2019年06月一覧

勝利もゴールもないんだよ

2019明治安田生命J1リーグ第13節
北海道コンサドーレ札幌 0-0 ガンバ大阪
得点者:札/なし ガ/なし

アウェイ2連戦は1分1敗という結果で終わった札幌。うち1戦は首位FC東京だったので、まぁ仕方ないと言えば仕方ないのですけど、得た勝点が1というのは、お世辞にもあまりいい結果とは言えません。そんなことを言えるようになったなんて、コンサドーレもいつの間にか偉くなったもんだ。

そんなわけでホームに戻ってきました。今節のガンバ大阪戦と、次節のサンフレッチェ広島戦はホームでの2連戦となります。アウェイで思ったように勝点を積み重ねられなかった分、この2連戦で稼いで「やっぱり家が一番ね」と、旅行帰りのカーチャンみたいに言いたいところ。

相手のガンバは現在14位。前節大阪ダービーを制したものの、それまでは7試合勝利なし、最下位の清水エスパルスとの勝点差はわずか2の勝点11という低迷中です。昨年のどん底からチームを立て直して救世主となった宮本恒靖監督も、今季は思うように勝てていません。まぁ今年の補強を見る限りはあんまり戦力の底上げができてないようなので、ツネ様も大変なんでしょうけど。それでも食野亮太郎みたいなやべーヤツが出てくるのがガンバのすごさでもありますね。江戸時代の上方の豪商の家系らしいですが、まず名前がすごいですもんね。ぼーっとしてたら食われそうな感があります。

さて札幌は相変わらず苦しい選手事情ながら、3月13日のルヴァンカップ長崎戦で負傷交代してから長く戦列を離れていたジェイ・ボスロイドがようやく戦列に復帰。FC東京戦でいいパフォーマンスを見せていた中野嘉大も右ウィングバックでスタメンに名を連ねました。ボランチと2バックはいつもの布陣で、2列目はルーカスとチャナティップ、1トップに鈴木武蔵というメンバーとなりました。

試合はしっかりとブロックを作って守るガンバに対し、札幌がボールを回しながら攻めるという図式。ガンバはいざとなればアデミウソンとファン・ウィジョの2人だけでもカウンターを完結することができてしまうので、合理的な作戦ではあるのですが、これは実はすごいことですよね。だってあのガンバが、札幌相手に引いて守ってるんですよ。かつてはまったく逆の光景が繰り広げられていたのに。2012年なんてそれでも7点取られたのに。

ただ、松本戦や東京戦もそうでしたが、引いて守る相手をなかなか崩せないというのは今の札幌の課題で、この試合でもあの手この手で相手を崩そうとしますが、カウンターを警戒しつつ攻め込むのはやはりそう簡単なことではありません。特に、松本戦や東京戦で中途半端に奪われてカウンターを喰らい、笑えるくらい見事にGKとの1対1にまで持って行かれたシーンがいくつかありましたから、強力な2トップを抱えるガンバを相手には、そのリスクマネージメントもきっちり行う必要があります。

逆に、今までは「そうは言ってもしょせんは札幌だろ?」というような、あるいは「のび太のくせに生意気だ」と真っ向勝負に付き合ってくれたチームも、「ひょっとして、札幌って強いんじゃね?」と思ってきてるようで、今後はこういう戦いを余儀なくされるであろうことを考えると、「いかに引いた相手を崩すか」というのは、上位を目指す上で克服しなければいけない課題でもあります。なんかこのサイトでこんなことを書けるようになる日が来るとは思わなかったのですが、アレですよね、「お化粧が上手になったら、自分にも自信が持てるようになったわ」的な感じです。そう、ミシャとはつまり、サッカー界におけるIKKOさんだったのです!

ただその必殺メーキャップ術を駆使しても、なかなかガンバの守備陣を崩せず。あの手この手のメイクでガンバの気を引こうとするものの、青い人たちはなしのつぶて。なかなか効果的に落とすことができません。そしてガンバも札幌のアピールを受け流しつつ、カウンターを仕掛けてきます。札幌もかなり気を使ってるようには見えましたが、それでも気を許せばゴール前まで持って行かれるあたり、やはりガンバの前線は強力です。札幌は手数で、ガンバは切れ味で勝負する緊迫した展開の中、前半は0-0で終了。

後半になると、試合はさらにガツガツっぷりを増していきます。前半にも増して相手陣内に攻め込む札幌ですが、後半15分過ぎに宮澤裕樹が荒野と交代。どうやら前半に痛めた膝の影響のようで、結局このケガで宮澤は1ヶ月ほどの離脱を余儀なくされることになります。

そうでなくても怪我人が多いのに、大黒柱まで失ってしまった札幌は、福森のセットプレイに活路を見いだしますが、東口の好セーブなどに遭いどうしてもゴールできません。うーむ、やはり代表クラスのゴールキーパーはうまい。

残り10分になると、札幌はジェイ、ガンバは食野とそれぞれ切り札を出してきます。ジェイは交代直後のセットプレイでドンピシャのヘディングシュートを放つものの、惜しくもGK正面。その後も何度かチャンスを迎えますが、最後までゴールは割れませんでした。

結局16本ものシュートを放ちながらも得点を奪うことができず、3試合連続の無得点。チャンス自体は作れてないわけではないですし、相手も得点を取られないために守ってるのですからそうそう簡単には点を取れないというのはわかってはいても、なんとなく「ジグソーパズルやってたら完成間際で5ピースくらい足りないことが判明」みたいなもどかしさはありますね。順位の差とホームでの試合であることを考えれば買っておきたかったというのが本音です。