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2006年11月 アーカイブ

2006年11月 7日

羅生門

 タイトルに特に意味はありません。

 さて、あすはいよいよ大一番、第86回天皇杯全日本サッカー選手権大会の第4回戦が行われます。その相手はご存じの通りジェフユナイテッド千葉。昨年チームに初のタイトルをもたらした名将イビチャ・オシム監督が日本代表の監督に引き抜かれてしまったものの、その跡を継いだ息子のアマル・オシム監督も父のコンセプトを受け継ぎ、先日2年連続でナビスコカップチャンピオンに輝きました。リーグ戦では既に昇格の可能性のなくなったコンサドーレですが、そのぶん天皇杯に集中できるとプラスに考えることにして、相手にとって不足はありません。まぁ本音を言えばもう少し不足してくれてもいっこうにかまわないのですけど、4回戦の相手はどこも札幌よりは格上ですからね。
 で、本来ならば4回戦は先週の土日に行われる予定だったんですが、千葉と鹿島アントラーズの2チームについては11月3日にナビスコカップの決勝を戦っているため明日に繰り下げられています。その土日に行われた中では、すべての試合でJ1チームが勝利。トーナメント戦の醍醐味のひとつである、いわゆる「アップセット」の試合はありませんでした。なので、一般のサッカーファンとしては、アップセットへの期待は残された札幌と、鹿島と戦うJFLのHonda FCが頼り、ということになるかと思います。正直、そんな期待されても困るという気がしないでもないのですが、サポーターとしては当然勝って欲しいですし、天皇杯優勝1億円、準優勝5千万円、ベスト4で2千万円という賞金は魅力です。正確に言えば、オープントーナメントである天皇杯の性格上、名目としては賞金ではなく「チーム強化費」というのですが、今季は観客動員の伸び悩みで入場料収入も予算を達成できず、年度末の決算では赤字の見込みで、来季の強化費にも影響する見通しの札幌にとっては、文字通りチーム強化費です。前にも書きましたけど、お客さん呼べないなら自分の給料は自分で稼げということですね。相手の千葉も予算規模で言えばJ1でも下のほうですが、それでも昨年実績で札幌の倍以上はありますし、ついこないだいちおくえんも稼いだばっかりなんですからね。それにつけても金の欲しさよ。

 さて、BSで生中継というおまけ付きで無理矢理盛り上がらざるを得ないこのカードは、千葉のホームスタジアムであるフクダ電子アリーナ・通称フクアリで行われます。関係ないですけどこのフクアリという略称を見る度に、ネーミングライツを買ったのが「シロタ食品」とか「亀田製菓」じゃなくてよかったと思います。「シロアリ」とかじゃすごい勢いで駆除されそうですし、「千葉県千葉市の亀アリです」じゃ、金町に続いて亀有まで千葉に奪われたかと思っちゃいますモンね。
 まぁそれはそれとして、昨年オープンしたばかりのこの真新しいスタジアムは、J2暮らしの長いコンサドーレにとっては初めてのスタジアムです。当然自分も行ったことがないので行きたかったんですが、仕事の事情と家庭の事情両方が重なってどうやら無理っぽいです。ただこの試合で勝てば次もまたフクアリなんで、千葉はそりゃもう強いですけど是非とも次に駒を進めて欲しいですね。

2006年11月 8日

朱雀門

第86回天皇杯全日本サッカー選手権大会第4回戦
ジェフユナイテッド千葉(J1)0-1コンサドーレ札幌(J2)
得点者:札幌/相川
     千葉/いないよ

 タイトルにやはり意味はありません。

 前回のエントリで書いたとおり今日は仕事でどうしてもフクアリに行けなかっただけでなく、中継が始まるまでに家に帰れそうな見込みもなかったため、普段は携帯で受けている12.netの速報メールもPCで受けるようにし、メーラーでフィルタリングして見えないようにすると同時に、キックオフ前からブラウザも閉じて禁ネット。念のためカミさんにネタバレ禁止のメールを送り、20時過ぎに会社を出て、帰り道もMP3プレイヤーで音楽を聴きつつひたすらサンデーを読み、まかり間違って他の人の会話を小耳に挟んでしまったり、他の人の携帯電話に表示された途中経過をうっかり見てしまったりを防止。カナル型のイヤホンはこういう時便利ですね。まぁそれで聴いてるのがUNDER17だったりするのがアニヲタの哀しいところだったりするわけですが。とりあえず情報遮断に成功したオレはちょうど後半が終わる頃くらいに帰宅し、ささっと娘をお風呂に入れ、自分の身体も洗って風呂から上がるとそそくさとHDDレコーダの電源を入れ、食事をしながら世間とは約2時間ほどズレた時空に身を置きました。

 あのーすいません。こんなチーム知らないんですけど。

 試合はのっけからアホみたいなフォアチェックをかけ続ける札幌がペースを握る…というよりは千葉を自陣に押し込み続ける展開。ナビスコカップ決勝の激戦がまだ尾を引いているのか、いまいち動きがよくなかったとはいえ、カップウィナーに対してボールを前に運ばせません。それにしても今まで見たことがないくらい走る走る。フッキが走る、アイカーが走る、スナマコも走る、大塚走る、芳賀も走る、西谷も西谷なりに走る、加賀は普段から走り回ってる、という感じで、正直これで90分持つわけがないと思っていたら、まぁ思った通り20分を過ぎたあたりからそんなんでもなくなって徐々に地力に優る千葉のペースに。ストヤノフやハースといった主力を欠き万全の状態ではない千葉ですが、それでも随所にうまさを感じさせるプレイがあり、特にサイドチェンジでの揺さぶりはやはり怖い。しかしそれでも札幌は千葉の縦パスを徹底的にケア、前に運ばれる前に潰してしまおうという守備は機能し、中に切れ込んだ水野のミドルシュート以外は特に危ないシーンもなく、逆に札幌はフッキの惜しい右足シュートなど多くのチャンスを演出。こんなの札幌じゃない! と言うくらいのパフォーマンスです。ただし、シュートは打っても枠に飛んだのが結局このフッキのシュート1本だけだったこととか、何食わぬ顔をして相手を潰して奪ったボールを何食わぬ顔をして相手にパスする西澤画伯とか、GKに競り勝ってしまうソダンとか、札幌らしいところも随所に見られましたけどね。それでもお互い一歩も引かない真っ向勝負、全国中継にふさわしい面白い試合です。

 後半は前半よりもスペースができたこともあり、さらにガチンコ対決に拍車がかかり、お互いゴール前でのプレイが多くなります。札幌のプレスも徐々に遅れ始め、徐々に千葉にシュートを許すシーンも増えてきました。しかしここで立ちはだかったのが「天皇杯男」GK佐藤優也。かつてJFL昇格を決めたばかりのザスパ草津を破り、Jリーグチャンピオンの横浜F・マリノスをあと1歩のところまで追い詰めた市立船橋高校のゴールマウスを守っていたのが、誰であろうこの佐藤だったのです。大舞台になればなるほど強い…のかどうかはわかりませんけど、きわどいシュートをことごとく止め、果敢に飛び出してピンチを未然に防ぐなど獅子奮迅の活躍。見た目は「林っぽい小林広記」なんですが、すごいぞ佐藤。がんばってるぞ佐藤。そんな佐藤の頑張りに応えるかのように守備陣も身体を張って相手の攻撃を食い止めます。
 あとからだからいえることではありますが、格上チームの攻撃がまったく噛み合っていなかったこと、格下チームのGKが大当たりだったこと、格下チームがビハインドを負うことなく前半を終えたこと、「アップセット」と言われる試合の条件はこの時点でかなり満たしていました。クルプニコビッチのミドルシュートがゴールポストを叩いた瞬間、ひょっとしたら勝てるんじゃないかと思いました。加えて、後半キックオフ前のアイカーの眼光を見て、点を取るとしたらこの男じゃないかとも。そしてその通り後半21分、高い位置で奪ったボールを大塚が左サイドで西谷に繋ぎ、左足のクロスをうまくDFの裏に入り込んだアイカーが頭で合わせて先制ゴールをゲット。ズバリ予想が当たりましたよ。まぁ実際は予想した時点ではとっくに結果は出てたわけですけど。
 ここまでフラグが立ってしまえば、あとはもうトゥルーエンドまっしぐら。最後の最後まで集中を切らさなかった札幌がそのまま逃げ切り、J2勢唯一の勝ち残りとなりました。それにしても、普段なら入っていてもおかしくないような千葉のシュートも何かに魅入られたようにことごとく決まらないのですから、サッカーって面白いものです。

 ただまぁ、交代で入ってきた謙伍の、どフリーなのにゴールに向かおうとすらせずに中途半端にフッキに落とすなどというしょっぱいプレイがなければもっと心晴れやかでいられたんですけどね。ストライカーがゴールを狙わんでどうするんだよおおおおお。

2006年11月14日

みかんのうた

2006年Jリーグディビジョン2第48節
コンサドーレ札幌1-1愛媛FC
得点者:札幌/カガケン
     愛媛/タナカ

 天皇杯千葉戦からわずか3日。激戦の疲労はおそらく完全には取れてないだろうと思われる上、腰を痛めている砂川と足首を痛めた大塚という攻守の柱を欠く状態で、相手は第4クール絶好調の愛媛FCを
苦しい試合にはなるだろうなぁと思っていたんですが、それでも勝てると思っていたんですけどね。なぜなら実家のおかんから「愛媛に勝てる魔法のドリンク」が送られて来たからです。

mikan.jpg
「みかん(に)カツゲン」


 どうして勝てなかったんでしょう母さん。「みかん(が)カツゲン」にならなかっただけよかったというべきでしょうか。ちなみにけっこうおいしいです。
 で、ここのところ妙に忙しくてその愛媛戦のブデオもまだ前半15分くらいまでしか見てないので、実際どうだったのか、詳しい試合の内容についてはまた後日(気力があれば)書こうかと思いますが、その15分の間にもけっこうチャンスはあったのにそれを生かせないというのは相変わらずですね。「点は取れるときに取る」という当たり前のことを、消化試合とはいえ、いや消化試合だからこそきっちりやっていかないと行けません。普段からできないことがいざというときにできるわけないですからね。確かに今季の札幌のチーム総得点はリーグ2位ですけど、その得点力を補ってあまりある失点力が札幌にはあります。入った先から失うという、まるでオレの財布みたいなモンですから、取れるときに取れるだけ取っておかないと勝てるものも勝てません。それに、千葉戦のようなパフォーマンスがいつもできれば昇格だって夢じゃないと思いますし、サポーターとしてはああいう試合ができるんだったら毎回やってくれよとも思うわけですが、いつもいつもベストのパフォーマンスができるとは限らないですから、悪ければ悪いなりにどう戦うかというのも考えてやっていかないと、いつまで経っても今の状態からは抜け出せませんよ。

2006年11月18日

もはや行く人来る人?

 本日行われたJ2リーグ第49節・水戸ホーリーホック戦は、後半34分のアイカーのゴール一発で勝ちました。試合はまだ見ていないのですが、今までまだ一度も勝ったことがない笠松競技場で初勝利。今更勝ったところでリーグ戦には大した影響を及ぼさないですけど、苦手を克服したという意味では勝ちのある勝利だったのではないでしょうか。まぁ、笠松を多少克服したところで、まだ四国とか九州とか苦手の場所はまだいっぱいあるんですがね。好き嫌いの多い子供みたいです。
 とはいえ、ヴィッセル神戸に負けてJ2残留が決定してからは負けなしの3勝1分。天皇杯でジェフユナイテッド千葉に勝ったのはともかくとして、リーグではザスパ草津、愛媛FC、そして今日の水戸と下位のチームが相手だったので、この結果を順当と捉える向きもあるかもしれませんが、今まではその順当が順当でなかったことがこの順位に繋がっているわけで、昇格というプレッシャーがなくなったからなのかもしれませんけど、できるのなら最初からやれという気がしないでもありません。次節はホームで東京ヴェルディ1969、その次はアウェイで柏レイソル、最終節にホームでサガン鳥栖と、いずれも順位が札幌よりも上のチームが相手です。天皇杯も含めてあぶらないスルメくらい歯ごたえがある相手ばかりですが、ここでの戦いが来季に繋がると思って戦って欲しいですね。

 さて、来季に繋がると言えば来季の選手補強。先日入団が内定したと伝えられていたルーテル学院高校のMF岡本賢明選手の来季加入が正式発表されましたが、即戦力の獲得にも動いているようです。本日の各道内メディアでは、コンサドーレ札幌が来季の新戦力としてブラジル2部リーグのブラジリエンセ所属のFWジョジエル選手にオファーしているというニュースが載っていました。クラブとしては当然選手のスカウティングは常日頃から行っているわけですけど、普通まだシーズンが終わっていない段階でこういうニュースが出ることは珍しく、だいたい出るとしたら新聞によるすっぱ抜きがほとんどなんですが、今回の場合は「ニッポンのコンサドーレ札幌というチームからジョジエルがオファーもらったよ~」という記事がブラジリエンセのオフィシャルサイトに載っていたくらいですから、すっぱ抜くってレベルじゃねーぞ。ブラジル人意味わかんねぇ。
 で、そのジョジエル選手、1980年8月7日生まれで181cm77kgという体格以外にどんな選手なのかはわかりませんが、ほぼ確実に言えることは、この選手にオファーを出しているということは来年フッキはいないということでしょうかね。現在得点ランキング2位に付けているフッキには複数のクラブが獲得に動いていると言われていますが、川崎フロンターレからの期限付き移籍であるフッキの動向に札幌の入り込む余地はほとんどないと言ってよく、能力的には当然確実に戦力になるとはいえ、値段がつり上がればさらに札幌の出る幕はありません。かといってフッキと同じように国内で実績のある選手を獲得しようとしても、たとえば山形のレアンドロらめぼしい選手はだいたいみんな目を付けられていますから、値段がつり上がってしまえば結局は同じこと。安くていい選手を獲得しようと思ったら、多少のリスクは覚悟でまだ日本での実績がない選手を連れてくるしかないわけですが、果たしてどうなるでしょうか。まぁ、まだ札幌に来ることが決まったわけでもないですけど。ちなみにジョジエル選手の写真はこれ。

josiel.jpg
ジョジエル選手


 …この人何年か前に懸賞生活してませんでしたっけ。

2006年11月25日

鬼門破り

2006年Jリーグディビジョン2第49節
水戸ホーリーホック0-1コンサドーレ札幌
得点者:札幌/アイカー
     水戸/なし

 んーと、人が忙しくしている間にヤンツーや城福強化部長の今季限りでの契約満了とかヴェルディ戦とかいろいろと重要っぽいネタが出てきていますが、それについてはまた改めて書くことにして、その前にまず水戸ホーリーホック(ミホ)戦から片付けてしまいます。

 2000年のJリーグ参入からこっち、水戸といえばカウンター、カウンターといえば水戸と言われ、「ミトナチオ」という言葉もできたほど水戸は守備からのカウンターチームとして名を馳せてきました。お金がないゆえによく選手も引き抜かれてしまうためシーズントータルの成績自体は2003年の7位が最高というように、決して力のあるチームではありませんが、そのカウンターが見事にハマって上位チームに勝ってしまうことも少なくありません。特に札幌はよくそれでやられてしまい、J2に再降格した2003年以降、アウェイでの対戦成績は0勝4敗3分とまだ一度も勝ったことがありません。しかし、今季の水戸はその代名詞とも言えるカウンターサッカーからの脱皮を図り、今季半ばからポゼッションサッカーへスタイルを変えていこうとしました。まぁその試みはうまく行かず連敗街道を歩んでしまい、少し前からカウンターに戻したら勝てるようになったという皮肉な結果となったのですが、この札幌戦でも水戸はFWを含めて全員が自陣にいる時間が長いという極端な陣形を見せました。いわゆる「引きこもりサッカー」というわけですが、ただし戦術なんて基本的には「試合に勝つため」のもの。この場合、純粋な意味での「戦術」ではなく戦略としての戦術、よりわかりやすくいえば「作戦」ですが、水戸が札幌と同じようなサッカーで挑むのは、つまりは札幌の土俵で勝負するということ。千葉ですら沈んだ土俵にわざわざ上がる必要はなく、これまでカウンターで勝利を収めてきた通り、人数をかけて守りまずは相手に先制点を与えず、セットプレイもしくはアンデルソンの個人技で得点を狙えばいいわけです。実際、それで毎回パターン通りにやられてるのですから、対札幌の作戦と言うよりはセオリーに近いのですけど。
 そして札幌は、前節愛媛戦を欠場した砂川と大塚が復帰。この2人の復帰は戦力的な意味でも大きいのですが、一番大きいのはやはりフッキのお目付役としての役割です。それまではシーズン開幕当初に比べれば多少はチームプレイを使用としていましたが、この2人のいなかった愛媛戦では当時の俺っぷりが再発。自分としては俺プレイは自分で打とうとしない他力本願寺プレイよりは全然マシですし、外連味のない俺っぷりはどっちかといえば好きなのですけど、3人に囲まれてなおボールを離そうとせずに奪われてチャンスをフイにするのは困りもの。まぁ彼の俺病がなければ愛媛戦は勝ててたとは思いませんけどね。とはいえ、前半の札幌は件の「ミトナチオ」に苦しみ、フッキまでボールが行く前に水戸の守備網に引っかかるという状態で、そもそもフッキまでボールが行くことが少なかったためあんまり意味はなく、前半は攻めあぐね、という言葉がそのまま当てはまるような状態。ただし、水戸もカウンターはあまりお見舞いできず、シュートもほとんどが遠目からの枠外ミドル。お互いこれといったシーンもないまま0-0で前半終了。
 後半も似たような流れですが、一つ目に付いたのが西谷と芳賀の絡み。なんで目に付いたのかと言えば、早い話が今まで見たことなかったからなんですがね。いつもなら西谷と芳賀が両サイドという一番遠い位置同士でしたから。なので物珍しさというのもあったんですけど、それにしてもいいコンビです。あ、見た目の話じゃないですよもちろん。まぁ見た目も何となく歌舞伎町っぽいとか竜の刺繍入ったスカジャンが似合いそうとかそんな感じですけど。実際、先制点もこのコンビのパス交換から西谷が抜け出し、DFを交わしてフリーになった折り返しを相川が冷静に流し込んだもの。西谷の個人技も見事でしたが、2人だけでサイドを切り裂いたコンビプレイが相川のゴールを生んだ、と思っていいんじゃないでしょうか。全然関係ないですけど、芳賀って日テレベレーザの川上直子に何となく似てるような気がします。で、結局この1点が決勝点となったわけですが、こんなことならもっと早く「芳賀のボランチ」を見てみたかったという思いはなきにしもあらず。今更言ったところでハタチの頃のオレは戻ってきませんがね。今もハタチですけど。

2006年11月28日

大局に影響はなくても

2006年Jリーグディビジョン2第50節
コンサドーレ札幌2-0東京ヴェルディ1969
得点者:札幌/アイカー、元気
     ヴェルディ/なし

 札幌同様、来季のJ2降格が確定している東京ヴェルディ1969をホームに迎えての対戦。正式発表こそないものの、来季の指揮を執らないことが明らかになった札幌に対し、ヴェルディは既に来季もラモス監督が指揮を執ることが正式に発表されています。札幌の後任はまだ決まってはいないようですが、ここで勝利を挙げておけば今季のヴェルディとの対戦成績は3勝1敗となり、来季も4試合を戦うことが決まっているラモス監督に対して徹底的に苦手意識を植え付けることができます。そう、来季への戦いはもう始まっているのです。
 まぁそんなわけで今季最後のヴェルディ戦なんですが、正直な感想として「ヴェルディもすっかりJ2に染まっちまって…」と思いました。最初に西が丘でやったときは、フッキがいなかったとはいえ「こらあかん、ちょっと勝てる気がしない」なんて思ったんですけど、その後の2試合はまるで別チームみたいな印象で、その印象はこの試合でも変わりませんでした。まぁ、この試合のヴェルディのスタメンで西が丘の時にいたのはGK高木を含めて4人だけなんで、実際別チームなんですけど。

 で、ここまでの試合で、対札幌戦で勝ちを挙げてきたチームの戦い方を見てみると、だいたい次の3つのパターンに分けられます。カウンター、ボランチへの徹底的プレス&くさびの潰し、そして四国。いずれのパターンも、札幌がリズムに乗る前に先制点を奪って主導権を握ってしまえば、あとはディフェンスに特大のセキュリティーホールを抱える札幌が勝手に自滅してくれるというちっとも秘密になってない秘密があるんですが、ヴェルディはカウンターでもない、中盤での鬼プレスでもない、そして四国でもないいつものヴェルディ。動かないマルクスがいるからなのか、ヴェルディらしさを追求するがゆえのヴェルディズムなのか、いずれにしろ今のすべてから解放されたコンサドーレの人たちにとってはさほどの脅威ともならないようで、開始から札幌ペースとなります。前半32分にはフッキのシュートを相手GK高木がはじいたところをここの所好調な相川が押し込み、今月初めての「前半ゴール」で札幌が先制します。相川があの位置にいたこと、跳ね返りを慌てることなく決めたことはストライカーとして開眼間近かな? と思いましたが、内容からいえば前半のうち、あるいは後半15分くらいまでの札幌が押していた時間帯でもう1点くらい取れていてばもっと楽な展開になったと思うんですけどね。前半から一歩間違えればけっこう危ない形もいくつかありましたけど、後半15分以降は札幌の足も止まり始め、ヴェルディに攻め込まれる時間が多くなってきます。もしこの時間帯でちょっとサッカーの女神(オレの妄想だと金髪ツインテール)にツンを喰らっていたら、終盤はろくすっぽチャンスを作れなかった札幌が勝つことは難しかったかもしれません。しかしそこはそれ、なぜかヴェルディのシュートは枠外もしくは優也の守備範囲内に飛ぶだけ。技術的にはまだ足りない部分も多いですが、彼がゴールマウスを守るようになってからなんだかんだ言ってまだ負けていないことや、信じられないポロリをやらかしてもなぜか失点しなかったり、ソダンからの一方的な愛たっぷりの殺人バックパスを喰らっても失点しないなど、どうやらサッカーの女神(金髪ツインテール)は佐藤優也の変な髪型がちょっと気に入っているらしいです。同じく変な髪型の高木はお気に召してない模様。
 まぁそうは言っても堤防は決壊することもある。というか、札幌の場合はいつ決壊してもおかしくない堤防しかないし、小さな穴から一気に決壊するのが堤防。ちょうど1年前のこの日この場所でロスタイム3失点という伝説の決壊っぷりを見せたのは他でもないこの堤防なのです。そういう意味では、元気の終了間際のゴールは、シュートそのものも見事なダイビングヘッドでしたけど、試合を決定づける価値のあるものだったと思います。そういえば味スタで先制ゴールを挙げたのも元気の頭でしたね。ヴェルディキラーというよりは、結局なんにも考えさせないで突っ込ませるのが正しい元気の使い方なんだろうなぁ。

 というわけで、スコアほど楽な試合ではありませんでしたが、とにもかくにも目の上のたんこぶを叩いて6位に浮上。昇格はなくなっても可能な限り一つでも上の順位になってほしいですが、これでJ2残留してからの成績は天皇杯を含めて4勝1分と、なんだか憑き物が落ちたような好調さを見せています。チームにお金はないのに選手はみんな現金だと思う今日この頃。

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