« 2002年11月 | メイン | 2003年1月 »

2002年12月 アーカイブ

2002年12月 1日

乱打戦

 ようやく迎えたJ1最終節。この試合を最後にJ2へ「恋人よ僕は旅立つ」というコンサドーレ札幌は、J1残留崖っぷちのサンフレッチェ広島を札幌ドームに迎えての試合となり、5-4という乱打戦の末Vゴール勝ち。取りつ取られつの試合のラストは、負傷した新居と交代で入ってきた曽田の逆転サヨナラスリーランホームランで幕を閉じました。とりあえず、今季の開幕戦で5失点を喰らった広島に5得点と「借りを返した」ように見えますが、その代わりに4失点というのは微妙ですね。「肉を切らせて骨を断つ」とも言えなくもないですが、その割には肉切られすぎのような気がするんですが。
 結果次第ではJ2降格の危険もあった13位の柏、14位の神戸がそれぞれ勝ったため、たとえ広島が勝っていたとしても広島のJ1残留はなかったのですが、曽田のプロ初のハットトリックも翌日の全国スポォツ紙では曽田のソの時も出てこなかったのは、仕方がないとはいえちょっとかわいそうですね。
 いずれにせよ、J2降格チームが札幌と広島に決まったことにより、来季のJ2は僻地リーグとして各クラブの運営会社とサポーターが遠征費に泣くリーグとなります。

 あと広島戦観戦記

2002年12月 3日

冬の恒例行事

 リーグ戦も終了し、あとは天皇杯を残すだけとなったコンサドーレ札幌。既に古川先生、田渕のりゅうさん、らっきょ、田澤の4選手に来季の契約を結ばない旨の通告が為されたのを初め、11月30日の広島戦終了後にはオグが退団を表明するなど、チームの動きも徐々に活発化してきております。
 構想外となった4人につきましては、確かに力的には若干見劣りしていましたので仕方がないと思う反面、先生と田渕という今の札幌で最古参のメンバーがいなくなるのはやはり寂しいものがあります。というよりはもう札幌でスペクタクルな先生劇場が見られないと思うと残念でなりません。一応吉川という後継者はいますけどね。
 オグに関してはクラブは来季も戦力として考えていたものの、自ら移籍リストへの掲載を申し出たそうです。その理由は本人は明らかにしておりませんが、「自分にうそをつきたくなかった(道新スポォツ)」というコメントを残しています。来季の監督に内定したジョアン・カルロス・トシキとの名古屋時代の確執説が有力ですが、確実視されている俺王様復帰が決まれば自動的に出番が減るってこともあるのかもしれません。とりあえず個人的な意見としては、「自分にうそをつきたくなかった」よりも「これはかけひきなのだよ」と言ってくれたほうがオモロかったんですが。
 ところで他チームの動向を見てみると、今季は後藤義一、小松崎保、有馬賢二、中尾康二(以上横浜FC)、佐賀一平、大野貴史、渡辺卓(以上山形)、河村優(福岡)、村主博正(大宮)、木山隆之、深川友貴(以上水戸)、森川拓巳(柏)といった元札幌選手の構想外がやたら目立ちます。札幌から移籍していった選手たちの中で、現在も移籍先のチームの主力となっている選手といえば、吉原宏太(ガンバ大阪)、俺王子(浦和)が挙げられますが、彼らとて札幌で誰もが認める結果を残し、他チームに引き抜かれる形となってのもの。同じような形で他チームに移籍しながら誰よりも早く契約解除となった俺王様という特殊な例もありますが、札幌を構想外という形で移籍してなお移籍先でレギュラーを張っているのは村田達哉(仙台)くらいなものです。
 まぁこのうち森川は札幌に来たときは期限付き移籍でしたし、来季はたぶん岡ちゃんが拾うと思いますので心配はしていないですが、深川は既に引退を表明しており、他の選手もこれから移籍先を探すといった状況のようです。改めてコンサドーレ札幌というチームはつまりは地獄の一丁目なんだなぁと思う次第です。三途の川を渡るか、現世に戻ってこられるかは自分次第。紙切れより薄い選手の命、燃え尽きるのにわずか数年、って感じです。

 ところで、道内での発売は木曜日になりますが、今週発売のサッカーマガジンに今野泰幸のインタビューが載っています。話題的にはほとんどが主将として戦ったAFC U-20選手権についてで、札幌サポーターの一番知りたいこと、つまり今野のスリーサイズはいくつかとか、最近ハマっているタロット占いの話(嘘)とか、どんな元素記号が好きなのかといった話はないのですが、グループリーグ緒戦のサウジアラビア戦で挙げた決勝点についての話がありました。曰く、「インターネットで『トラップが大きくなっちゃって、ヤバイと思って適当に蹴れ、と思って蹴ったら入っちゃった』という噂が流れているらしいんですよ。そんなわけないんですけどね。狙ってましたよ、マジで」とのこと。

 えーと。すんごく嘘くさいゴールと書いたのはオレです。ゴメンよコンちゃん。

2002年12月 5日

俺王様再降臨

 横浜F・マリノスを契約解除され、札幌が獲得に乗り出していると言われていた俺王様ことウィル。解雇されたすぐ後に最初にこの話が出てきてからしばらく音沙汰がなく、サポーターも果たして進展があるのかとやきもきしておりましたが、本日付けの日刊スポォツに現在保有権を持つ大分トリニータと移籍の合意に達した、という記事が載っておりました。同紙には「完全移籍での札幌入りが有力」とも書かれており、これが事実ならばJ1で得点王を獲ったのみならず、あの「スーパー北斗21号事件」など試合以外でも数々の伝説を残したあの男が、ついに北の大地へ帰ってくることになります。
 邪魔な敵を蹴散らして進む俺ドリブル、「お前のボールは俺のもの」という俺キープ、確実に枠を捉える俺シュート、助走を取らない俺フリーキックなどを武器に札幌をJ1残留に導いた俺王様のご帰還に、当然のことながら臣民は歓迎ムードではありますが、やはりというかなんというかほとんどの方が厳格な人柄で知られるジョアン・カルロス・トシキ新監督との折り合いを心配しているようです。コレばかりはフタを開けてみないとわかりませんが、俺王様がジョアンに「俺が札幌のピクシーだ」とか言っておけばいいと思います。
 まぁ、ジョアンがもし99年末の岡ちゃんのように「俺を取るのか、選手を取るのか」というようなことを言い出したら、少なくともオレは迷うことなく選手を取りますので。
 とりあえず俺王様が復帰したところで来季J1昇格できるかと言われればそう簡単な話ではないと思いますが、"King of Sapporo"新居もいますし、少なくとも今季のような全然シュートを打たないストレスのたまる試合はなくなるだろうと思います。

 そんなわけで獲得決定報道が流れたことにより、来年のキャンプに果たしてプラス何kgで合流してくるかについてイギリスのブックメーカーがオッズをつけはじめたというのはウソですが、少なくとも放牧明けだけに重め残りなのは間違いないでしょうね。

2002年12月 6日

ビッグ・ストマック

 前回書いた通り俺王様の復帰が決定したという新聞報道が流れたのに続き、本日の北海道版日刊スポォツには来季のブラジル人助っ人2人の話題が載るなど選手補強も水面下で進んでいる模様ですが、既存の在籍選手は現在契約更改真っ盛りです。といってもまだどの選手も第1回目の交渉ですから即サインというわけにはいかないでしょうが、ここまで大森、和波、板長、曽田らが交渉の場に臨んだ模様です。
 道新スポォツによると、その中で今回が初めての契約更改となるルーキーも何人かが交渉の場に臨んだ模様ですが、DF吉瀬広志が「言いたいことをガツガツ言おうと思ったけど緊張しました」とコメントした通り、やはり初めて故かモジモジくんっぷりを隠せない中、オノレの待遇面についての要望をクラブにぶつけた「大物」がいました。
 その男の名前はGK阿部哲也。今季ナビスコカップ6試合にスタメン出場した吉瀬ですらモジモジくんだったのに、今季公式戦出場なしの阿部がクラブに対して出した「要求」は、「寮で腹いっぱい食べられるようにしてほしい」というもの。まるで欠食児童のような要望です。

 チームメイトからは「もんじゃ」と呼ばれ、札幌恒例の誕生日祝いで生卵と小麦粉まみれになった渡辺マネージャーを見て「おいしそう」とのたまい、実際その夜帰宅途中の渡辺マネージャーが何者かに噛みつかれるという事件が起こったり、豪州キャンプでは「ガッツボーズするほどカレー好き」とコメントし、実際カレーを食べるときに付け合わせがなく、しょうがないのでらっきょだからと奈良安剛を付け合わせにして食べたという伝説すら残しているように、とかく食絡みの話題が多い阿部(一部捏造)ですが、HFCも初の更改の場でまさかそう来るとは思わなかったでしょうね。
 また、同じくルーキー組でかつ親元を離れ寮生活をしている相川も阿部に同調しているようで、現在参加しているU-19の合宿が終わって帰札し次第「思う存分スペランカーが出来るようにして欲しい」「由利徹全集が欲しい」という要望をHFCに出すと見られています。
 まぁ札幌の場合、寮といっても「若獅子寮」みたいなのじゃなくて単なるマンション借り上げらしいですから、「若手育成」を狙うのであればまずはその辺りから何とかしてもらいたいものですね。

2002年12月 9日

ユースは好調

 コンサドーレ札幌のユースチームは近年着々とその実力をつけつつあります。ここでも何度が触れたように、全日本クラブユース選手権で2年連続ベスト4入りを果たしたU-18(昨年は準優勝)に続き、現在行われている高円宮杯全日本ユース選手権ではU-15チームもベスト4入りを達成しました。U-15は 21日に東京の西ヶ丘サッカー場で、鹿児島の00ディアマントFCと決勝進出を賭けて対決します。また、U-18もJユースカップのグループリーグを突破し、15日には決勝トーナメント1回戦・浦和レッズユース戦がさいたま市内で行われます。

 今季ぶっちぎりでJ2降格を果たしたトップチームを後目に、自分たちで次々と自分たちの歴史を塗り替えていくユースチーム。なぜかはわかりませんがドラえもんとドラミちゃんのオイルの話を思い出してしまいました。

2002年12月12日

俺王復活

 先日札幌への復活が濃厚と報道されて以来しばらく音沙汰のなかった俺王様の獲得話ですが、ようやくと言いますか何と言いますか、本日の道新スポォツに獲得決定という記事が載りました。先日の日刊スポォツには「完全移籍での獲得が有力」と伝えられていましたが、結局1年間の期限付き移籍となるようです。
 道新スポォツには、「札幌側は完全移籍を求めたが、大分側は期限付き移籍を主張」と書かれており、事実上他チームからのオファーはなかったウィルを巡って「安く買いたい札幌」と「高く売りたい大分」がしのぎを削った結果レンタルに落ち着いたというところでしょうかね。札幌サポーターとしては残念ではありますが、大分の立場で考えてみれば、苦節4年でようやく掴んだ念願のJ1昇格ですから、そう簡単にJ2に逆戻りするわけにはいきません。決して予算規模の大きくない大分がJ1を戦い抜くには、チームを強化するためのお金が必要なわけですから、「J1得点王」という肩書きを持つウィルは出来るだけ高く売りたいと思うのもムリはありませんし、逆の立場なら安く売ったらそれこそ袋だたきでしょう。吉原宏太の時を思い出してみればよくおわかりかと思います。
 いずれにしても1年間の期限付きということで、もし来季活躍すればまた今までのパターンに陥る危険性もありますし、大分的にはそれを狙っているのかもしれませんが、能力的には折り紙付きでも巨大なセキュリティホールがある俺王様ですから、もし活躍したとしても大分の目論見通りに値が上がるようなことがあるとは思えないのですがね。マリノスは2度と噛みつかれたくないでしょうしね。

 北海道新聞では渡辺徹也記者の署名記事として、横浜を退団する原因となった奥への蹴り上げ事件に触れ、暴行を起こしながらも獲得したことを「HFCの説明が必要」とし、さらには「ウィルの"社会復帰"への道を閉ざすべきではないが、『勝つために獲得しました』だけでは通らない」と書いております。まぁ個人的にはあの程度は「暴行」のうちに入らないと思うのですが、あの事件が直接的な要因ではあっても、何もあれだけが原因で解雇されたわけではないですから、確かに言いたいことはわかります。つっても「能力抜群、品行方正、容姿端麗、観自在菩薩行深般若波羅蜜多時」という助っ人が獲れるモンならとっくに獲ってると思いますしねぇ。「勝つために」というだけでは不満なら、「オモロいから」ということでいかがでしょうか。

有望株

 コンサドーレ札幌は来季に向けて水面下で選手獲得を進めていますが、ここ最近は特に大きな動きは見られないものの、移籍加入選手の名前が噂や新聞レベルではちらほら聞かれ、また新人選手の獲得も進められているようです。しかし、札幌が狙っていたと言われるU-19日本代表・藤枝東高校DF大井健太郎選手がジュビロ磐田入り濃厚と報道されるなどあまり芳しくはないようです。まぁ札幌はただでさえいろいろなハンデを抱え、大した実績もない弱小チームですから、残された手は「地元出身の選手を獲得」という、ある意味情に訴える作戦くらいしかありません。しかし、その道産子中心の獲得方針も、既に入団内定が正式発表されている北海高校の市村篤司、青森山田高校の尾崎祐司(旭川出身)の両道産子選手の他は、全日本大学選抜・道都大学FW石田祐樹選手(白石高出身)が湘南ベルマーレへ、U-17日本代表・青森山田高校DF千葉貴仁選手(紋別出身)がセレッソ大阪へそれぞれ加入が内定するなど、こちらも苦戦続きのようです。
 まぁ、「J1」とか「岡田武史」などのブランドを持っていた昨年までならまだしも、その岡ちゃんもいなくなり来季はJ2となるわけですから、多くのチームから誘いがかかる代表経験者の獲得競争にはどうしても不利なのはある程度は仕方がありません。当の選手にとっても、自分の人生ですから複数の選択肢があれば一番いいと思う道を選ぶのは当然です。地元のチームに行かなければならない理由はないですから、「逃げられた」というようなことは特に思わないのですが、そうは言っても道産子としてはやはり地元選手は多いほうがいい。そんな中、興味深いニュースが北海道新聞に載っておりました。 SSS(スリーエス:札幌サッカースクール)ジュニアユース所属の藤田征也くんの札幌ユース入団という記事です。

 イヤ、これだけなら特になんてことない記事、というよりは本来ならば記事になるようなニュースではないのですけど、この藤田くんは U-14、U-15日本代表の主力として活躍し、今年行われたU-15の北アイルランド遠征で1得点を挙げ、札幌を含む7つものJチームが争奪戦を繰り広げていた逸材とのこと。道新によれば「藤田の武器は、ピッチの隅々まで見渡して繰り出す多彩な右クロス。スピードと精度、さらにカーブをかけるテクニックはすでにJリーガー級」と、これだけ見るとどうやらベッカムタイプのプレイヤーみたいな印象を受けますが、そのキックは鋭すぎて「中学生では合わせるのが難しい(岩越SSS監督談)」らしいです。村田兆冶のフォークボールみたいなもんですかね。
 横浜や広島、名古屋、清水など7つものクラブの中からよりによって札幌を選んだ理由は、「選手や練習はどこも変わらないレベル。それなら札幌で頑張ろう」というもので、さらには目標は史上最年少のJリーグ出場とのことです。なるほど、確かにそれなら札幌のほうが実現はしやすいかもしれませんね。何だか夢見がちなのか現実的なのか微妙な中学生ですね。まぁ藤田のクロスをマイクが決めるという妄想をしている30歳よりはずっとマシだと思いますが(マイクはどうするのでしょうか)。
 まぁいきなりトップの試合はムリにしても、サテライトリーグにも参戦する来年以降はとっかかりも掴みやすいでしょうから、ケガには気をつけて是非頑張って欲しいと思います。

2002年12月16日

今季終了

 「あなたはコンサドーレ札幌をひいきとし、その健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?」

 「自信なし!」

 というわけで優勝賞金1億円、元旦の国立競技場を目指すプロアマオールカマーの天皇杯は、昨日15日に3回戦が一斉に行われました。このうち大分スタジアム・ビッグアイで行われたコンサドーレ札幌対大分トリニータは、コンサドーレ札幌が攻守にわたってJ1チームのプライドを発揮、攻めてはシュートわずか2 本、守ってはアンドラジーニャにハットトリックを許すなど5失点と完膚無きまで叩きのめされました。スバラシイ。
 試合内容については現地で見てないんでなんとも言いようがないのですが、思い起こせばJ1開幕戦でも5失点。「5失点で始まり5失点で終わる」というのはある意味今季を象徴した幕切れではあります。監督が替わってもこれじゃ、最初の監督が柱谷哲二氏じゃなかったとしても結果は同じだったかもしれません。

 しかし、別にカップ戦で下位リーグのチームに上位リーグのチームが負けるのは世界的に見てもよくある話ですから、J2チームに負けたこと自体はどうだっていいんですけどね。それにしたって「この大会はモチベーションの維持が難しい」なんて、試合をする前から負けたときの言い訳をしているようじゃ、おらがチームの勝ちを信じてわざわざ大分まで駆けつけたサポーターをバカにしているとしか思えないですよ。で、試合が終わったら今度はクラブに対する不満を新聞にぶちまけるんですから始末に負えない。
 そりゃまぁ、プロサッカー選手のみならず一般のサラリーマンだって会社に対する不満なんて必ずあるモンですし、札幌のフロントもお世辞にもいい仕事をしているとは言い難いですよ。でもさ、周囲に文句をつける前にまず自分たちのやるべきことをしっかりやりなさいよ。黙っていてもオカネを落としてくれる親会社のいない札幌では、自分たちの給料は自分たちで稼ぐしかないんですよ。やる気のかけらも見えない試合を続けてもお客さんがスタジアムに足を運んでくれるほど札幌にはコンサドーレは定着していないし、プロスポォツを持つ土壌があるわけでもない。それがわからないのなら、いくら実力があろうがどうぞどこへでも移籍して下さって結構です。オレが求めているのは、札幌のユニフォームに誇りを持ってプレイしてくれる選手ですので。

 同じ日、トップチーム同様この時期は外で練習の出来ないU-18がJユースカップ決勝トーナメント1回戦で浦和ユースに4 -0で敗退し、これが最後の試合となった3年生たちが終了後涙に暮れている姿を見て、今のトップチームのほとんどの選手たちにとってのコンサドーレ札幌とは一体何なのだろうと思わずにはいられませんでした。

2002年12月18日

ジョアン・カルロス・トシキ来札

 もう既に皆さんもご存じだとは思いますが、コンサドーレ札幌の来季監督に就任したジョアン・カルロス氏の会見が昨日札幌市内のホテルで行われました。聞いた話ではどうやらこの日の通訳はいつもの鈴木ウリセス氏ではなかったようで、そのためかこの記者会見の模様を伝える各道内メディアが、新聞によって一問一答の内容がバラバラだったりしているのですが、オレが直接聞いた限りでは、少なくとも大分戦を見て「敢えて言おう! カスであると!」とは言ってなかったみたいです。
 ポルトガル語ですか? もちろんわかりますよ。オレは東京外語大学の前を通りがかったことがあるほどの男ですから。ただジョアンのポルトガル語は津軽訛りが強くて。つうか、そもそも聞いてませんけど。

 オフィシャルサイトのコメントでは「最初のステップはJ1に上がること。次にJ1のトップで戦えるようステップアップしていきたい。札幌は代表クラスの選手もいる素晴らしいチーム。選手、フロント、スタッフ、そしてサポーターが納得できるチームを作り、サポーターが喜んで観られるような試合をしたい」と全体的に無難な内容となっていますが、その一方で「今年1年皆頑張ったが、精神的に問題があったと思う。まず、精神的に強く、チームのことを考え練習にも一生懸命取り組む選手をそろえたい」とっとと病巣を見抜いた辺り、さすがに伊達にJ1優勝を果たしてないですね。
 その対策として精神科医のスタッフ導入も検討するなど具体的な案も考えているようですが、それはともかくとしてもやっぱりジャージ采配はしてくれそうもありません。練習着スポンサーである札幌セミナーさんが来季の継続支援してくれるかどうかの正式な話はわかりませんが、もし来季も継続ということになったら、予備校にとってある意味一番縁起の悪い「落ちる」という言葉を体現したチームにも関わらず支援してくれる札幌セミナーさんに敬意を表して、HFCはジョアン専用札幌セミナー入りスーツを用意するべきだと思います。

2002年12月20日

田畑加入

 いち早くオフシーズンに突入したコンサドーレ札幌は、現在在籍選手の契約更改と移籍選手の補強が進められています。移籍選手については、現在のところ正式発表待ちと言われる俺王様の他に名前を聞かれるのは柏の砂川誠など主に中盤の選手ばかりで、リーグ戦1試合平均2.1失点というザルっぷりを発揮した守備の選手の補強話は聞こえてきませんでした。失点の原因は何も守備陣だけの問題ではないとはいえ、スペクタクルマスター古川先生や田渕を構想外としているだけに、サポーターからも「どうなってるの?」という声が挙がっていたのですが、昨晩クラブから唐突にジェフユナイテッド市原のDF田畑昭宏選手の獲得が発表されました。
 昨年のこの時期には既に地元メディアに北澤豪や永井秀樹(共にヴェルディ)らにオファーを出したという記事が流れ、見事に踊らされる札幌サポーターの姿が多数観測されていましたが、今年は何の前触れもなくいきなり正式発表。踊らされるヒマもなく背後からバッサリやられたといった感じです。
 で、この田畑選手。市原には期限付きで移籍しており、籍は浦和レッドダイヤモンズです。浦和レッズからの移籍選手は初めてですね。ケッペル監督時代のルーキーイヤーには割と出場していましたが、ケガもあってそれ以降はあまり試合にも出ておらず、オレの記憶にも市原に移籍した昨年、厚別で櫛野と交錯してバンバンの得点をアシストした試合と、この年フェイエノールトに移籍した元チームメイトの小野伸二の国内最終戦で、小野のゴールをアシスト(直接フリーキックが壁に入った田畑に当たって方向が変わりゴールイン)した試合くらいしか思い出せず、「ガッツリ守れるセンターバック」というよりはどっちかといえば「滲み出るファンタジー」というような気もしないでもないのですが、185cmという札幌のDFでは一番の長身は大きな戦力になるはずですので、活躍を期待しています。

2002年12月22日

U-15決勝進出

 トップチームはとっととオフを満喫しておりますが、コンサドーレ札幌の将来を担うユースはまた一つ歴史を作ろうとしています。21日西ヶ丘サッカー場で高円宮全日本ユース選手権U-15の準決勝が行われ、鹿児島の00ディアマントFCと対戦したコンサドーレ札幌ユースU-15は試合開始早々に挙げた1点を守りきり決勝戦に駒を進めました。
 朝から冷たい雨が降りしきり、ピッチの所々に出来た水たまりにボールが止まったり、ぬかるみに足を取られる選手が続出する劣悪なコンディションの中、キックオフ早々に小田桐博明くんからのフリーキックをご存じハーフナー・マイクくんが頭で合わせ先制。その後は一進一退の攻防戦を繰り広げ、お互い決定的なチャンスをいくつか作るものの決めることが出来ず、結局札幌が虎の子の1点を守りきることに成功しました。
 さすがに湘南ユースを破ってきただけあって個々のレベルは正直ディアマントの選手のほうが高かったのですが、それでもGK瀬川勇介くんのファインセーブを始めとして体を張った守備でゴールを許さず、出会い頭といってもいい先制点がモノをいった感じで不良馬場にも助けられた部分もありました。とはいえ、ルーズボールを諦めずに追い、最後まで集中力を切らさない今季のトップチームではついぞ見られなかった試合でした。

 というわけで、明日23日は国立霞ヶ丘競技場で決勝戦を戦います。相手は鹿島アントラーズジュニアユース。同じ日に行われた第1試合をちょっとだけ見たのですが、どいつもこいつも「ホントに中学生か?」と思えるほど体格のいい選手たち揃いで、個人のスキルもしっかりしている強豪ですが、こっちはこっちで191cmの中学生っつーも充分反則だと思いますので、精一杯戦って欲しいと思います。

2002年12月24日

残念

 メリークリスマス。ジーザスカセイフスーパースター。フジサンロクオウムナク。

 というわけでクラブ全体を通じて初の「自力国立」となった高円宮全日本ユース選手権U-15の決勝戦。大一番に臨んだコンサドーレ札幌ユースU-15はこれまでフットサルでの全国制覇はあったものの、サッカーでの全国制覇はもちろん、これまでの同大会の歴史の中で北海道勢が決勝に進出するのも史上初。新たな歴史を作るべく鹿島アントラーズジュニアユースとの決戦となりましたが、結果から言えば1-2で惜敗。前半21分と24分に鹿島のエース・黒澤くんに立て続けにゴールを許し、その後西くんのゴールで 1点差にまで追い上げたものの及ばず準優勝に終わりました。
 オレは所用で行けなかったのですが、見てきた人に話を聞くと後半はかなり圧していたそうです。勝てなかったのは残念ですが、スポォツ報知には佐藤智佳主将の、「トップチームが低迷している時だからこそ、ぼくらが頑張らなければいけないと思った」と力強いコメントが載っておりました。中学生にそんな決意をさせるトップチームもどうかと思いますが、この佐藤くんを始め、準優勝メンバーの3年生のうち得点を挙げた西くん(プレイスタイル:犬)ら6人の選手がU-18へ昇格することになっており、先日取り上げたSSSの藤田くんも含め来年以降の楽しみがさらに増えました。これからもオノレを磨いて、どんどんトップチームに上がってトップを強くしてもらいたいものです。

 つうことでとりあえず正真正銘コンサドーレの今季は終了。道内メディアもこの先は移籍選手や現在籍選手の契約更改が主たる話題になってくると思いますが、そんな中で「スペクタクルマスター」古川先生がモンテディオ山形に完全移籍とのこと。山形のサポーターの皆さん、先生をよろしくお願いします。とりあえず一言で言うとミスをしても憎めない選手です。

2002年12月26日

新社長決定

 現在行われている契約更改交渉は、今季の主力メンバーのうち洋平と森下板長が現状維持で契約更新、そしてコマネチ平間が完全移籍という発表がされるなどそこそこ進んでいるようです。特にコメントはないですがとにかく仲良くやって下さい

 さて、契約更改以上に注目されていたHFCの新社長ですが、25日の取締役会で佐々木利幸氏(65)の就任が決定したようです。シーズン終了前から今季不振の責任をとって現社長の田中良明氏が退任を表明したものの、さすがに北海道で一番損なポストだけに後任探しは難航、桂信雄札幌市長に人選を一任するいわゆる「鶴の一声」形式までなりました。その結果、札幌市役所OBで元札幌市青少年婦人協会理事長である佐々木氏に白羽の矢が立ちました。スポォツ報知によると氏は一度は固辞したそうですが、田中現社長の説得もあり就任を決意したとのこと。貧乏くじ引いたと思ってないかちょっと心配です
 で、この佐々木氏ですが、HFCの社長としては初めて常勤の社長となる予定です。田中現社長も含め、これまでのHFC社長が非常勤だったことが問題視されていたことに対する回答とも言えますが、中小企業のサラリーマンのオレとしてはどっちかというと社長元気で留守がいいという気もしないでもありません。
 とにかくアタマが決まって一安心。後任が見つからないので「新社長はカーネルサンダースおじさんになりました。いつも笑顔を絶やさず24時間オフィス常駐です。」とかならずに済んでよかったと思います。

 あとリンク追加。こぶどさんのコンサドーレ&諸々サイトのSUBGROUND

2002年12月28日

山瀬浦和へ

 世代別代表ながらも数少ない札幌の代表レギュラー選手であるエース・山瀬功治。チームのJ2降格を受けてU-19日本代表主将の今野と同様に去就が注目されていましたが、本日道内のニュースで浦和レッズへの移籍が決定した模様です。プロの世界はこういうことは当たり前ですし、誰が悪いかと言ったらそもそも降格したのが悪いんですけど、山瀬本人は「高いレベルでプレイしたい」ということです。まぁ話はいろいろ聞いていますが、さすがに「札幌ではやりたくない」なんて本音は言えませんよね。
 個人的な感想としては、以前書きましたがサポーターとしてはたとえ技術的には劣っていたとしても札幌のユニフォームに誇りを持ってくれる選手のほうがいいですから、札幌でやりたくないのならどうぞどこへでも移籍してくださいという感じです。確かに札幌では不動のエースですし、「若手育成」というスローガンには一見逆行しますけど、やりたくないのをムリにやらせてもしょうがないですからね。とりあえずこれまでコンサドーレに限らず「レベルアップのために」と他のチームに移籍していった多くの選手の中で、ホントにレベルアップした選手は記憶にないですけど、頑張ってください。
 完全移籍なのか期限付き移籍なのかは不明ですが、完全移籍だとしたら浦和も思いきったことをしますね。十字靱帯断裂という大怪我を負って来季の開幕までに間に合うかどうかはもちろん、元々のプレイスタイルが犬だけに元のパフォーマンスに戻るかどうか疑わしい上、もし戻ったとしてもオリンピック予選にかり出されることが容易に予想される、つまりはまともに戦力になるかどうかもわからない選手に大金をはたくクラブがあるわけはないと思っていたんですがね。現に山瀬の本当の意中のクラブであった某首都圏のクラブには断られたという話も聞いてますし。
 というわけで、札幌フロント得意の必殺2親等で我慢に期待します。カモン幸宏。

 さて、10番空きましたよ俺王様!

2002年12月29日

山瀬浦和へ完全移籍

 か~わ~い~い功治~売られてゆ~く~よ~ うれしそぉ~な~ひ~と~み~で~見~て~い~る~よ~♪ 前にも使ったなこの唄。

 というわけで昨日寝耳に水とばかりに札幌サポーターを震撼させた山瀬功治の浦和レッドダイヤモンズ移籍のニュースですが、本日になって浦和レッズ、コンサドーレ札幌両クラブから相次いで正式発表があり、さらに山瀬本人の移籍記者会見が札幌市内で行われました。完全移籍で、移籍金は財団法人日本プロサッカーリーグの定める「移籍金算出基準」から計算される移籍金上限の満額、額面にして約2億円とのこと。といっても実際この移籍金は推定年俸を元に算出されますので、実際の金額とはブレがあると思われますが、もし本当ならば前園、城に次いで日本人歴代3位じゃないですか? 上位2人が今ではダメの代名詞となっているのは気になりますが。
 似たようなパターンの移籍では1999年のワールドユース準優勝の原動力・遠藤保仁(京都→ガンバ大阪)ですら推定1億2千万(1億5千万、1億8千万との説もあり)だったことを考えれば、2億円という数字は破格といってもいいでしょう。昨日も書きましたが、大怪我を負った選手であることを考えると高く売れたなぁという感じです。これがもし今季はレンタルということになれば、来年は22歳となる山瀬は移籍金算出基準の年齢別係数も下がります(※2002年度版のJリーグ規約によると満16歳以上満22歳未満は10.0、満22歳以上満25歳未満は8.0)から、現時点では考え得る最高の結果じゃないですかね。フロントグッジョブです。
 で、この移籍金ですが、形はどうあれ山瀬が札幌に残してくれたものですから、是非とも有効に使って頂きたいですね。去年ここでも取り上げましたが、堀井岳也がモンテディオ山形から札幌に完全移籍したときの移籍金が、山形の柱谷幸一監督の意向でユース施設の充実に使われたのと同じように、この山瀬の移籍金も何か形に残るものにしたいところです。となると、もんじゃ阿部の魂の叫びによって明らかになった若手選手の寮を改善してもらいたいところ。といっても1億2億じゃどう逆立ちしたって新築するのは不可能ですから、どこかいい物件を買い取って改造したりとかできないものですかね。一応HFCの資産にはなりますし、山瀬に敬意を表して彼の名前を冠した寮名をつければ将来に残るわけですから。つってもあまりダイレクトな名前だと山瀬はいやがるかもしれませんので、「コンサドーレケンネル」とかにして。

 さて、山瀬移籍の影であまり大きく触れられてはいませんが、これまでJ1へのこだわりを捨てきれずに過去3回の交渉で全て保留していたU-19日本代表主将の今野泰幸が、28日に4回目の交渉でサイン、札幌残留が確定しました。「コンサイズム」によれば仙台や鹿島が水面下で獲得に動き、仙台の両親にまで相談するほど本人的には相当悩みぬいたようです。契約交渉は3時間にもおよび、近所の定食屋から出前をとるほどの「長期戦」となったようですが、最終的に今野は札幌との契約を更新したようです。北海道新聞には「絶対にJ1昇格する」という今野のやけっぱち…イヤ力強いコメントが載っていましたが、オレ的にはこの交渉の席で今野が果たして何を出前で頼んだのかが激しく気になるところです
 というわけで、戦力的にはやはり山瀬の移籍は痛いとは思いますが、だいたいどこの国でも降格したチームというのは草刈り場になるものですから、考えようによっては山瀬だけで済んでよかったと思います(まだ全選手契約更改したわけじゃないですけどね)。前述した通り京都パープルサンガは2部落ちした際に遠藤を手放しましたけど、それでも他の若手中心のメンバーでJ2優勝を果たし、J1再昇格を果たした今季は年間5位、天皇杯でも決勝進出を果たすなど好成績を挙げています。中心選手を失ったといっても、それで全てが終わるかと言われれば決してそうではないと思います。何よりオレたちにはKing of Sapporoがいるのですからね。

2016年2月

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29          

アーカイブ