惜しかった

2018年明治安田生命J1リーグ 第11節
ベガルタ仙台 2-2 北海道コンサドーレ札幌
得点者:仙/西村拓真(47’)、大岩一貴(90+4’) 札/福森晃斗(16’)、チャナティップ(78’)

彼らはかつて、ブランメルだった──

歴史から抹消され、限られた文献にだけその名を残す「ブランメル」とはいったい何なのか。それを確かめるため、仙台へ向かったサポーターを待ち受けていたのは、果たして…!

というわけでベガルタ仙台戦。これでもかという試合ラッシュに、どのチームも明らかにツラそうですけど、どこへ行くにも飛行機移動を強いられる札幌がたぶん一番キツいでしょうね。

今のところはまだ結果に出ているとおり大きな影響はなさそうですけど、何よりもアレなのは、こんだけ試合やってるのにまだ半分しか終わってないというところなんですよね。連戦の割には、思ってたよりかはケガでの離脱が少ないのは幸いなところですが。去年なんて怪我人だらけでしたからね。

ただ、この試合では深井一希が欠場。彼の場合あんまり膝に負担をかけないよう、連闘できないのは仕方ないのですが、彼が出られない時の代役の選定は、ミシャもなかなかに苦労するところでしょう。普通に考えれば荒野か兵藤か、というところかと思うのですが、ミシャの採った策はそのどちらでもなく、福森をボランチに上げることでした。荒野は技術は本当に高いのだけど試合を読む目があんまりなくて、逆にひょうさんはその辺に長けすぎていて、ベンチにいてくれたほうがあらゆる状況に対処しやすい…ということなんでしょうかね。

確かに福森をボランチに上げるのはスクランブルで1度やったことがありましたけど、それであればもともと本職だったミンテを中盤に上げたほうが良かった気がします。ただ、そうすると今度はミンテのポジションを任せられる選手がいない、ということなんでしょうか。あとは駒井をボランチにして右サイド荒野、というのはたぶんミシャも大いに懲りたんでしょうけど、そうなると個人的には白井を見てみたいのですよね。でも、ルヴァンであれだけいいパフォーマンスを見せているのに、なぜだか荒野以上に使ってもらえないですよね。ラブアンドピースがよくなかったんでしょうか。

好調の札幌ではありますが、守備のメンバーの薄さはウィークポイントですね。ルヴァンのメンバー見ても、そもそも本職がいないという。菊地さんはどうなんですか。まだケガなんですか。

そんなわけで試合なんですが、全体的に仙台に主導権を握られていた内容から見ると、やっぱりお世辞にも福森ボランチが奏功していたとはいえなかったですね。前半16分の先制点以外はやっぱちょっとアレなシーンが多くて、「慣れてない」感がありありでしたもんね。

彼の左足は本当にJ全体でもトップクラスなので、あれを生かすには(シュートも狙える)前目の位置で使ってみたいというのはわかるのですけど、ヨモさんも「僕もウィングバックで使おうとして失敗しました」くらいはミシャにアドバイスをしておけばよかったのに、と思います。適材適所、というか、福森さん使いどころが限られるタイプですからね。マンボウみたいな。顔の感じも。

なので、仙台に何度も危ないシーンを作られておきながらもリードして前半を終えられたのは僥倖でした。しかし、それも長くは続かず。後半開始早々に仙台の西村に同点ゴールを決められてしまいます。さらに後半28分、キムミンテが2枚目のイエローカードで退場してしまいました。

そういえばミンテにとって仙台は古巣。去年の開幕戦でもけっこう入れ込んで、前半の早い時間帯で警告を受けてましたから、とっくんといい古巣相手に空回りする選手が多すぎる気がします。気持ちはわかりますけどね。

数的不利となった札幌ですが、しかしここからがすごかった。直後に都倉を下げて早坂を入れ時は、完全に引き分けで御の字という采配かと思ったのですが、交代で入ってきたひょうさんや宮吉、そして早坂が獅子奮迅の立ち回りを見せ、試合のペースを握ります。

そして後半33分、ドリブルで中に切れ込んだ駒井からのパスを中央のチャナティップが豪快に叩き込んでリードを奪います。その前のプレイでゴール前の絶好のチャンスで都倉にパスをしてしまい、駒井がマジギレしていたのですが、その駒井からのパスを今度はきっちり決め、駒井とともにゴールを喜び合うタイの英雄。尊い。

これで勝てれば本当にできすぎな試合だったのですが、そううまくは行かず。後半アディショナルタイム、おそらくここをしのげば勝ちだったであろうコーナーキックを大岩にニアサイドで合わせられてしまい、同点に追いつかれました。

あともう1プレイ粘れていれば…という思いはありますが、1人少ない中でアウェイで勝点1を取れれば御の字でしょう。もちろん勝ちたかったかと言われれば、勝ちたかったに決まってるべや。

つい訛った。

でもアレですよね(どれだ)。1点目も2点目も、クロスが逆サイドに流れたのを拾っての再攻撃からのゴールですから、あの辺がきっちりできている(駒井はまぁ当然としても、ガースーもしっかり拾ってる)というのが、点を取れている理由なんだと思います。とはいえ、それを複数回繰り返されると、かつてよく見られた「ワロス交換」になってしまうわけですけどね。アレほんとなんだったんでしょうね。

なんだったんだと言えば、2000年前後くらいにベガルタの「カニカニ言うな」ってflashありましたよね。あれもほんとなんだったんでしょうね。好きだった。