ジョイナジョイナー
2007年Jリーグディビジョン2第24節
コンサドーレ札幌 2-2 ザスパ草津
得点者:札幌/西谷、芳賀
草津/氏原、高田
3試合ぶりに勝利を挙げた前節ヴェルディ戦から中2日の今節は、札幌ドームでザスパ草津との対戦です。現在のところ首位を走る札幌ではありますが、これまでの戦いで唯一勝っていないのがこの草津。長いJ2リーグの折り返し地点を目前に控え、ホームのここは是非とも勝っておきたいところでしたが…。結果は2度リードしておきながら2度追いつかれドロー。草津からの今季初勝利は第3クール以降に持ち越しとなってしまいました。前節、ソダンが「前半0-0なら大概は勝てる」と言っていたと紹介しましたが、今季ここまで札幌が「前半終了時点で相手を無失点に抑えた」試合は23試合中16試合ありまして、その内訳は12勝4分無敗と無類の強さを発揮しているのに対し、前半のうちに失点した試合は7試合で3勝3敗1分。0-0じゃないと勝てないってことではないとは思いますが、守備が身上のチームだけに、前半のうちから失点するというのはチームのリズムがいまいちおかしいということなのかもしれません。この試合も高木とディフェンスラインとの連携は前半の早いうちからおかしかったですしね。高木が不安定だったために守備陣が影響されたのか、それとも逆に守備陣がおかしかったので高木のほうが影響されたのかはわかりませんし、あるいはその両方かもしれませんが、とにかく何となく晩年のチェッカーズみたいな微妙な空気でして、それが試合後の会見で草津の植木監督が語っていたディフェンスラインがあまり速くないというのは分かっていたし、ここのグラウンドはボールが止まってくれるので、ラインの裏にボールを入れていこうという話をした(J's GOALより)」という策にまんまとハマったという感じでしょうか。
まぁうちの守備陣にスピードがないのは今に始まったことじゃないですし、昨年まで草津のゴールを守っていた高木の長所も短所もよく知っている植木監督ならではの作戦とも言えますが、さすがにこのあたりまで来ると相手もいろいろな対策を練ってきますね。札幌もさらにその上を行かなければ勝つのはより難しくなっていくでしょう。
で、その「上をいく」具体策はやはり攻撃力でしょうか。三浦監督も会見で言っていましたが、「3点目を取れなかったこと」が勝てなかったことの大きな要因ではあると思います。3点目を取れなかった、というよりはこれまでよりも比較的多くのチャンスがありながらも決めきれなかったと言ったほうがいいかもしれません。チャンスを100%決めろとは言いませんし、そんなのはカニをにぎやかに食えと言うのと同じくらい無理な話だと思いますが、決めるべき時に決めないとこの試合みたいになる可能性は高くなりますし、決定的なチャンスを決められないのは失点と同じくらいの責任があると思うのです。まぁ本日の日刊スポォツによれば攻撃陣の補強を進めているとのことで、その辺りはもう既に手を打っているようですが、単純な補強のみならずまだまだ攻撃には改善の余地はまだまだあると思いますので、三浦監督にはその辺りも期待したいですね。サイドバック同時オーバーラップとかやぶれかぶれなのもまたいいかもしれません。
それはさておき、この試合の最大の山場は芳賀主将の移籍後初ゴール(というかプロ初ゴール)でしょうか。相手のクリアボールを胸トラップで落として約30メートルのミドルシュート、レーザービームのようなすごいゴールでしたが、見せ場は実はそのあと。
これまでゴールを決めた選手たちにすべからく「芳賀ラッシュ」の洗礼を浴びせてきた芳賀主将。すべからく、と言ってもその中に西谷はなぜか含まれませんし、人によってラッシュの密度も違ったり(これまでもっともラッシュ数が多かったのは謙伍)しますが、とにかく洗礼を浴びた選手たちは常日頃から「仕返し」を企んでいたでしょう。ある意味チームメイトがもっとも待ち望んでいたゴールが生まれたわけです。
そしてその待望の瞬間が訪れると、ベンチに駆け出す芳賀を全速力で追いかけるチームメイトたち。最初に芳賀の「捕獲」を試みたダヴィは失敗に終わったものの、セカンドアタックでカウエが標的を引きずり倒すことに成功。ダヴィが上に覆い被さったのを合図に次々とその上に乗っかっていく選手たち。まさしくもみくちゃという表現が一番ふさわしい「仕返し」が終わったあとに、野郎どもの人山の下から這い出てきた芳賀主将は、ラッシュの満員電車から降りてきたサラリーマンのようなボロボロっぷり。芳賀の運動量が試合終盤目に見えて落ちたのは、ひょっとしたらこれが原因だったのかも知れません。
素晴らしいシュートでのプロ初ゴールだっただけに、このまま勝てれば理想的な展開だったんですけどね。そううまくは行かないものです。でもたぶん、ダヴィ・カウエと共に最後まで芳賀の上に乗っていた、今季まだ芳賀ラッシュの洗礼を浴びていないはずの西嶋は、たぶん確実に芳賀の「殺すリスト」に載ったのではないかと思います。どうなるか楽しみなので西嶋さん早くゴール決めてください。
最後に、秋葉はいつ見てもザ・サンシャインに似ていると思いました。