滑り出しは上々

Jリーグアジアチャレンジ in タイ
バンコクユナイテッドFC 1-5 北海道コンサドーレ札幌
得点者:バ/ネルソンボニージャ(24’) 札/アンデルソンロペス(11’)、チャナティップ(15’)、ルーカスフェルナンデス(38’)、鈴木武蔵(48’、85’)

ミシャ体制2年目のスタートを切った北海道コンサドーレ札幌は、タイでの第1次キャンプの締めくくりとして、タイの首都であるクルンテープ・マハーナコーン・アモーンラッタナコーシン・マヒンタラーユッタヤー・マハーディロック・ポップ・ノッパラット・ラーチャタニーブリーロム・ウドムラーチャニウェートマハーサターン・アモーンピマーン・アワターンサティット・サッカタッティヤウィサヌカムプラシット、通称バンコクで行われた「Jリーグアジアチャレンジ in タイ」という大会に出場、地元タイプレミアリーグのバンコクユナイテッドFCと対戦しました。

昨季タイプレミアリーグ2位のチームを相手に序盤から攻勢に出て、11分にルーカスフェルナンデスが得たPKをアンデルソンロペスが冷静に決めて先制すると、18分にはアジアカップから帰ってきたばかりのチャナティップが追加点を決めてリード。24分にはバンコクFWネルソン・ボニージャに単騎突破から1点を返されるものの、38分にはルーカスフェルナンデスが相手GKが出た隙を見逃さずにロングループシュートを決め、3-1で前半を終了。

大幅にメンバーを入れ替えた後半も3分に鈴木武蔵が相手DFと競り合いながらゴールをねじ込むと、終了間際の40分にも藤村からのスルーパスをうまく裏で受けて2点目をゲット。5-1の圧勝を飾りました。

札幌は今年もACLへの出場を目標にしているわけですが、「ACL? いやいやそんなそんな」くらいの認識だった昨季と違って、今年はそんなことを言う人はほとんどいないでしょう。現実的な目標として捉えていいと思います。

ただ、その場合懸念となるのが、去年12ゴールをあげたFWの…都…と…誰でしたっけ? まぁその人がセレッソ大阪へ移籍した影響がどこまであるかということ。大黒柱のジェイはTwitterで「何の心配もいらねぇよ。黙って俺についてきな(意訳)」とコメントしていましたが、サポーターとしてはやはり得点力がどうなっているか気になりますよね。だって、きっと失点は減りそうもないから。

で、そんな頼もしいことを言ってくれたジェイはこの試合で姿を見せることはなかったのですが、それでも5得点。そのうちチャナティップ以外はすべて新戦力のゴールで、特に2得点を挙げたFW鈴木武蔵はこれまでのテストマッチ(2試合)すべてでゴールを挙げている上、この試合でのゴールも、身体の強さを生かした力技と、斜めに走ってDFの裏を取ったもので、その他でもゴールにはならなかったものの、飛び込んでのヘディングなどいろんなシュートパターンを披露。思った以上にボールも収まりますし、今季相当やりそうな雰囲気はありましたね。

また、アンデルソンロペスも思ってた以上に守備をしてましたし、ルーカスフェルナンデスも「シャア専用マセード」といった感じでかなり期待できますし、何よりこの2人が中継を通して日本からも観測できたことで、札幌への加入確率が80%にまで上昇したと言っていいでしょう。後半から出場した中野嘉大や岩崎悠人も持ち味を発揮してましたし、帰ってきた中原彰吾もずいぶんとたくましくなっていて、新戦力がちゃんと補強になってたのは好材料。ルーキーの中村桐耶や2年目の藤村怜も要所で思い切りのいいプレイを見せていました。

反面、「きっと失点は減りそうもない」という予想は、この試合を見て「やっぱり失点は減りそうもない」という確信に変わる程度には良くも悪くもミシャ札幌という感じでした。攻撃のほうもこれから沖縄、熊本でJクラブとテストマッチを行っていく中でどうなるかはわかりませんが、少なくとも去年からの上積みはちゃんとできているようでしたので、この時期のテストマッチとしては上々なのではないでしょうか。例年みたいな、がんばって「良かった探し」をしなくてもいいというのは、心穏やかでいられるものですね。

ちなみに、どういう選考理由かはわかりませんが、勝った札幌がこの大会の優勝チームとなったらしく、キャプテンマークを巻いたチャナティップがシャーレを掲げる姿が印象的でした。凱旋試合として現地ファンへのサービスもあったにせよ、タイの至宝が札幌にとって欠かすことのできない選手であることはしっかり伝わったと思います。

もっとも、チャナティップはその後シャーレを(本来のキャプテンである)宮澤に渡そうとして、断られてましたけど。