ままならぬ

2019明治安田生命J1リーグ 第5節
名古屋グランパス 4-0 北海道コンサドーレ札幌
得点者:名/ガブリエルシャビエル(17’、50’)、オウンゴール(31’)、長谷川アーリアジャスール(39’) 札/なし

よっぽど変態的な趣味で作られたものでない限り、一般的なロールプレイングゲームにおける共通法則として、「最終的にはいい武器揃えて物理で殴るのが一番強い」というものがあります。ファンタジー系の世界観であればだいたい「究極魔法」などと呼ばれる最大呪文も準備されているのですが、究極まで鍛えたキャラクターは物理攻撃だけで
FF5で全員レベル99のマスターすっぴんにしたら、物理攻撃だけでエクスデスとネオエクスデスを1ターンくらいで倒せたし。FF7のクラウドだって、最後とどめを刺すのは超究武神覇斬ですからね。そういえばFF7のリメイクってどうなってるんでしょう。ウマ娘とどっちが先に出ますかね。

で、なんでそんな話をしているのかというとですね。サッカーにおいても結局「いい選手揃えて物理で殴る」ってのが一番シンプルなのは同じだったりするわけですが、そうはいってもいい選手を揃えるにはお金が必要なわけで、とどのつまり物理的な強さとは、ほぼ「カネの力」とイコールといってもいいのではないかと思うのです。とある高名な軍人が発した「戦いは数だよ兄貴!」という言葉も正しいのですが、サッカーの場合は相手より多い人数にすることはできないんで、同じ条件ならいい武器を使ってるほうが勝ちます。決して「まったく同じ戦力なら4-2-3-1のフォーメーションが勝つ」というような妄言とは異なるということはお断りしておきます。

前置きが長くなりましたが(おもにFFの話で)、2017年度の決算資料によれば、名古屋グランパスの年間売上高は45億9400万円。札幌の26億7600万円と比べてもおよそ1.7倍もの規模を誇ります。チーム人件費だけを見ても、札幌(12億600万円)の1.5倍にあたる18億4300万円。実に6億円以上の開きがあります。ちなみにこの年名古屋はJ2でした。単純比較で名古屋は札幌の1.5倍の戦闘力があるわけです。

とはいえ、カネがあれば強いチームができるかというといえばそういうわけでもなく、そんな単純な話だったら名古屋はそもそもJ2に落ちてないし、ジェフ千葉はJ2で10年目を迎えたりもしてないのですが、有り余るお金を使ってアーサー王しか抜けない剣とか買っちゃったり、いい武器買っても使う人がヘボくて攻撃が当たらないとか、さまざまな理由でそううまくは行くもんではありません。

ただ何度も言っている通り「カネがあるからと言って強いチームが作れるわけではないが、強いチームは例外なくカネがある」ことは事実ですから、要はおカネのかけ方さえ間違えなければ強いチームはできるってことで、つまりな話名古屋は強かったです。魅惑の助っ人オウン・ゴール選手まで出てこられちゃなんもできねえ。調子に乗ってすみませんでした。

一方で、札幌の選手のフィジカルコンディションが相当悪かったのも事実で、降雪のせいで思ったように練習ができていなかったことも大きかったとは思います。全部雪のせいだ、と言いたいところではありますが、タイ代表として中国に遠征して2試合に出場したチャナティップもだいぶキツそうでしたし、初代表に選ばれた鈴木武蔵もよくはなかったですから、雪はともかく「代表との付き合い方」も強くなっていく上で必要になってくるのだろうと思います。前節の鹿島だってACLの疲れもある中できっちり結果出してますもんね。

そんな中で、来季の加入が決定しており、特別指定選手としてベンチ入りを果たした金子拓郎選手(日大)がJデビュー、なかなかいいプレイを見せていたことなど、悪いことばかりではありませんでした。あと、白井は出た試合は及第点以上の仕事はするのに、なぜかあまり評価されない不思議がありますよね。攻撃にステータス全振りのルーカス・ザルナンデスも面白いのですけど、白井を右で頭から使ってみて欲しいとも思います。