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2006年4月 アーカイブ

2006年4月 2日

フッキ更正法

 今季はJ2のチーム数が奇数なので、毎節1試合ずつお休みのチームがあり、第6節になって非番が札幌に回ってきました。今節札幌は試合がありません。とはいえ、他チームがしのぎを削っているというのに、休みだからといって尻をかきながらポテチを食ってるわけにも行きません。というわけでメンバーが試合勘を失わないよう、金曜日には道都大学との練習試合が行われました。結果は45分3本で8-1と、まぁさすがに以前のように大学生にもコロッと負けるようなチームでもなくなってきたようですが、ことはそう楽観視できるものでもないようです。最大の懸念はFWフッキ。ご存じの通り第2節水戸ホーリーホック戦で相手選手と小競り合いを起こして3試合の出場停止を喰らっており、予定では次節ザスパ草津戦で出場停止が明けるのですけど、先日行われたベガルタ仙台とのサテライトリーグでもイエローカードを受け、この道都大との練習試合でも異議によるイエローカードを受けてしまったようで、出場停止の原因となったイライラ癖はいかんともしがたい模様。ヤンツーもさすがに「次やったらおれは許さない(日刊スポォツ)」と怒り心頭のようで、このままだとレギュラー剥奪もありうるとのこと。気性難なブラジル人ストライカーはエメや俺王様がそうだったように別に珍しくもありませんけど、彼らのようにカードもゲットするがそれ以上に得点を取るというのならまだしも、フッキの場合は今のところはまだそこまでには至っていないというのが現状ですし、ピンチを防ぐための覚悟のカードならまだしも、異議というのはもっともくだらないカード理由のひとつです。主審に文句を言ったところで判定が変わるわけありませんし、逆に「うるせーなこいつ退場させたろかマジで」とマークされる可能性もありますから、異議なんて百害あって一利なし。なので、確かに城福強化部長の言うとおり「外国人は試合に出ないと意味がないのにこれでは使えない」というのも正論なんですが、そうは言っても昇格のためにはフッキの爆発が必要不可欠であるのもまた事実。ましてや5試合でわずか3得点という貧弱な攻撃力しか持たないコンサドーレにとっては、フッキがしっかり働いてくれなければ困るわけです。なので、いかにしてフッキの気性難を抑えるかということが重要なんですが、フッキに限らずとも試合の時ってけっこう脳汁が出まくってますので、暴言とまではいかなくとも、「今のファウルでしょ?」とか「今のファウルじゃないよ!」などとつい主審に文句を言いたくなるものです。普通の人でさえそうなんですから、注意したところでそう簡単に治るものでもないでしょう。いかにイエローをもらわないよう試合に出すか。この難しい命題についてエースコンバットやりながら考えた結果、これを使えばいいという結論に達しました。

wakka.gif

 これをフッキにつけさせて試合に出せば、フッキがキレてレフェリーに文句を言いそうになっても、ヤンツーがお経を唱えるだけで、あ~ら不思議この輪っかが締め付け、フッキがおとなしくなるという寸法です。ただJリーグではアクセサリのたぐいを身につけて試合に出てはいけないというルールがネックとなりそうですが、フッキの場合はこれをつけてても顔的に違和感がないので大丈夫でしょう。これがどこで買えるのかがわからないという点を除いては、パーフェクトな解決策だと思います。

2006年4月 6日

別の心配

 「まあまあ棒」をご存じでしょうか。ドラえもんの数ある道具のうちの一つで、こんな形をしています。

maamaabou.jpg
まあまあ棒

 このアイテムは怒っている人に対して「×」の部分を口に当て「まあまあ」と言うと、その怒りが治まってしまうというものです。しかしこのまあまあ棒、実は怒りを鎮めるアイテムではなく、「怒りを腹の中へ飲み込んで我慢させる」ものでした。なので、やたらに飲み込ませるとこうなります。

girigiri.jpg

 そして限界を突破してしまうと、腹の中に積もり積もった怒りが火山のような大爆発を起こしてしまいます。本編では、のび太が使っていたまあまあ棒を横取りし、ジャイアンに対してここぞとばかりに日頃の鬱憤を晴らしていたスネ夫がついにジャイアンを爆発させてしまい、ドリフの爆発コントよろしく黒こげになるというオチでした。

 先日までの気性難はすっかり影を潜め、相手に倒されてもレフェリーのジャッジが怪しくても、フッキは笑顔を絶やさずに抗議もしなかったという記事を読んで、なぜかこの「まあまあ棒」を思い出してしまいました。

2006年4月 7日

草津戦感想

2006年Jリーグディビジョン2・第7節
コンサドーレ札幌3-0ザスパ草津
得点者:札幌/相川、智樹、フッキ
     草津/とくになし

 というわけでようやくホーム初勝利。得点は草津のミス絡みということで、それだけ見ればラッキーだったかもですが、攻撃の形は作れていましたので、あながち結果オーライというわけでもないと思います。まぁ実際問題これで決定力不足が解消されたかといえばそうとは言い切れないんですけどね。つーかいくつクロスバーに当てれば気が済むんだと。「シュートは枠に」といってもそれは別に枠に当てろと言う意味ではないはずだ。
 まぁそれでも、前節試合がなかったことが大きかったのか、長期キャンプの疲れもそろそろ取れてきているみたいですね。コンディション的には上向きだったようで、オフザボールの動きが増えたことで、これまでの試合のように攻撃がスピードダウンするようなこともなかったですね。また、右サイドの芳賀、左サイドの西谷、そしてトップ下のスナマコと、攻撃の起点が多く作れたことが終始主導権を握れた要因と言っていいでしょう。見逃せないミスもありましたが、それでも前線のポジションチェンジは見てて面白かったですね。そのうち気がついたらこの3人の位置がまるで入れ替わっていたりするというのも見られそうです。もちろん、こちらとしては気がつけば池内とソダンの2トップになっていたというのでも全然かまわないんですけど。これぞトータルフットボール。

 そんなわけで個人的には特にパフォーマンスのよかった芳賀をMOMに、と言いたいところなんですが、ここは敢えてオレはソダンを推したいと思います。確かに全体的な出来としては普通でしたし、流れが悪く押し込まれる時間も比較的短かったため破綻せずに済んだという見方も出来ますけど、頭部裂傷及び左手の亀裂骨折という怪我を負ってなお196cmの「エル・ヒガンテ」太田恵介を抑え込んだというのは特筆に値すると思います。つーか、ソダンの場合「空中戦は勝って当たり前」みたいな捉えられ方をすることが多いですけど、15cmもの身長差がある相手をマークし続けるというのは大変な仕事だと思います。身長差という観点では、宮城リョータが牧紳一をマークするのとほとんど変わらないのですからね。

 あとちょっとしたことなどを箇条書き。

 ・高田保則と池内友彦はなんとなく顔が似ていた。
 ・PKを止められた背番号10。当たるもフッキ、当たらぬもフッキ。
 ・草津は去年より随分レベルアップしてた。でも小島がいないのは寂しかった。
 ・智樹プロ初ゴールおめでとう。プロ3年目にして初々しすぎてこっちが困るインタビュー。
 ・満身創痍の曽田さんは明日の神戸戦もでる気マンマンらしい。

そたさんはあたまをきっても
こっせつしても
もっこうようぼんどつけたらなおるよ!

                 ハ_ハ
               ('(゚∀゚∩ なおるよ!
                ヽ  〈
                 ヽヽ_)

2006年4月 9日

神戸戦と大宮戦感想

2006年Jリーグディビジョン2・第8節
ヴィッセル神戸1-2コンサドーレ札幌
得点者:札幌/アイカー、魅惑の助っ人オウン・ゴール選手
     神戸/ピカ本

 犯人はヤス。

 前節草津戦から中2日のアウェイ戦、相手がJ1降格組の神戸。ある程度は押し込まれるだろうとはヤンツーも覚悟の上だったでしょう。西谷が脚に張りがあるということでベンチスタートとなりましたが、逆にベンチに西谷がいることで選手交代の幅が増えたという見方も出来ますから、ヤンツーも前半は0-0、最悪でも0-1は許容範囲と捉えていたかも知れません。だからといって開始1分で0-1にする必要もないと思うがな
 とはいえ、「ある程度押し込まれる」のはいい意味で予想を裏切り、むしろ札幌が押し込む展開でした。右サイドの芳賀が精力的に動いてチャンスを演出し、最終ラインからダイレクトでつないだり、さりげなくサイドチェンジなんかしてみちゃったり、それとなく中央突破してみたりと、こんなの札幌じゃないと言いたくもなるほどの展開の連続。まぁそんな中でもソダンスペクタクルとか、スペシャル池内股抜かれとかいろいろあったのですが、先制した神戸がまったくといっていいほどセカンドボールを拾えなかったこともあるにせよ、ここにきてようやくキャンプでやっていたことが出来てきた感じです。ただ、欲を言えば前半で追いついておきたかったところですね。落ち着いてやればそれも可能だったと思うのですけど、やはり最後の詰めの部分で焦りが出たり、大事に行こうとしすぎたりでカットされるシーンが目につき、札幌名物ゴール枠当てもあったりで1点ビハインドのまま前半終了。
 後半も引き続き札幌ペースだったのですが、1点を追う札幌にとって一番大きかったのは、朴康造と共に怖い存在だった近藤祐介が前半のみでバロンと交代してしまったことでした。いや、バロンも札幌にとっては天敵的(←日本語変)な存在なんですけど、空中戦ならこっちにはソダンなら何とかしてくれます。常にイヤなところに入ってくる近藤のほうが厄介だっただけに、この交代は逆にありがたいものでした。逆に札幌は後半10分に満を持して西谷が登場。古巣相手ということもあってか、いつも以上にハッスルする西谷は後半17分に絶妙なスルーパスで相川の同点ゴールを演出すると、これでイケイケとなった札幌は右サイドでキープ→相手が寄ってきたところをフリーの西谷にサイドチェンジ→西谷が中へ切れ込む→相手を引きつけてフリーの選手にパス→勝負という展開でじわりじわりとボディブローのように神戸を追い詰めていきます。そうでなくても関の玉乗り失敗やソダンの世紀末救世主伝説な髪型など要所要所でウケを狙う札幌の攻撃に既にいっぱいいっぱいになっていた神戸守備陣は、西谷のシュートを背中でスーパーブロックした池内を見てついに笑いが爆発。その跳ね返りのボールがフッキに渡った時にはもう神戸に跳ね返すだけの余力は残されておらず、そのまま見送っていれば枠を外れていたフッキのシュートを無理な体勢でクリアしようとしてゴールに入れてしまい、ついに札幌が逆転。その後、千葉を入れてDFを4枚にし、ソダンを対バロン迎撃専用にした札幌が神戸の反撃を抑えてそのまま逃げ切り、2連勝を飾りました。
 珍しく勝ちに行く采配をヤンツーも含め、内容・結果共に今季一番の試合だったと思いますが、それ以上に2試合連続で警告ゼロというのは特筆に値すると思います。反則数と被シュート数はリーグ最少で、反則をせずにシュートも打たせないというのは、つまり組織的な守備が出来ているということであり、前線からのプレスがきっちり効いている証拠に他なりません。その反面、この試合みたいな見事すぎるやられ方は相変わらずなんですけどね。まぁこういう戦い方が出来ていれば成績も安定してくるでしょうから、弱点を克服しつつこの調子で頑張ってください。

 さて、その神戸戦の余韻もさめやらぬまま本日はサテライトリーグのアウェイ大宮戦が行われました。神戸戦の余勢を駆ってサテライトもいい試合を…と目論んでいたんですが、結論から言えばもうとても残念な試合でした。結果は0-2ですが、結果はともかく内容的にはほとんどまともにシュートすら打たせてもらえないほぼ一方的な試合でした。確かに大宮はマルティネスだの吉原宏太だの三上和良だの佐伯直哉だの小林慶行だの斎藤雅人だの、「これ普通にJ2のトップチームじゃね?」と言ってもいいくらいの陣容でしたから、そりゃユースに毛が生えたようなメンツの札幌が太刀打ちできるとは思ってませんでしたけどね。それでもトップチームで試合に出た場合、相手となるのはこの日の大宮と同じくらいのレベルくらいか、あるいはそれ以上のチームなのですから、そういう相手にこそどれだけ自分のプレイが出来るかが重要だと思うんですけど…。サテライトは原則日帰りですし、特に昨日神戸に行った選手はサイコロの旅みたいな移動続きだったでしょうから、いくら若いとはいえさすがにそれはしんどいとは思います。しかしそれを差し引いても少なくとも現時点でトップチームで見てみたいと思える選手は皆無でしたね。セバスティアンは確かに素質はあると思いますが、いいプレイと悪いプレイの差がはっきりしていて、今すぐトップで使えるほどのパフォーマンスはまだまだ発揮できてないように思います。まぁ、若い選手ばかりですし急造ポジションも多かったので致し方ない部分もあるでしょうし、これからの選手も多いので、長い目で見ることにしましょうかね。清野とか岡ちゃんとか、こんなところでしょぼくれたプレイされてても困る選手もいますけど。それにしても、トップはだいぶマシになったとはいえサテライトは相変わらず声が少ないなぁ…。

 ところでこの試合のゴールは吉原と若林でしたが、1999年限りで札幌を退団して以来、古巣札幌相手に吉原がゴールを決めたのはこれが初めてですかね? そのゴールがサテライトだというのは、「恩返しゴール」というよりは「忘れないでねゴール」みたいな感じですね。

2006年4月12日

フッキはフッキ

 水戸戦で相手選手と小競り合いを起こして退場処分をくらい、3試合の出場停止になったフッキ。既にこの出場停止は消化していますけど、水戸戦でのレッドカードは1発レッドのため、それ以前に受けていた2枚のイエローカードの累積はクリアされていません。ですので、あと2枚カードを受ければその時点で再び出場停止となってしまいます。開幕2試合でイエロー2枚、レッド2枚という驚異的なハイペースで得点ではなくカードを積み重ねているだけに、リーチ一発ツモの可能性も充分あり得ると見られていました。
 ところが、いざ処分が明けてからのフッキは2試合でのイエローカードはゼロ。もちろん、その代わりにレッドカードを受けましたというオチでもありません。冷静に考えればそれって割と普通のことなんじゃね?などと思いますが、何しろ出場停止の間にもサテライトリーグの仙台戦・道都大学との練習試合でもキッチリとカードもゲットするという往年のベジータばりのキレっぷりを披露していただけに、これは驚きです。
 しかし人間の性格なんてそうそう簡単に変えられるものじゃありません。ただでさえ気性難のフッキですから、ここ2試合のことは、怒らなくなったのではなく怒りを我慢しているんじゃないかと思ったものです。そんな折、本日の北海道新聞に「フッキ練習でまたキレた!?」という見出しの記事が載っていました。やっぱりやっちゃったのかと思い記事を見てみると、昨日の練習中に西嶋との競り合いの直後、その西嶋にスパイクの裏を見せてタックルをお見舞いし、即座にヤンツーに退場を命じられ、そのまま帰ったとのこと。

 なんだそんなことか。

 いや、スパイクの裏を見せてタックルするのは大きな怪我にも繋がりかねませんから、西嶋にとっては「そんなこと」では済まされないんですけどね。とはいえ、見出しを見てオレはまたフッキが大暴れでもしたのかと思いましたよ。まぁ確かに報復っぽく危険なプレイをしたのは「キレた」と見られても仕方がないと思いますけど、別にそんな大騒ぎするほどのことでもないと思います。少なくとも、かつて俺王様と黄川田が練習中に殴り合いをおっぱじめた前例に比べればどうってことないでしょう。少なくとも、そこまで刺激的なタイトルをつける必要はないんじゃないでしょうか。ああいうタイトルをつけるのであれば、せめてフッキが「イライラ棒」で勝手にイライラしてブチギレしたとか、フッキと林が正統後継者の座を賭けてバルーンファイトによる勝負でブチギレくらいのことは最低限起こってくれないと困ると思います。

2006年4月16日

3連勝

2006年Jリーグディビジョン2・第9節
コンサドーレ札幌4-1湘南ベルマーレ
得点者:札幌/スナマコ、兄貴、アイカー、カガケン
     湘南/水戸から来たの

 3連勝を賭けて臨んだ湘南ベルマーレとのホームゲームは、砂川の今季初ゴール、昨季チーム得点王の池内の今季初ゴール、相川の3試合連続ゴール、そして加賀のプロ初ゴールで4-1と大勝しました。3連勝。かつてはJリーグ記録となる16連勝(引き分け挟む)を持っていたことに比べれば大したものではありませんが、とはいえ同時に14連敗(引き分け挟む)という記憶のほうが新しいですから、それに比べれば3連勝というのはいい響きです。
 ご存じの通り、相手の湘南はもともと相性がいいチームです。これまでの対湘南戦(ベルマーレ平塚時代を含む)対戦成績は通算7勝3敗8分。この3敗のうち2敗は98年のPK戦での敗戦ですから、90分で負けたのはたった1度しかありません。ただし、このただ1度の90分負けが実は札幌ドームでの試合(2003年第36節)でして、こと札幌ドームでの戦績に限れば1勝1敗2分と、あまり成績はよくありません。まぁ言ってみればこの試合、札幌が勝つか湘南が勝つかというよりは、相性が勝つか札幌ドームの魔物が勝つかという感じだったと思いますが、結果は4-1で勝利。得点はもちろんのこと、シュート数も28対5とほぼ一方的に攻め込んでの圧勝と相性の良さが優った格好となりましたが、去年は4試合して全て無失点に抑えていた湘南に1点を許していることからも、ちゃっかり魔物も顔は出していた模様です。

 というわけで、順位は暫定ながらも2位の東京ヴェルディと勝点3差の3位に浮上し、昇格圏内を射程に捉えました。これから中2日でアウェイ徳島戦、その後は首位の柏レイソルと2位の東京ヴェルディ、そして「強敵と書いて"とも"と読む」ベガルタ仙台との試合が控え、かなりきつい日程となっておりますが、ここを2勝1敗1分くらいで乗り切れれば、ヤンツーが開幕前に掲げていた「第1クール7~8勝」はクリアできますし、今の順位をキープして第1クールを終了するのも可能ではないかと思います。まぁ、昇格を狙う以上はここでいい位置に付けておきたいところなんですけど、残りは骨のある相手ばかりですし、現在の札幌のサッカーは、(もちろん鍵となる選手はいるものの)誰かひとりを止めればいいというものではないかわりに、誰かひとりでも動きが悪いと途端に機能しなくなるという諸刃の剣です。開幕当初にキャンプ疲れでなかなか成績が上がってこなかったように、この先連戦で疲労が溜まればどうなるかという心配もありますから、勝ち点は稼げるうちに稼いでほしいと思います。

2006年4月17日

湘南戦感想

pk.jpg

 まぁPKに関しては当たるもフッキ当たらぬもフッキなのでいいとして、いろいろなところで言われているとおり、確かにほぼ一方的な試合でしたね。オフザボールの動きがいいのでフリーの味方が増え、パスの選択肢が増える。各選手の距離バランスもいいので小気味よくワンタッチ、ツータッチでショートパスが繋がる。そうなると相手が寄せるポイントを絞れないので、プレスは後手後手になります。結果、中央からサイドへの展開が決まるようになります。芳賀やスナマコ、フッキは1対1ならまず負けないですから、彼らがサイドでボールを持てばそこでの攻防は俄然有利になりますし、相手がサイドに釣り出されれば真ん中が空き、相川や西谷がフリーになる…。砂川の先制点や相川の3点目なんてホントにそんな感じの得点で、なんかやることなすことうまく行ったという感じですね。前回も言いましたがこんなの札幌じゃないと思えるサッカーです。セットプレイでの池内の強さは今更驚きませんし、カガケンの「時間もないし、オレ行っちゃってもいいッスよね!?」なビックリ仰天ゴールも凄かったのですけど、1点目と3点目はチームとしてキャンプから取り組んできた攻撃パターンなので、ああいう形で2点も取れたというのは大きいと思います。ああいう風に練習でやってきたことが本番で出せると、それがまた自信に繋がるのですよね。今はホントにいい流れで来てると思うので、この流れをうまく繋げていってほしいと思います。
 そんな感じで各選手とも充分に持ち味を発揮しての勝利だったわけですが、中でも特に印象に残ったのは芳賀と、そして智樹ですね。芳賀は開幕当初はライン際でボールを受けると窮屈そうでしたし、またサイド深くでボールを持ったときに、勝負するのかまたシンプルに行くのかの判断がいまいち甘く、やっぱり本職は真ん中の選手なのかなぁと思っていましたが、ここのところはサイドにも慣れてきたのか、正確なトラップとキックで攻撃の起点となるのはもちろん、ドリブルでの勝負にも磨きがかかってきています。また、智樹も開幕当初はおどおどしたプレイでチョロパスをカットされたり、試合から消えてどこにいるのかわからんような状態もありましたが、ここのところは鋭い読みでインターセプトを決めるシーンが随所に見られるようになり、また草津戦での初ゴールでよっぽど気をよくしたのか、前線への飛び出しも見せるようになりました。いいプレイが出せれば自信もつくようになるもの。もともと得意だったミドル~ロングレンジのパスも冴えるようになり、イカしたサイドチェンジも決まるようになっています。若い選手はふとしたきっかけで急激に伸びることがありますけど、ひょっとしたらあの草津戦でのプロ初ゴールがそのきっかけとなったのかも知れませんね。ホント、これが去年ホテルで騒いでボウズにされたあの智樹かと思う次第です。

 さて、そんなことをいってる間にもう明日は徳島戦が行われます。話によるとここのところ好調の西谷が湘南戦で痛めた太腿の状態が思わしくなく、大事を取って欠場のようです。まぁ先は長いですし、しかもこの後は強敵との連戦が控えていますので無理をする必要はありませんが、本人は徳島県出身なだけに残念だったでしょうね。西谷のポジションにはおそらく関が入るでしょうが、関も周囲につられてだいぶ調子が上がってみたいで湘南戦ではいいプレイをしていましたので、心配はないでしょう。別に西谷と同じことをやれとは言わないので、自分の得意技(例:太陽拳)で4連勝を狙ってほしいと思います。

2006年4月18日

ヘロヘロ

2006年Jリーグディビジョン2第10節
徳島ヴォルティス0-0コンサドーレ札幌
得点者:札幌/いませんでした
     徳島/いない

 かける言葉があるとすれば、「お疲れさん」でしょうかね。非常にタフな試合でした。中2日のゲームがどれだけ大変かは、今日行われた他のJ2の試合のうち、柏レイソル対モンテディオ山形を除く全ての試合をホームチームが勝っていることからもうかがい知ることが出来るでしょう。ましてや札幌の場合直行便のない徳島でのアウェイ戦。コンディション的には万全とは言い難かったでしょう。実際、湘南戦に比べれば出足の遅さが目につきましたし、オフザボールの動きもよくありませんでした。ただでさえイメージ通りに身体が動かないのに加え、ピッチコンディションがよくなかったのも手伝って、単純なパスミスを連発。加えて徳島が強気にラインを上げて鬼のようにプレスを掛けてきたこともあり、大塚や智樹のところでボールを奪われるシーンも多く目につきました。これでは思ったようにペースを握れないのも仕方がありません。中盤が支配できないので、これまで数多くのチャンスを演出してきた芳賀も守備に回ることが多くなり、深い位置に押し込まれてしまいました。芳賀が高い位置でボールを持てなければ、「オレ、行っちゃっていいッスよね?」の加賀も「オレ、やっぱ行っちゃマズいッスよね?」となってしまい、結果として右サイドの攻撃は死んだも同然。そうなるとl札幌の攻撃は左サイドに偏らざるを得なくなるわけですが、その左サイドはどうにも関とフッキのコンビネーションが合わず、また3試合連続ゴール中のアイカーも連闘は効かないタイプなのかプレイにあまり冴えがなく、徳島守備陣の集中を切れさせるほどの攻撃を繰り出すことは出来ませんでした。
 まぁそれでも、悪いなりによく動いていたとは思いますし、集中を切らさず身体を張ってしっかり守っていましたので、そういう意味でもやはり地力はついてきているのではないでしょうか。去年まで、いや開幕当初までの札幌であれば、愛媛FCにコロッと負けたように今回もコロッと負けていた流れだったと思いますしね。そう考えれば、もちろんやはり勝っておきたかった試合ではありますけど、決して悪くはない結果ではないかと思います。

 以下、感想箇条書き。

・関は今日もおとなしいほうの関だった。
・もっとブイブイ言わせてもいいハズなんですけどね。
・やっぱりナイトゲームだと太陽拳は出来ないのでしょうか。
・つられて大塚も悪い大塚でした。
・そのぶんなぜかソダンが安定していた。
・安定してるソダンなんてつまんな(ry
・スナマコは三原さんが見てないとダメなんだろうか…。
・健作元気そうでしたね。
・と思ったら井手口もいましたけど。
・ジョルジーニョはあんまり怖くなかった。
・秋葉がどうにも「あの人」に見えてしょうがなかった。

↓あの人

2006年4月22日

ただただ悔しい

2006年Jリーグディビジョン2第11節
コンサドーレ札幌1-2柏レイソル
得点者:札幌/フッキ
     柏/李、鈴木

 2002年以来の対柏レイソル戦は、Jリーグで初めて相まみえたヤンツーとノブリンの東京農大同門対決です。その他にもアイカーと小林祐三くんの上里FC同門対決や、この試合は欠場したもののスナマコと北嶋の市立船橋同門対決など見所の多い対決の緒戦は、ホームの札幌が前半フッキのドリブルシュートで先制したものの、後半李忠成のゴールで追いつかれ、さらにロスタイムに鈴木将太に決められ逆転負けを喫してしまいました。相手は首位ながらも3連敗中、しかも怪我や出場停止でブラジル人3人を含む主力の多くを欠いている柏。ここで叩いておけば、4連敗となった上にDFの要かつセットプレイでの得点源である岡山一成を負傷で失った柏は大きなダメージを受けたはずで、もしかしたらライバルチームが1つ消えたかもしれません。そこまではいかずとも、あと3試合残っている今後の対戦においても、相手にイヤなイメージを植え付けることが出来たと思うんですよ。実際、前半を見てる限りではそれは充分に可能だとは思いましたし。ところが、泥沼に半分つかりかかった状態の柏に逆転勝ちをされて復活させてしまった上に、ホームでメンバー落ちの柏にすら勝てなかったという、逆にこっちに悪いイメージが残ってしまう格好となっちゃいましたね。柏が混乱している前半のうちに試合を決めることが出来なかったのが根本的な敗因ではありますが、とりあえず軽率なパスミスで1失点目の起点となり、軽率な判断ミスで最終ラインでボールを奪われて2失点目のきっかけとなった4番の選手と、絶好機にミスを通り越して中学生みたいな萎えるハズしっぷりを見せた13番は、その中途半端に伸ばした髪をまず一切剃ってから四国八十八箇所を徒歩で巡ってくるように。

 で、この試合で2枚のイエローカードを受けてまた退場してしまったフッキについてなんですが…今日のところは何も言いません。結果から見ればまた退場してチームに迷惑を掛けたことには替わりはありませんけど、ちょっと気の毒だなぁと言うのが正直な感想。Jリーグの公式サイトでは、フッキのイエローカードは2枚ともC3(異議)となっています。2枚目のカードは確かに異議でも文句は言えないと思いますけど、最初にイエローを受けた時、果たして本当に文句を言ってたんでしょうかね?
 水戸戦での一発退場による3試合の出場停止から戻ってきたとき、彼自身「もう出場停止はイヤだ」と思ったに違いありません。実際、戻ってきてからのフッキは「1試合1カード」のノルマがウソのようにカードをもらわなくなりました。しかし、そんな努力も虚しく徳島戦でイエローカードを受けて累積カードは3枚目となってしまいました。
 この試合での1枚目のイエローカードをもらうきっかけとなったプレイ、あれ自体は試合の状況から見て「ファウルをもらいに自分から突っ込んでいったプレイ」と見なされ流されたのかもしれませんが、この試合の鍋島主審の基準から言えば、ファウルとなってもおかしくはないプレイでした。審判は絶対とはわかっていても、「今のファウルだろ~」くらいは言いたくなるものです。実際にフッキが何を言ったかはオレは知る由もないのですけど、あの時の取り乱しようから考えて、オレにはイエローに値するほどのことを言ったとは思えないんですよね。折しも、チームは大事な上位陣との3連戦。既に3枚累積を抱えているフッキにとって、もう1枚イエローをもらうことが何を意味するかは彼自身よくわかっていたはずです。自分では審判に文句を言ってなかったのに、出場停止が決まるカードを出されてしまえば、取り乱してしまうのも無理はないんじゃないでしょうか。フッキ、泣いてたようにも見えましたが。
 それにしても、鍋島主審の2枚目のカードの速さはなんなんでしょうかね。確かにルール上は何も間違っちゃいないのですけど、あの2枚目の時の余裕のなさは、なんかもうカードは印籠だとでも思ってるんじゃないかというような印象も受けちゃいますよ。印籠は8時45分に1度しか出さないから効果があるのであるんですけどね。1級審判員であれば、1枚目を出した時点であとは適当に聞き流してさわやかにプレイを再開させるくらいの度量が欲しいところですよ。これまでのフッキの実績から言って色眼鏡で見られるのは仕方がないとは言っても、ああいう風にされるとクラスで給食費がなくなった時に貧乏なクラスメイトを真っ先に疑うみたいでひどいと思います。

 そんなわけであまりにも悔しかったので3時間ほどふて寝しましたが、やっぱり悔しいです。未だに悔しくてたまらないのですが、負けて本気で悔しいと思えるようになったのはちょっとうれしく感じたりします。以前であれば、首位のチームに負ければ「まぁ相手は首位だし」と思っていたでしょうからね。

 ちなみにこのヤンツー対ノブリン、今季の4試合で負け越したほうが罰ゲームとしてピッチで大根踊りを披露するというデスマッチだという噂を聞いたのですが本当でしょうか? もし本当ならどっちに転んでも楽しめそうなのですが。

2006年4月26日

振り返ればそこに

 今更改めて言うまでもありませんが、今年はコンサドーレ札幌が誕生して満10周年です。そんな区切りの年を記念して、過去10年間のコンサドーレの歴史を振り返る「記念本」が発売されることになりました。日本人はとにかくこういった区切りとか何かにつけて記念するのが好きで、中には勝手にサラダの記念日まで作ってしまう人もいますが、こと「10年」に限っては、英語にも「10年間」を意味する"decade"という専用の単語があるように、それが特別なものであるのは日本に限ったことではないのかも知れません。何しろ10年間といえば、オギャーと生まれた子供が小学校高学年になるだけの期間。現在ハタチのオレも、10年前はハタチでした。10年後もハタチの予定です。

 さてこの記念本、その名も「夢に挑む Consadole 10th Anniversary」。そのうたい文句は「多くの苦難にぶつかりながら、ひたすら"夢"に向かって闘い続けて今年で10周年を迎えました。」というもの。さすがにかっこいい感じですが、逆に言うと10年も戦い続けて夢敗れっぱなしなんじゃないかというのは思っても書いちゃいけなさそうです。
 んでその内容は、1996年にコンサドーレ札幌が北海道初のプロスポーツチームとして産声を上げてから2005年までの10年間のクラブの歩みや過去の全試合結果、過去の在籍選手・監督たちの紹介(プロフィールや顔写真含む)、過去の名場面のグラビア写真などが載った、シリアルナンバーつきの書籍本体に加え、過去のゴールシーンを集めたDVD、さらに選手の直筆サインがついてくるとのこと。現在チームは目標であるJ1昇格に向けて、ひたすら前だけを向いて進んでいっているわけですが、「故きを温めて新しきを知る」という言葉があるように、過去から学ぶことだってたくさんあります。つってもコンサドーレの場合、学ぶべき過去よりも決して振り返ってはいけない過去のほうが多いような気もしますし、過去に目を向けるとなると当然のことながらあんにゃろとかこんにゃろとかの存在にも触れなければいけないんでしょうけど、かつておらがチームが歩んできた10年分の道のりを改めて振り返るにふさわしいものになるのではないでしょうか。

 というわけで気になるそのお値段は、税込みで6,300円。値段的にはちょっと高めのような気がしますけど、児玉社長のブログによれば「ビジュアル重視」とのことで、装丁にはけっこうコストをかけたっぽいですから、それで少々お値段が張っているのではないかと思います。まぁ自分にとっては、見た目の豪華さよりも資料的な価値を重要視したいですね。過去の試合結果についてはオフィシャルサイトでも見られますが、試合の映像までは見られません。自分のように設立当初から応援してきたわけではないサポーターにとっては過去の試合はほとんど見たことがないですし、また昔は今みたいに衛星放送で全試合を観られる環境もありませんでしたから、古くからのサポーターの中でも全ての試合を見てきた人はごくわずかでしょう。そういう意味でも「自分の知らない映像」が見られるのは魅力的じゃないかと思います。一応、2000年にJ1昇格した時につい勢いで出した記念DVDには1999年以前の映像もあるらしいですけど、当然ながら2001年以降の映像は入っていませんし、そもそもオレはそれ持ってません。まぁ今回のDVDに全てのゴールが記録されているかどうかはわかりませんけど、児玉社長の「サポーターに捧げる10年誌」というコンセプトの通りのもののようで、6,300円は決して高くはないような気がします。

 とはいえ、現段階で判明している内容を見る限りでは、若干面白味に欠けるような予感がしないでもないですね。せっかくの記念本なのですから、もっとハジけた内容でもいいような気がします。もしオレを企画に加えてくれていたなら、「オシム語録」に対抗して「西澤画集」コーナー、「中高生のためのサッカー講座」に対抗して、曽田雄志が入試に役立つテクニックを披露する「中高生のための受験講座」コーナー、「セルジオ越後の"ちゃんとサッカーしなさい"」に対抗して、野々村兄貴がいきつけの飲み屋を語る「ヨシカヅ野々村の"とりあえずビールください"」などのサッカーとは一切関係ない情報満載の付録をつけ、あとはDVDにはスペシャルボーナストラックとして、BGMにさだまさしや中島みゆき、松山千春らをふんだんに取り入れた過去10年間の全失点シーンを収録してめきめき赤字を増やしていたに違いないのに。
 ちなみに、この本の販売はHFCと発行元である北海道新聞社で行うとのことですが、児玉社長によれば「収益は売ったほうに入る」そうです。ということは、クラブとしては強化費用が多いに越したことはありませんから、それを考えればサポーターとしてはHFCから購入したほうがいいということになります。完全予約制とのことですので、オフィシャルサイトのリリースを参考に、まずサポーターが3人の友人に買わせて手数料を取り、その3人の友人はそれぞれ3人に買わせて手数料を…

2006年4月29日

雨の西が丘

2006年Jリーグディビジョン2第12節
東京ヴェルディ2-0コンサドーレ札幌
得点者:札幌/無
     ヴェルディ/元甲府、元静岡FC

 コンサドーレ関連の試合を西が丘サッカー場に見に行ったのはこの試合を除いて過去5試合。

<2002年ワールドユースアジア一次予選(今野泰幸出場)>
 5月8日:対モンゴル戦…晴れ
 5月10日:対チャイニーズタイペイ戦…
 5月12日:対ラオス戦…晴れ
<2002年高円宮杯U-15(コンサドーレ札幌ユースU-15出場>
 12月22日:対00ディアマントFC…
<2005年Jリーグディビジョン2>
 10月5日:対横浜FC…

 今日も雨でした

 コンサドーレ絡みで西が丘行くと、妙に雨が多いんですよね。西が丘にはLリーグとか高校サッカーとかで割とよく行くんですけど、その時は全然降らないんですよ。むしろいい天気に恵まれるくらいで。なんでコンサドーレ絡みだとこうなんでしょう。別に雨なんていらないんですけどね。私のいい人連れてきてくれるわけでもないのに。

 さて、今日の相手は東京ヴェルディ1969。試合会場の西が丘は、読売クラブ時代にはたびたび使用していたと思いますが(試合前に聞いた話では、ラモスが1年間の出場停止を喰らったきっかけとなったのがここ西が丘での対日産戦だったそうです)、少なくともJリーグになってからヴェルディがリーグ戦でここをホームとして使うのは初めてだと思います。そのためか、運営サイドにけっこう不手際が目立ちました。
 西が丘サッカー場へは、都営三田線の本蓮沼駅が最寄り駅です。自分も普段は西武池袋線で池袋まで出てJR山手線に乗り換え、巣鴨駅で都営三田線というルートで行くのですが、カミさんが西武有楽町線の新桜台の駅から西が丘の近くを通るバスを発見したので、今日はそのルートで行くことにしました。電車だと約1時間ほどかかるところが30分程度でつけてしまったのですが、唯一の欠点として、最寄りのバス停から西が丘サッカー場の一番近い入り口が、西が丘のバックスタンドアウェイ側ということでした(本蓮沼駅から行く場合はメインスタンドホーム側の入場口が一番近い)。
 サッカーの試合というのは、さいたまスタジアムなど一部の例外を除き、メインスタンドから見て左側がホームチーム、右側がアウェイチームのサポーターが陣取るのが通例です。ですから普段であればむしろ歓迎すべきことなのですが、この試合では通常とは逆の、メインスタンドから見て左側が札幌、右側がヴェルディという区分けになっていたんですね。おそらくは西が丘では通常のホーム側ゴール裏スタンドがピッチレベルの高さにあるのに対し、アウェイ側は高い位置にあってピッチが見やすい上、選手の入退場口がアウェイ側にあるという構造道の理由だとは思いますが、自分の持っていたチケットは「SA」。メインスタンドのアウェイ席(通常のホーム側)です。一番近い入り口から入るとヴェルディサポーターの中を突っ切ることになりあまりよろしくないので、とりあえず逆側の入場ゲートを目指しててくてくと歩き、あと残りわずかのところまで来たところ、正面からなじみのゴール裏メイトが歩いてくるのが見えました。どうやら同じ券種を持っているようですが、オレが目指していた入り口から入ろうとしたら、Bゲートに回ってくれと言われたとのこと。ちなみに自分が目指していたメインスタンドアウェイ側の入り口はCゲート。Bゲートとはメインスタンドホーム側の入り口です。ついさっき通ってスルーしてきた入り口です。よくわからんけどCゲートから入れないんじゃ仕方がないと思い、引き返してBゲートへ。そこでチケットを見せると、

 「これはここじゃなくてあっちです。」

 とすぐ隣の入り口に回されました。でもここ、「報道関係者入り口」って書いてあるけど。おかしいと思ってその入り口にいたお姉さんにチケットを見せて訊いてみたら、ついいましたが「ここじゃない」と言われた入り口から入るように言われました。いや、そこでここに行けと指示されたんだけど…。そうしてると別の人が出てきて、最終的に言われたのが「Cゲートから入ってください」。ナンヤネン! モウ! Cゲート行ッタラ、Bゲート行ケ。Bゲート行ッタラ、報道者入口行ケ。関係者入口行ッタラ、「ワア、コンサドーレサポーターダァー!」 ナニソレ!?
 おまけに、ようやくスタンドに入ってチケットを見せて案内されたエリアにすわっていると、スタッフがやってきて「すいません、席の移動をお願いします」など言い出しました。どうやら案内する場所をまとめて間違っていた模様。既に大勢集まっていたサポーターは、仕方なくぞろぞろと荷物をまとめてよりゴール裏に近い端っこのエリアに移動させられました。まぁ、変だと思ったんだよな。最初に案内されたエリアにはちゃんと「SS」って紙が貼ってあったし。気づけよスタッフ。

 まぁそんな感じでアウェイの洗礼を浴びていたわけですが、先週の柏レイソルと同様に、今季J1から降格してきた東京ヴェルディ1969も札幌とは2002年以来の対戦。ヴェルディといえば、日本リーグ時代から常にサッカー界をリードしてきた強豪・読売クラブを前身とするチーム。ヴェルディ川崎として1993年にスタートしたJリーグでも「オリジナル10」として名を連ねて初代チャンピオンに輝き(翌1994年も優勝)、カズ、ラモス、武田ら日本代表選手を多く抱えたJリーグ屈指の人気チームでしたが、その後は紆余曲折を経てJ2降格。Jリーグの年間チャンピオンチームとしては初めて降格したチームとなったわけで、そういう意味ではJ1経験チームとして初めてJ2最下位も経験したうちのチームと同じではないが似たテイストを感じます。ただし、それでも読売クラブ時代から名門として名を馳せてきたユースチームは常に全国トップクラスで、昨年高円宮杯で藤田征也、西大伍を擁するコンサドーレユースがヴェルディユースにボロ負けを喰らったのは記憶に新しいところですが、全国の多くのクラブでヴェルディユース(読売ユースも含む)出身の選手が活躍しています。静かなる仕事人・西澤画伯も読売ユース出身です。現在トップチームの監督を務めるラモス瑠偉氏やコーチとして脇を固める都並敏志氏や柱谷哲二氏も現役時代にヴェルディでプレイしており、J2に身をやつしているとはいえこの辺りの人材の循環も、あまり取り沙汰されませんが大したものだと思います。まぁその割には、今のトップチームはバジーリオ、萩村、大野とセンターラインを妙に黄色っぽい人たちが固めてたりするチームですが、ヴェルディといえば自分のイメージでは旧読売クラブの伝統をまだ残す、ブラジルチックなパスワークサッカーというチームだったのに、久しぶりに対戦したヴェルディはものごっついプレッシングチームとなっていました。ガンガンラインをあげてガシガシプレッシャーをかけてくるヴェルディに対し、札幌も3バックの中央がソダンから池内に変わったことにより妙に強気なライン設定。狭いエリアでぶつかり合う様は、まさしく小細工なしの力と力の真っ向勝負。前節柏戦をジョジョのスタンドバトルとするならば、ヴェルディ戦はケンシロウとラオウの戦いです。
 とはいえ、球際の強さはヴェルディに分があり、前半は風下だったこともあり中盤でなかなか競り勝てません。セットプレイのこぼれ球を青葉に決められ早々に失点すると、試合はほぼヴェルディペース。札幌はちょっと前までスーパー智樹だったのがすっかり普通の智樹に戻っていた上、芳賀もここのところ動きに精彩を欠いているためか、前線にフッキがいませんし、西谷も怪我で万全ではなくベンチスタート。札幌の攻め手は事実上スナマコしかなく、前半はまともに打ったシュートが1本くらいしか記憶にありません。
 後半は風上となりましたが、札幌にとって不幸だったのは、前半終了間際から強い雨が降り出してしまったこと。たたでさえ風に押されてしまうボールが濡れたピッチの上でさらに滑りやすくなっており、出し手としてもコントロールの難しい状況になっており、これではかえって風上は不利です。スパイクの選択も難しかったのか滑る選手も多く、実力の半分も出せてなかったのではないでしょうか。もちろん、数少ないチャンスを狙ったように外すFWは実力通りだと思いますけど。結局前がかりになったところをカウンターで決められ万事休すとなりました。

 まぁそんなわけで連敗。ただ、柏戦はよっぽどのことがなければ勝てた試合をよっぽどのことで落としたことで、自分なりにかなりショックでしたが、この試合は普通に負けでしたので、悔しいのは当然としてもさほどのショックはありませんでした。一番イヤだったのが飯尾ですかね。得点こそありませんでしたが、それほど大柄ではないながらもDFの背負っての懐の深いボールキープはもちろん運動量も豊富で、また精力的に守備を行うなど、早野さんであれば「飯尾がいいお(;^ω^)」などと言わなくてもいいことを言っていたかも知れません。札幌側にはあまり見るべきところはありませんでしたが、まぁこの試合に限っては、池内とソダンの違いはあんまりないような感じでしたね。前半、バウンドを合わせ損なって後ろに反らしたときは、まさしく「池内よ、お前もか」でした。ああいうミスはソダンにはありませんね。パスミスはあるけど。でも今日はセットプレイの時は池内ばかり見てたんですが、高い確率でちゃんとフリーになってるんですよね。合わないだけで。高さはあるがミスをするソダン、得点の可能性は増えるがミスをする池内。さあ、どっち!

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