« 2009年6月 | メイン | 2009年8月 »

2009年7月 アーカイブ

2009年7月 1日

やっぱり勝てない

2009年Jリーグディビジョン2第24節
ベガルタ仙台 1-1 コンサドーレ札幌
得点者:札幌/上里
     仙台/中原

 開始時点での気温が32.9度という猛暑の中で行われたこの試合、札幌の選手にとっては相当きついようで、開始早々にカウンターから梁勇基に突破され、いきなりどフリーで平瀬にシュートを許す不安な立ち上がり。暑いと体力的にももちろんきついんですが、それ以上に落ちるのが判断力です。札幌の日本人選手の中では一番暑い地域の生まれである上里さんが、走り込む平瀬を確認しつつ併走してたと思ったらなぜかその平瀬をほっぽって離れていったのを見るにつけ、やっぱりこの試合も失点は覚悟しなければいけなさそうです。
 ただこれだけ暑いと仙台の選手にとってもやっぱりきついことはきついようで、やや仙台ペースでありながらも仙台にも細かいミスが目立ちます。しかしそれでもお互いに先制点をやらずにこっちが先に点を取る、という意識でガチンコのぶつかり合いを展開。仙台は梁を中心に、そして札幌は当然クライトンを中心になんとか隙を見てこじ開けてやろうといった戦いが繰り広げられます。何本か惜しいシュートを放った仙台に比べると、紀梨乃がエリゼウにほぼ抑えこまれてあまりいい形には持って行けていなかった札幌も、前半終了間際には怒濤の攻撃で惜しいチャンスを作り出しますが、仙台の体を張ったディフェンスに阻まれ得点ならず、前半は0-0で終了。というかせめて征也のヘッドは決めて欲しかったシュートでしたが。もともとシュートのうまい選手ですし、ヘディングだってそう下手な選手ではないはずなんですけど、「未だにレギュラー攻撃陣で唯一ゴールを決めていない」というのが微妙なプレッシャーになっちゃってるんですかね。もしくは、呪いですね。きっとシーズン前くらいに、北海道では「サッカーの聖地」と呼ばれる藤野聖山園にうっかりゴミを落としてきてしまったりしたのかもしれません。
 しかし先制点は意外な形で札幌にもたらされました。後半6分、左サイドでボールを受けた上里が放ったクロスがうまいことクロスに備えたポジショニングをしていた林の逆を突くシュートとなりゴールイン。本人も「狙ってませんでした」と正直すぎるコメントを残したラッキーなゴールでリードを奪います。
 先制された仙台はすぐさま反撃に出ます。札幌としては追加点を奪い、もはや定番となりつつある「残り30分」をできるだけ精神的に楽に過ごしたいところですが、猛攻を仕掛ける仙台に対してカウンターを仕掛けることもままならない状態が続きます。GK荒谷の好セーブもありなんとか得点を許しませんでしたが、失点率の高い「残り30分」の中でもさらにボーナスチャンスとなっている「残り10分」の段階になって、関口からのクロスを中原に頭で決められついに失点。その後も恒例となった「失点しちゃったのですっごい頑張ってみましたけど決められませんでした」パターンで試合終了となりました。

 さて、内容としては割と面白かった試合だと思うんですが、それでも引き分けという結果についてはやっぱり面白いとは言えないわけで、正直「また引き分けか」といった感じ。負けないだけよかった、という考え方もできなくはないですし、実際第7節カターレ富山戦以降、18試合で2試合しか負けていないんですが、この試合で引き分け数2桁リーグ一番乗りを達成したようにいかんせん引き分けの多いのがネック。いくらい黒星が少ないといっても勝点的には3引き分けは1勝2敗と同じですから、極端な話10引き分けというのは3勝6敗1分と一緒。もちろん内容的に引き分けでも上等というような試合もありますが、札幌の場合どっちかと言えば「勝てる試合を落とした」という印象の試合が多いですし、ここまで24試合を終えましたが、1回り半してみて「ここにはどうやっても勝てそうもない」というようチームもなかっただけに、非常にもったいないですね。一昔前なら宮の沢にもったいないおばけが所狭しと集結しているに違いありません。あともう一皮だとは思うんですけど、その一皮がなかなか剥けない、というかむしろ治りかけの傷に張ったカサブタをついムラムラしてはがしてしまってまた治りが遅くなる、というような感じかも知れません。いずれにしてもこの引き分け地獄から抜け出すためには、攻撃力を強化してより多くのゴールを奪うようにするか、守備力を強化してより少ない失点を目指すか、もちろん両方強化というのが一番理想的なのですが、どのみち戦術的な部分である程度カバーできるにしても、最後の部分、たとえばシュートをゴールに入れるとか、相手を止めたりとかは個人個人のスキルにも関わってくることだと思います。戦術だけじゃJ1に行った時に通用しないことは去年身を以て知っただけに、個人能力のアップが不可欠だと思います。とはいえ、今から代表クラスのテクニックを身につけろなんてどだい無茶な話ですので、ここはもっとも役に立ちそうな能力をピンポイントに鍛え上げるべきではないかと思います。具体的には、ストライカーなら「相手から消える能力」です。試合を見ながらついつい選手に「へったくそ~」とか叫んでしまっても、実際マッチアップしてみたらどうやっても止められないのは、マークをするこっちが素人のプレッシャーしかかけられないからです。ならば、たとえプロが相手でもプレッシャーのない状態を作り出せば、ミスをする確率は格段に減るわけです。つまり、いかにフリーでシュートを打つか、そのためにいかに相手から消えるか、ということです。実際、過去のJ1得点ランキングを見ても、日本人で得点王やそれに準ずる成績を挙げた選手は、テクニックよりもそういった「ボールのないところの動き」のうまさが目立っていました。まぁ長々と書いて何が言いたかったのかというと、メガネを替えたのに誰からも指摘されなかった第5世代クラスのステルス性を持つ私が貴方を矯正してあげてもいい。問題は、同時に味方からも消えてしまうことなんですが。

2009年7月 9日

なんじゃそりゃ

2009年Jリーグディビジョン2第25節
コンサドーレ札幌 0-1 水戸ホーリーホック
得点者:札幌/ない
     水戸/高崎

 えー。ほんとは書かないままほっとこうと思ったのですが、やっぱ書いとかないといけないような気がしたので書きます。まず試合に負けたことは言い訳できようもないと思いますし、「レフェリーがまともなら勝てた」なんて言うつもりもありません。仮定の話にあまり意味はないですしね。ただ、レフェリーがまともであれば、少なくともプレイが切れるたびに文句を言ったり、あっちこっちで小競り合いが起こるような、後味の悪い試合にはならなかったと思います。アイスホッケーの試合とか、ベンチに星野仙一監督が座っている野球の試合とかならある意味小競り合いも楽しめる…というかむしろ競り合えと言った感じなのですが、サッカーというのは紳士のスポーツですからね。乱闘なんてしようものなら簡単に没収試合になりますし、乱闘まで行かずとも相手に手を出せばよくて退場、下手すれば1年くらい出場停止を食らったりすることもありますからね。場合によっては手を出してないのに退場させられることもありますがね。もちろん相手にヘッドバッド食らわして「手は出してませんよ、手は」なんて屁理屈を言うつもりもありませんが。もちろん目からビームを出したり、髪の毛を針にして飛ばしたりするのも禁止です。人として。
 もっとも、個人的にはサッカーだって紳士のスポーツではないような気もしますけどね。紳士とは「全裸にネクタイと靴下」というのが正式なスタイルですからね。某SMAPの人もその格好であれば紳士協定で逮捕されなかったはずですよ。

 話を戻しますと、目標としていた観客数(3万人)には及ばなかったものの、今季最高の2万2千人という観客を集めたことは、水戸ホーリーホックという、こう言っちゃ悪いですが地味目なチームが相手と言うことを考えれば(吉原効果もあったのかもしれませんが)上出来だとは思いますが、その2万人以上のお客さんの中には初めて来た人もそれなりに含まれていたと思います。試合の勝ち負けはともかくとして、熱心なサポーターはもちろんのこと、そういう方々にはなおさら、Jリーグやサッカー協会は「サッカーの試合を見るのは楽しい」というのをわかってもらわないといけないと思うのですよ。この試合を担当した渡辺智哉主審は、これがJ2主審3試合目。経験不足というのもあるでしょうし、J2はそういった審判員の育成の場である、というのも理解はできますが、レフェリーが試合をコントロールできなくなれば、この試合のように選手は敵チームではなくレフェリーを相手に試合をするようになってしまいます。この試合での渡辺主審は、詰め寄られたりした時にもカードを乱発しなかっただけまだよかったと思いますが、中には抗議するそぶりを見せた(というか抗議と判断した)だけでカードを出して退場させてしまう人もいます。そんな試合、見てて面白いわけないですよね。何も選手や観客に迎合しろと言いたいのではありませんし、カードもとにかく出すななんて暴論を言う気もありません。ただ、スポーツにおいては「レフェリーもまた試合を作る一つの(そして大きな)要素である」ということは意識してほしいと思います。選手や監督が少しでもレフェリーのジャッジに不満を述べたらその部分をばっさりカットしてしまううちは、そうじゃないと、日本サッカーのレベル向上なんて望めないと思いますよ。

 まぁレフェリーについてはこのくらいにして試合についてですが、やっぱり早々に数的不利に陥ったことが響いたという感じでしょうか。今季は10人になっても横浜FC戦では勝利し、アビスパ福岡戦では引き分けていますが、この2試合はいずれも10人となった時点でまだ同点だったもの。ビハインドを負っていたロアッソ熊本戦でもなすすべなく敗戦していますから、今現在の札幌には1人足りない状況でビハインドをひっくり返せるほどの実力はない、ということでしょうね。まぁ致し方ない話ではあるんですけど。厳密に言えばこの試合でも西嶋が退場した時点では同点だったんですけど、PK取られちゃいましたからね。つーかそもそも、あの状況でどうしてサイドバックの西嶋が1人で高崎に付かなければならなかったのか、というのは疑問ですがね。八つ墓村のたたりかもしれません。まぁ水戸も既にかつての水戸ではなくなっていますから、90分を11人で戦えていたとしても、たぶんいつもの通り1-1の引き分けで終わったような気がします。14試合負けなかったかと思えばこれで6戦勝ちなしと、恐ろしく波が激しいのは昇格を目指すチームにとっては割と致命的です。シーズンを半分終えた時点で3位と勝点16差の9位というのは、客観的に見れば今季の昇格というのはかなり厳しいと言わざるを得ませんけど、今のこの中位をうろうろしている状態からどこまで順位を上げられるかによって「その先」の状況も変わってくると思いますので、最終的に昇格できるにせよできないにせよ、昇格するつもりで勝ちを積み重ねていかなければならないと思います。

2009年7月13日

勝てば官軍

2009年Jリーグディビジョン2第26節
愛媛FC 1-2 コンサドーレ札幌
得点者:札幌/上原、芳賀
     愛媛/内山

 前節水戸ホーリーホックに手痛い黒星を喫した試合から中3日、平日ナイトゲームは今節は愛媛FCとのアウェイ戦となります。リーグ戦が半分終わった時点で8勝7敗10分、勝点34の9位という成績はお世辞にも満足がいくものとは言い難いですが、今更嘆いたところでリセットスイッチがあるわけでもなければエンドレスなんちゃらなわけでもないですから、反省すべきところは反省しつつも、いい意味で忘れるというのも重要でしょう。とはいえ、半分っつっても一回り、あるいは二回りやって半分、ってのならいいですけど、なんか3クール制になってからこういう節目が中途半端で、いまいち「仕切り直し」って気がしないですね。木津千里さんならナタ持って虎ノ門あたりで暴れてるレベルですよ。18チームでも2回戦制だと試合数が少なすぎてチームの収入がアレだけど、かといって4回戦制だとさすがに多すぎるから3回戦制ってのも、ホームアンドアウェイ均等というサッカーリーグの原則をねじ曲げてまで行うべきもんなのかと思うのですけどね。実際この日のニンスタも観客数が2,000人行ってないんじゃ、収入のために試合やっても運営費でアシが出ちゃうんじゃないかって気もしますけどね。スカパー!の放映権料もあるんでしょうけど、これだけ中継する試合も多ければ試合単価もたいしたことないでしょうし。それだったら普通にリーグ戦を2回戦制にして、ナビスコカップを昔みたいにJ1/J2混合でやったほうがお客さん入るんじゃないかと思います。
 まぁ話が逸れてしまいましたが、愛媛戦。札幌サポーターにとってはもはや周知の事実ですが、某北海道ローカル番組の出演者と同様に、コンサドーレ札幌は四国が苦手です。じゃあ四国以外では強いのかと言われると決してそういうわけでもないのですけど、こと四国でのゲームはとりわけろくでもないゲームになることが多く、1999年の2部制スタート以降、徳島、香川、愛媛、高知の四国全県でのプロ相手の成績は、16試合で3勝8敗5分(Vゴールでの負けを含む)。愛媛での試合に限れば5試合で1勝4敗、しかもその1勝も西大伍のアディショナルタイムのゴールでやっとこさ勝ったというもの。おまけにこの試合、札幌は宮澤裕樹と藤田征也が怪我で欠場、西嶋弘之が出場停止と主力3人を欠いておりましたから、苦戦はある程度は予想していましたけど、それを差し引いても特に前半はもうほんとダメとかそういうレベルを超越したダメっぷりでした。
 まぁそれでも勝ったというところは評価すべきですけどね。勝てばオールオッケーというわけでもないですけど、それでも勝たなければ始まらないのも事実ですし。厳しいコンディションの中先制を許し、そして守りを固める相手に対して点を取ろうとして、そして2点取れたこと、またその2点とも決して「綺麗な形」での得点ではなかったことは、とても重要なことだと思います(もっとも、2点目は芳賀のシュートが綺麗じゃなかっただけで上里のクロスは完璧でしたけどね)。何度も書いているとおり、サッカーにおいては「いいシュートだから入る」のではなく、「入ったシュートがいいシュート」なのです。どんな形でも1点は1点。それを証明したのがこのゲームだったんじゃないか、と、この後のロアッソ熊本戦を見る前であれば断言できたんですけどねえ…。

2009年7月14日

さようなら、クライトン

 シーズンも半分が過ぎ、3位と勝点にして17も離された9位という、もはや昇格なんて言葉を既に口にするのもはばかられるほどの不振にあえぐコンサドーレ札幌に、追い打ちをかけるようなニュースが飛び込んできました。大黒柱クライトンの退団が、本日チームから発表されています。公式サイトでのリリースを引用すると、
 「契約解除の理由はクライトン選手の負傷の治療によるものです。負傷箇所の右足アキレス腱の状態が芳しくなく、チームのメディカル部門で約1~2ヶ月の治療期間が必要との判断に至り、クライトン選手本人としても、そのような状況になるのであれば所属フリーという立場になってブラジルに戻り、治療に専念したいという申し出があり、これを受けて弊クラブで協議した結果、クライトン選手との契約を解除することで本人とも合意にいたりました。」
 とのこと。古傷のアキレス腱は相当悪く、ここしばらくは練習にも満足に出られなかったようで、さすがのクライトンといえどそんな状態ではよいパフォーマンスを発揮できるはずもなく、ここ最近は「らしくない」プレイも多々見られたのもやはりそのあたりが原因だったのでしょう。今シーズンは特に「まず何よりクライトンを止める」という相手に数人がかりのマークを受けることも珍しくなかった上、屈強な肉体を誇るクライトンには相手もファウル覚悟で潰してくることも多かったですから、だましだましプレイするのももう限界だったのでしょうね。もちろん退団してブラジルへ帰国する理由の一つに、父上の心臓病のこともあるでしょうが、それでも試合では常に全力を尽くしてくれていたクライトンには、感謝こそすれ文句を言う気は一切ありません。どっちかといえば、成績としては札幌ではあまりいい目がなかった、というかむしろ悪いことばっかりだったことは申し訳ない気もします。
 しかしそれはそれとして、ここ数年ほどはなりを潜めていた「10番の呪い」が久々に発動しちゃったんですね。チームが不調だとこういうことも起きてしまうんでしょう。何しろ去年の10番にも半年遅れで発動しちゃってるくらいですから。まぁそもそも札幌への入団の際も、キャンプインした途端に退団したアルセウの後釜として、開幕直前にようやくチームに合流したという経緯があります。まさに風のようにやってきて風のように去っていったという感じでしょうか。とにかくありがとう、そしてさようならクライトン。惚れ惚れするようなミドルレンジのパスと、ぶつかってきた相手が逆に吹っ飛ぶほどの笑える尻芸は忘れません。

 さて今後の話ですが、今季の札幌が敷いていた4-2-3-1のシステムも、もともとはクライトンをトップ下に入れてその攻撃力を最大限に生かすためのものでした。クライトンの代わりができる選手をこれから獲得するのも現実的ではないですし、かといって今のチームにそんな人材がいるはずもありません。強いて挙げるなら宮澤でしょうが、それなら彼をFWに置いて2トップにしたほうが紀梨乃も生きるでしょうから、おそらくはオーソドックスな4-4-2にしてくると思われます。いずれにしても、これまでは最大限に生かすのを通り越して限界までこき使っていたクライトンなしで戦わなければならないのですから、残された選手たちの奮起に期待したいと思います。

dora2.jpg

2009年7月15日

こんにちは、お二方

 クライトンの退団発表から一夜明けた本日、クラブから2人の新加入選手の獲得の発表がありました。1人はブラジル国籍の攻撃的MFハファエル・バストス選手、もう1人はJ1柏レイソルからDF石川直樹選手。いずれも期限付き移籍で、バストス選手が2010年1月1日まで、石川選手が2010年1月31日までのだそうですが、国内移籍の石川選手はともかく、国際移籍のバストス選手も昨日クライトンの退団の発表があってその翌日には新加入が発表されたということは、ずいぶん前から動いていたということですね。前回「クライトンの代わりとなる助っ人選手を探すのは現実的ではない」と書きましたが、すみませんどうやらコンサドーレ札幌というクラブを見くびっていたようです。まぁクライトンについては開幕前にもゴタゴタがありましたから、もしもの時に備えてはいたんだろうとは思いますが、クライトンの代わりとなるかどうかは別として、少なくとも後のことを考えずにクライトンとの契約を解除するようなことはしてなかった、ということですね(同時にクライトンの退団も昨日今日いきなり決まったことではない、ということも伺えますが)。

 というわけで新加入選手についてですが、まずはハファエル・バストス選手。184cm78kg、1985年1月1日生まれの24歳ということで、ますますスタメンの平均身長が上がって平均年齢が下がることになりますが、それはともかく登録名はファーストネームのハファエルだそうです。ファミリーネームにしなかったのは、バストスだとアメリカ女子ソフトボール代表の強打者と間違えられるからでしょうか。どっちかというとクライトンの代役としてはそっちのブストス選手のほうが適任な気がしますがそれはさておき、ハファエル選手はリオデジャネイロの生まれで、2004年にリオ州リーグのアングラドスレイスでプロのキャリアをスタート、2005年までプレイした後、2006年に当時3部リーグだったECバイーアに移籍しました。
 2007年には一時期クルゼイロに移籍していたこともあるみたいなんですが、バイーアでは忘れたくても忘れられない、あの俺たちのノナトとちょっとだけ一緒にプレイしていたようです。もっとも、ノナトがフォルタレーザからバイーアに戻ったのが2007年の5月で、ハファエルは同年6月21日にポルトガル1部リーグのCFベレネンセスに移籍しているため、ほんとにちょっとの間みたいですけどね。ちなみに2人揃って出場した試合がないか調べてみたら、2007年6月3日に行われたセルジペとの親善試合の記事が見つかりました。この試合は1-1の引き分けに終わっているのですが、バイーアのゴールはなんとノナト、そしてハファエルは前半27分に一発退場しています(それに文句を言ったノナトもイエローカードを食らったようです)。なかなか愉快な試合だったみたいですね。
 さて、ポルトガルに渡ってからのハファエルは、ベレネンセスでは07/08シーズンにプレイし、リーグ戦12試合、カップ戦1試合に出場し0得点。翌シーズンは同1部のナシオナルに移籍し、10番を背負いリーグ戦7試合に出場(0得点)したようですが、何があったのかシーズン途中の12月にヴィトーリアに移籍(※)。ヴィトーリアでは2試合に出場し1得点を挙げたようですが、シーズン終了後退団し、現在は無所属とのこと。先月頭にはFC東京の練習に参加していたようで、そこで目をつけたのかはたまた売り込みがあったのかはわかりませんが、いくらクライトンの半年分の年俸が浮いたとはいえ、ブラジル国内でも名の知られた存在だったクライトンと同レベルの実績・実力を持つ選手を獲得するにはとても足りないでしょうし、またその必要もないでしょうから、「当たればもうけ」くらいの感覚でいるのがいいのでしょうね。
 プレイスタイルについては、公式サイトでの紹介では「スルーパスやゴールを距離に関係なくいつも狙っている」とのことですが、YouTubeに上がってた動画を見る限りではあまりそんな感じはしないですね。2007年のバイーア州選手権ではシーズンで9ゴールを挙げていたみたいですが、ポルトガルではフル出場した試合はあまり多くなかったとはいえ得点はなかったようですし、あんまそっち方面の期待はしないほうがいいかもしれません。チーム合流は7月末、背番号はクライトンの10番をそのまま引き継ぐようです。当面の課題は、「ドーレくんの10番はクライトン」と憶えてしまっているうちの娘にどう理解させるかですね。

(※2009/07/16追記)
 その後いろいろ調べてみましたが、どうもヴィトーリアに移籍したのは2008年の12月ではなく、ナシオナルでは翌2009年の1月までプレイしていたようで、さらに出場試合も7試合ではなく9試合だったみたいです。ちなみにハファエルのナシオナル最後の試合となったのが2009年1月4日の対FCポルト戦。この試合ではフッキと対戦し、2ゴールをぶちこまれて2-4で負けています。また、ベレネンセス時代の2008年4月22日に、対セツバル戦でアダウトと対戦して5-0で勝ってますね。

 さて次に石川選手。ふくらはぎの怪我から今季途中での復帰を目指していた箕輪義信が、快復具合が思わしくなく再手術を余儀なくされ再び全治9ヶ月となり、また同じく怪我からのリハビリ中のソダンもまだもう少し時間がかかりそうなこと、加えて西嶋弘之が最近イエローカードを一身に浴びていることから、DFの補強はあるかもしれないとは思っていましたし、あるとしたらノブリンがかつて指導していた選手だろうと思っていましたのであまり驚きはなかったのですが、やってきたのはこちらも1985年生まれの23歳(誕生日は9月13日)とやはり平均年齢の引き下げに貢献する選手でした。千葉県柏市生まれ、ジュニアユースからレイソル育ちと生粋の柏っ子。2004年にトップチームに昇格し、今季途中までリーグ・カップ・天皇杯合わせて71試合に出場し4得点を挙げています。対コンサドーレ札幌戦には2006年11月26日のJ2第51節に左サイドバックとしてスタメン出場し2点目を挙げていますが、その後札幌に2点差をひっくり返され敗戦(通称「中山元気さんが札幌に来てから一番眩しかった試合」)。その次は2008年3月30日のJ1第3節で同じく左サイドバックとしてスタメン出場しましたが、この時も逆転負けとなっています。どちらも日立柏サッカー場での試合だったので現地で見ているはずなのですが、正直思い出せません。
 ちなみに柴田慎吾とはレイソルユースで同期だったんですね。柴田くんも石川選手に負けないよう精進して欲しいと思います。

2009年7月21日

23対2

2009年Jリーグディビジョン2第27節
コンサドーレ札幌 0-1 ロアッソ熊本
得点者:札幌/なし
     熊本/吉井

 クライトンの退団やら新加入選手やらがあったため、気がつけばロアッソ熊本戦の記事が全然かけてませんでした。なんかもう今更って感じもしますし、何より試合が絵に描いたようにアレだったのでいっそこのままうやむやにしようかとも思ったのですが、やはり現実とは戦わなければいけないと思いますので、簡単ではありますが書いてみようかと思います。
 結果的にはクライトンの札幌でのラストゲームになってしまったこの試合、前節アウェイで愛媛FCと戦ったコンサドーレ札幌は、苦手な四国で苦しみながらも逆転勝利を果たしたことで何かひとつのきっかけになったんじゃないかという淡い期待もありましたが、淡さでいえば淡口くらいの期待もしょせん期待でしかなく、原田の退場で前半で10人になった熊本を相手に圧倒的に攻め込みながらも拙攻を繰り返し、逆にワンチャンスをモノにされ0-1の敗戦となってしまいました。
 熊本のシュートはこの得点時の吉井のシュートと、おそらく後半キックオフの際に木島(前園顔)が放ったのと2本だけ。「シュート2本での勝利」というのはJリーグの最少タイ記録となります。といってもこのパターンは結構あって、今年だけでもJ1では5月2日の第9節・西京極での京都サンガFC対名古屋グランパス戦(0-1で名古屋が勝利)、J2でも5月10日の第14節・三ツ沢での横浜FC対栃木SC戦(1-2で栃木が勝利)でそれぞれ記録されており、今年だけで3回目となります。それ以前でもざっと調べた範囲ではJ1/J2含めて5試合くらいありました。なお、横浜FC対栃木SCの試合では、栃木の2点のうち1点はオウンゴールで、当初栃木のシュートも1本しか記録されなかったのですが、後に2本に訂正され惜しくも栄冠(?)を逃しています。それに対して、札幌が放ったシュートはなんと23本。しかも話によれば交代出場した3選手を含む全フィールドプレイヤーがシュートを放ったのだとか。圧倒的じゃないか我が軍は。熊本などものの数ではないわ。入らなきゃ意味ないけどな!
 そんなわけで、野球で例えれば毎回の全員安打を放っておきながら16残塁、被安打はたったの2つだったのに送りバントとタイムリーエラーで献上した1点を守り抜かれて敗戦って感じでしょうかね。ところで福王といえば代打の切り札だと思うんですけど熊本の福王選手はスタメンで出ていいと思ってるんですか(言いがかり)。それはともかく、昔「下手な鉄砲も数打ちゃ当たるんだからいいからとにかくシュート打て」なんていいましたけど、この日みたいに無駄にボールを回した挙げ句手詰まりになって入りそうもないところから打つシュートなんて意味ないですよね。その上決めなきゃいけないところも決められないのでは、そりゃ何本シュート打ったって入りっこないです。ちなみにJリーグの90分での最多シュート記録は、1999年のJ1リーグセカンドステージ第14節・ベルマーレ平塚対鹿島アントラーズ戦で鹿島が記録した34本らしいです。延長戦があった時代を含めると37本だそうで、これは1998年のベルマーレ平塚が記録していますが、この時の相手はコンサドーレ札幌でした。なので、どうせだったら1本で勝利というJリーグ新記録のお膳立てをしたチームとして名を残すのが、スペシャルネタチームとしてのコンサドーレ札幌のつとめだと思いますが、木島も入るわけもないキックオフシュートなんぞやっとらんでその辺空気を読むべきだったと思います(無茶)。

 まぁそんな感じで心底どうしようもない試合だったわけですが、10人の相手に負けるというのはサッカーでは割とよくあることで、実際札幌も第10節の横浜FC戦で逆の立場で勝利していますから、それはそれで「こういうこともある」と割り切るべきなんでしょうけど、だったらなおさらこういう場合に「数的優位の側がやってはいけないこと」がわかっていてもいいはずだとは思うのですけどね。何食わぬ顔で毎試合失点をする札幌ですら、引き分けでもOKと開き直って守ればそうそう簡単には崩されなかったのですから、そうそう簡単には点を取れないことはわかっていなければいけないはず。なのに、「いつかは取れるだろう」的な感覚で時間を浪費し、挙げ句の果てにはいちかばちかのパワープレイなんて、その横浜FCをしてやった時のまんま逆パターンじゃないですか。その辺、やっぱり「大人のチーム」にはなりきれてないんですよね。
 それでも無理矢理「よかった探し」をするのであれば、ボランチのダニルソンと前半怪我で欠場した藤田征也の代わりに右サイドに入った石井謙伍でしょうか。ダニルソンは相変わらず雑なところもありますが、これまではバランスを気にしすぎていたのかミッドフィールドからあまり動かず、どちらかといえば守備専門といった感じで、攻撃参加もカウンターを除いてはペナルティエリア手前からのミドルシュートを見せるくらいだったのが、この試合では積極的にサイドに流れたりペナルティエリアまで侵入してチャンスを作っていました。もちろん相手が1人少なかったということもあるでしょうが、少なくとも引いて守る相手に対して動いてスペースを作ろうとしてたのはダニルソンと砂川くらいでしたからね。あとは中盤でのキープ力が出てくれば、とんでもない選手になりそうな気がします。
 謙伍も今シーズンは交代で出てきた時はいったい何しに出てきたんだと思うことしきりでしたが、スタメン出場したこの試合は積極的にボールに絡み、前線から激しいプレスを仕掛けてマイボールにしたりといい動きをしていました。やりゃできるじゃん、と思ったのも束の間、後半FWに入った途端、前を向けるシーンでも後ろにボールを戻したりと、もとのがっかりさんに戻ってしまいましたけど。前を向いてボールを受けたほうがいいパフォーマンスが出来るということなんでしょうか。前半のプレイがいつでもできるようになれば、ベストメンバーが揃った時でも少なくともベンチから外れることはなくなると思うんですがねぇ。

2009年7月24日

チェリー/スピッツ

シュート入らない 曲がりくねって外へ行く
並くらいの得点と 無駄に多い黄色い紙
そして守れない 譲り合って決められて
きっと 想像した以上に つまんない試合が僕を待ってる

監督を替えるだけで 強くなれる気がしたよ
ささやかな勝点を つぶれるほど抱きしめて

こぼれてるボール 人がいても決められた
あのシーンはすぐにでもクリアしてと言ったのに
少しだけ強い 今日も次も引き分けて
今 仙台鳥栖にも 甲府水戸にも 置いて行かれる

助っ人を入れるだけで 強くなれる気がしたよ
来季また この場所で 岐阜とめぐり会いそう

どんなに攻めても ゴールできない 肝心な時にずれるパス
サイドをえぐって 切り裂いてクロス 遙か遠くまでどこかへと消えて

シュート入らない 曲がりくねって外へ行く
きっと 想像した以上に つまんない試合が僕を待ってる

監督を替えるだけで 強くなれる気がしたよ
ささやかな勝点を つぶれるほど抱きしめて
栃木にも岡山にも引き分けそうな気がしたよ
来季また この場所で 岐阜とめぐり会いそう

2009年7月27日

歴史は繰り返す

2009年Jリーグディビジョン2第28節
コンサドーレ札幌 1-2 ザスパ草津
得点者:札幌/ダニルソン
     草津/都倉、松下

 どうでもいいですけどコーヒールンバを歌い出そうとすると「さそり座の女」になりませんか。

 前節10人でシュート2本のロアッソ熊本にさくっと敗戦した札幌は、今節は函館に場所を移動してのホームゲームとなります。相手は第1クールの試合でアウェイで辛勝したザスパ草津。前節終了時点で勝点34の10位につける草津に対して、札幌は勝点で3だけ上回る37の9位。助っ人4人を入れてやっとこさっとここの順位という札幌もたいがいに情けない気もします。13ゴールで得点ランキング3位につけるエース都倉賢の存在も含めて、草津が強くなったのは間違いないでしょうが、それでも「J1昇格」を目標としている以上、この程度の成績で満足できるサポーターはいないでしょうし、チームとしてもこんな順位に甘んじている現状が本意ではないことを、結果で証明して欲しいものです。しかし函館はコンサドーレにとってどうにも相性がよくないようで、ここ千代台競技場で試合が行われるようになった2000年以降、勝ったのは「俺王様スーパー北斗21号事件」で有名な2001年のガンバ大阪戦(1-0)と、2005年のモンテディオ山形戦(3-1)のみ。通算で2勝6敗1分という成績となっています。年に1度の函館開催を楽しみにしている函館在住のファンの中には勝ったところを見たことがない、という人も普通にいそうな感じでして、そして結果としてそれは今年も同じような状況になってしまったわけですが。

 札幌はこの試合の前にクライトンが退団し、そのクライトンの後釜として獲得が発表されたハファエル選手はまだ来日しておらず、同時に加入が発表された柏レイソルの石川直樹も合流したばかりということで函館への遠征メンバーからは外れましたが、前節怪我で欠場していた宮澤裕樹と藤田征也が戦列に復帰。クライトンが退団したことでトップ下を置く理由がなくなったため、ノブリンがこれまでの4-2-3-1ではなく4-2-2-2にシステムを変更したのは予想の範囲でしたが、2トップの一角に入ったのは宮澤ではなく西大伍で、さらに左のサイドハーフには石井謙伍が入りました。岡本賢明ではなく謙伍を使った理由は、おそらくはサイドハーフとしてよりも、どっちかと言えば右サイドの征也からのクロスに対して、紀梨乃、大伍、そしてもう1枚謙伍を突っ込ませるという、実質3トップという感じに考えていたんでしょうかね。その通り左に張ってプレイすることよりも中に入ってのプレイのほうが多く、若干下がり目の位置でボールをよくさばいていました。この状況でも2トップの片割れを本職の謙伍ではなくあえて大伍にしたのは、謙伍をFWっぽくないところに置いといてFWと意識させないノブリンの高等戦術だったのかもしれません。いやまぁ実際FWがそんなことでは困るような気もするんですけども、できないプレイを無理矢理やらすよりはできるプレイを最大限やってもらったほうがいいということなんでしょうね。もっとも、後半に上里からのこれ以上ないって感じの絶妙クロスを空振りしたのはやっぱり量産型柳沢なんだなぁと思いましたが。なんというか、草津の都倉や愛媛の内村といった中位以下のチームでも得点ランキング上位に顔を出している選手や、最下位のチームにいながらJ1で2位のゴールを叩き出していたダヴィみたいな選手を見ると、「点を取る能力」だけは教えて何とかもなるものじゃないんでしょうし、「ボールを扱う」スキルと「ボールをごーるに入れる」スキルは違うものなんだろうな、と思います。関係ないですけど都倉って同じ川崎フロンターレの井川以上に女装が似合いそうな気がしますよね。

 しかしなんだかんだ言って、スタメンのフィールドプレイヤー10人のうち半分の5人が札幌生え抜きの選手、そしてそのうち3人がユース出身です。また、札幌に来るまで公式戦の出場がなかった西嶋も「準生え抜き」と解釈することも可能かもしれません(無理)。GKを含む11人中8人が生え抜き選手どころかレンタル選手だった時代に比べれば隔世の感はありますね。まぁそれで勝てるかどうかはまた別問題ですけども。ただ少なくとも、同じように(というよりは半ば無理矢理に)生え抜き選手を中心にチームを作った2004年は笑っちゃうくらい勝てずにJ2最下位に沈みましたからね。もちろん助っ人がいるという点が当時とは絶対的に違いますけど、その助っ人の中でも絶対的な柱だったクライトンが抜けた後でも試合を優勢に進めることができていたのは、結果的に負けたとはいえ「育成型チーム」という観点ではわりかし順調といえば順調なんじゃないかと思うわけです。とはいえ、この試合の敗因は簡単に2失点してしまったこと、すぐに1点を返したのにその後攻め込みながらも決めきれなかったことなんですが、何となく2006年のエントリを読み返してみたら、3年前の自分が今と同じようなことを嘆いていたんで、もしかしたら順調でもないような気もしてきました。まぁ当時はフッキという絶対的なストライカーがいたのに対し、今年は「決められんFWを何枚並べたって決まるようにはならん」という違いはありますけどね。やっぱり点の取れる選手は必要なんでしょうかね。つってもフッキがいても昇格はできなかったわけですけど。結局メンバーも監督も変わっても、チームの本質はそうそう変わるものではないのかもしれません。こう見えても5年前に一回リセットボタン押したはずなんですけどね…。

2009年7月28日

鍵を握る男

 全51試合に及ぶJ2リーグも第30節を終え、J1昇格を争う上位チームの成績は1位セレッソ大阪、2位湘南ベルマーレが共に勝点60、3位につけるヴァンフォーレ甲府が勝点1差の59、4位のベガルタ仙台が同57と、だいぶ混戦模様になってきていますが、翻って札幌はどうかというと、みなまで言うのもあれですが勝点41で9位に留まっています。「何が起こるかわからない」とはいえ、一般的には「勝点差が残り試合数を超えると安全圏」と言われており、その理論に当てはめれば逆に残り21試合を残した段階で3位甲府と勝点18差の札幌はかなりギリギリのところまで追い詰められていると言えます。しかし何度も書いているとおり、結果として昇格できるにせよできないにせよ、このままの順位に甘んじていいわけはありません。たとえ「奇跡は起こらないから奇跡って言うんですよ」だとしても、出来うる限り上の順位に食い込む努力をしなければ先には繋がりませんから、この先の巻き返しは必須であると言えるでしょう。
 その巻き返しへの鍵を握る1人が、新助っ人のハファエルでしょう。退団したクライトンのあとを継ぐ10番を背負うこのブラジル人選手がどれだけやれるかがこの先のシーズンの行方に影響を及ぼすことは間違いなさそうです。もちろん、1人で試合を支配してしまうようなスーパーな選手だったら、札幌に来るまで所属チームがないなんてことはないでしょうから、過度の期待は禁物だとは思いますし、1人に頼るサッカーをするわけでもないと思いますが、少なくとも彼の存在がプラスになるかならないかで得られる勝点は変わってくるはず。実際のところはフタを開けてみるまではわかるはずもないですが、(これといったネタもないこの時期)道内メディアもこの新戦力には少なからぬ注目をしています。

 で、そのハファエルさん、パッと見サッカー選手というよりは「リオの極真会館で空手やってました」みたいな風貌です。実際、ハファエルの加入が発表されその経歴などについていろいろ調べていた際、Rafael Bastosという同名の格闘技選手がgoogleで2番目にヒットしてましたが、この名前はやっぱりそういう系統なんでしょうか。まぁ単なる同姓同名ってだけで両者には何の関係もないと思いますが。ちなみに興味本位で格闘家のバストス選手を調べてみたら、何の格闘技かはわからないのですけど、ニックネームは「Manteiga」。エキサイトでポルトガル語翻訳をかけてみたら、「バター」って出ました。なんだかさっぱり意味がわからないのでYahoo辞書で調べてみたら、「猪(いのしし)・豚などの脂肪」と、スポーツ選手としてその愛称はどうよと思わず突っ込みたくなる意味が出てきてなおのこと意味不明に。なんだかとっても気になってきました。
 なお、ポルトガル・ナシオナル在籍時のハファエルがFCポルトのフッキと対戦して負けたことがあるというのは以前も書いたとおりですが、この格闘家のほうのバストスもHULKという選手に負けている記録がありました。

 それはおいといて札幌のハファエルについてですが、スポォツ報知によればレアル・マドリーのブラジル代表MFカカに「プレースタイル、性格が似ているとよく言われた」とのこと。日刊スポォツでは「目標の選手」としての話のようで、「自分も札幌で彼のような選手を目指したい」そうです。俺はロナウジーニョよりうまいとか言われなくてよかったです。
 問題はとにかく動きまくる日本のサッカーにフィットするかどうか、ということ。いくらテクニックがあっても、ラン&プレスのJリーグサッカーに順応できずに日本を去った有名選手も珍しくないわけで、ダニルソンもシーズン当初は戸惑いを隠せず、シーズン半分かかってようやく慣れてきたという感じでしたからね。その点については、その後の記事によれば「日本への順応に苦労はいとわない。『食べ物に好き嫌いはない。生ものも大丈夫だと思う。たとえ、石でも食べる』と訴え、必死な姿勢をのぞかせた。」(スポォツ報知)とのこと。石食ったところでニポンは決して近くはならないですけど、要するにそのくらいの覚悟でやりますよ、ということなのでしょうね。
 その覚悟は食事以外でも現れているようで、デビューが予想される次節セレッソ大阪戦でのゴールを予告、ゴール後のパフォーマンスについて「異国に順応すべく『日本のテレビからヒントを得るのもいい。思いついたらすぐにやる』とニヤリ」(スポォツ報知)だそうです。見た目と違ってけっこうノリのいい人なのかもしれません。だとしたら、クラブがやることは今すぐ日本の誇る3大バラエティ「オレたちひょうきん族」「8時だヨ! 全員集合」「カックラキン大放送」のDVDをハファエルに支給し、パーデンネンやNASA音頭、ラビット関根のカマキリ拳法を仕込むべきだと思います。でもカックラキンってDVD化されてないんだよなー。

 ちなみに退団したクライトンですが、やっぱりというかなんというかアトレチコ・パラナエンセへの復帰が決まったようで、パラナの公式サイトにて入団会見の模様がアップされています。遅かれ早かれこうなるんじゃないかとは思っていましたが、思った以上に早かったですね。まぁブラジル人ですからそんなもんです。

2016年2月

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29          

アーカイブ