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サウジスコア

2019明治安田生命J1リーグ第23節
清水エスパルス 0-8 北海道コンサドーレ札幌
得点者:清/なし 札/チャナティップ(10’, 90’)、ジェイ(24’, 75’, 79’)、進藤亮佑(48’)、鈴木武蔵(57’)、福森晃斗(84’)

日本平にはイヤな思い出しかありませんでした。

ホームで大勝した時に書いた通り、2001年の試合もトラウマ級の試合なのですが、翌2002年の試合も、開始早々にあっという間に2点入れられただけでなく、酒井直樹が大けがをするシーンまで目の当たりにしてしまうという、こちらも忘れられない試合(試合は結局0-3で惨敗、酒井もこの怪我がもとで引退)でしたので、日本平には苦手意識しかなかったんですよ。結局この年でコンサドーレはJ2に降格、その後はJ2暮らしが長かったことからしばらく清水との対戦そのものがなかったのですが、2008年、2012年のJ1でのシーズンの対戦でも、日本平では勝てていません。と言っても、この2シーズンについては、日本中どこででも景気よく負け続けてたんですけどね。

ところが、清水がJ2に降格した2016年の対戦で、チーム史上初めて日本平で初勝利すると、苦手意識も払拭されたのか、J1昇格後もリーグ戦では2年連続で勝利中…だけでなく、2017年は悲願のJ1残留をそこで果たすなど、むしろ相性のいいスタジアムに変貌しています。かつてのツンツンはどこへやら、今はすっかりデレまくっている海原雄山先生のような日本平ちゃんですが、オレ自身はかつてのトラウマもあって、なんとなく「二度と行くことはないだろうな」と思っていました。

しかし、例のガチ勢の娘が「(関東後援会の)観戦バスツアーに連れてけ」とうるさいので、18年ぶりに日本平行きを決意。まぁ、お盆と言うこともあってかバスツアーは催行人数に足りずに、開催されなかったんですけどね。さりとて試合のチケットはすでに取っていたので、車で行くことにしました。車で行くとお酒飲めないのであんまりやりたくなかったんですけど、電車で行くのもそれはそれでけっこう大変なので…。

ただ、それ以上に大変だったのは「暑さ」だったんですけどね。この日の静岡市の日の入り時間は18時半頃なのに、キックオフは18時。まぁ実際のところ日本平は山なので、日が山の陰に隠れたのはキックオフとほぼ同じくらいの時刻だったんですが、暑いものは暑い。ひっきりなしに水分を取らないと倒れそうです。

そんな中で行われた試合は、開始してすぐに、福森がチョロいパスをドウグラス・ヴィエイラにかっさらわてGKと1対1になるシーンを演出。身体を冷やせないなら、せめて肝を冷やしてくれといわんばかりの選手の気遣いが心にしみます。いらん。

とはいえ、暑さに真っ先にやられたのは、3日前に福岡で天皇杯を戦っている清水エスパルスだったようで、そもそも札幌のイケイケ5トップに対するマーカーがはっきりしない上に、あまり運動力も多くないため、札幌に好きなように攻め込まれるシーンが目立ち始めます。

先制したのは10分。進藤が上げた適当なクロスをGKがはじいたものの、ボールは運悪くフリーのチャナティップのもとへ。ワントラップしたチャナティップが飛び込んできたDFを落ち着いて交わして放ったシュートがゴールへ吸い込まれます。

この1点でかなり楽になった札幌は、マークのゆるいサイドからの攻撃をメインに展開。24分には日本代表MFガースーのクロスを、FWジェイが2人のDFに囲まれながらもヘディングシュートを決めて2点目をゲットします。前半はこのまま2-0で終了。

「あの」日本平で前半をリードして折り返すという、個人的に信じられないシーンに割とびっくりしていたオレですが、この後もっとびっくりすることが待ち受けていました。

後半も容赦なく攻撃を浴びせる札幌は、3分には福森のコーナーキックから進藤が頭で決めて3点目。今季実に5ゴール目と、往年の池内友彦を彷彿とさせる得点力を見せつけます。普段よっぽどのゴールを決めない限りはサイレントトリートメントされる進藤、それならば自分から行ってやろうと、アシストした福森のもとに駆け寄る進藤。

逃走する福森。

何やってんだこの人たち。

結局、なし崩し的に先日お子さんが誕生したキムミンテのお祝いのゆりかごダンスでセレブセーションを締め、そしてここからがさらに圧巻でした。このままでは進藤が目立ってしまう! とばかりに攻撃陣が爆発。56分には、GKクソンユンのゴールキックからジェイが胸で落としたボールを鈴木武蔵が拾い、相手のマークがゆるいと見るや左足でミドルシュートを突き刺し4点目。75分にはチャナティップからのスルーパスを受けたジェイが、GKを釣り出しつつDFのスライディングも届かない絶妙なボールコントロールでゴールに流し込むと、さらにその4分後にもやはりチャナティップからのパスを左足で決めてハットトリックを達成します。

この時点で6-0と、J1じゃ取られたことは何度もあれども、未だ見たことのない景色を見せられたゴール裏もお祭り状態。80分過ぎには、DFの裏に抜け出した鈴木武蔵が後ろから倒され、PKを獲得…かと思いきや、鈴木武蔵のシミュレーションとの判定。明らかに手をかけられていたのはゴール裏からもはっきり見えましたので、これには選手はもちろんミシャも猛抗議。

今村主審は副審とも協議の上、判定は清水のファウルに覆りましたが、PKではなくペナルティーエリアすぐ外からのFKとなりました。なんですかその帳尻合わせは。

しかし、このフリーキックを福森が難なく沈めたので、あまり結果は変わりませんでした。むしろ、わざと壁を開けてそこにGKを立たせてそこにしか蹴らせないようにしてたのに、そこに弾丸シュートを突き刺されたのですから、清水のダメージはこっちのほうが大きかったかもしれませんね。7-0となってもはや顔色を失うどころか、「もういいから早く終わって欲しい」という表情の清水エスパルス。うん、その気持ち、たぶんオレ達はとてもよくわかる。

でも、やめてはやらん。

終了間際には、交代出場の岩崎からのパスをチャナティップがダイレクトで決めて、ついにJリーグタイ記録の点差となる8点差に。タイ記録をタイ代表の選手が決めたわけです。ごめんなさい。

結局試合はこのまま8-0で終了しますが、チャンスの数からすればマジであと2点くらい取れてたくらいの一方的な試合で、オールドファンのトラウマを払拭しておつりが来るほどの大爽快試合。お酒を我慢してまで車で来た甲斐はありましたね。

なお、この試合唯一の謎は、7点目の福森のフリーキックが決まった後、頭を抱えて悔しがってた進藤さんでした。