古田海外へ
1月27日に、新チームのお披露目となる「コンサドーレプレビューパーティー」が行われました。これは例年行われていた「キックオフイベント」と内容自体はほぼ同じで、選手の背番号発表や実際のユニフォームの披露などが行われるわけですが、キックオフパーティーはこれまで札幌ドームで行われていたのに対し、今回は緊縮財政のあおりを受けてか、使用料の高いドームではなく、ニトリ文化ホール(旧厚生年金会館)で行われました。ニトリ文化ホールは収容人数2,300人と、北海道では一番大きなホールではありますが、それでもキックオフイベントには例年6,000人~7,000人くらいの入場者がありましたから、とても全員を収容することは出来ません。というわけで今季は抽選。単純に考えても3倍くらいの狭き門となりましたが、そうしてふるいにかけざるを得なかった事情があるからなのか、今回初めてustreamを通じてネット中継されることになりました。生放送ではなかったものの、これは以前からアウェイ在住サポーターを中心に切望されていたことなので、画期的なことだと思います。自分も初めてどんな感じかを見ることができたのですが、けっこう楽しかったですね。残念ながら経費節減の影響で、恒例のグアムドールズも呼ぶことが出来ませんでしたが。以前新聞にはグアムドールズの代わりにあの大人気週末ヒロイン(たまに水曜もある)「あかくろクローバーZ」を呼ぶという話も出ていましたが、こちらもギャラが折り合わなかったのか、それともスケジュールが押さえられなかったのか、出場はなりませんでした。まぁその代わりというわけではないのでしょうが、昨年限りで引退したゴンさんこと中山雅史氏がサプライズ登場したり、荒野拓馬が坊主になっていたり(おそらくナノテクノロジー的な何か)、終始いい雰囲気でイベントは進んでいたようです。それにしても、今季の新人選手は物怖じしない選手が多くて頼もしいですね。
そんなわけで今期も無事スタートを切ることが出来た…と思っていたら、まぁそうは問屋が卸さないのがコンサドーレ札幌というチーム。札幌での調整も本日で終了、来週から熊本キャンプに入るという段階で、MF古田寛幸が海外に移籍することが濃厚である、というニュースが入ってきました。本日リリースされたクラブの発表によれば、「2月1日から2月9日までの日程で、スイス1部リーグのFCトゥーンというチームのトライアルに参加する」とのこと。ということであくまでも現段階では入団テストを受けに行くだけということのようですが、とはいえクラブのリリースには「移籍を前提とした」とありますし、クラブもこの時期に送り出すというのであれば、よっぽどのことがなければ移籍はほぼ確定という状態なのかもしれません。スイスリーグと言えばクライトンがプレイ(セルヴェットFC・2001/2002)していたこともありますが、FCトゥーンというチームは初めて聞きましたね。その名の通りトゥーンという街のチームだそうです。なにやら村上ショージ兄さんのネタみたいな名前ですが、スイス中央部から西寄りに位置します。スイスを埼玉県だとすれば小川町あたりでしょうか。人口4万人強の小さな街のようです。埼玉県でいえば伊奈町くらいですね。
まぁ古田自身、今季もデンマークリーグのチームのテストを受けるとか受けないとかで契約が遅れに遅れたことは記憶に新しいどころかついこの間ですからね。もともと海外志向の強い選手ではありましたので、遅かれ早かれ札幌を出て行くだろうことはおそらく多くのサポーターが何となくでも感じていたことだとは思いますが、さすがに早くても夏の移籍市場だと思っていたので、あらまぁといった感じですね。
正直なところ、そこまでして海外に行きたいのであれば、移籍がポシャッて今季結局はまた札幌でプレイするなんてことになったら、2003年の今野みたいに大したパフォーマンスできないような気がするので(香川真司みたいにJ2で無敵の活躍をして認められるくらいのことはして欲しいですけど)、行くならすっぱり行ったほうがいいと思います。ひとまず既に契約は済ませているわけですから、札幌にとっては悪いようにはならないとは思いますし(今までの感じからすると海外移籍の際の特約条項もありそうな感じですけど、クラブ側も事情がありますから、そこまで無茶な契約はしていないでしょう)。ただFCトゥーンもあまりお金のなさそうなチームなので、あまりべらぼうな金額は払ってくれなさそうです。となると夏までの半年レンタル(延長プラス買取オプション付き)ってなんてこともあるかもしれませんね。札幌がダヴィでやったような感じの。
そうすると金銭的なメリットはあまりなさそうですが、まぁこの先「札幌から海外移籍」というのがスキームとして、またビジネスとしても成り立つようになれば、クラブ側にとってもメリットは多くなると思います。今は海外移籍をしようと思っても代表に選ばれなければなかなか難しいのが実情で、そして代表に選ばれるには札幌のようなクラブでは難しい。ですから、(代表に選ばれやすい)上位クラブからも引き合いがあるような有望選手はハナっから歯牙にもかけてくれません。今後Jリーグが検討する若手選手の移籍自由化なんかが実行されれば、J2クラブの数少ない強みであった「若手でも試合に出られる」ことすらなくなるわけですから。
そこで札幌から海外へというルートがあれば、有望選手も海外移籍を目指して札幌に入るという選択肢を考えるようになるでしょうし、クラブとしても、国内海外問わず一番条件のいいところに売るということが出来れば、財政的にも助かるわけです。その点、古田が成功すれば「ほう、極東のちっさいクラブにもいい選手がいるじゃないか。他にもいいのがおらんか?」となる可能性は高まるんじゃないでしょうか。もちろん多分に希望的観測が入っていることは否定しませんが。希望と言っても山本希望さんではありませんので念のため。
まぁそんなわけで、自分としては今までであれば、こんな風にシーズンが始まってから移籍するような選手は問答無用で「オレのコンサドーレ選手リスト」からの抹消を行うべきパターンなんですけど、こういうような背景があるのでちょっと今回は大目に見ようかなぁと(上から目線)。個人的に応援とかもしませんけどうまくいって欲しいとは思います。それにね、それにね、古田が移籍すればね、「西岡のスター」神田夢実の出番が増えるかもしれませんからね!