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2010年12月 アーカイブ

2010年12月 3日

行く人来る人2010

 2010年シーズンも残すところあと1試合。書いてない試合はまだたくさんありますが、それはそれとして来季の昇格内定チームも出揃い、当然ながら札幌は蚊帳の外。来年こそは札幌もその中に、などと意気込みたいところですが、チームを取り巻く状況は良くなるどころか悪くなる一方。袖スポンサーのニトリも今季いっぱいで契約を更新しない予定など、チームの強化費は今季の約4億5千万円からさらに減る見込みです。
 ニトリの今季のスポンサー料は推定で5,000万円。とはいえ、本来であれば昨季いっぱいで契約は終了(推定2億円)するはずだったのが、それではあまりにもかわいそうということになったのかどうかはわかりませんけど、とにかく額こそ減ったものの期間延長となりました。つっても実質的にはスポンサー打ち切りの「執行猶予」とも言えるものですから、札幌としては今季いい成績を挙げ、ニトリだけでなく他のスポンサーにもお金を出してもらう価値を認めさせなければいけなかったはずなんですがね。19チーム中14位という成績では、ニトリを動かすどころか改めて降りる決意を固めさせるレベルです。

 まぁそんなわけでスポンサーも減る、観客も減るとじり貧スパイラルに陥っている札幌の来季強化予算は3億円ほどになると言われており、これは2004年のトップチーム人件費とほぼ同額。2004年といえば、経営の健全化のために前年まで所属していたほとんどのベテラン選手との契約を更新せず、チームの大半が入団3年目以下の選手で占められるという極端な編成だった年です。
 そして当時と同じように、チームから発表された契約満了選手はベテラン勢が中心となりました。DF吉弘充志、DF藤山竜仁、DF箕輪義信、MF砂川誠、MF李漢宰、DF堀田秀平の6名。箕輪や漢宰は怪我でほとんど試合に出られていなかったのでしかたないと言えばしかたないですね。特に箕輪は選手としての復活も難しい状態だったようですし。惜しむらくは、1度でいいからFW近藤と同じピッチに立って「わあ、コンサドーレの『ハリセンボン』だ!」などというネタを使わせて欲しかったところですが、改めて書くと思った以上に寒いネタだったので、やっぱり封印されたままのほうが良かったかも知れません。
 砂さんと藤山は年齢的には高くても今季のパフォーマンスはまだまだやれると思いますけど、単純にサラリーの問題なんでしょうかね。吉弘も今の守備陣の状況を考えれば残してもいいと思うのですけどね。確かに今季大きな怪我をしてしまいましたし、復帰してからも危なっかしいプレイは多かったですけど、危なっかしいといえば怪我する前から割と危なっかしかったような気がするので、それが原因ではなさそうですが…。こちらもお給料絡みなんでしょうかね。
 堀田は…ディフェンダーが壊滅的な今の状態で、今季でまだ入団3年目の選手を「切る」のは何かの事情があるのかも知れませんけど、それにしてもディフェンダーを育てられないチームですね。以前も同じようなことを書きましたが、過去センターバックとして新卒で入団した選手は、いずれも主力を担うに至りませんでした。生え抜き選手でDFのレギュラーを取ったのはソダンと今野くらいですが、もともとソダンはFWとして入団後にコンバート、今野もチーム事情でストッパーを勤めることが多かったですが、本職はボランチの選手。あとのレギュラー選手は皆よそのチームから途中加入してきた選手。藤山を見ててもわかりますが守備の選手は単純な身体能力よりも経験がものを言うポジションですから、ある程度完成された選手を獲得してきたほうが早いのはわかりますが…。2000年や2007年を除けば基本「堅守」とは程遠いチームにあっては、OJTの機会は多いはずなんですけどねぇ。もっとも、あまりにも激しすぎていわばいきなりクレーマーの対応をやらされるようなもんなのかも知れません。

 まぁそんなわけで状況的には2004年に「逆戻り」と相成る予定の来季。もちろん3億未満の強化費でJ1昇格を果たしたチームだって過去あることはあるのですけど、札幌の2004年はJ1昇格どころか年間わずか5勝という異次元の弱さを発揮して最下位に終わった年ですからね。資金力の差がチーム力の差に直結しないとはいえ、お金の力はやはり強い。お金さえあればワールドカップだって誘致できるし、ルーピーだって総理大臣になれちゃったりするんですからね。もっとも、札幌の場合運営資金が20億くらいあっても強くなれるとは思えないのが哀しいところですが。

 その最下位の年、経験の浅いチームの中で攻撃のほぼ全てを任され、死にそうになっていたのが退団する砂さんでした。その後ろでワンボランチで死にそうになっていたタバタンもすでにいません。新潟市陸で相手を翻弄したドリブル、前橋でのオーバーヘッドゴール、柏サッカー場での恩返しミドルシュートなどなど、鳥栖スタジアムでの芸術的なボレーシュートなど、砂さんのスーパープレイは数え上げればきりがありません。そして何よりも、フリーキックの壁当てからエビ反りのコンボは、既に伝統芸の域に達していました。今まで本当にありがとうございました。

 「来る(かもしれない)人」についてはまた次回以降に。

2010年12月13日

こういうこともある

2010年Jリーグディビジョン2第33節
コンサドーレ札幌 1-0 ジェフユナイテッド市原千葉
得点者:札幌/宮澤
     千葉/なし

 常に過去に生きるサイト・サッカー百鬼夜行です。こんばんは。今日は既にシーズンが終了したにもかかわらず、1ヶ月以上も前に行われたジェフユナイテッド市原千葉戦についてですが、そろそろ試合についての記憶が定かじゃなくなってきました。まだぴちぴちのハタチのはずなんですけど、どんなことがありましたっけこの試合。ディドが看板割った試合って確かジェフ戦でしたよね。どうでもいいことだけは憶えています。あと昔ジェフに強力な韓国人ストライカーがいましたね。チェ…なんでしたっけ。チェ…デシクは昔大分にいたMFだし、チェ…ソンヨンは草津のMFだし、チェ…ジウはサッカー選手ですらないですね。チェ…ルノブイリは原発でしたっけ。チェ…ーンメールって昔流行りましたね。どうでもいいけどtwitterのRT拡散ってチェーンメールと同じですよね。で、何の話でしたっけ。そうそう、チェヨンス。京都にいたときハットトリックやられたのは憶えています。

 さて前置きはこれくらいにして、千葉戦ですね。一言で言ってしまえば、草津戦が「典型的な0-1で負ける試合」なら、この試合は「典型的な1-0で勝つ試合」でしたね。逆アトランタとでも言いましょうか。J2降格1年目の今季「1年でのJ1復帰」を目指している千葉ですが、前半戦までは3位をキープしていたものの後半戦に入ってから失速し始め、前節時点での成績は15勝9敗6分、勝点51の4位。3位アビスパ福岡の勝点は58となっています。この試合を含めて残り6試合で勝点7差というのは、だいぶギリギリのラインです。ギリギリ度合いでいえば、NHK紅白歌合戦で全裸スーツで踊るくらい。この試合に負けるということは、場合によっては福岡との勝点差が10にまで広がる可能性がある上、前々節の横浜FC戦、前節ヴァンフォーレ甲府戦に続いて3連敗となってしまいます。さらに、千葉はホームで札幌に0-3で負けており、現在15位と不振にあえぐチームに1度も勝てないままシーズンを終えるというのは、仮に昇格を達成できたとしても避けたいところ。そんなわけで千葉にとってはこの札幌戦は非常に重要な試合だったでしょうが…。
 逆に札幌は前節の敗戦で昇格の可能性が数字上も消滅と、千葉ほどは切羽詰まっていない状況。アウェイでは勝ったとはいえ内容的には苦しい試合だったように、チームの実力そのものは千葉のほうが明らかに上ですから、試合は当然圧倒的な千葉のペースで進んで行くわけですが、「勝って当然のチームを相手に勝たなければいけない」のがプレッシャーだったのでしょうか。早く先制点を取りたいという焦りからか、確かに攻め込んではいるのですが何となく攻め急いでいるような印象。狙いすぎたのか慌てすぎたのか、いい形でシュートを打っても微妙に枠を外れていったり、いくつかの決定的なチャンスも高原のファインセーブによって防がれ得点ならず。
 「惜しいチャンスがいっぱいあるのにゴールに結びつかない」というのはけっこう精神力を削がれるもんなのでしょうかね。自分はまともなサッカー経験がないのでわかりませんけど、身近な例に例えてみるなら「1レースから最終レースまで微妙に対抗馬選びに失敗」という感じでしょうか。あるいは「ローソンのけいおん!!フェアで澪Tシャツにのべ14回挑戦したけどかすりもしなかった」という感じでしょうか。後者は違う気がしますね。
 まぁそんな感じで札幌も終始防戦一方だったのですが、ディフェンダーの奮闘と高原のスーパーセーブで得点を許さず。それでも疲れが出てきた後半は危ないシーンも多かったのですが、幾度めかの「完全にやられた」というシーンを相手のシュートが逸れていったのを見て、「もしかしたら勝てるかも」と思ったのですが、こういうのって選手もけっこう感じるもんなんでしょうかね。試合も終盤となった後半42分、内村と交代で出場した宮澤が砂川からのクロスを頭で決めてゴール。「そういえばもともとフォワードだったっけ」ということを思い出される豪快なヘディングシュートで先制点をもぎ取りました。
 試合ももう残り時間あとわずかという時点での失点は、是が非でも勝点3を取らなければいけない千葉にとってかなりのダメージだったでしょう。勝つためにはロスタイムを含めても正味5~6分という短い時間の間に2点を取らなければいけなくなったわけですからね。とはいえ札幌はロスタイムで3失点できるチームなのですから、落ち着いてまず1点を返せば試合はわからなかったと思うのですけど、そうでなくても冷静さを欠いていた千葉にはゴリ押しの攻撃に終始。そしてゴリ押しの攻撃には案外強い札幌は最後まで虎の子の1点を守り抜きました。

 結局千葉は1年での昇格を果たすことができず、来季も同じ舞台で戦うことになります。来季を考えれば、千葉に「札幌ってなんか苦手」というイメージを植え付けたのはプラスになるでしょう。まぁ、千葉に勝ってもほかにさくっと負けるのが札幌なんですけどね。

2010年12月14日

来るがいい

 最終戦も4-0の大勝で締めくくり、終わりよければすべてよし、というには今季はいろいろありすぎましたけど、最後の最後に砂さんの直接フリーキックゴールというあり得ないものまで見てしまったので、ひとまずはいい気分でシーズンオフを迎えることが…できるかと言えばそういうわけでもなく、ご存じの通り大手スポンサーの契約満了や興行収入の減少などで強化費の大幅削減を余儀なくされる今オフ、アルビレックス新潟へ期限付き移籍中の西大伍は、どうやら鹿島アントラーズに完全移籍が濃厚ですが、名古屋グランパスに同じく期限付き移籍中のダニルソンはレンタル延長が正式決定と、大幅な収入には至らず。大伍の完全移籍によるチーム孝行分がどのくらいの金額かはわかりませんが、多く見積もっても昨季からの強化費マイナス分の補填ができればいいほうでしょうか。札幌としては売れるなら売りたかったんでしょうけど、いくら天下のトヨタをバックに持つ名古屋といえど、昨今の円高の影響では5億円とも7億円とも言われる移籍金(違約金)をポンと出せるほどの余力はなかったのでしょうかね。かといって「契約期間満了までレンタルで凌がれる」というパターンは札幌としては一番避けたいでしょうから、おそらく「札幌と契約を更新した上でレンタル」という川崎フロンターレ時代のフッキみたいな技を使ってるんじゃないかと思います。たぶん。知らんけど。
 いずれにしても来季の戦力補強にはあまり大きな期待をかけることは難しそうです。大型補強なんてどだい無茶なのもちろん、現有戦力の引き留めもどうなるかといった状況ですが、ひとまず既にノブリンが来季も引き続き指揮を執ることが決まり、今季の主力選手たちも契約更改が始まり、順調に進んでいるような印象です。ただ気になるのは助っ人選手がどうなるかというところ。既にシーズン途中で趙晟桓が退団、桐乃についても現状どうなるかは不明ですが、19ゴールを挙げた昨季とはうって変わって、今季のゴール数はわずかに2と、インパクトを残したのは髪型だけという結果に終わっています。完治に時間のかかるグロインペイン症候群を患っていることを考えると、推定年俸1500万と札幌にしては高額な年俸もあり来季は微妙な状況といわざるを得ません。

 今のJ2は、かつてに比べると各チームの実力差はだいぶ小さくなってきています。もちろん優勝争いをするようなチームは別ですが、中位くらいのチームは最終的にどこが上の順位になってもおかしくはないといった感じです。移籍金制度が撤廃されてから、中堅クラスの選手の移動が活発化されたこともひとつの理由だとは思いますが、参入歴の浅いチームでもそれなりの戦力を整えられるようになっています。ただ札幌がそうであるように、予算規模はおおむね似通っているなら、そうそう派手は補強はできないわけですから、差がつくとすれば助っ人選手次第ということになるでしょう。助っ人について三上強化部長は、「日本人選手でチームの骨格を固めてから足りないところを助っ人で補う」という考えのようですので、2004年のように助っ人なしという編成は考えていないようです。まぁ今年みたいに「助っ人はいたんだけど、気がついたら日本人だけになってました」って可能性もないこともないですが、少なくとも純和風チームで臨むつもりはないような感じ。
 とはいえ、助っ人獲得にかけられるお金もたかが知れてますので、既に実績のある選手の獲得は無理目。というわけでまだシーズンが終わる前ですが、4人の外国籍選手を練習に参加させたりしてました。最初はエメルソン選手とクレイトン選手という、どっかで聞いたような名前の2人のブラジル人選手が参加。その後、オヒク選手、アグー選手という2人のナイジェリア人選手が参加しています。各選手とも獲得となるかどうかはわかりませんが、札幌としてもしばらくオモシロ人間分が不足してますので、ナイジェリア人選手には期待したいところですね。でもナイジェリア人だからといってみんながみんなボビー(今は日本人)であるとは限りませんよね。

 日本人選手の新戦力も、現在のところ確定しているのは室蘭大谷高校のMF櫛引一紀選手のみ(一応MF三上陽輔もユースからの昇格が決定していますが、彼の場合「現有戦力」の意味合いが強いですから除外)。「補強」という単語の本来の意味において、「補強すべき弱いところはどこですか?」と聞かれれば、「弱くないところがあるとでも言うのかい?」と言わざるを得ないのですが、ひとまず最優先は壊滅状態(主に人数的に)にあるセンターバックの補強でしょうね。ここのポジションに外国籍選手を入れてうまくいったのって日本語ペラペラのブルーノさんくらいでしたから、やはり日本人ということになるでしょう。噂では柏レイソルのDF蔵川洋平や、横浜F・マリノスとの契約が満了となったMF山瀬功治(!)といった名前が挙がっていますが、蔵川はサイドバックが本職ですよね。確かに今の札幌に本職のサイドバックはいませんけど…できる選手は少なくないですし、山瀬は言わずもがなの攻撃的MFで、札幌でも比較的選手が多いポジションですから、どうなんでしょうねぇ。これから年末にかけて騒がしくなってくると思いますが、果たしてどんな選手が来るでしょうか。

2010年12月15日

プロビンチアの憂鬱

 昨日「主力の流出はなさそう」と書いた途端に新聞に「アルビレックス新潟が札幌MF藤田征也とDF石川直樹の獲得に乗り出す」みたいな記事が出て、余計なこと書かなきゃ良かったと思う今日この頃ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。驚きの3日連続更新、サッカー百鬼夜行です。こう見えても設定上ではハタチのイケメンです。

 スポーツは弱肉強食の世界とは良く言われることですが、弱肉強食はすなわち食物連鎖の世界。それはJ2チームはもちろんJ1チームとて例外ではありません。新潟は既にMFマルシオリシャルデスとDF永田充の2人の主力選手が浦和レッズへ移籍することが決定しており、さらに昨日書いたとおり札幌から期限付き移籍中の西大伍が鹿島アントラーズへの完全移籍が濃厚と、主力選手の流出が相次いでいます。加えて、マルシオも永田も契約満了での移籍で、大伍は札幌からの期限付き移籍中。つまり主力クラスの選手を少なくとも3人失いながら、新潟に入ってくるお金はゼロか、あったとしても雀の涙程度でしょう。新潟の予算規模は約25億円と、札幌から見ればうらやましいほどの大きな金額ですが、J1という土俵では決して多いほうではありません。今季もチーム運営費約37億円のFC東京が降格するなど、例年意外なチームが降格することも少なくないように、チームの予算規模の差が戦力の決定的な差ではないのは確かですが、逆にそういうチームが降格するということは、中位クラス以下のチームにはひとつふたつ歯車が狂っただけで降格してしまう危機は常にあるということです。まぁ2008年の札幌のようにそもそも歯車自体なかったというようなチームもありますが、戦力の低下は残留争いに直結しますから、少しでもその低下を食い止めたい、しかし補強資金が潤沢にあるわけではない。だったらJ2から使えそうな選手を獲得すればいい、となるのは当然の成り行き。報道が事実かどうかはわかりませんけど、2008年にJ1を経験しており、かつ給料もそれほど高くない(であろう)札幌の選手が注目されるのは、あり得ない話ではないですよね。
 とはいえ、「じゃあうちもどっか下のほうのチームから使えそうな選手を取ってこよう」とやろうにも、自分より下のチームを探すほうが難しい札幌としてはたまったもんではありませんね。「札幌はそういうチームなんだ」と納得することはできますし、そうやって巣立っていった選手たちが代表や果ては海外などで活躍していく姿を見るのも楽しみのひとつですけど、さりとてそれはそれとしてまず第一に札幌には強くあって欲しいという願いがあるわけです。現実には空から突然美少女が落ちてくるようなことはないわけですから、そんな中でもどのようにチームを強化していくか、というのは当面の課題でしょうか。

 営業面含めたチームの価値をいかに高めるか、そのあたりは選手、クラブ、サポーターそれぞれが「できること」を地道にやっていくしかないのでしょうね。さしあたってオレにできることは、なるべくちゃんと更新します。

2010年12月16日

オフの過ごし方

 一昨日「センターバックに外国籍選手はないだろう」と書いた途端に新聞に「札幌がブラジル人DFの獲得へ」みたいな記事が出て、余計なこと書かなきゃ良かったと思う今日この頃ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。驚愕の4日連続更新、サッカー百鬼夜行です。こう見えても設定上では年商2億を稼ぐやり手ビジネスマンです。欧州のIT企業向けにガマの油を売っています。

 で、そのブラジル人DFですが、ブラジルのメトロポリターノというチーム所属のアマラウ・ロサ選手。さくっと調べてみたところ、本名はVagner Aurelio da Silva Rosa、ワグネル・アウレリオ・ダ・シウバ・ロサ。ブラジルっぽく発音すると「ホサ」になるんでしょうかね。課長バカ一代みたいですね。サンパウロ州のブロドスキーという街の出身、1982年5月6日生まれの28歳で、身長185cm、体重78kgとのこと。経歴によれば、2004年にミラソルFCでプロのキャリアをスタートとありますので、逆算すると22歳の時ということになりますね。ブラジル人にしてはずいぶん遅いほうに思えますが、大学でも行っていたんでしょうか。
 その後、モジミリン、リオブランコ、イトゥアーノ、シャペコエンセ、ガロ・マリンガ、セアラ、ジュベントス、シェレス(スペイン)と多くのクラブを渡り歩き、2009年からメトロポリターノに所属となっています。このメトロポリターノというチームは、ブラジル全国リーグの4部、サンタ・カタリナ州リーグ1部とのこと。設立が2002年とまだ新しいチームのようで、それほど強いわけではなさそうですが、今季栃木SCに加入してJ2で2位となる16ゴールを挙げたリカルド・ロボがこのメトロポリターノからの移籍ですし、かつてのダヴィも、当時全国リーグ3部だったヴィトーリアからピアウイ州リーグ1部のピアウイへのレンタルを経て札幌に来ています。ディフェンダーの選手では、横浜FCを経て現在ベガルタ仙台で活躍するエリゼウも、日本に来る前は全国2部や3部の無名クラブを渡り歩いてきていますから、3部だろうが4部だろうができる人はできるということなんでしょうね。もっとも、その陰で同じように聞いたことない名前のチームからやってきた多くの選手が、やっぱり多くの人に知られることなくひっそりと帰国して行ってるのですけどね。まぁ鳴り物入りで加入した大物選手でも、期待通りの活躍をした選手もいれば期待はずれの結果に終わった選手もいますから、日本のサッカーや環境への対応力次第って部分が大きいのでしょうね。といっても、マクサンドロやカウエのように日本に馴染むために並々ならぬ努力をしながら、肝心のサッカーでパッとしなかった場合もありますので、実力ももちろん大事なんでしょうけど。
 ところでこのアマラウ選手、メトロポリターノの公式サイトの選手紹介に名前が載っていないので、既に退団しているんでしょうかね。所属フリーの選手を狙うのは今に始まったことではないので別にいいですが、こういう選手は調べようにも情報が少ないのがネックですね。シェレスに所属していた2008/2009シーズンにスペインリーグ2部で優勝し1部昇格を果たしており(1シーズンで降格)、その頃くらいにモンテディオ山形も興味を示していたそうなので、スペインで試合に出てたかどうかなどの情報が欲しかったんですが、探し方が悪いのかほとんど情報は得られませんでした。
 まぁまだ話が正式決まってないですし、そもそも元となったと思われるブラジルの報道が例の如くトバシ記事の可能性だってあるんでどうなるかはわかりませんが、ブラジル人センターバックと言えば件のエリゼウが仙台との契約を更新しないらしいので、未知数の選手を獲得するよりはそっち狙ったほうがいいような気もしますけどね。もちろんエリゼウくらいの選手なら他に引き合いもあるでしょうし、意外と言っては失礼ですがけっこうお金持ちな徳島ヴォルティスに移籍するような話もあるようですので、とっくに話持って行ってとっくに断られたあとなのかも知れないですけどね。

 さて話はまったく変わりますが、チームがオフに入っているこの時期の話題はやはり選手の補強や契約更改が中心となりますが、逆に言うと書けるようなことはそれくらいしかないとも言えるので、練習や試合などほぼ毎日何かしらのネタがあるシーズン中と比べると、どうしても話題は少なくなります。個人ブログならネタがなければ別に更新しなければいいだけの話ですが、商売でやってる新聞記者さんが「別に紙面が真っ白でもいいや」というわけにはいきません。ネタがなければネタを探さなければいけないですから、それが仕事とはいえやっぱり大変なんでしょうね。スポォツ報知で「古田の兄さんがリオン容疑者と対戦していた!」という心底どうでもいい記事を見たとき、改めてそう思いました。記者さん自身も心底どうでもいいと思いながら書いてるんだろうなぁ。
 もっとも、どっちかというとそっちよりメイン記事である「古田に○○王子の愛称募集」を見たときのほうが脱力を禁じ得なかったんですけどね。元ネタはいうまでもなく同じ札幌に本拠地を構える北海道日本ハムファイターズに入団した早稲田大学の斎藤佑樹投手の愛称「ハンカチ王子」ですが、とにかくコンサドーレにも王子を作ってしまおう、というような記事。ただし記事をよくよく読めば、チームスタッフとの他愛のない雑談を記事にしたような感じで、別に本当にクラブが王子名を募集しているわけではないのですけどね。まぁ別に愛称つけるのはかまいませんけど、王子ブームが起こるよりもずっと前に、監督から「コンサドーレの王子様」と言われた選手がいたことは忘れないで欲しいと思いました。その選手がその後どうなったかも含めて。

 ちなみにこのサイトがこの時期になってからやたら元気になってるのは、単に忙しさがちょっと落ち着いたからです。他意はないですよ?

2010年12月17日

GK急募

 3日前に「主力の流出はなさそう」と書いて以来、アルビレックス新潟から石川直樹と藤田征也に正式オファーが届いただけでなく、GK佐藤優也がギラヴァンツ北九州に完全移籍で加入することが正式発表されたりと、つくづく余計なこと書かなきゃ良かったと思う今日この頃ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。こうなったらどこまでやるのの5日連続更新、サッカー百鬼夜行です。陸別での氷点下23度は、たぶんオレのせいです。

 ご存じの通り札幌は正GKの高原寿康が徳島ヴォルティス戦でアキレス腱断裂の大怪我を負い、全治6ヶ月と復帰は早くても来年のゴールデンウィーク以降。もともとGKは練習の都合や想定外の事態を考えると4人いるのが望ましいと言われ、実際少し前までは4人いることが多かったのですが、それが3人体制になったのはひとえに経済的な事情が大きく、来季は今季よりさらに予算が減るとなれば、高原がしばらくいないからといって、ではGKを1人獲得しようかということには簡単にはいかないのが実情。そんな文字通りGKの手が足りない状態の中での優也の移籍。優也本人には高原のいない間に正GKのポジションを奪ってやろうという気持ちはもちろんあったのでしょうけど、仮にまたベンチに戻った場合、サテライトリーグにも参加していない札幌ではほとんど出場のチャンスがなくなってしまいますからね。GKというポジションの特殊性を考えると、試合に出られるチャンスがあるチームからのオファーに(言い方は悪いですが)飛びつくのも無理はないでしょう。とりあえず、来季の北九州戦では、三上あたりにボール持った優也の後ろに隠れてればチャンスが来ると教えておく必要がありますね。

 で、それはそれでいいのですが、札幌にとっては早急に優也に変わるGKを獲得しなければいけません。日刊スポォツによると、札幌は新たなGKとしてアルビレックス新潟のGK高木貴弘に正式オファーを出したと書いてありました。高木貴弘がどんな選手かというのは、札幌サポーターには改めて説明する必要はありませんよね。2007年に大宮アルディージャから期限付き移籍でコンサドーレ札幌に加入し、守護神として札幌のJ1昇格に貢献した選手です。2008年もレンタル期間延長で札幌に残ったものの、持病のヘルニアの手術と怪我で出遅れたばかりかシーズン終盤にも左膝後十字靭帯を断裂と怪我に泣かされ、2009年には大宮に戻ったものの、試合出場の機会はほとんどなくシーズンオフには契約満了となり新潟へ移籍。しかし新潟でも肩関節脱臼で全治6ヶ月という重傷を負ってしまい、1試合も出場できないまま新潟との契約も満了となっていました。
 これといった穴のないGKですし、もちろん新潟に対しては移籍金も契約上の縛りもありませんので、ぎーさんの動向にかかわらず征也の違約金はたんまり取れるわけですから、話が本当であれば札幌にとってはいい話です。心配なのはぎーさん自身満身創痍状態であることなんですが、札幌じゃ怪我のないゴールキーパーを獲ろうにも、荒谷僧正みたいに毛がないゴールキーパーを獲るしかないですもんね。

2010年12月21日

おかえりぎーさん

 主力選手の動向が気になる中で、ここ数日は選手移籍に関する情報も表面上はちょっと落ち着いた感じでしたが、本日噂通りにアルビレックス新潟GK・高木貴弘選手のコンサドーレ札幌への完全移籍が正式に発表されました。来シーズンの移籍加入としては第1号となります。GK佐藤優也がギラヴァンツ北九州へ移籍、高原が全治半年の重傷を負っている中、計算できる選手が加入したのは心強い限りですが、ただそれでもGKは高原を除けばぎーさん、曵地裕哉の2人だけしかいません。これまでは3人しかいないGKに怪我や出場停止が重なった場合に備えてユース所属のGKを二種登録し、万が一の保険としてきましたが、2人しかいないところに不測の事態が起こってしまった場合、本当にユース選手を出場させなければいけなくなります。虎の穴に放り込んだはいいけど骨まで食われてしまったら元も子もないですし、ぎーさん自身ケガ持ちでもありますから、もう1人GKは必要でしょうね。噂では韓国・東国大のイ・ホスン選手の獲得に乗り出していると言われています。韓国大学No.1キーパーと言われる逸材だけに、加入となれば大きな戦力になるのは間違いありませんが、こちらもどうなるか気になるところですね。

 あとは目立った動きはありませんね。横浜F・マリノスを退団した山瀬功治の獲得をあきらめたとか、ゴン中山が来季も札幌でプレイする方向であるとかくらいでしょうか。まぁゴンはともかく、山瀬については当然と言えば当然ですよね。山瀬の獲得にはサンフレッチェ広島や川崎フロンターレ、ベガルタ仙台なども獲得に動いていると言われてまして、その辺のJ1チームと張り合える金額を用意できるくらいなら最初から砂さん切ってないと思うんで、最初からダメ元オファーだったと思うんですが、何となくこんな感じだったんじゃないかと勝手に推測。


                               ハ,,ハ 
                           /\( ゚ω゚ )/\ いいぜ
                           ((⊂/\    /\つ))
                                 )   ノ
                              (_⌒ヽ
                               ヽ ヘ }
                  ハ,,ハ   /つε≡Ξ ノノ `J
                 ( ゚ω゚ )// 
                /    /     てめえが本当に
               //)   ノ         その金額なら
              ⊂/ (_⌒ヽ
         ハ,,ハ       ヽ ヘ }
        ( ゚ω゚ )      ノノ `J
        (     \
        \\ \\   一二
⊂\     (_\つ \つ  一二
  \\,,ハ   ヽ ヘ }     一二
  //ω゚ )  ノノ `J    一二
  (/    )
  ) //
  (//ヽ
  し ,ヘ }  まずはそのふざけた
  ノノ `J  オファーをお断りします

2010年12月23日

イナズマ(のようにいなくなった)イレブン

 まだまだ止まらない札幌の主力流出劇。噂されていた石川直樹、藤田征也両名のアルビレックス新潟への移籍が正式に発表され、もひとつおまけに西嶋弘之の徳島ヴォルティスへの移籍も正式に発表されました。

 西嶋も噂レベルではJ1に昇格が内定したヴァンフォーレ甲府がオファーを出しているという話を聞いていましたが、実際は甲府ではなく徳島へ。西嶋は2004年の途中にヴィッセル神戸から加入。彼が最初に加入したサンフレッチェ広島時代を含めてもトップチームでの試合出場経験がなく、先代の背番号6だった大森健作の後釜として通用するかどうかは未知数だったのですが、札幌に加入し、おばあちゃんと手を繋いで初めてJリーグのピッチに立って以来、持ち前のサッカー頭の良さでチームの中核に成長。以来6シーズン半の間、監督もヤンツー、みうみう、ノブリンと監督が入れ替わっても必ずほぼスタメンに名前を連ね続けてきました。180cmとDFとしてはそれほど上背のあるほうではないながらも意外にジャンプ力やシュート力もあり、セットプレイでの得点源にもなっていました。突出したストロングポイントがあるわけではないですが、トータルでバランスの良い選手であることや、左右のサイドバックやセンターバック、ボランチまでもこなす器用さもあるだけに、今回の移籍に際しては戦術の甲府を含め5クラブが競合したそうです。
 そしてその中から最終的に徳島への移籍を決断。第36節で決勝ゴールを挙げた後のインタビューにおいて感極まって涙ぐんだのはいまさらながらそういうことだったんだと思うわけですが(相手が当の徳島だったことはあまり関係ないでしょうけど)、一説によれば徳島は札幌の倍の給料を提示したと言われております。本当かどうかはわかりませんが、現在28歳とサッカー選手としてはキャリアの終盤にさしかかった年齢で、自分のプレイに高い値段をつけてくれるところを選ぶのは、プロとして当たり前の話。オレだったら仕事内容がほとんど同じで今の給料の倍出してくれる会社があったら、確実に飛びつきますもん。まぁ、サラリーマンにそんなうまい話なんて滅多にないですけどね。
 それにしても給料倍とは思い切りましたね。現在西嶋が札幌でいくらもらっていたかはわかりませんが、彼の貢献度からすれば決して(チームの中では)安いほうではなかったはずですから、その倍ということは相当な金額ですよね。さすがに大塚製薬という大企業をバックにもつ徳島だけに、資金力はあるんでしょう。豊崎愛生の出身地ですし(無関係)。
 しかしまぁ、これで今季の背番号1番から8番までが退団することになりますね。ゴンは今のところ残る方向でいるみたいですが、もし彼まで退団ということになれば、前代未聞の「背番号一桁全滅」ってことですか。まとめてみるとこうなります。

#1 佐藤優也→ギラヴァンツ北九州へ完全移籍
#2 吉弘充志→契約満了により退団・愛媛FCへ完全移籍
#3 藤山竜仁→契約満了により退団
#4 石川直樹→アルビレックス新潟へ完全移籍
#5 箕輪義信→契約満了により退団
#6 西嶋弘之→徳島ヴォルティスへ完全移籍
#7 藤田征也→アルビレックス新潟へ完全移籍
#8 砂川 誠→契約満了により退団

 うん、キレイにいなくなりましたね。ここまで来るとむしろオラすっげえワクワクしてきます。

 西嶋にせよ征也にせよ石川にせよ、プロサッカー選手が現役でいられる時間はそう多くないですから、その中でチャンスがあれば積極的につかみ取りたいと思うのは当然の心理。とはいえ、彼らの望むもの、つまり「高いレベルで挑戦したい」、「お給料いっぱいもらいたい」、「声優さんと合コンしたい」などなどは今の札幌では到底実現できない、つまり札幌にいても給料も上がらないしJ1への挑戦が実現できるわけでもない、もちろん声優さんとも合コンできないと判断された上での決断であることは、仕方がないで済ませていい問題でもないと思います。最後のはどうでもいいですけど。特に西嶋が結果として同じJ2のチームに引き抜かれたってのは、札幌の立場は今までとは完全に逆転したというのを認識せざるを得ないわけで。
 彼らが抜けた穴を埋めるために、選手をどこかのチームから借りてくるか、フリーの選手を集めるかはわかりませんけど、どのような方法を採ろうとも、「お金がないので緊縮財政」をやっている限りは、新たに加入した選手たちが活躍したり、ユースの選手が成長したところで結局は同じことを繰り返すだけ。J1昇格どころか他チームの養殖場として生きていくしかなくなるわけです。「育てて売る」方針自体は否定しませんし、地方の弱小クラブが生き残るにはそれが必要なことなのもわかりますけど、選手たちの地元愛やチーム愛だけに甘んじていてはいけないと思います。愛ほど不確かなものはないですよ?

2010年12月27日

とっとと来るでゲソ

 ここのところ札幌の選手の移籍動向と言えば出ていく選手の話ばかりで、なにやらMF上里一将にまでFC東京への移籍話があるらしいですね。今更誰が出ていこうが驚きも悲しみも愛しさも切なさも心強さもないんですけど、東京は梶山陽平や米本拓司、今野泰幸もいて、札幌も獲得を狙っていると言われる前ジュビロ磐田の犬塚友輔にもオファーをしていると言われており、その中に上里を加える意味があんまりわからないのですけどね。よくわかりませんが選手の側が沈む船から逃げ出すネズミたちのような感じなのか、それともFC東京が閉店セールで冷静に考えれば特に必要のないものまで買ってしまう心理状態なんでしょうかね。
 そんな感じで草刈り場となっている札幌ですが、まぁ土さえあれば草はまた生えてくると思うことにしても、ひとまずはなくなった分を植えないといけないわけで、入ってくる選手の話も少しずつ出てきています。

 まず契約満了で今季限りでの退団となっていた砂川誠との再契約が発表されています。契約満了後の再契約ってパターンは2006年の川崎健太郎以来ですね。砂川には他のクラブからの獲得オファーもあったそうで、なおかつ公式サイトでの本人のコメントにもあるように、「盛大に送り出してもらいながら帰ってくる」というのは相当に悩んだようですが、チームの緊急事態に再び赤黒のユニフォームに袖を通す決意を固めたようです。とりあえず背番号1番から8番までいなくなるのが1番から7番までになったってことですね。

 そして懸念のセンターバックですが、セレッソ大阪のDF山下達也の完全移籍での獲得が発表されました。山下選手は兵庫県出身、御影工業高校から2006年にセレッソ大阪に加入、リーグ戦での出場は5シーズンで16試合とあまり出場機会には恵まれませんでしたが、札幌とは2007年のJ2第15節(長居第2)で対戦してますね。正直まったく記憶にありませんが。三上強化部長によれば「高さと速さを兼ね備え」ながら本人曰く「うまさはない」とのこと。プレイはさておき、顔だけ見ると少なくとも明らかにセンターバックが最適そうな面構えなので、期待は出来そうです。

 そして先日名前が出たブラジル人DFアマラウ・ロサ選手に続く助っ人MFの話も出てきています。報道によれば、ポルトアレグレに所属していたBruno Ferraz das Neves、ブルーノ・フェラス・ダス・ネベスって読むんですかね。そのブルーノ選手の獲得が濃厚とのこと。ブルーノ選手はリオグランデ・ド・スル州のポルトアレグレ出身、1984年6月11日生まれの26歳、181cm80kgという大型のMF。2002年にグレミオでプロのキャリアをスタートし、2005年までグレミオに所属、その後2006年にフルミネンセ、2007年にポルトアレグレ、ジョインヴィレ、2008年にサンタクルス、クルゼイロ、2009年にノロエステ、メトロポリターノと転々とし、2010年はポルトアレグレに戻ってきたようなのですが、その後6月にポルトガル1部リーグのウニオン・レイリアに移籍していたらしいです。試合には出ていなかったような感じですが…レンタルか何かなんでしょうかね。
 YouTubeに上がってる動画を見たところ、グレミオ時代は10番をつけていたこともあるようです。ロナウジーニョやレナト・ガウーショらを輩出した名門で将来を嘱望されていたであろう選手が、いったい何があって極東のさらに僻地の2部チームくんだりまでやってくることになったんでしょうね。本来なら札幌が獲れるレベルの選手ではないはずですが、札幌に来るということは、逆に言えば札幌が獲れるレベルの選手になってるってことなんでしょうかね。それはともかくブルーノ選手はこんな顔。

bruno.jpg

 すごい眉毛です。ペナルティのヒデかと思いました。この眉毛に勝てるのは若人あきらくらいですよね。なんかすごいよさげな補強ですよ。ネタ的に。

 ちなみにこのポルトアレグレのチームオーナーは、ロベルト・アシス・モレイラ。そう、あのアシスです。そっちのルートなのかもしれません。あと、2009年にメトロポリターノにいたってことは件のアマラウ・ロサとチームメイトだったみたいですね。一緒に試合に出たことがあるかどうかまでは確認できませんでしたが…。

2010年12月28日

竜二かわいや

 年の瀬も押し迫り、コンサドーレ札幌を運営する北海道フットボールクラブもそろそろ年末年始休暇に入ろうかという28日、噂されていた前横浜F・マリノスのMF河合竜二選手の加入が正式発表されました。カワイとしては川合孝治以来15年ぶり2人目、リュウジとしては藤山竜仁以来2年連続4人目の獲得となります。
 河合選手は1978年7月14日生まれの32歳。埼玉県の西武台高校から1997年に浦和レッドダイヤモンズに加入し、2002年までの6シーズンをプレイしましたが、その間ほとんど出番に恵まれずリーグ戦の出場は14試合に留まり、2002年限りで浦和との契約が満了。その後トライアウトを経て横浜F・マリノスに加入すると、当時指揮を執っていた岡田武史監督の下でチームの中核に成長し、この年マリノスの年間優勝に貢献。以後主力選手として活躍を続けていましたが、若手の成長もあり今季いっぱいでマリノスとの契約は満了となっていました。
 本職はボランチですが、マリノス加入当初は3バックの一角を担っていたこともあり、DFもこなせる選手。高さもあってがっつり守れるタイプの選手だけに、ロアッソ熊本なども獲得を狙っていると言われておりましたが、札幌の渾身の誠意を込めた「本当に守備の人がいないんです」という泣き落とし作戦が奏功(推定)し、札幌入りとなったようです。マリノスでは主将を務めていたこともありますから、札幌が毎年のように苦しめられる「キャプテンの呪い」もあまり関係なさそうな感じです。マリノスでは最終的に背番号6をつけていましたが、幸い札幌も今6番が空いてますね。というか7番までなら一桁よりどりみどりですので、好きな番号をどうぞ。とにかくようこそ札幌へ。

 それと、仕事納め前に恒例の契約合意選手と契約合意スタッフのリストが発表されています。ざっと見た限りでは、移籍の噂もあった芳賀博信が契約更新となった一方、移籍が濃厚とされる上里一将の名前がありません。まぁほぼ決まりと見ていいでしょうね。あと名前がないのは高木純平と桐乃ですか。高木は清水エスパルスからの期限付き移籍なので、清水との契約の兼ね合いもあるんでしょうね。桐乃はブラジルに帰国中なのでどうなるかはわかりませんが、現時点で獲得が濃厚として具体的な名前が出てきている助っ人選手は、DFアマラウ・ロサとMFブルーノ・ネベスの2人だけで、助っ人枠をあと1人残していること、FWの選手の名前が挙がってきていないことを考えると、怪我の状態次第ではあるでしょうが桐乃の残留は充分ありそうですね。ひょっとしたら3年契約だったのかも知れないですし。いずれにしても、契約更新スタッフの中に通訳のウリセスがいるので、少なくともブラジル人選手がチームに1人以上所属することは確定と見ていいでしょうね。
 その観点からだと、既に超晟桓もパクジンスも退団して通訳の必要な韓国人選手はいないはずなのに、韓国語の李成樹通訳も契約更新しています。ということは今年も韓国人選手を獲るということなんでしょう。だとすると、獲得が有力といわれる東国大のGKイ・ホスン選手でしょうかね。

 あと、清水エスパルスのフィジカルコーチに就任した石栗フィジカルコーチの後任として、柏レイソルでフィジカルコーチを務めていた古邊考功コーチが就任することになりました。古邊コーチは現役時代アビスパ福岡などに所属…って、当時と名前が違うけどあの古邊ですか。1998年のJ1参入決定戦に出場していましたよね。森(秀昭)くんと一緒に。現役引退後はアルビレックス新潟でコーチ稼業をスタート、2006年から2010年までが柏レイソルのフィジカルコーチ、ということは石栗コーチと同様、ノブリンの肝いりで呼んだんでしょうね。今年はさらに少ない人数でリーグ戦に臨まざるを得ないようで、コンディション管理がいっそう重要になってくるでしょうから、是非是非よろしくお願いいたします。

2010年12月29日

一気にきたー

 本年最後のHFC営業日、一気に移籍加入が発表されました。まるで宵越しの銭は持たない、じゃなかった仕事は新年に持ち越さないといわんばかりのリリースっぷり。HFCの中の人もさぞかしすっきりしたことでしょう。というわけで順番にざざっと触れていきます。

 まずはサガン鳥栖所属のDF日高拓磨選手。なんだか北海道に縁がありそうな苗字ですが、広島県出身。1983年4月8日生まれの27歳で、清水エスパルスユースから明治大学を経て2006年にサガン鳥栖に加入し、2年目からレギュラーサイドバックとして活躍してきました。1983年生まれで清水ユースというと、高木純平の1年後輩、2001年のアディダスカップU-18では、当時札幌ユースだった鈴木智樹や、後に鳥栖でチームメイトとなる「あんにゃろ」こと新居辰基、現在育成部コーチの相川雄介と対戦してるんですね。その時の試合に出てたかどうかはわかりませんが。もっとも、プロになるような選手は学生時代たいていどっかしらの大会でみんな対戦したことがあると思いますけどね。
 とにかく札幌にとっては待望の本職サイドバックで、左でも右でもいけるようです。過去の鳥栖戦で何度も対戦してきた中で、かなりいやな選手だと思っていましたので、地味ながらもけっこういい補強なんじゃないでしょうかね。

 次に、噂通り東国大のGK李昊乗(イ・ホスン)選手。韓国出身、1989年12月21日生まれ…ということは21歳になったばかりですか。大学卒業を待たずに日本に来たということですね。朴智星(明知大→京都パープルサンガ)のように休学したんでしょうか。実際に見たことがないのでなんとも言えませんが、188cmで74kgというのは、スポーツ選手としてはけっこうスリムなほうですかね。エヴァンゲリオン体型で知られる高原(185cm77kg)より背が高くて体重が軽いんですから、さらなるエヴァンゲリオンがやってきたのかも知れません。
 アジア枠が出来た影響からか、Jリーグに来る韓国人選手も増えましたし、最近は徳島ヴォルティスのオ・スンフンやセレッソ大阪のキム・ジンヒョンなど韓国人のGKも来ていますから、札幌にも韓国人GKが来ること自体は不思議じゃありませんが、ユニバーシアード代表そして2012年に行われるロンドン五輪の代表候補にも入っている韓国期待の星(たぶん)がなぜよりにもよって札幌に来ることになったかは不思議です。これまでの実績から言えば、ギラヴァンツ北九州に移籍した優也の穴を埋めるどころかその上に藻岩山を盛るくらいの補強のような気がしますが、先日韓国代表にも選出された東国大の先輩キム・ジンヒョンのようにホスン選手も頑張ってもらいたいところ。

 そして期待のブラジル人助っ人選手2人、噂通りブルーノ・ネベス選手とチアゴ選手の加入が発表…って、あれ? チアゴ? アマラウ・ロサはどこいったの? そんな話は最初からなかったの? もう補佐って呼ぶことに決めてたのにくっそ騙された!
 …まぁいい、そんでチアゴって誰よ、などと調べる必要もなく京都にいたあのチアゴですね。じゃあ先にブルーノ・ネベス選手から。といっても前に書いた以上の目新しい情報は何もないのですがね。とりあえず、札幌でブルーノといえばブルーノ・クアドロスのほうなので、こっちのブルーノはネベスと呼ぶかフェラスと呼ぶか、あるいはマユゲで行くか。でもマユゲというのはストレートすぎですね。マユちゃんでいいか。

 で、チアゴのほう。本名はチアゴ・プラド・ノゲイラ。ブラジルのマットグロッソ州ロンドノポリス出身、1984年5月3日生まれの26歳。187cm88kgという堂々たる体躯の持ち主で、どっちかというとサッカー選手というよりはブラジリアン柔術とか格闘技系の容貌です。グレミオの下部組織から2004年にプロのキャリアをスタート、ということはマユちゃんとチームメイトだったんですね。5年の時を超えて日本で再会するブラジル人。グレミオでは2005年までプレイし、2006年にサンタカタリナ州にあるフィゲイレンセ(ブラジル全国1部)に移籍、以後2007年に京都でプレイした後2008年にフィゲイレンセに戻り、そこで2部に降格。2009年はゴイアス州のヴィラ・ノヴァ(全国2部)と、またまた出てきたポルトアレグレ(マユちゃんとはかぶってない)でプレイ、今季は中国スーパーリーグの成都謝菲聯でプレイしていましたが、成都は八百長問題で2部降格となっていました。
 チアゴが京都でプレイしていた2007年は札幌が優勝、京都が3位で共にJ1昇格を果たしましたけど、開幕戦ではなすすべなく京都に負けてるんですよね。そん時にゴール前に立ちはだかってた巨神兵がこのチアゴ。京都では怪我もあって29試合の出場に留まり、また当時は割と荒削りだったような記憶がありますが、あれから3年経ってどう変わっているでしょうか。まぁ1年でも日本にいれば日本語もそれなりにわかるでしょうし、日本のサッカーへの適応も問題ないでしょう。日本は初めてのマユちゃんにとっても、見知った元チームメイトがいるならいろいろとなじみも早いでしょうし、未知数の選手を連れてくるよりはいろいろな意味で確実度の高い補強と言えるのではないでしょうか。それにしても、マユだのチャコだの桐乃(はまだどうなってるのか不明ですが)だの、なんだかかわいいのが揃いましたね。実際は屈強なあんちゃんたちですがね。

 そして最後に、清水エスパルスからの期限付き移籍だったMF高木純平の完全移籍での加入が発表されています。これはちょっと驚きました。確かに高木自身は早い段階で札幌残留の意志を表明していましたけど、同じように「残る方向で固まっています」と言ったらすぐその固まりも溶けちゃったなんてパターンもありますし、清水の「今季契約満了リスト」に高木は入っていませんでしたから、少なくとも清水からも契約更新の意志はあったはずで、なおかついつも哀しそうだった平岡もそうだったように、清水は生え抜きの選手は移籍させるにしてもレンタルが基本で、あまり完全で出すことは多くないこともあり、とりあえずレンタル延長が落としどころと思っていたものですからね。ノブリン好みのハードワークといろんなポジションをこなせるユーティリティさは、人数の少ない札幌にあって貴重な戦力だけに、来季も札幌ということが決まってよかったです。

 あとは上里とか桐乃とかまだ決まっていない選手は除くとして、今のところは昨日時点での契約更新・新規加入選手が18人に本日発表があった4人を加えて22人。GKが4人いるのでこのままじゃ全員ケガがなくても紅白戦が出来ませんし、DFについては今日になってようやく「やったー! これで4バックが出来るぞー!」という喜び方しかできないくらいなので、年明けにあと1人2人の補強はあるかもしれませんね。あとは前のほうのメンツはほとんど変わっていないので、あまり振るわなかった攻撃陣をどうテコ入れしていくかといったところでしょうか。

 で、来季のキャンプはまた熊本なんですか? もうチケット取ってるんですけど。

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