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2006年6月 アーカイブ

2006年6月 1日

勝つのは簡単なことじゃない

 2006年のJ2リーグも第18節を終了。全52節の約3分の1を終えたことになりますが、ここまでのところコンサドーレの成績は5勝8敗3分の10位。第9節の湘南戦で4-1と大勝を飾った以降は8試合勝利がなく、なかなか波に乗れない状態が続いています。昇格を目標とするチームとしてはちょっと情けない成績と言わざるを得ません。まぁ今まで何度も書いているとおりシュート数の多さ、被シュート数の少なさを見ても、戦い方自体は間違っていないと言えると思います。まぁ欲を言えばフリーランニングが足りないとかもっとガツガツ行くべきだとか注文はないわけではないのですけど、今のところはデータとしては悪くありません。それにもかかわらずこんな成績に甘んじているその最大の原因は、やはり決定力不足と守備陣の脆さに尽きると思います。
 ここでもう一度前節終了時点までのデータを具体的な数字で見ると、札幌のシュート数は230本でこれはリーグ最多ですが、得点はリーグ8位の19点。決定率はわずか8.3%で、これは愛媛FCの7.8%、横浜FCの7.9%に次いで3番目に低い数字です。逆に被シュート数は138本でリーグ最少なのに、失点は24点で下から5番目。被決定率は17.4%で堂々のワースト1位です。つまりこれはどういうことかというと、札幌というチームは1点を取るために13本のシュートを打たなければいけないのに、1点を取られるにはわずか6本のシュートでOKということ。これでは勝てるはずもありません。横浜FCのように攻撃力の貧弱さは札幌以上でも、その代わりに1点を取られるには57本ものシュートが必要な鉄壁の守備陣を持っていたり、ヴェルディのように守備力はたいしたことがなくても、数少ないチャンスをキッチリ決められる攻撃陣を持っていれば上位に名を連ねることが出来るのですけど、今の札幌はそのどちらもありません。ブロックも壊せず火も出せない上、当たれば即死のチビマリオみたいなものです。ガンダムで言えば、マゼラアタック。

 ただ逆に言えば、もう少し決定力を上げ、もう少し守備が固くなれば充分巻き返しは可能とも言えます。その施策として一番手っ取り早いのはやっぱり補強なんですが、ここまで試合を見てて思うのは、攻撃についてはフッキは確かに能力は高いが出場停止が多くてあまり当てにならないのが実情。まぁこの辺りは徐々に改善してきてはいますが、フッキがちゃんと試合に出れるようになったとしても、問題は相方です。相川は好不調の波が大きすぎるし、元気は最近良くなってきてはいるけどやはりシュートは枠に飛ばないし、清野はシュートはうまいけどそもそも見えないし、謙伍はバランスの取れたストライカーですがまだまだパワーが足りません。また、守備陣にしても高さはあるがポカの多いソダン、攻撃力とカバーリングには定評があるがポカの多い池内、スピードがありタックルもうまいがポカの多いカガケン、同じくスピードがあって戦術眼には長けているがポカの多い和波、高さもスピードもそれなりにあるけどやっぱりポカの多い千葉と、とにかく愉快な人材が揃っています。ここまでケガや出場停止があったにせよ、ほぼメンバーが固まっている中盤と比較して、FWとDFのメンツはめまぐるしく変わっていることからも、みんな一長一短がありすぎて軸となる選手がいないことがわかります。もっとも、そもそもその猫の目オーダーが連携面に影響を及ぼしているという背景もあるでしょうけど、試合によっては連携どころか「混ぜるな危険」という組み合わせになってしまったこともありますしね。
 そんなわけですので、前節の柏戦の試合後に、城福強化部長が補強の可能性に触れたという記事が新聞に載っていましたけど、横でそのコメントを聞いていた自分の印象としては、どっちかというと補強の可能性は薄そうだと感じました。強化部長のコメントの大筋は「監督とも『ここにもう1人選手がいればいいな』という話をすることはあるし、いい選手が獲れそうであれば獲りに行くけど、それよりも先に誰かがミスをしたらみんなミスをし始める状態をなんとかしないといけない」というものでした。確かに柏戦でもそれまでは割といい感じで守っていたのにカガケンのミスをきっかけにソダンや千葉が立て続けにミスをしましたし、6失点を喰らった神戸戦でも似たような感じでしたから、そんなところに似たようなレベルの選手を1人2人入れたところで、状況が劇的に改善するとも思えません。高いレベルでバランスの取れた選手が来れば話は別ですけど、そんな選手はそもそも札幌には来てくれません。よっぽど北海道が好きだとか、弱みを握られてるとか、大泉洋が好きだとか、KOTOKOのラジオが聴きたくて辛抱たまらんとかならともかく、それくらいのレベルの選手であればとっくにJ1の強豪でレギュラーになってるはず。それなら名塚コーチの現役復帰のほうがよっぽど現実味があるってなもんです。もちろん補強できればそれに越したことはないですし、城福さんの言うとおりいい選手が獲れれば獲るべきだと思いますけど、「補強すれば万事解決」という問題でもないでしょう。補強するにせよしないにせよ、このままでいいわけはありませんから、今の選手たちもしっかりキノコを食ったり花を取ったり星を取ったりしてレベルアップしてください。今いる選手たちには、札幌でプレイすることを望みながらもチームを去らざるを得なかった選手たちのぶんまで頑張る必要があるのですよ?

2006年6月 5日

されど勝てず

2006年Jリーグディビジョン2第19節
コンサドーレ札幌2-2モンテディオ山形
得点者:札幌/フッキ、アイカー
     山形/レアンドロ×2

 うーん…。2点をリードされた追いついたのは評価できるとは思います。ただし、フッキの1点目(PK)は「ダメだこいつらアテにならん!」とばかりに、俺が奪って俺がドリブルして俺が倒れて俺がもらったPKを俺が決めるという、胸が空くほどに徹底した俺っぷりがなんというかまさしく俺でしたので、チームとしてのアクションサッカーで点を取ったというわけではないですし、相川もゴールを挙げはしたもののそれ以外の部分ではほとんど機能していませんでしたし、その他にも決められるチャンスはありましたので、思いとしては「2点も取った」というよりは「2点しか取れなかった」というほうが強いです。
 とはいえ、今の攻撃陣にそれを望むのは、ドリームキャストの再販を望むようなもの。やっぱりそれ以前にそもそも2失点しちゃいけないゲームだったような気がします。攻撃陣がシュート10本で2点を取り、いつもよりかは決定力を向上させたのに、守備陣は相変わらず被シュート7本で2失点。ある意味極めぬいたとも言えますが、どうにもこうにも改善の兆しが見えません。というか、データだけを見てみると、昨年の同じ時期(17試合を終えた時点での失点数は19。決して少なくはありませんが、トップの京都パープルサンガが15失点でしたので、特に悪い数字ではありません。対して今年は26失点とむしろ悪くなってます。トップの横浜FCの4失点は異常すぎるとしても、2位の仙台の11点にも大きく水を空けられています(しかも仙台は消化試合数が1試合多い)。もちろん去年とは対戦する相手も違いますので単純な比較は出来ませんけど、メンツの違いこそあれど守備の戦術は大きく変わっていないはずなのに、去年より劣化しているというのはどういうことなのでしょうか。いろいろと考えました。そしてわかりたいと思ってもわかんないので──そのうちchooは考えるのをやめた。

 いや、オレはカーズ様じゃない。

 思うんですけど、別に守備の組織が悪いってわけじゃないと思うんですよ。というか、個人的にはどっちかというと出来てきているからこそ課題が浮き彫りになっているというような気がするんですよね。で、その課題とはなんなのかというと、やっぱり声が出ていないのと、あとは自分「たち」で考えて動いてない。被シュート数が少ないと言うことはある程度は出来ているんだと思うんですけど、応用ができるまでには至っていないとでも言うのでしょうか。当たり前の話ですけど、サッカーというのはピッチの状況は刻々と変化しています。これが野球であれば、たとえば「ノーアウト1・2塁で代打君波」の時とか具体的な状況を想定することは可能ですし、またその都度ベンチからサインを出して作戦を決めることも出来るわけですけど、サッカーの場合はある程度の状況は想定できても、練習と同じ状況になることは皆無に等しいですし、その都度ベンチに指示を確認している暇なんてありゃしませんから、結局はその場その場の状況に応じた対処を自分たちが考えないといけないですし、自分が動いたり味方を動かさなければいけません。それにはお互いやりたいことを把握した上で、声を掛け合って行かなければいけないと思うのですよ。
 少し前から気になってるんですけど、どうにもプレスに行くタイミングがコンマ何秒ほど遅いし、マークの受け渡しも遅いんですよね。ただ、だからといってじゃあもっと早くプレスに行けばいいかというと、そういう単純な問題でもありません。1対1というのは基本的にボールを持ってるほうが強いですから、相手に余裕のある状況で闇雲に突っ込んでいっても、よっぽど力の差がない限りは割と高い確率でさっくり交わされるのがオチであり、そういう守り方を前提とするのはギャンブルに近いです。ですから、突っ込んでいけるのは交わされても大丈夫な状況、つまり味方のフォローがいて初めて可能でしょう。でもって、相手に対峙している時って当然マークの相手から目をそらすわけにはいきませんから、当たってもいいかどうかは後ろの選手が指示してやらなければいけません。加えて、相手の攻めは当然ドリブルだけじゃなくてパスも想定されますから、守備側としてもお互い声を掛け合ってパスコースを切ったりインターセプトを狙えるポジションを取ったりといろいろ常に修正しなければいけないわけですけど、ここのところは特にそういう連動性は見えてこないですね。プレスも前述したようにおっかなびっくりな感じだし、パスに対する対応も「誰行くの? お前行くの? オレ行くの? 行かないの? どうなってるの小倉さん?」というような感じでいまいち誰がいくのかはっきりしません。結果として常に後手後手になり、その上ミスで自爆するのですから困ったもんです。そうじゃなければ、水戸戦みたいにアンデルソンにマーク3人もついてなおシュートを打たれたり、神戸戦みたいに人数がいるのにフリーでシュートを打たれたりなんてしないハズ。その辺りが、「同じ絵を描けてない」ということなのかなと思ったりもします。
 まぁそんなわけですので、今の状況で「人数を掛ければ失点が防げる」ということは考えにくいんで、単に引いて守ればオッケーというわけでもなさそうです。その辺り監督にはしっかり指導してもらいたいですし、選手たちも指導されたことだけじゃなく自分たちで考えて動くくらいのことはして欲しいと思います。

 ていうか、やれ。

2006年6月 7日

寝っぱなし

2006年Jリーグディビジョン2第20節
ザスパ草津2-2コンサドーレ札幌
得点者:札幌/西谷×2
     草津/吉本、魅惑の助っ人


             ,. - ─── - 、
             /    ,       `ヽ.
            /〃//,. ,ィl/|l ト、 !、 、  ヽ
          ー'´| | l |1 | !l. l| ! | l.|ヽ ! !、 ',
             YレV!ヒエ「! |l.「_ト!Ll」| l l  l
           ! lハイJ |  ´|_jヽ. リ,! ! l. l |   おにいちゃんたち
             |l |l.} ー ,   L _,ハl.lトl l. | l   どうしてはたらかないの?
             |l ilト、   n  ''  ,1l|ィ| |l l |
           _ 二,ニ^tュ--ェ_t1」l.|l !リ|_lノ
       r7´   f r┐| 〔/ミヽ>,-、 ̄´
       Y       ー个‐'t  ハ-、_'ゝ、
        ヽ ._・ rく ̄ヽト-'丿  ヽ l
        / (・__,)ゝi┬'´ハ`     '`|

 …詳しい話は試合見てから。赤い温泉が相手だったと思いたい。でなければ立場がない…

2006年6月13日

草津戦感想

 忙しい上に体調を崩してまして更新できませんでした。すいません。なので、実はワールドカップもほとんど見てないのですよ。日本戦の時も寝てましたし、その他の試合もほとんど見てません。でもコンサドーレの試合は一応見ました。チームサポーターとしては正しいですが、なんだかサッカーファンとしてはけっこう終わってるような気がします。

 まぁそんなわけで一応徳島戦も見たのですが、その徳島戦のことを書く前に、草津戦のことに触れておきたいと思います。最後の大塚のオウンゴールは仕方ないとは思います。それ以前にあそこでああいうふうに「簡単にクロスを上げさせた」ことが問題でしょう。その点についてはまだ改善には至っていないみたいですね。山形戦での1失点目もそうですし、徳島戦での1失点目もそうでしたし、いくらJ2の選手といえど相手だってプロ選手です。余裕を持ってボールを蹴らせれば、高い確率で狙ったところにボールが行くわけで、そうすれば中に人数を揃えたとしてもやられる可能性は高くなります。まぁ中には余裕を持ってクロスを上げてもあさっての方向に蹴れるという希有な才能の持ち主もいないわけでもないですけど、たとえばJ2チームの選手でもプロというのは「選ばれた人たち」の集まりなのですから、冷静に考えれば至極当然の話です。もちろん守る側もプロですから、必ずしもどフリーであげれば100%得点に結びつくなんてことはないわけですけどね。まぁ中には余裕を持って守っても敵にパスが出来るという希有な才能の持ち主もいないわけではないですけど、サッカーの試合においてセットプレイでの得点率が高いというのは、基本的にキッカーが誰にも邪魔されずに蹴ることが出来るからという要因が大きなウェイトを占めているのだと思います。
 ですから、セットプレイでの失点というのはある程度はしょうがないと思うんですよ。ただ、その他の「防げる可能性の高い」失点をもう少し減らさない限り、1試合に2失点のデフォルトからは脱却できません。攻撃陣はコンスタントに得点を取れるようにはなってきていますが、勝つためには3点が必要ということになってしまいます。世界中を見渡してもどんな攻撃力の高いチームでも3点以上毎試合確実に取れるチームなどありませんし、ましてや今のコンサドーレにそれを求めるのは、12機のリックドムを3分で全部落とせというようなもの。ですから失点を減らさないことには、安定して勝ち点を積み重ねるのは難しいですよね。
 まぁそんなこんなで草津戦、1点目の吉本の得点はセットプレイなので(相変わらずマークが甘いという悪癖は見られるものの)致し方ないとしても、やっぱりオウンゴールはもったいなかったなと思います。というか、いったんは逆転してリードした状況だったことを考えれば、もう少しうまく守れなかったですかね。相手がなりふり構わず攻めてくるのは当然としても、それをいなして逃げ切るという戦い方は、まだまだといったところだと思います。とはいえ、これまでいまいち中途半端だった西谷の役割が明確になったことは大きな収穫だと思います。もともと彼は守備もあまり得意ではない上にムラっ気の大きい選手。4バックの左サイドならまだしも、3-5-2のウィングバックには守備面での負担が大きかったわけですが、もうどうせ守備できんのなら何も考えずにお前は攻撃だけしとれというのが最大限に彼の力を発揮できるということなんでしょうね。もちろんそれなりのリスクは伴うわけですが、現状西谷が絡んでの攻撃がもっとも得点のチャンスが大きいだけに、背に腹は代えられないといったところでしょうか。まぁあとから振り返ってみれば、この辺りが実は次の徳島戦への伏線となっていたりするんですけど、それはまた別の機会に。
 あと、大塚と間違われてスカパー!の実況にもオフィシャルの実況にもオウンゴールをしたことにされたソダンもかわいそうですが、ただでさえ大塚とソダンは区別が付かず間違えるのもしょうがないと思うので、もうソダンは中途半端なモヒカンではなく、いっそのことアフロとか電撃ネットワークの南部さんみたいな髪型にするのが望ましいと思いました。

2006年6月15日

徳島戦感想

2006年Jリーグディビジョン2第21節
コンサドーレ札幌4-2徳島ヴォルティス
得点者:札幌/魅惑の助っ人、フッキ、西谷、謙伍
     徳島/ハジ×2

 ちょいと社員旅行で群馬県は草津温泉まで行ってました。泊まったホテルで行われた宮史朗ショーに心をときめかせたり、どうせだったらザスパ草津の練習偵察でもしてみようかと思ったりもしたのですが、どっちも時間がなく断念。まぁ、草津との試合先週終わったばっかりだしな。
 まぁそんなわけで徳島戦。徳島はJ2に参入してからは過去1度も負けていない相手、といえば聞こえはいいですが、ここまでの対戦成績は5試合で1勝4分と、勝ったことも1度しかないんですけどね。加えて徳島とやるときはおおむね内容的にはしょぼい試合が多く、天敵ではないけどなんだかすごくやりにくいチームという印象があります。そういえば、それまで3連勝とようやく波に乗り始めた札幌が11戦勝ちなしの泥沼に突入した最初の試合が、思い起こせば第1クールでの徳島戦でした。直接ケチが付いたのはいうまでもなくその次節の柏戦での豪華絢爛自爆ショーなんですけど、あの徳島戦でそれまできっちり回っていたかに見えた歯車が全然噛み合ってなかったことを考えると、そもそものケチのつき初めは徳島戦だったと言えるかもしれません。
 というわけで、結果からすればその借りはとりあえず返せたという言い方が出来るかもしれませんけど、実際にはそう手放しで喜べる内容でもないわけで。まずは前回のエントリで指摘した守備面での課題が相変わらず改善されていないこと。「サイドの外側のスペース」を突くのは札幌に限らずとも3バック攻略の定石ではありますので、徳島としては狙い通りの得点だったでしょうし、ピンポイントで決めた羽地もうまかったのですが、それでもその前段階の「パスの出し手にまるでプレスがかかってない状態」は問題ありでしょう。前回も書いたとおりああいうふうに簡単にパスを出させれば失点に繋がる可能性はかなり高くなります。志村が1人でいれば幽霊が出てくるようなものですから、もっとボールに厳しくいく必要はあると思います。
 攻撃陣も4点取りはしましたが、そのうち2点は相手に伝説のストライカーが降臨してくれたのと、正直かなりおまけくさいハンドによるPKによるもので(やり直しについては異論はなし)、攻撃力がアップしたかと言われれば果たしてそういうわけでもないんじゃないかという感じです。ただそれでも、攻撃面ではだいぶアクションしている時間も多くなってきましたし、これまで課題として指摘したフリーランニングについてはだいぶ改善されてきたように思います。そして、現状得点を取るためにもっとも確率の高い方法、つまり「西谷をよりゴール近くで使う」ということを、選手が共通意識として持ち始めたことは触れておきたいと思います。これが草津戦でのエントリで書いた「伏線」なんですけど、フッキの俺っぷりは既に芸なのでいいとしても、2トップと砂川が西谷のためにスペースを空ける動きを繰り返したことが再逆転に繋がったのではないでしょうか。加えて、その西谷に高い位置を取らせるために、西谷の背後のスペースをケアした大塚、そのために発生するミッドフィールドの広大なスペースをうまく埋めていた金子(と西嶋)、砂川のフリーランニングを生かすため(たぶん)敢えて上がらないことも多かった芳賀と、なるほどこれが「同じ絵を描く」ということなんだなと思った次第。少なくとも後半はそれが出来ていたと思うんですよ。前半はどうしようかと思いましたけどね
 まぁそんなわけで、まだまだ改善の余地はありますけど、一時期のどん底は脱したかなと思います。これが時期としてどうなのか(遅すぎたかそうじゃないか)はわかりませんが、これからも徳島戦の後半のように「勝つために何をするか」を考え、それを実行することが出来れば、相手がどこだろうとやれるんじゃないかと思いますよ。守備さえ何とかなれば。

2006年6月18日

仙台戦感想

2006年Jリーグディビジョン2第22節
ベガルタ仙台0-2コンサドーレ札幌
得点者:札幌/フッキ×2
     仙台/いないらしい

 そんなわけで仙台スタジアムでは2000年11月以来約5年半ぶりの勝利です。2連勝です。前節徳島戦では一応勝てはしたものの随分アレな内容でしたけど、今節は完勝といっていい内容。得点こそ2点ともカウンターからでしたが、パスを回しつつチャンスを作るシーンも多く見られ、一皮剥けたサッカーを見せていました。選手交代についても、タイミングも交代選手もおおむね納得が行くもので、まさしくチーム一丸でもぎとった勝利だったのではないでしょうか。

 それにしても…なんとなく物足りないのはなぜでしょう。

 いやもちろん、仙台は飛車角落ちだったとはいえアウェイで勝ったことがうれしくないはずはありません。加えて、ミドルを外していつもの「スナマコポーズ」で決めた砂川さんや、試合終盤のヨボヨボの西谷さんとか、とりあえず常にゴールにぶち込む気マンマンの池内さんとか、札幌らしさも随所に見られた試合だったんですけど、それでもやっぱり物足りないのは曽田さんが普通だったことに起因するのかもしれません。柏戦のようなへっぽこミスがあればあったで怒り狂うのに、何にもなければなかったとなんか物足りない。これはひょっとして恋ですね? やっぱり札幌としては曽田さんが適度にやらかして勝つというのがもっとも札幌らしい勝利の仕方と言えるかもしれません。

 さて試合なんですが、見てて思ったのは「君たちワールドカップ見てますね?」というような感じのプレイが多かったような気がします。自分も前日に行われたアルゼンチン対セルビア・モンテネグロの試合を見てアルゼンチンの華麗なパス回しに素直に感嘆しましたが、この試合でも「影響されてんなぁ」と思うシーンがけっこうありました。1点目のフッキの得点に至るまでのパス回しとか、2点目のきっかけとなった謙伍のボール奪取とか、もちろんアルゼンチンのそれとはレベルがまったく違いますけど、ああいうふうに具体的なイメージがあると意外と出来なかったことが出来たりするもんですよね。本来なら試合前日は早く寝るのが正しいんでしょうけど、いい方に出るのであればいいのかもしれませんね。

 ということでこれで勢いをつけて3つ4つと連勝を狙っていきたいところなのですが、この先は上位陣との対戦が続きます。水曜日は現在2位の横浜FCが相手で、しかもアウェイ連戦です。コンディションも含めて相当に厳しい試合になると予想されます。しかし、だからといって勝負にならないようではここから巻き返しを図るなどできっこありません。横浜FCといえば、20試合でわずか失点5という驚異的な守備力を誇るぬりかべみたいなチームで、ここのところ札幌の攻撃力も上がってきているとはいえそうそう簡単にゴールを割らせてくれるとは思えません。しかし、ぬりかべは無理矢理前に進もうとすると絶対に通してくれませんが、あきらめて休んでいたりするといつの間にか消えていると言います。ですからここは水木しげる先生を信じて、いっそのこと知らんぷりしていればゴールが入っていたりするかもしれませんよ?

2006年6月21日

2度目の3連勝

2006年Jリーグディビジョン2第23節
横浜FC1-2コンサドーレ札幌
得点者:札幌/習志野生まれ、札幌生まれ
     横浜FC/室蘭生まれ

 いつものごとく試合そのものを見てないので内容には触れません。が、結果だけ見てもこの勝利は思いの外大きいです。その理由として、まずは中3日でのアウェイ連戦という、コンディション的にはかなりきついと思われる状態の中での勝利したこと。しかも、仙台、横浜FCという上位チームを相手にしての勝利なのですから、これは選手たちにとって大きな自信になったでしょう。そしてもう一つ、横浜FCから2点を取ったこと。ご存じの通り横浜FCはこの試合の前まで20試合を戦い、総失点はわずかに5。しかもホームゲームではまだ1失点しかしていないという異常な堅守を誇っていたチームです。硬さで言えば悪魔将軍のダイヤモンドボディか、あるいはメタルスライムといい勝負です。もちろんこの数字にはそれ相応の裏付けはあるわけなんですが、ここまでくれば対戦相手にも「横浜FCから点を取るのは困難」という心理が働いていたと思うのです。その心理が知らず知らずのうちに横浜FCの不思議時空に引き込まれていたという側面もあったんじゃないでしょうか。それが、ここのところ上向いてきているとはいえ、決定力という意味ではリーグでも下のほうであるコンサドーレが2点を奪って勝ったことは、おそらくこれから横浜FCと対戦するチームにとって、「横浜FCは決してバキュラではない」という認識を持てるようになるかもしれません。そうなればこの先横浜FCが今までのように勝てなくなる可能性がもしかしたら出てくるかもしれず、上位がより混戦になればいったんは死んだかに見えた札幌にも多少の光明は見えてくるんじゃないかと思うわけです。もちろん横浜FCから2点取った事実は札幌にとっても自信に繋がることであり、そういう意味でもとても意味のある勝利だったんじゃないかと思います。ちなみに、バキュラはザッパーを256発当てると破壊できるというのは都市伝説です。

 ただ、大きい勝利といってもそれはあくまで気分的なもんであって、ルール上はどんな勝利であったとしても得られる勝点は「3」であることには変わりはありません。ましてやロスタイムにゴールしたからといって得点が倍というルールがあるわけでもないですし、ソダンのゴールだからさらに倍というルールはJリーグにはないみたいなんで、数字的には「リーグ戦の1試合を2対1で勝った」、それ以上でもそれ以下でもないわけなんですけどね。1万円札3枚よりも千円札30枚のほうがお金を持ってる気分になるけど、実際はどっちも3万円というのと同じです。ここで危険なのは、同じ3万円でも「気がついたらなくなっている」確率は千円札30枚のほうが高いということです。1万円札は出来るだけ崩したくないのに、お札が多いと妙に気分が大きくなってしまいますからね。まだまだ庶民感覚の抜けないコンサドーレ、せっかく勝ち点を貯めたのに、次の試合でうっかり無駄遣いしてしまっては元も子もありません。成績の上ではこれでようやく8勝5敗8分け、得失点差±0とあくまで五分に戻しただけですし、順位としても2位とちょっと差を詰めたとはいえまだ6位。この3連勝はあくまで借金を返したに過ぎないわけですから、それ無駄にしないためにも、今週末の東京ヴェルディとのホームゲームは、今まで以上に大事にしてほしいと思います。

2006年6月24日

4連勝

2006年Jリーグディビジョン2第24節
コンサドーレ札幌4-0東京ヴェルディ1969
得点者:札幌/兄貴、カガケン、フッキ×2
     ヴェルディ/いない

 結果出しておいてなんなんですが、まだ試合を見てないのでこの試合については見てから書くことにして、先に横浜FC戦の感想を先に書くことにします。

 ということで横浜FC戦。札幌はなぜか「サッカー(球技)専用スタジアム」が苦手で、98年以降3試合以上を行っている専用スタジアムのうち、比較的相性がいいと言えるのは鳥栖スタジアム(6勝3敗1分)くらいで、かろうじて五分なのが大宮公園サッカー場(3勝3敗1分)と仙台スタジアム(現ユアテックスタジアム)が4勝4敗4分(札幌ホームの試合含む)。博多の森では3勝7敗1分と大きく負け越しており、残りは日立柏サッカー場0勝2敗1分、日本平スタジアム0勝4敗、カシマスタジアム0勝3敗、磐田スタジアム(現ヤマハスタジアム)が0勝3敗、西が丘サッカー場0勝2敗1分と、未だに勝利のないスタジアムが並んでおります。勝ったことのあるスタジアムにしても、その勝利はほとんどがぶっちぎりで昇格した2000年に集中しており、ユアスタも先日の仙台戦が実に5年半ぶりの勝利でした。専用スタジアムの独特の雰囲気はどうも苦手なのかもしれません(※PK戦は引き分けとして計算)。
 で、横浜FCがメインのホームスタジアムとして使用している三ツ沢球技場も専用スタジアム。ご多分に漏れずここまでの成績は0勝1敗2分と未勝利です。昨年横浜FCに初勝利したときは、三ツ沢ではなく日産スタジアムでした。
 そんなわけでただでさえもともと横浜FCとは相性がよくないのに、今はアホみたいな守備力で首位争いを繰り広げているチームを相手に、前節から中3日でのアウェイ連戦に、乗り込んだ先は相性の悪い専用スタジアム、おまけに時期は梅雨の関東と来たモンだ。しかもこっちは「絶対にケガをしてはいけない」大塚がケガで欠場と考えれば考えるほど不利な材料揃い、というか有利な材料がひとつとして見当たらない状況でした。ただでさえクソ難しい「スーパーマリオブラザーズ2」を敢えてルイージで臨むようなもので、頑張って引き分けに持ち込めれば御の字と思っていたわけですよ。実際、横浜FCは攻守の切り替えも速く、運動量も多く、さすがにこの順位にいるのはフロックではないといった感じでしたし、札幌はやはりというかなんというか、コンディション的には万全ではないようで、全体的に動きは重かったように感じました。
 それでも勝てたのは、やっぱり試合開始早々のスナマコの得点がかなり大きかったと思います。実は昨年の日産スタジアムでの試合でも、先制点は素早いスローインからスナマコが抜け出し、ニアサイドで元気が合わせたというものでした。あのシーンが砂川の頭にあったかどうかはわかりませんが、相手に隙がなければ隙を作ればいい、言ってみればセクシーコマンドーサッカーでもぎとった1点と言えるわけです。この得点で札幌はだいぶ楽になったと思います。「1点も取られてはいけない」のが、「1点なら取られても負けない」となるのは心理的に大きく違いますからね。
 とはいえ、あの1点で横浜FCが完全に目覚めてしまったのは事実で、その先は完全に横浜FCペース。札幌としても、まだまだ「引き分けでいいや」といういい意味での開き直りが出来るほど成熟したチームではありません。もちろん引き分けよりは勝つほうがいいに決まっていますし、札幌が「順位を上げるよりも下げないことが大事」という状況にいるのならまだしも、少しでも上の順位を狙うのであれば、勝点は1よりは3欲しいと思うのは当然です。しかし、1点を守ろうとするあまり選手が引きすぎてしまい、それが逆に横浜FCの自由度を高める結果となってしまいました。加えて、守ろうとして守りきれるわけではないのもまた札幌。池内が内田に振り切られてシュートを打たれるシーンがいくつか見られたり、サイドの突破を簡単に許したりと逆にピンチを招くことが多くなります。
 そして、前半20分、カズのコーナーキックをこの試合が最後のホームゲームとなるトゥイードに折り返され、そのボールを城に頭で押し込まれてしまいました。その後も後半の序盤あたりまでは横浜FCのペースが続きます。札幌も横浜FCの攻撃をかろうじてかわしつつ、フッキ、砂川、西谷を中心にいくつかのチャンスを掴むのですが、謙伍のポジショニングが悪いためフィニッシュにまで至らず、1-1のまま前半終了。

 そして後半。柏追撃のためにはホームでなんとしても勝ちを得たい横浜FCが開始から札幌を攻め立てます。札幌はほぼ防戦一方で、最終ラインで跳ね返してもすぐセカンドボールを拾われまたピンチとなるという息の抜けない展開。逆転を許すのも時間の問題かと思われました。
 しかし、ここで横浜FCの前に立ちはだかったのが、史上最強のディフェンダーでした。その名はクロスバー。普段は単なる無機質野郎なのに、平和を願う子供たちの声が届くと、どこからともなく現れて絶体絶命のピンチからゴールを守るスーパーディフェンダー・「黒須場星斗」となるのだ!
 そんなわけで、黒須場選手の活躍で実に3発ものシュートを防いだ札幌は、相手の運動量が落ちてきたこともあり徐々に試合のペースを取り戻していきます。しかし札幌もかなり疲労度が高いようで、土俵の真ん中まで押し返すのが精一杯。お互い決め手のないまま試合はロスタイムに突入。誰もがこのまま引き分けで終わると思ったでしょう。しかし、最後の最後にドラマは待っていました。ロスタイムに左サイド深くでフッキが倒されて得た直接FKのチャンス。西谷の蹴ったボールはやや鋭いカーブを描きながらファーサイドへ。そこに待ちかまえていたのは、そう、あの男でした。得意のその場ジャンプでおごそかに跳んだ「神」と呼ばれるその男の側頭部に当たったボールは、そのまままっすぐにゴール隅に吸い込まれます。喜びを爆発させてサポーター席へ走り出すソダン、その後ろから祝福のために追いかけていく池内やフッキ…。今季初めて横浜FCから奪った2点目のゴールは、これ以上ない劇的なものであり、これ以上ない面白い人が奪ったものでした。

 試合後、一躍ヒーローとなったソダンとハイタッチを交わすチームメイトたち。正直、勝てなかった間は「こいつらあんまり仲良くないんかな」と思っていたものですが、その中の最たる例と思っていた「林×ソダン」や「ソダン×池内」がうれしそうに話している姿を見て、あまり心配はなさそうだなと思いました。チームの調子がいいから急接近したのか、それとも関係がよくなったからチームが調子よくなったのかはわかりませんが、「チームがひとつになる」というのが少し感じられてきたのは好材料だと思います。願わくば、この状況が長く続きますように。マリオカートとかやるとけっこう仲が悪くなったりするので気をつけてくださいね。

2006年6月27日

ヴェルディ戦感想

コンサドーレ札幌:130
東京ヴェルディ1969:216

 何の数字かと言いますと、これは試合開始時点でのスターティングメンバーの背番号の合計です。やたらと大きな背番号が並んでいるなぁと思って足してみたんですが、すごいことになりました。つーか、43番(石川竜也)とか44番(海本幸治郎)とかいるし。ヴェルディは今季はAFCチャンピオンズリーグがあったためもともと保有人数は多かった上、森本貴幸や富澤清太郎、大野敏隆など主力に怪我人が続出した背景もあると思いますが、チャンピオンズリーグ敗退後も選手獲得を繰り返し、この海本も石川も5月末に獲得したばかりの選手。たいていのチームが財政的な問題で多くの選手を抱えることが出来ないJ2はもちろんのこと、J1でも30番台後半の選手は珍しい中、40番台の背番号なんて久しぶりに見たような気がします。というよりは、自分の記憶の中にある一番大きな背番号はアビスパ福岡のビスコンティの43番(2000年)で、44番なんて初めて見ました。ちなみにオレにとっては背番号43と44といえば投ゲイル、飛バースなんですけどね。。
 ところで、大きな背番号の選手がスタメンに並ぶチームというのは、大抵の場合において降格回避のために緊急補強を繰り返したパターンが多いんですが、今年のヴェルディのようにまだシーズンの半分以上を残している段階でこういう状況になるというのはちょっと記憶にありません。ただ、そういう時って、2002年のコンサドーレがそうだったように、おおよそチーム的に末期症状であることが多いです(今回けっこう意地悪)。そういえば、その2002年に既に息も絶え絶えだったコンサドーレを最後にぷちっと潰したのが鹿島時代の石川でしたね。

 さてヴェルディ戦なんですが、前回の対戦(第12節・西が丘)では、0-2の敗戦。内容的にもほぼ「力負け」とも言える内容で、正直今後の対戦に不安を抱いたものですが、ヴェルディはその試合でイヤな選手と思っていた「天敵」のMF大野がケガで欠場、FWの飯尾一慶がこの試合の直前にアビスパ福岡へ期限付き移籍して既にチームにいません。また、この試合のあとにマルクス獲得のあおりを受けて契約解除が発表されたMFアナイウソンとDFデジマールもおらず、その時の試合で先制点を許した青葉幸洋もいません。というか、その時出ていたメンバーでこの試合でもスタメンに名を連ねていたのは、高木義成、戸川健太、萩村滋則、根占真伍、バジーリオの5人だけ。何だかもう別のチームじゃん、と思っていたら、札幌のメンバーも前回の対戦でもスタメンだったのは5人しかいませんでした。
 というわけで、選手の保有数の差が戦力の決定的な差ではないことを教えてやりたいところですが、そうするまでもなく立ち上がりからヴェルディの守備がヤバいです。いきなりキックオフからの2つめのパスで最終ラインとボランチの間のスペースに元気を入り込ませてしまうほど。前の試合では出場停止だったためこの試合が初めての対戦となるフッキを必要以上に警戒していたのか、他の選手のマークが甘く西谷や砂川に縦横無尽に動かれる有様で、前回のヴェルディとは大違い。中2日でのアウェイというのはやはりつらいのかもしれませんが、札幌もつい3日前にアウェイで横浜FCとの死闘を繰り広げたばかり。距離だけ見れば札幌もそれほど変わらないはずですが、動きの重いヴェルディと異なり、その札幌の選手たちは何だかいいことでもあったかのような軽快な動きでヴェルディを圧倒します。西が丘の逆のような感じの試合運びで、前半14分にはコーナーキックから池内が押し込みあっさり先制。そのわずか5分後にはまたしてもコーナーキックから今度は加賀がヘディングっぽいゴールを決めて突き放します。ヴェルディは前半26分には早くも久場に替えて廣山を投入しますが、札幌は慌てることなく対処。今まで以上に前線からの守備が効いており、そのためか3バックもこれまでよりは前に出て守る意識が高く、ヴェルディの攻撃のスピードが遅いことや、ケガ明けのバジーリオの動きが今ひとつだったこともあり、ヴェルディの攻撃をほぼ完璧に封じ込めます。シュートらしいシュートといえば大橋のミドルくらいで、それも林の正面を突いたもの。まったく危なげがないばかりか、恒例のソダン・スペクタクルまで披露する大盤振る舞いで前半を2-0で折り返します。

 さて後半、早めに追いつきたいヴェルディはセンターバックの戸川を外し、前回の対戦で決勝点を挙げた斉藤将基を投入し3トップにしますが、これに対し札幌は西嶋が左サイドバックの位置まで下がって落ち着いてヴェルディのシフトチェンジに対応します。逆に札幌は後半8分、シフト変更でバランスを崩したヴェルディのギャップを突いてスナマコとのワンツーで抜け出したフッキが技ありのシュートを右足で決め、3点目を奪いました。
 追い上げようとするヴェルディの気勢を完全にそぐ追加点を得たことで、試合の流れはこれでほぼ決定しましたが、この試合の最大の見せ場はこの後でした。後半14分頃、ボールの奪い合いで競り合っていた芳賀と斉藤が、ボールがアウトしたのをゴングにメンチの切り合いを開始。大西主審が止めに来る7秒程の間、一触即発の睨み合いが続きました。結局主審を始めチームメイトが引き離して事なきを得ましたが、こういう時つくづくサッカーってつまんないと思います。アイスホッケーだったら確実に乱闘に発展する流れなんですけどねぇ。でも、長生きしたければ芳賀には手を出すのはやめたほうがいいと思うぞぉ。
 ただ、見所はこれを最後にほとんどなく、これ以後はほとんど一方的な札幌ペースで試合は進み、後半33分のフッキのPKで4-0とし、海本が2枚目のイエローカードで退場してからはもうヴェルディには反撃する気力すらなくなったようで、試合はそのまま4-0で終了しました。
 試合後、ヤンツーは「4-1になってもいいから点を奪いに行って欲しかった」と言っていました。確かに4-0が4-1になったところで対して影響はないんですが、個人的にはああいう「ちんたらパス回して時間を潰す」という戦略をチームとして選手が共通意識で行ったことについては悪いことではないと思います。

 さて、これで4連勝、5位に順位を上げたわけですが、翌日に宮の沢で行われたサテライトリーグ・ベガルタ仙台戦は3-1で勝利、コンサドーレ札幌ユースU-18も同日行われた北海道クラブユースサッカー選手権大会決勝で3-1で勝利しました。ユース、サテライト、トップが揃い踏みするのは初めてでしょうかね? ちなみにサテライトでは昨年の8月に左膝の前十字靱帯断裂で戦列を離れていた上里一将が、およそ300日ぶりに出場。約60分プレイしまずまずのプレイを見せたようで、ようやく復活への一歩を踏み出したという感じでしょうか。まだ少し時間はかかると思いますが、焦らず行って欲しいと思います。同じく前十字靱帯断裂で戦列を離れている西澤画伯もあと少しで復帰できるでしょうから、徐々に後半戦に向けた陣容が整いつつありますね。昇格目標とはいえ育成路線は捨てたわけではありませんから、彼らの復活がさらなる競争の激化を招くことを期待しています。だからといって決してトレーニングシューズに画鋲を入れたり、ロッカーにイワシの干物を入れたりというような蹴落とし政策は遠慮するようにお願いします。

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