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2010年5月 アーカイブ

2010年5月 8日

敵は水前寺にあり

2010年Jリーグディビジョン2第10節
ロアッソ熊本 0-0 コンサドーレ札幌
得点者:札幌/いない
     熊本/いない

 J2リーグも気がつけば早くも10節を迎えました。既にシーズンの1/4を消化したことになるわけですが、スタートダッシュに失敗した札幌は順位を上げるどころか下がっていく一方。試合の集中するゴールデンウィークシリーズは勢いに乗れれば浮上のチャンスだったのですが、その初戦でヴァンフォーレ甲府に大敗を喫してその目論見も残念ながら霧散。調子を取り戻すきっかけすらつかめない低空飛行を続けています。
 まぁここまでアレだと「調子を取り戻す」というよりかは今この瞬間が本調子といったほうがいいのかもしれませんけど、とにかくこのままずるずると沈んでしまって早々と目標を失ってしまうと、そうじゃなくてもしょぼい試合を繰り返してるのに、さらにグレートな輪をかけたしょぼっぷりを発揮しかねません。もとより今の戦い振りと成績では昇格を狙うなどとは言えないわけですけど、だからといって「J1である必要はあるんでしょうか? J2じゃダメなんですか?」などと開き直られても困るので、もう少し意地というものを見せてもらいたいわけですよ。
 なので第12節のギラヴァンツ北九州戦までを含めたゴールデンウィークシリーズ残り3戦は、是が非でも連勝を…と行きたいところですが、この第10節の相手は難敵・ロアッソ熊本。初顔合わせとなった昨季の対戦成績は札幌の1分2敗と、3試合やって1度も勝てなかったばかりか、トータルで0得点5失点とただの1点も挙げられていません。せいぜい自分で自分のチームのゴールネットを揺らしたことがあるくらいで、さらには第27節ではシュート2本での勝利というJリーグタイ記録をプレゼントしています。

 そんな札幌にとっての天敵ではあっても、シーズンの成績では最終順位14位に終わった熊本は、新監督として横浜FCを昇格に導いてしまったことがある高木琢也氏を迎え、さらには大幅な主力の入れ替えを敢行。昨季の最後の対戦となった第43節のスタメンと比べて、この試合でも名を連ねているのは市村篤司、矢野大輔、福王忠世、宇留野純のわずか4人だけ。ほぼ別チームと言っていい顔ぶれとなっています。
 対する札幌も惨敗した前節からスタメンをいじってきました。あまり機能しなかった近藤の1トップをあきらめて紀梨乃との2トップとし、右サイドバックには西嶋が復帰。芳賀の1ボランチとする4-1-3-2としてきました。

 しかし、多少システムやメンバーをいじった程度ではびくともしないのが今の札幌の暗黒面。立ち上がりにいい形でチャンスを作っていい感じかと思わせておきながら、その後はほぼ一方的な熊本ペースとさせてしまうあたりは伊達にJリーグで数々のどうでもいい記録を打ち立ててきたわけではありません。選手同士の距離が離れてしまってるためセカンドボールはほぼ相手に取られ、得点が欲しくてたまらない紀梨乃が中央に居座ったまま足元にボールを欲しがるので、本来はもっとゴール近くにいるべき近藤がサイドに流れてしまうことになり、ちぐはぐな状態が続きます。頼みの上里の長距離砲も高木監督が何の対策もなしで臨むはずもなく、なかなかシュートを打つスペースや時間を与えてくれません。結局前半のシュートはアディショナルタイムに近藤が打った1本だけという有様。ひょっとして「シュート2本で勝利」をやり返してやろうとしてるのかと思ったりもしましたけど当然そんなはずはありませんね。
 後半こそ多少持ち直し、多少チャンスも作れるようになりましたが、そうかといって決定的なチャンスがあったかといわれればそういうわけでもなく、強いて挙げれば後半24分から交代出場したゴン中山が放ったヘディングシュートがサイドネットを揺らしたくらいで、結局札幌が放ったシュートは6本だけ。またしても熊本から点を取ることができませんでした。あれですかね。熊本がまだJFLだった2006年のテストマッチで、ついうっかり8点も取ってしまった(45分x4本)から、その分のツケがまだ効いてるってことなんでしょうかね。困ったもんです。

 ところで、この試合の会場は普段熊本がホームスタジアムとしているKKウィングではなく水前寺競技場でした。完成したのが今から50年前となる1960年とたいそう古い競技場で、KKに比べると確かにかなりおんぼろなのですが、交通アクセスはKKウィングよりも断然によいスタジアムです。札幌との絡みでいえばベンチ入りしているゴン中山が3試合連続ハットトリックの世界記録を樹立したときが、ここ水前寺でのアビスパ福岡戦でした。そして次の試合で4試合連続ハットトリックを決めた相手がコンサドーレ札幌だったことはもはや言うまでもないことですが、自分にとっての水前寺の思い出は、2008年の熊本キャンプでの水原三星戦ですね。結局俺が生でノナトを見た最後の試合でした。

2010年5月12日

泥ー試合

2010年Jリーグディビジョン2第11節
コンサドーレ札幌 0-0 東京ヴェルディ
得点者:札幌/いない
     ヴェルディ/いない

 スカパー! の個別アンテナが復活しました。テスター持ち出して導通チェックなどを確認した結果、アンテナの受信部から出ている同軸ケーブルのF型コネクタが緩んでしまっていて接触が良くなかったことが原因だったようです。普段は防水カバーで覆われている部分だったので、気づきませんでした。しっかりコネクタのネジを締め直して再度調整したら、ちゃんと電波が受信できるようになりました。今日は大変いい天気です。

 そんなわけで当初はうちのマンションの共聴アンテナで見られるチャンネルでは放映予定のなかったギラヴァンツ北九州戦も無事生中継で見られたのですが、その前にまだ書いてないヴェルディ戦について書いてしまおうと思います。サッカー界では来月から始まるワールドカップ南アフリカ大会に出場する代表メンバーが発表され、皆様におかれましても選ばれたメンバーについていろいろと思うところのある方も多いかと思われます。かくいう自分も代表メンバーを見て、「香川外して矢野ってありえなくない? 大正野球娘。で言えば伊藤かな恵を外して戸松遥入れるようなもんだろ!」とか、「つーかこの話って別に大正時代である必要ないよね?」とか思ったりもしているわけですけど、どのみち札幌からメンバーが選ばれる可能性など皆無に等しかったですし、案の定日本代表のメンバーリストに紀梨乃の名前がなかったので、それはそれとして今更ながらヴェルディ戦におつきあいいただければと思います。

 さて、10節までを終えて9試合で2勝4敗3分、19チーム中15位ととまったく成績の振るわない札幌ですが、不振っぷりではその札幌の大差ないのがこの日の相手東京ヴェルディ。ここまでの成績は同じく9試合で2勝5敗2分、順位も札幌より1つ下となる16位。親会社の撤退など経営問題でその予算規模はもはやJ2でも上位ではなくなったとはいえ、かつてはリーグ戦、カップ戦、天皇杯それぞれ2回ずつの優勝を誇る強豪チームとして名を馳せた名門のこの成績に対する残念さは、既にJ2最下位を経験している札幌のそれとは比較にならないでしょうし、昔を知る1人のサッカーファンとしても寂しいものがあります。たとえて言うなら、中学生の頃とってもかわいかった同級生が20年後のクラス会で再会したらとっても残念なことになっていたみたいな感じです。つっても小学校から大学に至るまで、クラス会に呼ばれたことなんてないんですけどね。誰でもいいのでオレをクラス会に誘ってください。会計するときにトイレに行ってますけど。

 ヴェルディも経営規模の縮小により、服部年宏、永里源気、大黒将志、レアンドロといった主力選手が退団し、確かにチーム力が落ちているのは間違いないのですが、それでもDFをはじめとして多くの主力は残留しており、ここまで成績が振るわないのも不思議ですし、かつてヴェルディでコーチや監督代行を務めたことがあるノブリンにとっても心配かもしれませんが、それとこれとは話が別。この15位と16位の直接対決となった今節、どちらも負けられない試合です。なぜならヴェルディより下の3チームは勝点7で並んでおり、ヴェルディとの勝点差はわずか1、札幌とも2しかありません。同日に17位ザスパ草津と18位ギラヴァンツ北九州との対戦があるため、この節で一気に最下位に落ちる可能性はありませんが、それでもこの試合での負けは「J2の釜の底への到達」を意味します。お互いに負けられない試合で札幌は前節熊本戦の後半そこそこ手応えの良かった3バックを本格的に採用してきました。
 ノブリンは前任の柏レイソル時代こそ4バックを採用していましたけど、その前に監督を勤めていた清水エスパルスや川崎フロンターレ、大分トリニータにさかのぼっても採用していたのは主に3バックであり、どちらかといえば3バック向きの監督と思っていました。札幌も今でこそ当たり前のように4バックやってますけど、三浦監督が来るまでは「コンサドーレに4バックは鬼門」とまで言われていたチームでしたからね。昨季ノブリンが就任したときは3バックもありえるかと思っていたんですが、フタを開けてみれば4バック。「3バックじゃ選手が成長せんからのう」というのがその理由のようですが、その「禁断の3バック」を選択せざるを得ないほどギリギリの所まできているというのが伺えます。

 まぁそんな感じで3バックで臨んだヴェルディ戦ですが、Jリーグ全体でも3バックを基本システムとしているのはサンフレッチェ広島くらいだけあって、ヴェルディの川勝監督曰く「3バックのチームなんてしばらく相手にしてないからやり方忘れてた(意訳)」そうです。まぁその割には開始早々にヴェルディに完璧に崩されて超やばいシーンがあったりしたんですが、そのピンチを高原が防いでからは札幌のペースで試合が進みます。しかしゴール前までは行くもののやはりシュートが枠に飛ばないのは相変わらずで、ようやく髪の毛のボリュームとともに復調してきた気配のあるエース紀梨乃も積極的な突破からシュートを放ちますが、シュートがゴールを捉えるまでには至らず。征也のフリーキックや上里のミドルシュートが土肥の好セーブに遭ったり、宮澤のヘディングシュートが惜しくもクロスバーに嫌われたり、得点しそうでできないもどかしい空気が漂います。守備面でも開始早々のピンチ以外にも危ないシーンがなかったわけでもありませんが、ひとまずゴールを割られることもなく前半は0-0で終了。

 後半も全体的には札幌のペース。右サイドを中心にチャンスを演出しますが、しかしやっぱり肝心要の「眠れるエース」と「眠れる大砲」はやっぱり眠ったまま。某少年探偵漫画のヒゲの探偵みたいに眠ったままでも大丈夫、というか眠ってからが本領発揮という人もいますけど、紀梨乃も近藤も後ろに替わりをやってくれるちびっ子探偵はいませんからね。たぶんイメージ通りのプレイができていないことからくる焦りなんでしょうけど、お互いをフォローしようという意識はあまりないみたいです。まぁストライカーはそれでいいと思うんですけどね。あいつがフリーになってるけど俺が打てそうだからシュートを打つぜ、俺が空いてるのにパスを出さないあいつのシュートなんてはじかれて俺のところに転がってくればいい、しばらくそういう選手がいなかったんで忘れてましたけど、オレはそういう選手のほうが好きです。とはいえそれも得点に結びつかなければ意味はないわけで、そうこうしているうちにようやくやり方を思い出したのかヴェルディも巻き返しを見せるようになります。ノブリンは砂川、ゴン中山、上原と、川勝監督も「かっ飛ばせ豊」のご子息である高木兄弟と攻撃の選手を相次いで投入し、試合はガチンコ勝負の様相を見せてきますが、両チームとも守備陣が奮闘しゴールを割らせません。結局両チーム合わせて21本のシュートが飛び交いながらもお互いゴールを割ることができずスコアレスドロー。

 そんなわけで目論見通りの勝点3は奪えませんでしたが、最後の部分がダメというだけでチャンス自体は作れており、同じ0-0という結果でも前節ロアッソ熊本戦ほど低調な内容でもなかったのですけど、逆に最後の部分がダメだからこそこの順位にいるという見方も出来るわけで。守備面では危ない場面もあったものの2試合続けて無失点に抑えたことで、多少なりとも失った自信は回復できたかもしれませんが、やっぱり攻撃面はもう少しどうにかしないといけないですね。まぁ誰だって外すつもりでシュート打ってるわけじゃないし、シュート決めろと言われて決められるんだったら最初からそうしてると思いますので、あとはもう入るまでシュート打つしかないんでしょうね。

2010年5月13日

勝てた

2010年Jリーグディビジョン2第12節
ギラヴァンツ北九州 0-1 コンサドーレ札幌
得点者:札幌/紀梨乃
     北九州/いない

 まさかの2日連続更新。明日はホムーランだ。

 人口約98万人と九州で2番目に多い人口を誇る政令指定都市ながら、なぜか地味な印象の拭えない北九州市。同じ県にある九州最大都市・福岡市の陰に隠れてしまっているためか、それとも福岡県のスケールに収まらない「九州の北の市」というおおざっぱすぎる名前がいまいちピンと来ないからなのかはわかりませんが、競馬ファンには小倉競馬場のあるところ、アニヲタ的には中原麻衣や佐藤利奈の出身地として有名です。ちなみに鹿児島県には南九州市があります。人口4万人の小さな市ですが、高田みづえさんの出身地だとさっき知りました。
 そんな北九州市に生まれたJリーグチームが今回初対戦となるギラヴァンツ北九州。前身は北九州市にあった三菱化成黒崎サッカー部で、2001年にJリーグ入りを目ざし「ニューウェーブ北九州」が誕生。ここ数年の新規参入組と違ってトントン拍子というわけにはいきませんでしたが、2008年のJFL昇格に合わせてJリーグの準加盟チームとなり、翌2009年にJFLで4位に食い込むと同時に平均観客数3000人をクリア、正式にJリーグへの加盟が承認され晴れて今季からJリーグ37番目のチームとなりました。これにより、全国に19ある政令指定都市の中でJリーグチームのない都市は、大阪府堺市と今年4月から指定都市入りを果たしたばかりの神奈川県相模原市のみとなりました。ちなみにアニメイトがない政令指定都市も堺と相模原だけだったりします(堺には以前店舗があったんですけど、昨年閉店)。
 ちなみに全然話は関係ないですけど、この「Jリーグクラブを持つ政令指定都市」のうち、「プロ野球チームもある」都市は札幌、仙台、千葉、横浜、名古屋、大阪、神戸、広島、福岡。その中でさらに「プロオーケストラのある都市」は札幌、仙台、横浜、名古屋、大阪、広島、福岡となります。このうちくもじいを見られるのは札幌、横浜、名古屋、大阪、福岡。フットサルチームまであるとなると札幌と名古屋と大阪しか残りません。そして驚くべきことに、この残った3都市のうち、食パンを角食と呼ぶのは札幌市だけです。なんだよ!ソリをボブスレーって言っちゃダメか! 浜辺にテント葉ってキャンプしちゃ悪いか! 道民なめんなよ!

 で、何の話でしたっけ。ああ、北九州戦ですね。

 2試合続けてスコアレスドローという何ともファジィな結果に終わり、思ったように順位を上げられないコンサドーレ札幌にとって、新加入チームが相手のこの試合は負けられない試合。ノブリンはヴェルディ戦でそこそこ安定していた3バックをこの試合でも採用してきましたが、そのヴェルディ戦でトップ下に入っていた宮澤が怪我で離脱。そういえば宮澤ってけっこう体質はスペランカーでしたっけね。グアムキャンプで腓骨筋断裂の怪我を負い戦線離脱していたDF吉弘充志がようやくこの試合でベンチ入り出来るまで回復したものの、相変わらずの怪我人の多さです。まぁ怪我はしょうがない部分もありますが、このあたりがいまいち波に乗りきれない原因のひとつでもあるのでしょうかね。そんなわけで3-5-2のトップ下には岡本ヤスが起用されました。砂さんじゃなかったのはあくまでジョーカーとして使いたいのか、それとも甲府戦でスタメン出場して1失点目の起点となったヤスの自信を回復させようとしたのでしょうか。そうだとしたら、結果としてはそれはちょっと裏目った感じでしたね。
 試合開始から北九州DFが復調気配を見せる紀梨乃を捕まえきれず、3分にその紀梨乃がサイドを突破、自らペナルティエリアに切れ込んでキーパーの股間を抜くシュートを決めて早々と札幌が先制。北九州の守備組織が混乱する隙を付いた形の得点でしたし、ようやく1点取ったことで紀梨乃が波に乗ってこのまま大量得点もあるかなと思ったのですが、ところがその後札幌の攻撃陣は沈黙。中でもヤスが大ブレーキとなってしまいます。トップ下は確かにプレッシャーの一番きついポジションですが、かつて札幌で3-5-2システムを採用していた時にトップ下を務めていた山瀬(現横浜F・マリノス)や砂川は、プレイスタイルとしてはヤスと同じようなドリブラータイプですが、彼らはドリブル以上に相手DFの裏を取ってボールを引き出す動きがうまいのに対し、ヤスはそういう動きがあまりないんですね。与えられたポジションにこだわりすぎてるのかもしれませんが、そのあたりは課題だと思います。
 それにしても普段のヤスから考えると信じられないほどの不調っぷりにたまらずノブリンもヤスを前半37分には砂さんに交代させてしまいます。まぁヤスだけじゃなく、ほかのメンバーの動きも今市であったことは確かなんですけどね。ゴールデンウィークシリーズの札幌は最寄りの空港からだいぶ距離のある甲府での試合後、札幌に戻らずそのまま熊本へ直行、そこから札幌に戻って中2日で試合をした後に再び中3日九州まで遠征という強行日程で疲労はピークでしょうし、初めてのスタジアムでピッチの感触も掴みにくかったこと、いろいろな要因はあるでしょうけど、アウェイとはいえJリーグ1年生の北九州にむしろ押される展開。先制点以降はろくすっぽシュートすら打てず、「ひょっとしてわざと打たずにシュート1本での勝利というJリーグ記録を目指しているのでは?」などと無理矢理いい方向に考えてしまうほどの有様です。まぁ結局交代で入ってきた砂さんがシュートを打ってしまいその夢は潰えたのですが、とりあえず前半は1-0で終了します。

 後半は攻めに出てきた北九州に対して何度かカウンターでいい形を作るシーンが出てきましたが、ペースとしては依然として北九州。それでも札幌守備陣の奮闘でゴールを割らせず、そうこうしているうちに徐々に北九州にも疲れが見え始め、後半27分に中盤でいいアクセントになっていたウェリントンが交代するとようやく札幌もボールを持つことができるようになってきます。ただそれでもペースを五分五分に持っていくのが精一杯。既に前半で1枚交代枠を使っており、33分にこんどッチを下げて古田を投入したノブリンとしても、あと1枚の交代枠を追加点を獲りに行くために使うか、それとも1点を守りきるために使うか迷いどころだったでしょう。しかし、42分に相手のシュートを文字通り身体を張って防いだ岩沼が負傷。復帰したばかりの吉弘を入れざるを得なくなり、これでほぼ守りきるしか道はなくなった札幌は、倒れてすぐさま×が出るほどの怪我を負った岩沼の心意気に応えて逃げ切り、第4節ファジアーノ岡山戦以来の勝利を収めました。

 とはいえ、この状況ではとりあえず内容よりも結果というのもわかるんですが、せっかく早い時間に点が取れたんですから、-7という得失点差を少しでも減らすためにも、できるだけ多くの得点を取りたかったというのが正直なところ。形の上では3試合連続無失点と守備はまぁよくはなっていると思いますが、やっぱり攻撃力に不安が残りますね。
 まぁ力で軽くねじ伏せられるほどの実力差があるわけでもないですし、ほっときゃ1人で点を取ってくるような化け物ストライカーがいるわけでもないですから、守備に比重を置けばその分攻撃力は減るのは仕方のないところかもしれませんけどね。三浦監督の時代は守備重視で確かに固かったですけど得点力はダヴィや西谷さんがいてもそこそこ程度でしたし、逆に攻撃サッカーを目指していた頃は確かに得点は多かったですけどその分失点も多くて、結果取りこぼしも多くて結局昇格できませんでしたからね。なかなか「攻撃力はそのままで守備も強化」なんて都合良くはならないもんです。「うるおい残して汚れだけ取ります」なんて女性用洗顔料みたいにはいかないんでしょうかね。もっとも今年は守備も攻撃もアレですけど。

 この試合で負傷した岩沼はどうやら全治3ヶ月の重傷とのことで、ただでさえ少ない選手が次々と離脱していく厳しい状況ではありますけど、ここが踏ん張りどころだと思います。

2010年5月18日

魅惑のあの人登場

2010年Jリーグディビジョン2第13節
コンサドーレ札幌 2-2 大分トリニータ
得点者:札幌/魅惑の助っ人紀梨乃、魅惑の助っ人オウン・ゴール
     大分/森島、崔

 年に1度の室蘭開催は、8位につける大分トリニータとの対戦。2003年にJ1昇格を果たして以来昨季まで上のカテゴリで戦い、その間2008年にはナビスコカップを制覇。Jリーグが誕生してから、日本の三大サッカータイトル(リーグ、ナビスコカップ、天皇杯)で九州勢が優勝するのは初めてで、リーグ戦でも4位という好成績を残したことで当時はもてはやされたものですが、決して安定しているわけではなかった経営基盤はこの頃には既に病魔のようにチームを蝕んでおり、ナビスコ制覇の翌年には主要スポンサーであったマルハンが撤退、大きな収入源を失ったチームは成績の低迷とともに財政事情の悪化も表面化し、チームは11億円を超える債務超過を抱えてJ2に降格しました。大分はこの債務超過分の半額以上にあたる6億円をJリーグからの融資で充当しており、この融資の完済及び債務超過の解消を果たすまで、J1昇格は認められません。つまり、その間大分が仮にJ2で3位以内に入ったとしても昇格ができないことになります(その場合、大分を除く3位までの2チームがJ1昇格となる)。
 再建のために圧縮を余儀なくされたとはいえ、それでもその運営費は9億円と言われ、J2では豊富な部類に入ります。ジェフ千葉や柏レイソルあたりとは比べようもないですが、それでも札幌も含めた他のクラブよりは強化費も多いわけなのに、戦い振りは安定せず、ここ3試合は3連敗。どんなに頑張っても上へは行けない、というのは多少なりとも影響があるのでしょうか。前節もエースFWチェジョンハンがハットトリックの活躍を見せながらもサガン鳥栖に逆転負け、5勝5敗1分の8位に留まっています。確かに長いシーズンを勝ち抜いたとしても、その先にあるはずの栄光がないことがわかってしまっている上でモチベーションを保つというのは、人間心理として難しいのは無理もないことなのかもしれません。オレだって今からファイナルファンタジーXIIIをクリアしろって言われたらイヤですもの。

 そんな大分とは今季リーグ戦では初顔合わせですが、プレシーズンマッチで既に対戦していまして、この時は2-2の引き分けでした。この試合では石川のゴールで先制したものの、チェジョンハンのゴールで逆転され、近藤のゴールで追いつくという流れで、攻撃面ではまずまずながらも守備面の不安定さが浮き彫りとなった試合でした。あれから約3ヶ月が経ち、その課題はあんまり解消されていないような気もしますが、それでも一応ここ3試合は無失点に抑えている守備陣が、チーム総得点でリーグ4位につける大分攻撃陣をいかに抑えるかが鍵となります。その中心となっている現在得点ランキング2位のキムボギョンは、韓国代表の合宿に参加するため欠場。しかし同じく得点ランキング2位につけるチェジョンハンと、その相棒であるデカモリシこと森島康仁には当然細心の注意が必要です。
 そして札幌は近藤が怪我で欠場。腰痛で欠場していた内村がようやく復帰したもののまだ頭から行けるほどではなく、ノブリンはここ2試合採用してきた3バックではなく最初から4バックに戻してきました。おそらく岩沼が前節で靱帯を痛めて長期離脱となり、左のウィングバックを務められる選手がいなくなったことが主な理由だと思いますが、メンバー表では4-4-2となっていたものの実質は札幌のシステムは去年主に使用していた紀梨乃を1トップとする4-5-1。ただしこれまで右サイドバックを務めていた西嶋が岩沼の代わりとして左に回り、かといって李漢宰がいない以上、芳賀をボランチから動かすと悲惨なことになりかねないため、右サイドバックは藤田征也が入ることになりました。ボランチは芳賀と上里、トップ下に宮澤、左右のサイドハーフには右に古田、左に岡本となりました。3ヶ月前からどう成長したかを試されるかと思ったら、藤山以外は去年までのメンツだったでござる。

 さて、前述の通り大分はチーム総得点はリーグ4位であるものの、チームの総失点はリーグワースト4位。11試合で17と札幌(14失点)よりも多く、守備力に関しては実は札幌以上に深刻のようです。その守備陣のテコ入れのためか、この試合で大分は3バックの布陣を敷いてきました。「4失点を食らうと3バックを試してみる法則」があるのかはわかりませんが、結果としてはこれは裏目に出た形となります。前半4分、右サイドで古田が何となく前に送ったボールを菊地がトラップした瞬間、前節ようやく初ゴールを挙げて調子に乗ってきた紀梨乃が猛然と襲いかかりボールを奪取。そのままGKとの1対1を冷静に決めて先制点をゲットします。 2試合続けて早い時間に点を取った札幌はその後も札幌は3バックの弱点であるサイドのスペースを突いて大分を攻め立てます。前半24分まで大分にシュートを許さない試合運びでしたが、31分、チェが落としたロングボールを東が拾ってすかさずデカモリシにスルーパス。札幌DFは彼らのボケとツッコミが逆だったせいで一瞬対応が遅れ、デカモリシに決められて同点に追いつかれてます。
 その後札幌は4バックに戻してきた大分に盛り返され、それまでのようにセカンドボールを拾えなくなりますが、それでも紀梨乃を裏に走らせ相手のラインを下げさせる攻撃が功を奏したのが41分。中盤でボールを拾った宮澤が、紀梨乃にマークを集中していると見るやがら空きのサイドにふわりと浮かせたスルーパスを送ります。このボールに猛然と突っ込んできたヤスが思い切りシュート。決まったかに思われたシュートはカバーに入った小林宏之がはじき返しますが、おそらくシュートを決められたと思ったらしいGK清水が自分のところに跳ね返ってきたボールを見てびっくり、慌てて抑えようとしてボールを自分のゴールに押し込んでしまいました。まさかのオウン・ゴール選手降臨です。
 ちなみに、2005年の第16回高円宮杯全日本ユースサッカー選手権U-18の準決勝において、藤田征也とアルビレックス新潟に出稼ぎに行っている西大伍を擁するコンサドーレ札幌ユースU-18が、デカモリシがいた滝川二高と対戦しているのは以前も書いた通りです。そしてこの試合でトップ下として初のスタメン出場したルーキー内田昂輔も、その試合でデカモリシとともに出場していたんですけど、そしてその時滝川二高のゴールマウスを守っていたのが、この清水圭介でした。
 そんな彼にとってはほろ苦いデビュー戦となってしまいましたが、入った途端にボールに触るヒマなく失点というデビュー戦を経験したトイメンのGKに比べれば、ボールに触って失点しただけマシかもしれません。そんな高原もすっかり頼れるキーパーになりました。

 いい時間帯に追加点が入った札幌は、2-1で折り返した後半になってもペースを握ります。細かいパスを少ないタッチで繋いで相手の守備を切り裂いていくという札幌らしくない攻撃まで見られたのですが、やはりというかなんというかフィニッシュの精度が甘く追加点を奪えません。3点目が取れていればおそらく試合は決まっていたと思うのですが、そこでとどめを刺せないのが札幌の順位が上がらない要因のひとつなんですよね。結局32分に懸念のセットプレイからこぼれ球をチェに押し込まれて同点とされてしまいます。
 結果としては「注意が必要な2人」にゴールを決められてしまったんですけどね。札幌もおそらくデカモリシとチェジョンハンに入るボールのケア、彼らにいい形でボールを入れさせないことを念頭に置いた守備プランだったと思いますが、まぁチェが気をつけていりゃなんとかできる程度の選手なら得点ランク2位にはつけてないわけで、こぼれ球にいち早く反応して押し込んだのはさすがというべきでしょうかね。
 追いつかれた札幌、追いついた大分、勝敗はどっちにも転びそうな中で、両チームとも攻撃の選手を次々と投入し、めまぐるしく攻守が入れ替わるスリリングな展開となりました。今村主審のジャッジがダメすぎて後味の悪い試合になりかねなかったのですが、判定が両チームにとって平等にダメだったのが救いだったのか、互いにあと1点を獲りに行くスリリングな試合展開となりましたが、両チームともゴール前まで迫りながらも守備陣が集中力を切らさず、2-2の引き分けで終了。勝てなかったのは残念ですし、ガッカリなプレイもありましたが、まぁ全体的には悪くない試合だったと思います。上原以外は。
 まったく何をしに出てきたのでしょうか。点を取ることを期待されてピッチに出てきたのに、まったくゴールに向かおうとしないのはどういうつもりなんですか。結果論ですけど、あれならゴンを出してたほうが遙かにマシでしたよね。それでもFWですか! 軟弱者!

 そんなわけでまたしても引き分けに終わってしまった札幌は、順位を一つ挙げたものの依然として下位グループのまま。今の私はJ2で14位だ。それ以上でも、それ以下でもない。

2010年5月27日

鳴門はドローが基本

2010年Jリーグディビジョン2第14節
徳島ヴォルティス 0-0 コンサドーレ札幌
得点者:札幌/いない
     徳島/いない

 5月26日をもちまして、ハタチになりました(挨拶)。

 2005年のJリーグ参入以来、今季で6シーズン目、美濃部監督体制で3シーズン目を迎える徳島は、9位に食い込んだ昨季の主力選手の多くを残留させることに成功。さらには津田知宏や島田裕介らを獲得するなど積極的な補強策が奏功し、開幕から4連勝とスタートダッシュに成功。その後は大量得点で勝ったり大量失点で負けたりと出入りの激しい試合が続いていますが、前節までの成績は6勝5敗1分の7位とまずまずの順位につけています。
 対する札幌はここ4試合は負けていないものの、そのうち3試合がスコアレスドロー2つを含む引き分けと、対照的に出入りの全然ないサッカーを続けています。塵も積もれば大和撫子とは言いますが、地道に勝点1を積み重ねる各駅停車っぷりはいつまで続くのか、たまには素直に喜べるような試合を見せて欲しいところですが、ここにきて鳴門での徳島戦というのは何とも言い難いアレな感じにさいなまれます。なぜならここポカリスエットスタジアムは引き分けが基本の地。ここまで昨シーズンまでの通算で8試合を戦って1勝2敗5分と決着がつかなかった試合が半分以上となっています。0-3で敗戦した昨季の最後の対戦を除けば得失点差もプラマイゼロと全くの五分という、予定調和というかプロレスライクというか、そんな感じの両チームの対戦成績だけに、昨季のつじつま合わせが来て3-0で勝つような気もちょっとだけしてたんですけどね。結果はスコアレスドローでした。

 ただまぁ、試合の流れとしてはただでさえ怪我人ばっかりで満足に選手が揃わず、案の定ろくすっぽ攻撃の形も作れない、唯一こういう時に流れ関係なく一発でゴールをぶち込んでくれる可能性のある上里も怪我でいない、選手交代で流れを変えるべき交代選手たちも怪我人ばかりというそんな状況で、ほぼ一方的に攻められまくって決定的な形を作られたのも1度や2度ではなかったにもかかわらず、あと少しのところで最強のディフェンダーであるところのクロス・バー選手が降臨してくれて何とか引き分けに持ち込んだ、という見方のほうが強いですから、今回に限っては引き分けワールドが逆に作用したと言ってもいいのかもしれません。 よく考えれば、今までの試合でも劣勢の中で池内のインチキフリーキックが決まったりとか、ダヴィのオモシロゴールが決まったりとか起こりえないことが起こるのが鳴門の試合ですから、そんなもんだと考えるのが良さそうです。
 チーム発足当初にヴォルティスにクラブ事務所を提供するなどしてきたジャストシステムは、「ATOK」という評判の高い日本語変換ソフトを作っている会社として有名で、かくいうオレも15年ほど前からATOKを使い続けており、ほぼ毎年のように最新版のATOK欲しさに一太郎のバージョンアップ(バージョンアップ版の一太郎だとATOK単体で買うのとほとんど変わらない値段なので)を行い、一度も一太郎を起動しないまま次のバージョンアップを迎えるのですけど、そのATOKですら何も考えずに「とくしません」を変換すると、「徳島戦」ではなく「得しません」と変換されるのは有名な話…かどうかは知りませんが、とりあえず鳴門での徳島戦は、得はしませんが損もしません、そんな感じですね。まぁ今のところは3点ほど損していますけど。

 それにしてもスコアレスドローって書くことないなぁ。あえて触れるとしたら、この試合で初スタメンとなったパクジンスですが、U-19韓国代表、ユニバーシアード韓国代表という経歴の持ち主ながらも、プロのキャリアはコンサドーレが最初のチーム。外国籍ではあっても立場上はいわゆる大卒ルーキーと同じですから、デビュー戦ということを考えればまずまずといったところでしょうかね。これから経験を積んでくればよくなってきそうな感じはありますが、狙い澄ましたかのように横パスを相手にプレゼントするあたり、スタンダードなコンサドーレ型MFの系譜を踏襲していると言えるかもしれません。まぁ、ボールを受けても周囲の動きもまったくもってないに等しかったので、パスの出しどころが全然なくて困ったという面もなきにしもあらずですけど。現状では「飛び道具のない上里」って感じですね。

2010年5月31日

厚別開幕

2010年Jリーグディビジョン2第15節
コンサドーレ札幌 3-1 カターレ富山
得点者:札幌/大ヒロ、ミヤヒロ、小ヒロ
     富山/苔ロ

 既に毎年の定例句となっていますが、札幌に遅い春を告げる厚別開幕戦がやって参りました。北の大地を長い間閉ざしていた有希…じゃなくて雪もすっかり融け、だいぶ温かくなってきた今日この頃、とはいえ成績のほうはと言えばあまり温かくはなく、現在19チーム中15位というコンサドーレ札幌。確かに昇格を狙うにしてはちょっと物足りないものの、かといってここまでしょぼい順位に甘んじるほどの戦力ではないはずなんですが、怪我人が多いことも相まってこんな成績。ここのところ藤山と直樹のセンターバックも仲良くなってきたようで、だいぶ安定してきてはいるんですけど、ようやくという感も否めません。やっぱ開幕前のテストマッチ、足りなかったんじゃないでしょうかね。まぁそんなことを今更いっても仕方がないので、とにかく今は一つでも上の順位へ行かなければいけません。厚別開幕というイベントは気分を一新するにはいい頃合いかもしれません。

 そんなわけで厚別での開幕戦の相手はカターレ富山。J2参入初年度の昨季は15勝20敗16分、勝点61の13位と、昨季の新規参入組3チームの中ではもっとも上の成績を上げていたのですが、今季はあまり積極的な補強を行わなかったためか昨季ほどの勢いに欠け、前節の段階で3勝9敗1分の17位と低迷。特に失点数は26とリーグワーストで、勝点を伸ばせない要因となっています。とはいえ得点数こそ札幌よりも多い14得点と元日本代表黒部光昭や元U-22代表苔口卓也らを補強した効果が出ており、この試合では黒部は欠場ですが、その名前にそぐわずポジションは右寄りというMF朝日大輔を中心に、スピード豊かな苔口と石田の2トップは厄介な存在です。
 そして相変わらず怪我人が多くメンバーのやりくりにも苦労している札幌は、ユース所属のMF三上陽輔をスタメンに大抜擢。彼については今季の熊本キャンプに帯同していますからノブリンもどんな選手かは知っているでしょうが、今トップで活躍している征也や古田らの同時期と比べれば、さほど注目されていた存在というわけでもなかったですし、キャンプで見たときも確かに光るものはありましたがそこまでの存在感があったわけでもなく(ゴンにFWとしての心得を自分から仰ぎに行ってたそうですが)、GK松原修平くん、MF菅原康介くんらとともに3月19日付で二種登録された時も、そうでなくても人数の足りないトップチームの保険的な意味合いのほうが強いのだろうと思ってましたからね。ベンチ入りを飛び越してまさかスタメンで出してくるとは思いませんでした。
 若いチームだけに戦い振りの不安定さが指摘されている札幌ですが、かといってベテランの砂川を入れてもあまり変わらなかったことで、ノブリンはだったらもっと若くしてやろうと思ったのかもしれません。

 まぁいずれにしても高校生にすら頼らなければいけないこの状況で、周囲のプロ選手たちの奮起に期待したいところですが、やはりというか何というか試合は富山ペースで進みます。富山の動きだしがいいのでプレスが後手後手に回り、ディフェンスラインが下がってしまい、ラインが間延びしてさらに中盤の主導権を握られる悪循環。何とか最後のところではじき返すもののセカンドボールはほとんど拾われる始末で、前半13分には右サイドの角度のないところから苔口にシュートを叩き込まれて先制を許してしまいます。確かに見事なシュートではありましたけど、守備の人数は揃ってたのに付ききれていなかったのは困ったもの。今週アントニオ猪木が来道してノブリンと対談していましたけど、ついでに選手に片っ端からビンタを入れてもらうべきだったかもしれません。
 追いつきたい札幌ですがやはり攻撃はちぐはぐで、ボールを持っても相手の密集地帯で強引にパスで崩そうとしたりドリブルで行こうとして潰されるか、とりあえずロングボールを蹴って紀梨乃を走らせて何とかしてもらおうという攻撃ばかり。何とかしようと気ばっかりせいている感じ。流れが悪いときは割り切って引いてしまって、相手のラインを引き込んで紀梨乃の走るスペースを作るってのも手だと思うんですけどね。それでも三上が左右に開いてボールを引き出そうとした近藤や紀梨乃に目もくれず迷わずシュートを打ったり、紀梨乃の突破から古田がシュートを打ったり(シュートは行方不明になりましたが)とそれなりにチャンスは作っていたのですが、それがやっと実を結んだのが前半42分。左サイドでボールを受けた西嶋が中に切れ込んでペナルティエリアの外から思い切り右足を振り抜くと、これがゴール右隅に決まり同点に追いつきます。とりあえず23日に長女が生まれたばかりの近藤のためにチームみんなでゆりかごダンス。

 試合を振り出しに戻した札幌は、後半風下に立ちながらもペースを取り戻します。そして後半5分、コーナーキックからのクリアボールを三上がヘディングで競り勝ち、ゴール前に戻したボールを宮澤がうまくトラップして反転しつつシュート、これが決まって逆転に成功します。そして本日2回目のゆりかごダンス。
 こうなると気分的にずいぶん楽になった札幌は遅まきながらホームらしいところを見せるようになります。25分には奮闘する後輩に先輩らしいところを見せたい古田がペナルティエリアやや手前で相手を交わし、フリーになったところですかさず左足を振り抜くと、シュートは一直線にゴール右隅に突き刺さり3点目。高校生Jリーガーとして期待されながらゴールには恵まれなかった古田がようやく挙げたプロ初ゴール。本日3回目のゆりかごダンスかと思いきや、チームメイトみんなによる「芳賀ラッシュ」で停滞祝福を受けていました。ちなみにどさくさ紛れに三上君もラッシュしてたかどうかは確認できませんでしたがどうだったんでしょうか。
 そんなわけでヒロのヒロによるヒロってちょうだい今日もまた、という感じのヒロ3連発で厚別開幕を飾りました。あと岳也の解説っぷりは声の感じもしゃべり方も内容もノノっぽくて良かったです。

2016年2月

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