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4連勝とバルセロナ

2019明治安田生命J1リーグ第10節
北海道コンサドーレ札幌 2-1 ヴィッセル神戸
得点者:札/進藤亮佑(68’)、鈴木武蔵(75’) 神/ビジャ(62’)

2連勝して3連敗して3連勝と、躁鬱激しい札幌は、J1初の4連勝をかけてヴィッセル神戸を札幌ドームに迎え撃ちます。

2017年に元ドイツ代表ルーカス・ポドルスキを、2018年には元スペイン代表アンドレス・イニエスタを獲得。さらにはFCバルセロナやバイエルン・ミュンヘン、マンチェスター・シティで数々のタイトルを獲得している”ペップ”グアルディオラ監督の師匠と言われるファン・マヌエル・リージョを監督に迎えたものの、2017年は9位、2018年は10位と、投資に見合っているとは言えない成績に甘んじた神戸。

今季はさらにスペイン代表歴代最多得点記録保持者のダビド・ビジャを獲得し、あんまり現在の海外サッカーには詳しくない自分ですら(ウイイレとかで)名前を知ってるスター選手たちを集め、加えてセルジ・サンペールというバルサのカンテラ育ちの選手まで連れてきて、「バルサ化」を推し進めています。海外サッカーには詳しくない自分は聞いたことがないだけで、詳しい人には知られた選手なのかと思ってましたが、トップチームではリーグ戦で1試合しか出たことないみたいです。そりゃ知らんわ。

ビジャやイニエスタはともかく、実際にはバルサを指揮していないリージョ監督や、ここ2年は他のチームにレンタルされてた上に、その2チームとも降格させている選手も含めて「バルセロナ」と言うのなら、コンサドーレだってFCバルセロナでバロンドールに輝いたロナウジーニョ、の実兄ならいたことがあるし、ビジャと名前のよく似たビジュって選手がいたこともあるから、実質バルセロナと言っても過言ではないのではないでしょうか(過言)。

なお、このほかにも神戸は鹿島アントラーズから西大伍を、セレッソ大阪が山口蛍という2人の代表級選手も獲得していますが、西は「スペインの日本語略表記(西班牙)が西」で、山口も「”蛍”石の埋蔵量はスペインが世界5位(本当)で、これは山口のヴィッセルでの背番号と一致」することを考えると、これが偶然の一致とは思えず、いずれも周到に隠蔽された「神戸スペイン化計画」の一環であったとみて間違いありません。次なる神戸のターゲットは、三重県にある志摩スペイン村に違いありません。

で、そんな大補強を敢行し、開幕当初こそ勝てていたものの、第6節以降は前節まで4連敗。ずるずると12位まで順位を下げ、誰が業を煮やしたのかリージョ監督が事実上の解任。海外厨がカネとコネと権力を持つとこうなるという見本のような感じです。

そんな中で行われたこの試合は、イニエスタもポドルスキも欠場。正直、この2人がいるよりも、外国籍枠の関係ではじき出されていたGKキムスンギュや、過去ハットトリック喰らったこともあるウェリントンが出るほうがよっぽど怖いのですが、幸いなことにウェリントンはベンチスタートでした。

さてこの試合、すっかりガチサポとなった娘にねだられ、ゴールデンウィークを利用して札幌にプチ帰省して、現地で見てきました。コンサドーレの選手以外にはいっさい興味がなく、イニエスタが出ないことを教えても、「知らん! それよりアンロペは?」と、アンデルソンロペスの欠場をたいそう残念がる娘氏。レッドキッズ会員なのをいいことに前日抽選並びにも参加、比較的早めの番号を引き当てる強さも発揮(それはそうとこの制度は早いとこオンラインにして欲しい)し、育て方を間違えた気がしないでもありませんが、少なくともたくましく育ってはいるようです。

というわけで、今季一番の入りとなった3万4千人の大観衆の前で、試合は札幌は開始から押し気味に進めるものの、アンデルソンロペスを欠いている影響か、なかなかいい形でフィニッシュにまで持って行けません。あの手この手を駆使してゴールに迫るのですが(この辺の引き出しの多さはミシャならではですね)、決定的と言えたのは荒野のダイレクトシュートと、オフサイドになった進藤のゴールくらいですかね。荒野が醸し出していたジョジョっぽい効果音の割にシュートの勢いはしょぼくて、キムスンギュに難なくキャッチされてましたけど。あと進藤のは、「DFのクリアが進藤のみぞおちに当たってそのままゴールイン、その後進藤悶絶するも誰も心配しない」という、一片の狂いもない進藤っぷりだったので、芸術展はものすごく高かったのですが、残念ながらオフサイドの判定。しかし、本人がオフサイドなのではなく、その前のミンテか誰かがオフサイドだったので、もったいなかったです。

あとは枠外とかクロスが合わなかったりとかで、このあたりがもう少し精度が上がると、多少の守備のもろさは「まぁ仕方ないな!」で済ませることができるのですけど。

後半、試合が動いたのは15分でした。ペナルティエリアにドリブルで侵入した西大伍を福森が倒してしまい、これがPKの判定。大伍は前半からちょこちょこセットプレイを狙った動きをしていたので、最初から狙っていた感がありますが、これがPKとなるなら、前半武蔵が倒されたシーンもPKですよね…。

で、このPKをビジャにビジャっと決められて先制を許してしまいます。ソンユンも読み切っていたのですが、シュートの威力のほうが強くはじき出すには至りませんでした。残念。

今季、先制されたら必敗の札幌ですが、ここから意地の反撃。失点から5分後の23分、右サイドで得たフリーキックで、福森からのクロスが相手に当たってこぼれたところ、なんと進藤がオーバーヘッドで豪快に叩き込みました。普段はゴール決めても誰も寄ってこない進藤ですが、さすがにこれはチームメートも祝福。ただ、これはゴール認めなくていいから前半のオフサイドのだっさいゴールと入れ替えて欲しかったですね。

進藤のスーパーゴールで追いついた札幌はすでにイケイケムード。ゴール裏も「あ、これ逆転するわ」と確信する空気の中、その瞬間がやってきたのは後半30分でした。宮澤がペナルティエリアに侵入してあげたクロスはいったんはじかれるものの、こぼれ球を拾って再び作り直した早坂からのクロスに飛び込んだのが、現役日本代表FW鈴木武蔵。頭で叩き込んだボールがゴールの右に決まり、ついに逆転します。

その後は途中交代のウェリントンの高さに苦しみ、また「攻めるのか、守るのか」の意思統一がが少し曖昧になったこともあって、けっこう危ないシーンも作られてしまったのですが、そこはいつもの通りソンユン神の神セーブでなんとか逃げ切り。J1ではチーム史上初の4連勝を達成したのでした。