ひとまず初勝利
日々行われる罰ゲームが思った通りに「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」になっているグアムキャンプもあと1週間を残すのみとなった2月2日、コンサドーレ札幌はJ1大宮アルディージャとのテストマッチを行いました。1月末に行われる予定だった柏レイソルとのテストマッチが先方の都合でキャンセルとなったため、この大宮戦が今季初の対外試合となります。30分×3本の変則形式で行われたこの試合は、2本目にFW横野純貴が決めたゴールを守りきり1-0で勝利となりました。1月21日からキャンプに入っている札幌に対し、大宮は1週間遅れの28日からキャンプインしており、現時点での仕上がり具合に差があるとはいえ、こちらも別メニューだったダニルソンや趙晟桓、まだ合流していないクライトンらが欠場という状態で90分やって無失点というのは悪くはない結果だと思いますし、ノブリン自身「守備の練習しかやっておらん」(北海道新聞)という中で、その守備で「やりたいことはできていた」と手応えを感じているみたいです。
さてこの試合、公式サイトに載っているメンバーを見ると、けっこう本来とは別のポジションでの起用も目立ちます。先代の三浦監督も西嶋や大伍など複数ポジションをこなせる選手を重用してきましたし、先々代のヤンツーも本来真ん中の選手をサイドに置く傾向が強かったですから、ポジションの変更自体はノブリンが初めてではありませんが、その中でも目新しいと言えば藤田征也をサイドバックで起用していることでしょうか。
チームトップクラスの快足と、その快足をすっ飛ばしてトップスピードのままクロスを上げられる征也には、サポーターの間では以前からサイドバックに向いているのではないかという声もありました。しかし、征也が二種登録での出場を果たした時は監督がヤンツーで、この頃はまだ3バックを採用だったのでサイドバックというポジションがなく、また札幌で初めて4バックを成功させた三浦体制下でも、サイドバックでも対地・対空守備能力を優先させる方針のためか、征也は原則右サイドハーフ固定でサイドバックで起用されることはついになく、征也サイドバックはサポーターの妄想に過ぎませんでした。その妄想がもしかしたら現実になるかも、という感じですが、フィールドプレイヤーの数が23人しかいない中で怪我や出場停止の影響も考えなければいけないですし、J2はベンチ入りの人数が5人に減り、戦略的な駒の数そのものが減ってしまいますから、あらゆる事態に対処する必要のある指揮官としてはとっては切実な問題なんでしょうけどね。ノブリンが大分時代にあったような、怪我人続出で前半で交代枠を使い切ってしまったとかそういう状況になったらもうどうしようもないですけど。ちなみにその時の相手は他でもないコンサドーレ札幌でした。
その他に特筆するべきは、3本目では中山元気がセンターバックで起用されているというところでしょうか。去年はFWではなくサイドMFでの起用もありましたがけど、センターバックというのは今まで例がない、というか征也のサイドバックが妄想の世界なら、元気のセンターバックはあなたの知らない世界です。まぁ大宮のメンバーを見ると大宮も3本目は相当ポジションをいじっていたので無失点でも参考にはならないかも知れませんが、報道によればセンターバックは「本人の希望」ということ。
元気と言えば、和波智広、ソダンに続く(確か)3人目のオフィシャルブログ開設者となり、和波の「韋駄天7」、ソダンの「不易流行」というタイトルに対抗して、「中山元気のブログ」という漢らしすぎるほど直球なタイトルでブログデビューを飾った人。その後、2007年の途中に病気療養でチームを離れた和波はともかく、未だ現役であるはずのソダンのブログも2007年の8月以来更新を停止したきり、いつの間にやらインデックスからも消えている有様です。コンサドーレの所属選手には他にもブログを開設している人もいますが、J Player's Blogなど他のブログサービスで行っているため、今では元気がオフィシャルブログ最後の砦となっていました。その元気が「僕がやめれば手をあげる選手もいるかもしれないし」と、突然ブログの更新停止宣言をし、ついにオフィシャルブログ上での選手ブログが事実上絶滅してしまったのが去年の2月。それから1年が経過し、手をあげた選手はついに出てきませんでしたが、今年のグアムキャンプの開始に合わせて何事もなかったかのように怒濤のブログ更新を開始。去年1年間、本職のFWだけでなくサイドのMFとしても前線を駆け回った挙げ句、J2降格の詰め腹を切らされてダウン提示を受けてしまった悔しさをバネに、ブログ更新も出来高払いの契約となってるのではないかと思うほどの爆発的更新を続けています。そんな彼が新境地を開くべく挑戦するセンターバック。新境地にしても未開のジャングル過ぎるような気がしますが、チャレンジすることはいいことだと思いますので、頑張ってもらいたいと思います。