶとい」チームが昇格を勝ち取ることができるのですから、内容が悪くても得点が取れるようにしないといけないですよね。流れやエースの在不在に関わらず得点を取る方法と言えば、やっぱりセットプレイだと思うのです。去年の強い時期はセットプレイから(池内が)点を取りまくっていましたし、連勝してた時期もセットプレイからの得点が多かったじゃないですか。これから本格的な夏を迎えるにあたり、必ずしもベストコンディションで戦えることはそう多くないと思いますが、そういう時でも「セットプレイさえ取れれば何とかなる」と思えるか思えないかってけっこう心理的にも違ってくると思います。欲を言えば砂川の他にも右足のキッカーが欲しいところではありますが、上里が戻ってきてキックのバリエーションも増えてきましたから、戦術的な練習はもちろん、セットプレイの練習もしっかりやって欲しいと思う今日この頃。いつまでもジオングの足がなかったから負けたなんて言い訳は通用しないのですよ。

2006年7月22日

ロスタイム病再発

2006年Jリーグディビジョン2第29節
コンサドーレ札幌2-2ザスパ草津
得点者:札幌/スナマコ、元気
     草津/中井、チカ

 草津の得点者を書いて昔「仲村知夏」というアイドルを思い出しました。本名は仲村渠睦子(なかんだかりちかこ)という名前でしたね。全然関係ないですけど。

 さて、というわけで草津戦なんですが、「J-SPORTS生中継は悲しい試合が多い」というジンクス通りの内容・結果となりました。フッキ、芳賀、西谷、池内が出場停止やケガなどで欠場という、飛車角落ちどころか飛車角金将落ち、替わりに入ったのが「髪の毛だけが金将」とか、「成らない香車」とか、同じく「成らない銀将」とか、「守りかただけが桂馬」とかですから、厳しい試合になるのもある程度は仕方がない…というか、この試合の先発メンバーって、よく見るとほぼ一昨年の最下位チームじゃないですか。ということは一昨年の最下位対去年の最下位という夢の最下位決定戦なわけですから、こういう試合になるのもしょうがないですね。そう考えればこのメンツで2点を取ったのは上出来だと思いますが、そうは言ってもあのこみっともない点の取られ方は、いやしくも3位以内、つまり昇格を目標とするチームとしてはちょっと情けなさ過ぎやしないかと思うわけですよ。そんなヤムチャっぷりを見せるために毎日練習してるわけじゃないだろうと思うのですけど。ただで2点もくれてやっちゃ、鬼の踏ん張りを見せていた砂川が浮かばれないと思いました。

 それはそれとしてですね。なんか今日はとにかく選手の心理状態が手に取るようにわかった試合だったと思うんですよ。まずフッキがいない。これはまぁ前節ボロ負けした鳥栖戦でもそうだったんで今更いいとして、

 「今日もフッキがおらぬ。なのでサイドを起点に攻撃するのじゃ」
 「殿! 西谷も芳賀もおりませぬ!」
 「ならばセットプレイでなんとかせよ」
 「ところが池内もおりませぬ!」
 「ダメじゃん!」

 ってな感じで、サポーターが感じていた以上に、選手たちも「どうやって点を取るんだよオイ」と思っていたと思うのです。前半風上を取ったのも「早めに点が欲しい」という意識の表れでしょう。
 ただ、いざ始まってみればその風上のメリットを生かせない…というよりは、追い風のメリットが生まれるのは相手の背後を突くときです。前半の早い時間に、サイドに振った浮き球のパスが風に乗って相手の頭上を越え、フリーの関に渡ってチャンスとなるシーンがありましたけど、ああいうパターンを繰り返せばよかったんですよね。特に左サイドには和波という足の速い選手がいたわけですから。それなのに、よっぽど早く相手のゴール前にボールを運びたかったんでしょう。草津の守備陣の裏をめがけて単純に縦に長いボールを蹴るだけに終始。厚別の風そのものには慣れてはいても、札幌は普段から良くも悪くも風を利用するサッカーなんてしてませんし、そもそも引いて守る草津の守備陣の裏にはスペースなんて全然ないんですから、そんなところにドッカンドッカンボールを蹴ったところで、結果風で流れたボールが無情にゴールラインを割ったり、あっさりキーパーの懐におさまるかどっちかのみ。これなら相手も楽でしょうね。
 で、前半は無得点、これでまずいと思ったのは守備陣でしょうね。風上を生かして前半のうちにリードを奪っておくべきだったのに、それが出来なかった。立場が逆転する後半はなおさら得点を奪うのが難しくなってくる。「これはもう1点も与えられん」と守備陣、特に林が思うのは無理もない話。あの1失点目はそういう心理状態が背景にあり、それで「やらせはせん! やらせはせんぞ!」と突っ込んでいってああなったと思うのです。まぁどう説明したところで、もう敢えて言わなくても大チョンボであることには変わりありませんけどね。
 その後謙伍が奪ったPKを砂川が決めて追いつき、ここからしばらくは札幌の時間が続くわけですけど、ここで勝負を賭けられなかったのがひとつの分かれ目だったように思います。自分としてはもう少し早く上里を投入してもよかったと思いますし、元気の投入はわかりますがあそこは変えるべきは謙伍じゃなくて相川じゃなかったかと思いますし、征也の投入にしてももう少し早い段階で、関と替えてサイドをえぐらせたほうがよかったんじゃないかと思いました。まぁこの辺りは結果論に過ぎませんし、いろいろなリスクマネージメントもあると思うんですけど、勝点3以外は許されない状況なのですから、もう少し勝負を賭けてもいいんじゃないでしょうかねぇ。
 で、結果的には交代出場の上里からのクロスを交代出場の元気が頭で決めたんですけど、そもそも元気は去年の福岡戦のロスタイム同点ゴールや横浜FC戦での先制ゴールがそうだったように、「ニアに飛び込んでなんぼ」の選手。それを知っていたのが復帰したばかりの上里だったってのも、他の選手は何をしていたんだと思いもしますが。で、それはいいんですけど、この元気のゴールが決まった瞬間、選手が全員が「もう早く終われ」としか思えなくなっちゃったんじゃないでしょうかねぇ。この後からバッラバラになっちゃいましたもんね。もう「テンパッた」という表現がピッタリ来るくらい、ボールが来れば「風で戻される」ということをすっかり忘れちゃったかのごとくドッカンドッカンクリア。で、案の定すぐ戻ってくるボールを早く奪いたい一心で、カバーもフォローもあったもんじゃなく誰彼かまわずボールに突っ込んでいくだけ。結局、「ダメだ、これは追いつかれるぞ」というイヤな予感が頭をよぎったその通りになってしまったわけですけど、あの同点ゴールのシーンも、チカへのマークが2人かぶっちゃったんですよね。で、裏にフリーの選手をひとり作ってしまった。あそこをちゃんとついていれば問題なくクリアできたと思うんですけど…焦ってみんな周りが見えなくなってたんでしょうね。
 まぁそんなわけでほぼ負けに等しい引き分けという結果になってしまいましたけど、柏相手に守れてなぜ草津を相手に守れないんでしょうかね。こういうところはまだまだホントに半熟なチームだなぁと思います。こういうのは誰か個人の問題ではないし、ましてや部分的な補強でどうなるもんでもない(戦力の補強の必要性はあると思いますが)ですから、地道に経験を積んでいくほかありません。少しずつでも前に行かないと強いチームにはなれないですからね。FF7でエアリスを死なせたくないがために古代種の神殿に行かないでうろうろするオレみたいになってはいけませんよ?

2006年7月27日

瑠偉ラモスの憂鬱

2006年Jリーグディビジョン2第30節
東京ヴェルディ19691-2コンサドーレ札幌
得点者:札幌/元気、大塚
     ヴェルディ/海本

 紛らわしい書き方ですが、「いちまんきゅうせんろっぴゃくきゅうじゅういってん対にてん」で負けたわけではありませんので念のため。

 日本列島が本格的な夏を迎えるこの時期、コンサドーレにとっての最大の敵は、高温多湿な内地の気候です。札幌に在籍している選手の大半は道外出身で、関東出身はもちろん中には日本最南端出身Jリーガーもいるわけですけど、いったん北海道の気候に慣れてしまうと、やっぱり内地のベタついた暑さはキツいものがあると思います。かく言うオレも19歳の時に東京に出てきて、ハタチとなった現在もう15年近く住んでいる計算となりますが、未だにこっちの暑さには慣れないですし、夏に北海道に帰省して東京に戻ってくると、羽田空港に降りたった瞬間引き返したくなりますからね。ですから今の時期に札幌のアウェイ戦が関東で行われるときは、まず何よりも当日の気温が気になってしまうわけです。で、東京も試合前日までは割と涼しくてそれなりに過ごしやすかったのですけど、試合当日になっていきなり気温が上昇。日が落ちてさすがに気温は下がったものの、やはり湿度は高いまま。ちなみに試合翌日の今日は一転して涼しい一日でした。いやがらせか?
 そんな感じでただでさえ厳しい環境の中、札幌は本来ならばこの試合で出場停止の禊ぎ期間が終了するはずだったチーム得点王のフッキが練習中に右足首を痛めて欠場。しかも相手のヴェルディは現在3連勝中です。フッキがいなかったここ2試合は鳥栖にボロ負け、草津に引き分けという成績を考えれば、これで強気になれというほうが無茶ってもの。それで勝っちゃうんだから、ホントにサッカーはわからんものです。

 いや内容的にはやっぱりあんまよくなかったんですけどね。特に前半の選手の動きは「鳥栖戦よりはマシ」という程度で、トップにボールが収まらないのは織り込み済みとしても、左サイドの西谷の動きが悪い上に、右サイドの芳賀も対面の石川竜也とのマッチアップで手一杯でサイドでも起点が作れず、そうなるとボランチもなかなか押し上げが出来ず、攻め手がないのでしょうがなくロングボールとか、無謀な単独突破を試みて潰されるとかそんなのばっか。ホントに一体何がやりたいんだ君たちはって感じだったのですが、それでもその巣鴨の手抜き地蔵だった西谷のCKを、全然起点になれなかった元気が決めて先制するのですからホントにサッカーはわからんものです。でもオレは最初西谷のCKが直接入ったと思ってました。ごめん、中山。
 ただ、それで前半リードして終えれればよかったんですけどね。もったいない失点でせっかくのリードをフイにするのが我らが札幌なんですよね。ヴェルディの攻撃にさほど迫力がなかったこともあり、バタバタはしながらも何とか守れてはいたのですが、前半終了間際にいつものようにボールホルダーへのプレスが遅れ、フリーで上げさせたクロスを海本にあっさり決められて同点。もうここまで来たら失点は文化だとか言い切っちゃったほうがいいんじゃないでしょうか。
 ということでいつもの通りもったいない失点で振り出しに戻ってしまったわけですが、ヤンツーは後半動きが悪いを通り越してそもそも動いてすらなかったに近い西谷を引っ込めて和波を投入。起点にはなれるけど動けない西谷と、動けるが起点にはなれない和波。何だか究極の選択に近いですけど、少なくとも確実に言えるのはセットプレイからの得点はそうそう望めなくなったということ。これでどうやったら点取れるんだろうと思っていたら、後半開始早々に大塚がものすごいミドルを突き刺すのですから、ホントにサッカーはわからんものです。
 こうなるとまぁ、サポーターとしては前節のアレが記憶に新しいだけに「果たして追いつかれまいか」というのが頭をよぎるわけです。幸いなことに、ヴェルディがチーム得点王である平本を出場停止で欠いていたこと、連勝中のやり方を捨ててポジションを変えすぎたためか攻撃が雑だったので、ヴェルディに点を取られる予感はありませんでしたけど、さりとて札幌が点を失う予感は存分にありましたからね。なので、出来れば前がかりになったヴェルディの守備の裏をついて追加点が欲しかったところなんですけど、せっかくいい形で奪っても、妙にこねくり回して相手に戻る時間を与えたり、シュート打てるチャンスでわざわざDFのついている相手に折り返してクリアされたりして得点を奪えず。特に後半37~8分頃のプレイはホントいただけませんでしたね。そりゃまぁ、「ボールキープするというコンセプトをチームとして共有していた」と考えれば悪くないんですけど、ロスタイム突入後ならまだしも、ロスタイムを含めればまだ余裕で10分はあるだろう残り時間をキープし続けるなんてできっこありませんし、そんなことが出来るチームだったらそもそも草津に追いつかれたりなんてしないんですからね。
 まぁそれはそれとして上位が順調に勝ち点を重ねた今節、アウェイで勝点3を取れたのはホントよかったです。こういう試合がコンスタントに出来るようになれば、もっと勝ち点を伸ばせると思います。

 さて、いつもならここで締めるところですが、実は今日はここからがメインです。それは試合終了後の監督会見の様子です。まずは現状の目の上のたんこぶだったヴェルディをアウェイで破り、順位を1つ上げたヤンツー。前半の出来について苦言を呈しているのはオフィシャルサイトなどでも見ることが出来ますが、それでもヤンツーの口は滑らかで、大塚のゴールについて訊かれて一通りコメントをしたあと、「実はゲーム前に、(大塚は)今209か10試合くらいで11点取ってるんですよね、確か。21試合に1点くらいの割合だから、『そろそろ(ゴールが)出るんじゃないか』とスタッフと話してた」と、別に頼んでもないのに裏話を披露。その口ぶりと表情は馬券当てたオヤジみたいな感じでした。やっぱりうれしかったんでしょうね。自ら獲得を熱望した選手が決勝点を決めて勝ったことがうれしいのか予想が当たったことがうれしいのかはわかりませんけど。
 逆に3連勝で上位への進出も見え始めたところで出鼻をくじかれた格好となった東京ヴェルディのラモス瑠偉監督は、約10分間の会見のほとんどが愚痴

「向こうが素晴らしいシュート決めたけど、あれが決まってなかったらみんな目が覚めて自分たちのリズムで出来たんじゃないかなブツブツ
「今日はボクにとって一番難しい試合だなと、自分とスタッフはわかってたのに選手もわかってたはずなのにもうちょっとやっぱねブツブツ
「最後のほうはもうみんなの気持ちですよ戦術の問題じゃないですよブツブツ
「最後まで同点はあるんじゃないかな、点取れるんじゃいかなと自信あったんだけどブツブツ
「センタリングの精度がちょっとね、『え?』って。ほとんど毎日みんながセンタリングの練習やってるんですよなのにブツブツ
「センタリングの精度が悪かったら罰金取ってもらいたくてしょうがないですよ選手にブツブツ

 と、嘆き節のオンパレードでした。そしてその嘆きが一通り終了し、ヴェルディの広報の方が会見を締めようとした途端にまたさらに愚痴り始めたあたり、よっぽど言い足りなかったんでしょうね。やっぱり相当に悔しかったんだろうなぁと思いました。

2006年7月30日

見えぬものこそ

J2の均衡が崩れつつある




サポーターはせわしなく飛び跳ねているが
目的はなく、
その目に映っているものは、
パスミスか、マークミスか、
何か別の競技だった





サポーターの頭が、変になっている。





失点の源にを探る旅に出た
監督ヤンツーは、背中に羽を持つDF、
コンサドーレの神ソダンに出会う。





DFは、ヤジに追われていた。





ヤジに怯えるソダンの前に、
額にレッドカードの痕の残る
FWフッキが現れる。





この夏、サポーターと神はひとつになる。




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