開幕間近

今週末はもうJリーグが開幕します。

今年のコンサドーレは、久しぶりに開幕ホームでシーズンのスタートを迎えます。これは2012年の開幕戦(対ジュビロ磐田)以来、9年ぶりのことです。

屋根のついた札幌ドームがあるとはいえ、通年サッカーの試合を開催することはできません。ドーム内部に雪が入ることはありませんが、サッカーフィールド(ホバリングステージ)は屋内に入れたままだと芝生が育たないので、試合の日以外は基本芝生を外に出しており、冬の間も当然出しっぱなしなので、その上には分厚い雪が積もります。どんどこ積もります。なので、動かすことができません。

素人考えだと「除雪すればいいのでは?」などと思ってしまいますが、約1万平方メートルにも及ぶホバリングステージ上に積もった雪を除雪するのは、一週間以上もかかる大変な作業ですし、何よりの問題は除雪の後です。

札幌ドームで使われている芝は寒冷地仕様といえども、さすがに氷点下の気温に晒されると枯れてしまうのですが、それでもドームの芝が枯れないのは、実は雪のおかげ。分厚く積もった雪が、地表近くの温度を0.3~0.5度程度にキープしてくれるからです。

札幌は2月でもまだまだ寒い日が続きます。現に試合が行われる27日の気温も、普通に最高気温が氷点下予想ですから、そんな中で除雪をすると、雪かきし終わるまでの間に、芝がシバレてしまうおそれがあるのですね。シバだけに。

そんなわけで、ドームといえどある程度暖かくなる3月にならないと、サッカーの試合を行うことは難しかったわけですが(この辺道民以外にはあまり理解されにくい感覚)、にもかかわらず今年開幕ホームが開催可能となったのは、札幌ドームの密かな「準備」のおかげであります。

昨年、札幌ドームは密かに(というわけでもないでしょうけど)ホバリングステージの使用を早めるテストを実施。その結果、2月に除雪をしても問題がないことが確認されたのだそうです。

その背景として、「コンサドーレがACLに出場した場合、2月に試合を開催する可能性があるから」とのこと。札幌ドームの尽力にはもちろん感謝なんですが、「コンサドーレがACLに出場する可能性」がそれだけ(人を動かすことができるくらいに)現実的なことになったことが感慨深いですよね。何年か前なら、札幌がACL出る確率なんて、「道を歩いてたら隕石に当たるくらい」に思われてもおかしくなかったのに。

もっとも、ドームが使えたとしても、3月中旬頃までは、まだ宮の沢のグラウンドも積雪で使えないため、開幕しても当面はキャンプ生活を続けることになるんですけどね。今回もチームは熊本から「ホーム遠征」を行うわけで、コンディション的には難しい状態だとは思いますが、怪我で合流が遅れていたミシャも23日にようやくチームに帰ってきて、ほぼほぼチーム体制は整いました。

2月に札幌ドームでACLの試合を行うシーンを現実にするためにも、開幕戦に勝って弾みをつけたいところですね。