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2002年4月 アーカイブ

2002年4月 1日

最下位脱出

 3連敗で迎えた名古屋とのアウェイゲームに臨んだコンサドーレ札幌。システムを3-5-2に戻して日本人と宇宙人だけで臨んだ試合は、ディフェンスは幾分良くはなったものの、前半は危ないシーンもいくつか作られた上に全然攻められないいつものアウェイゲームのパターンでした。
 ところが、生中継の予定だったBSでは直前の仙台×神戸戦が延長に突入し、なおかつ沖縄での地震で宮古島・八重山に津波警報が発令された影響で中継が一時中断、実質中継開始となったという後半は見違えるような内容で3点を奪取。守備陣も無失点と踏ん張り0-3の快勝と、いわゆるテレビ馬みたいなところを見せました。
 コレまでまったく勝てないことに常に申し訳なさそうにしていた板長が、ダメ押しの3点目を決めてよっぽど嬉しかったのか、一目散にサポーター席に駆け寄ってきてイエローをもらってしまうというシーンも発生(あとでビデオを見てみたらそれを見ていた山瀬がすげえハラハラした顔をしていたのが印象的でした)。まぁ仕方がないっちゃあ仕方ないんですけど、やっぱりああいうのにカードって野暮ですよね。ヨーロッパでは、今ではユニフォームを脱いだり看板越えしてもあまりにも過剰じゃなければカードの対象にはならないみたいですし。
 そんなわけで、試合中はほとんどすることのなかった哲さんですが、一つだけ強調したいのは、名古屋の状態が札幌以上に深刻だったとはいえ、今まで勝とうが負けようがショボショボの内容が多かったアウェイゲームにおいて、結果だけでなく内容もホームチームを凌駕した試合を見られたのは、オーストラリアでの体力強化特訓もわりかし効果が現れ始めているんじゃないかということです。もちろんシステムが元に戻ったことにより選手が迷いなく出来た、劣勢だった前半も相手の揺さぶりがそれほどキツくなかったため無駄な体力を消費せずに済んだという要因もあるでしょうけど、和波が90分走っていたのにはビックリしましたよ。
 しかしあとで気になったんですが、1点目のオウンゴールのシーン、結果オーライではありますけど「ファーサイドに誰も走り込んでいなかった」のはちょっといただけませんね。
 同じような形から得点したシーンとして、昨年7月14日のアビスパ福岡戦(博多の森)の俺王様の先取点が挙げられます。あの時は、バンバンがポストになって相手の裏に落としたボールに和波が追いつき、同じようにグラウンダーのクロスを上げました。このクロスに対して山瀬がニアサイドに走り込んだものの、触ることが出来ずにボールは流れていってしまいました。しかし、ちゃっかりファーサイドに待ちかまえていたどフリーの俺王様が左足で合わせてゴールを決めています。また、2000年10月29日の大宮アルディージャ戦(厚別)でも、相手DFから無理矢理ボールを奪い取った俺王子がグラウンダーのクロスを上げ、ニアサイドに走っていた優津樹は見事に空振りましたが、ファーに走り込んだバンバンがプッシュしてゴールを挙げています。
 翻って今回のシーン、小島のスライディングは若干遅れ、伸ばそうとした足はボールに届いていませんでした。運良く名古屋DF大森の足に当たってコースが変わり、楢崎も反応できずにゴールに入りましたが、もしあれが相手にも当たらなければボールは逆サイドまで流れてしまうというとっても残念な結果になったはずです。「ジェットストリームアタック」は3人揃ってこそです。踏み台にされて終わってはいけません。
 俺王様とは違い、小倉はどちらかといえば周囲を使うタイプのプレイヤーですし、「放っておいてもなんか知らんけど点取ってる」という絶対的なセンターフォワードがいない以上、この辺の約束事というか鉄則がきっちり出来てないと、この先も厳しいような気もします。ロブの確変でも起きれば別ですが。

 まぁその他にもいろいろ気になったことはありますが、なんにせよとりあえず1つ勝てたことですしコレでいい方向に向かうことが出来ればいいですね。というわけで、前半を見ることが出来なかったテレビ観戦組の皆様のために、市原臨海で俺王様が決めたものすげえボレーに萌えつつ前半部分を重点的にフィーチャーした名古屋戦観戦記

2002年4月 3日

勝利がもたらすもの

 就任以来なかなか結果を出せず、サポーターからもその力量を疑問視されていた柱谷哲二監督も、ようやく前節名古屋戦で今季初勝利を挙げることが出来ました。オノレの理想を捨ててまで手にした勝利は、監督業1年目の哲さんにとっては何物にも代え難いものとなったのではないでしょうか。エラそうな言い方かもしれませんが、この勝利で得た経験値で監督として少しレベルアップしたのではないでしょうか。

 ドラキーに勝てる程度には。

 まぁ冗談はともかく、正直言ってまだ哲さんのチーム作りや采配については半信半疑と言わざるを得ないのですが、何かにつけて岡ちゃんと比較されてしまうのは気の毒だなぁとも思うわけで。その岡ちゃんだって1年目はオノレの理想である4バックに挑戦してものの見事に玉砕した歴史がありますし、とりあえずオレ自身はもう少し見守ってみようと思っています。ただし、新居を使ってくれたら全身全霊を尽くして断固支持します。

 ところで、内容はともかくアウェイで0-3という結果には監督のみならず選手たちも相当に気分を良くしたみたいで、本日行われた道都大学との練習試合は5-0で勝利したそうです(得点者はビジュ、板長、山瀬、ロブ2)。まぁ練習試合の結果自体はそれほど重要な意味を持つわけではないとはいえ、今まではその練習試合ですらなかなか点が取れずに四苦八苦していたチームが、一つ勝った途端にいきなり今季最多得点の5得点。なんてわかりやすい人たちでしょうか。

2002年4月 7日

取れないのにはわけがある

 前節アウェイで名古屋を破り意気上がる札幌は、今節返す刀で柏レイソルとのアウェイゲームに臨みました。 この試合だけが夜のキックオフで日曜に行われる試合以外は全て午後に行われたこの日、日立柏に集結した札幌サポーターは「仙台マルコスの2点で鹿島に勝利」「すげえな、5連勝かよ」「阪神も7連勝だって」「じゃあ今年の日本シリーズは阪神対仙台で決まりだね」などと他会場の結果で盛り上がっていましたが、日立柏に出ていた札幌のグッズ売り場でドサクサ紛れにバンバンのTシャツが売られていたなどアウェイの洗礼を浴びる中、試合はまるで盛り上がることなく4-1と返り討ちにあい惨敗。これによってナビスコカップの前哨戦は全敗ということになりました。
 しかしまぁ、確かに柏のほうが一枚上手だったとはいえ、札幌のほうだって一人一人の選手は昨年よりもウマくなってると思いますけど、それでも攻めのバリエーションが乏しく、クロスの精度もそんなに高くない札幌が、ペナルティエリアの外からはコースが開いていてもシュートを打たないんじゃ、そうそう点を取れるはずもありませんわな。失業保険給付も切れるのに就職情報誌を買っただけで面接には行かないみたいなもんです。つうか、昔のオレですけど。10番を背負うにふさわしい選手に成長した山瀬はもちろんのこと(彼のドリブルはかなりの武器になりつつあります)、確かに選手はよくやってはいると思うのですが、それでもまだ危機感が足りないといいますか、いわゆる「キレイに勝とうとしている」ような気がするんですよね。たまたま家に遊びに来ていた子供の友人まで動員してまで「おひとり様1点限り」の特売品をいくつも買うような、そんなおばちゃんの図太さを少しは見習ってほしいと思います。
 見所と言えば赤黒のユニフォームを着たナオキ対黄色のユニフォームを着た森川という違和感タップリのマッチアップと、柏サポーターの日立マークのゲート旗くらいしかなかったこの試合、一番の心残りは試合前に前回の対戦での「移転反対」「日立台」コールの返礼として柏サポーターから贈られた「ムネヲハウス!」「雪印!」というエールに「あーりがと♪」で返せなかったことでした。そんな柏戦観戦記

2002年4月 9日

詰むや? 詰まざるや?

 5試合を終えて1勝4敗と大きく負け越しているだけでなく、得失点でもクラブ経営同様大きな借金を抱えてしまっているコンサドーレ札幌。とはいえ、元来アウェイはからっきしの三級品であるこのチーム。昨季は4試合目の東京ヴェルディ戦(室蘭)で道内開催を迎えることが出来ましたが、ご存知の通り今年はワールドカップなるイベントが開催される(かもしれない)関係でシーズンの開幕が例年よりも早くなっており、この5試合のうち4試合がアウェイ戦、そしてホームゲーム1試合も北海道ではなく高知開催ですから、精一杯好意的に解釈をすれば「5つ負けなかっただけマシ」と思えないこともありません。もっとも、アメリカ横断ウルトラクイズで1問目の○×で散らなかっただけマシくらいのレベルですが。
 そんなわけで、今週からようやくホーム北海道に戻っての試合となります。ホームでは見違えるような強さを発揮する札幌ですから、次節からのホーム2連戦ではしっかりと勝点をゲットしてもらいたいものです。逆に言えば、そんなホームで今までのような残念な試合をしでかしてしまったりしたら、今の監督にはお引き取り願うしか方法はないかもしれません。幸いなことに、もうすぐ行われる(かもしれない)ワールドカップによる約2ヶ月あまりの中断期間がありますから、立て直す時間は充分ありますし。

 なにしろ誰一人欠けることなく練習出来るんですからね。

2002年4月12日

Road To 小机

 2002年のJリーグ1stステージは、明日の開催分も含めてあと2試合を終えるとワールドカップの中断期間に入ります(ゴールデンウィークにはナビスコカップがありますが)。国内のサッカー専門誌も代表がらみの記事に大きなスペースを割くようになり、ああ本大会が近いんだなと気づかされます。オレの友人の中には、ひいきしているある国の代表選手を生で見たいがために、一般販売分の抽選を第一次販売から申込し続けただけでなく、スポンサー割り当て分にも賭けて来る日も来る日もスポンサー企業の製品を買い続けた結果、そのお目当てであるベッカムが骨折してしまったというかわいそうなヤツもいますが、アジアで初めて行われるワールドカップを楽しみにしている方も多いでしょう。
 しかし、オレ自身はといえばあんまりワクワクもウキウキもソンソンもして来ないんですよね。もちろん日本人としては代表にはがんばって欲しいと思いますし、昔はオレも代表の試合にはワクワクしたものですけど、札幌のサポーターになってからは札幌選手のいない代表にはイマイチ感情移入が出来なくなってしまい、逆に日本代表の試合を見ていると「う~ん、やっぱみんなうまいなぁ」と感心すると同時に、コンサドーレと比較して哀しくなることも多くなってしまいました。今では本大会の日本代表の試合日程すら知らない上、一番楽しみにしている試合はメキシコ対エクアドルという、サッカーファンの最下層に位置するまでに落ちぶれてしまいました。サポーター界のカマドウマと呼んでください。イヤやっぱり呼ぶな。

 で、話は変わりますけど、そんなオレでもここ最近の猫も杓子もワールドカップ、などという風潮にはなんだかなぁという気がします。サッカー専門誌だけじゃなく「Tokyo Walker」などの娯楽誌にも日本代表の記事が載っていたり、大会スポンサーには自社のコマーシャルでFolder5に代表ユニフォームを着せたり、広末涼子にこっぱずかしいことをさせたりというのを見ると、結局日本人にとってはワールドカップもオリンピックも同じなのだなぁと思わざるを得ません。まぁ別にお祭り騒ぎが悪いわけではありませんし、これがきっかけでサッカーに目を向ける人も少なくないでしょうから、そう悪いことばかりではないとは思いますが。
 つってもやっぱり「ワールドカップ」という言葉だけが一人歩きしている感じで、何かスゴく偏っている印象を受けなくもないです。「サッカー」だからいいんじゃなくて「ワールドカップ」だからいいっつーような感じで、あなた達「ワールドカップ」とつけば、サッカーじゃなくてピットファイターでも構わないんじゃないの? なんてことも思うわけです。タフすぎて損はないとかそんな感じで。

 そんなわけで、少しは「ワールドカップ? 俺はワンカップのほうがいい」というナイスなオジサンでもいないものかと思っていた矢先、「ワールドカップが日本で行われるなんて昨日知った」という義妹がフーリガンをどっかの国の大統領だと思っていたという話を聞いて、日本はまだまだ大丈夫だと思いました。

2002年4月14日

つける薬なし

 長い放浪期間を経てやっとホーム北海道に戻ってきたコンサドーレ札幌は、室蘭入江競技場で京都パープルサンガと戦いました。週中の道新スポォツでは「道内開幕戦は5勝1敗で勝率83%」と相性の良さを書いていたように、もはや道内マスコミすら過去のデータにすがるような状況で行われましたが、前半はまったくゲームが作れず後半早々に先制点を許し、後半38分に板長のゴールで追いついたものの、延長後半に上野優作に決められVゴールを喫してしまいました。
 選手は確かによくやっていたとは思いますし、ホームのサポーターの前で負けるわけにはいかないという気持ちも充分感じられたと思います。しかし、それでも勝てなかった、しかも戦力的にはどっこいどっこいの京都にホームで負けたという事実は重く受け止めなければなりません。選手が自信を失いかけている現在、この先劇的にチームが良くなるとは思いません。ここで何かを変えなければずるずると行ってしまうような気がするんですけどね。
 ちなみに、過去唯一負けたのは岡田体制1年目の1999年。まるでいいところなく1年間を過ごしたあのシーズン以来です。三歩進んで三歩下がったっつー感じですね。もし「今一番欲しいものは?」と訊かれたら、オレは迷わずリセットボタンと答えることでしょう。

 というわけで、イヤなことはとっとと片づける京都戦観戦記。

2002年4月16日

闘将炸裂

 道内開幕戦を落としてしまい、にわかに尻に火がついてきた感のある柱谷哲二監督。まぁまだシーズンも1/5を消化したに過ぎない時期ではありますし、ご存じの通り哲二監督は監督としてはピッカピカの(おでこが)一年生ですから、そんなにいきなりうまく行くモンでもないでしょう。しかし、監督だってプロですから、いつまでもあると思うな親とクビってな感じで、ある程度の結果を出せなければ、オノレの立場がマズくなるのはわかっているでしょう。
 で、当面残留争いのライバルとなると見られていた京都パープルサンガ相手にホームで負けたことにより、監督もいよいよせっぱ詰まってきたようで、15日の練習前には哲二監督が「バトルだ! 戦う気持ちを持って鹿島にぶつかれ」(北海道新聞)、「(京都戦の前半は)練習でやってきたことを何もやってないじゃないか。ファイトして、勝つためのトレーニングにしよう」(日刊スポォツ北海道)などと選手たちに檄を飛ばしたそうです。
 もちろんこのコメントはごく一部分だけでしょうから、全体的な話の流れがわからない以上はこのコメントだけについてあれこれ言うことは避けますが、何だか部活で学生を指導しているような印象を受けますね。まぁそんなつもりはないかも知れませんけど、もしそうなら大いに間違っていると思います。

 いいところはほめてやらんとなつきませんよ。なんせ犬ですから

2002年4月18日

鬼が出るか蛇が出るか

 6試合で獲得した勝点はわずかに3と、低空飛行どころか「地を這う飛行機」と化しているコンサドーレ札幌。17日に行われた札幌大学との練習試合では、クリアミスを拾われて失点したばかりか大学生を相手に1点も取れずに負けるなど問答無用でダメチームへの道を突っ走るハジけっぷりです。もちろん、何度も書いているように練習試合の結果一つに一喜一憂してもしょうがないのですが、何しろ連敗中という状況でこの結果、東京にいるオレは当然見ていませんが、見学した方々は一様に黙して語ろうとしなかったという、さながらMMRの世界のような、かなり愉快な練習試合だったようです。
 さてそんな中、6試合で1点も取っていないFW陣にテコ入れをすべく、現在チーム強化担当の石井さんがブラジルに渡って新しい助っ人を捜しているそうです。日刊スポォツ北海道によると、札幌はブラジルの強豪クラブのレギュラークラスの選手の獲得を目指しており、チーム関係者によると昨季所属していたアダウトよりもクラスは上だという話で、昨年度の黒字分1億5千万を全てぶち込むのも辞さない構えだそうです。
 まぁオカネをケチって結果的にまた「安物買いの銭失い」となってしまうのも困りますが、1億5千万フルに使うというのも、何となく「せっかく入った臨時収入でうっかりマスターグレードシャア専用ザクを買ってしまう」かのような印象も受けます。記事によると狙っているのはFWか攻撃的MFとのことで、最終的にどちらになるかはわかりませんが、個人的にはフリーキックの打てるパサータイプの攻撃的MFのほうがいいような気もします。今の札幌には山瀬や和波、コジなどどちらかと言えば「使われるタイプ」、いわばチャゲ&飛鳥におけるチャゲ的な選手が多く、逆に使う側の選手はオグくらいしかいません。そのオグもプレイにムラがあることが多く、90分通してのコンスタントな活躍は期待しにくいのが現状です。現在失点が多いのも、クリアしてもまたすぐ攻め込まれるためにDFの集中力が続かず、我慢しきれなくなるというのも一つの要因だと思いますから、中盤にボールの収まりどころがあるだけでずいぶん変わってくると思います。少なくとも、DFは気分的に楽だと思うんですよ。
 また、今の札幌にはフリーキックを打てる選手がいませんから、相手チームにしてみればペナルティエリアの中じゃなければファウルで止めときゃいいやみたいな感じでしょう。ゲームを支配できないのなら、せめてセットプレイのチャンスくらい生かしたいところ。なので是非ともそんな感じの選手を。とりあえずはレンタルでもいいです。あと1~2年我慢すればユースから鈴木智樹が上がってきますから。

 俺様ですか? 特にいらないんじゃないですか。新居で間に合ってますから。

2002年4月21日

キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!

 チームの状態は一向に上がらないまま迎えた王者・鹿島アントラーズとの函館での一戦。この試合で哲二監督は、ユースからの昇格選手である"King of Sapporo"新居辰基をベンチメンバーに入れてきました。「早く新居を出せ」とキックオフ直後から言い続けたオレが待ち望んでいた新居のJ1デビューは後半25分。ケガで退場した板長との交代で訪れました。
 初めてプロのピッチに飛び込んでいった新居ですが、ユース時代からブイブイいわせていた彼は、「まずはJ1の雰囲気に慣れる」なんて殊勝なことは微塵も思ってなかったようです。それからわずか12分後に初ゴールをゲットという仕事をやらかしてしまいました。

 まぁ、確かに2点をリードした鹿島のDFがちょっと気を抜いていたというのもありましたが、何しろ「あの場所にいた」という事実、そしてピッチに入ってから訪れた最初のビッグチャンスに冷静にトラップし、キーパーの動きをよく見て冷静に流し込んだ一連のプレイは「天性のストライカー」とも言えるものです。言うなればニュータイプです。
 現在背番号10を背負って、後半途中からキャプテンマークを巻いてプレイしていた「ミスターコンサドーレ」山瀬功治も、2000年5月4日の湘南ベルマーレ戦(厚別)でデビュー戦初ゴールを決めました。弱冠19歳ながらも、もはや札幌に欠かせない戦力となったユース代表今野泰幸も、2001年4月7日の東京ヴェルディ戦(室蘭)で初スタメンで初アシストを記録しています。確かに新居はミスもちょこちょこありましたが、それでも得点を決めました。彼も先輩たちのように、そういった星のもとに生まれついているのかもしれません。
 しかし、新居の真骨頂はまだあんなものじゃありません。彼の魅力はなんと言っても、ボールを持つだけで爆笑できる俺様っぷりです。札幌サポーターはもちろん、他チームのサポーターの皆さんも、コンサドーレ札幌FW・"King of Sapporo"新居辰基の名を憶えておいてください。彼は日本サッカーを変える(予定の)男です。おわかりですね? 田嶋幸三監督。
 また、曽田の成長にもオレは感心しました。うまくなってます。具体的には基本技術もそうなんですが、それよりも走るフォームが良くなりましたね。重心が低くなって、そう簡単に倒れなくなりました。そのお陰でポジション争いでも負けなくなり、それがヘディングでの強さにも繋がっています。新居のゴールをアシストしたヘディングは素晴らしいものでした。待ち望んだ道産子2トップ(正確には新居は2列目に入ってましたが)でもぎ取った得点に、オレはホントに泣きましたよ。たとえ成り行きとはいえ。
 もちろん、健作のアーリークロスもドンピシャでした。ストッパーの時とのポジショニングの違いに戸惑っていた健作ですが、彼もまたうまくなっている選手の一人だと思います。

 それともう一つ、ビジュの退場についてですが、同じくJ1デビュー戦となった吉瀬にとっては、いくら平瀬がわざわざペナルティエリアの中に入って倒れたとはいえ、PKを与えてしまったのは相当なショックだったはずです。あそこで他の選手が何も言わずに引き下がったら、「やっちまった」吉瀬は救われないでしょう。それは、茫然自失で顔色を失ったままその場から動けなかった吉瀬を見ればわかるはず。なので、オレはあのビジュの退場については「今回に限っては」おとがめナシとします。ビジュがそこまで考えていたとは思えませんが
 つうか、ああいう場面で吉瀬を使ったのは哲二監督なのですから、後のフォローはきっちりして貰いたいです。吉瀬にとってはトラウマになりかねないプレイですから。新居を使ってくれたのは評価しますが、それさえ出来ないのだとしたら監督の能力が云々とか以前に人の上に立つ資格はないです。

 そんな感じで上記のような明るい材料はあったとはいえ、負けは負けです。再び順位表の1番下に躍り出てしまった札幌は、まさに愛しさと切なさと糸井重里。そんな鹿島戦観戦記をどうぞ。あとリンク1件追加してます。小梅さんのガンバレ!北海オホーツク!です。

2002年4月24日

さあナビスコカップ

 前節でリーグ戦はひとまず終了ということになり、ご存知の通り札幌は1勝6敗、得失点差が-12という思わず出家してしまいたくなるような惨憺たる結果に終わっているわけですが、「ブレイン・ニュース・ネットワーク」によると、23日にHFCの緊急役員会が開かれ、注目された柱谷哲二監督の進退については「少なくともナビスコカップまで続投」という方針で固まったようです。
 何となく結論先送り的な感も否めませんが、いずれにしてもナビスコカップは哲二監督で行くとクラブが方針を固めたんですから、オレもナビスコカップは試合に全力投球することにします。

 そんなわけでチームは哲二体制で今週末からのナビスコカップに臨むことになりますが、ここへ来て「ボランチ不足」が懸念されている模様です。ゴンザレス今野がアジアユースの第1ラウンドを戦うU-19日本代表にドナドナされナビスコカップは不出場、板長も前節足を痛めて交代しており、さらにはビジュも鹿島戦で左膝を痛めるという緊急事態です。特にビジュに関してはもともと左膝を痛めていたらしく、近日中に手術を受けなければならないほど状態は深刻なようです。ワールドカップ後のJリーグ再開には間に合わせるという話ですが、痛めている箇所が箇所だけに、また地球の医療技術で治療可能なのかという問題も残されているだけに、ちょっと心配です。もっとも、オレは医学の知識が全くないので詳しいことはわからないのですが、昨年11月に同じように膝にメスを入れた森くんも復帰は7月の再開後となっているのを見ると、2ヶ月後に復帰出来ると言われるのがそもそも異常のような気もしますけど。
 ということで現在「ボランチいないぞ! 何やってんの!」といった感じの札幌。かくなる上は伝庄優をユースから引っ張り上げて欲しいものですが、5月3日のアウェイ仙台戦以降は山瀬と藤ヶ谷もU-21日本代表にドナドナされてしまうことになっています。当初からわかっていたこととはいえ、いざその時を迎えてみると何となく大貧民で大札を持って行かれたような心境ですね。

2002年4月26日

死のゴールデンウィーク

 明日(といってももう今日ですが)からナビスコカップが行われます。その予選リーグ第1試合の柏レイソル戦(アウェイ)に臨む札幌ですが、ビジュが膝の故障で戦線を離脱したこともあって、どうやら純日本人でメンバーを組むようです。もちろん新居もいます
 それはいいのですが、ご存じの通りこのゴールデンウィークには間近に控えたワールドカップに向けた日本代表や、U-21とU-19の試合が行われるため各チームの主力選手は軒並み代表に取られてしまっています。加えて、そのワールドカップの期間中は2部リーグも中断するので、ただでさえクソ長い2部リーグはゴールデンウィークもリーグ戦を消化しなければ来年になっても終わらなくなるため、J2チームはナビスコカップには出ません。つまり、知名度の高い代表選手もおらず、さらにはカップ戦の魅力である「異なったディビジョンのチームの対戦」もないという、まさしくとってつけたような大会となっています。
 そんなわけで、まるでファミコンにカセットビジョンのカセットを突っ込むかのような無理矢理な様相を呈している今年のカップ戦ですが、そんなどうでもいい大会ですらまったく頭数に入っていないロブに代わって、現在チームの強化担当がブラジルで選手を物色しているのは既にお伝えしたとおりですが、その後の報道によると獲得する選手は2人で、その内訳はFWと攻撃的MFとのことです。ということはロブはもちろん、すっかり影の薄くなってしまったマクさんまで断頭台への行進ということなのでしょうか。
 10クラブを渡り歩いてそのうちいくつかのチームではキャプテンまで務めるなどの経歴の持ち主でしたが、4節の名古屋戦からスタメンはおろかベンチにすら入らなくなっていただけに、「助っ人」という立場上は致し方ないところかもしれません。来日当初から辞書を片手に日本語の習得に励んでいたマクさんですが、たった半年弱ではおそらく日常会話どころかチームメイトからおげれつ単語しか教わってないような気がします。

 しかしまぁ、岡田前監督が「宝くじみたいなもの」言っていたとおり、助っ人選手が活躍するかどうかは能力云々以前にチームや環境にフィットするかしないかに関わってくるわけですから、その辺りは「獲ってみてプレイさせてみないとわからない」のかもしれませんね。古今東西、「今まで獲った助っ人は誰一人外れませんでした」なんてチームは皆無ですし。やはりヘボをヘボと見抜ける人でないと(助っ人を獲るのは)難しいということなんでしょうかねぇ。

 いずれにしてもこのナビスコカップの予選リーグが終わるまではとりあえずはクビの繋がっている哲二監督。さほど重要ではない大会とはいっても、サテライトリーグに参加していない札幌にとっては貴重な「他流試合」の場です。けが人続出で台所事情は厳しいですけど、結果はともかくそれなりに内容のある試合をして欲しいものです。中断前みたいに心底どうでもいい試合をしたら、ゴール裏でトモちゃんの「あきらめましょう」を歌わなければならなくなるので、そこんとこよろしくお願いします。

2002年4月28日

堪忍袋の緒が切れる

 というわけで行って参りました柏の葉(正式名称「葉っぱ」)。結果は皆さんも既にご存じのことかと思いますが、1-0で負け。ただ唯一の楽しみだった"King of Sapporo"の出番もなく、今週一週間夜なべしてまで急いで作り上げた新居ゲート旗も虚しく終わりました。
 さて、前回のコラムでオレは「ナビスコカップが終わるまで全力を注いで応援」と書きましたが、すいませんいきなり前言撤回します。もう限界です。柱谷哲二監督には、ナビスコカップがどのような結果に終わろうとも、予選が終わったらお辞めいただきたいとはっきり申し上げます。
 散々なやられっぷりだった4月6日の日立柏での試合に比べれば確かにスコア上では惜敗ですが、チーム全体としてはほとんど何も変わっていないというのが正直なところです。明神とコリアン2トップがいなかった分残りの3失点を喰らわずに済んだという印象でした。
 後半のDF陣は一杯一杯で、いつもの失点する時の流れでしたから、あのままで引き分けが狙えたとは思えません。つうか、そもそもアウェイで引き分け狙いが出来るほど今の札幌は器用なチームじゃありませんし。かといって手詰まっていた攻撃陣を活性化して勝ちに行くわけでもなく、中途半端なまま時間だけを無駄に消費し、やっと動いたのは後半も30分を過ぎてからの失点する直前で、それも新居ではなく岳也を入れる意味不明な選手交代。確かにルーキーには荷が重いかも知れませんが、前の試合で結果を出したストライカーを入れない理由がまったくわかりません。現在の札幌のただ一つのパターンである「曽田アタック」もギリギリまで使わず、素人目に見ても監督が本気で勝ちに行っているとは思えませんでした。新居は使わないまでも、交代枠があと1つあったのですから、吉川を入れて曽田を前線に上げるという手も残されていたはずです。
 細かいミスを挙げればキリがありませんけど、それでも選手たちのプレイからは少なくとも「勝ちたい」という気持ちが感じられました。曽田は90分体を張って守り続けていました。調子の良くない洋平も気力でPKをセーブしました。ボランチとして先発してフル出場し、慣れないながらも非凡な展開力を随所に見せていた吉瀬は試合後泣いていました。その他の選手たちも各々やれるだけのことはやっていましたが、監督はやれるだけのことをやってるようには見えませんでした。何の手も打たずにそんな選手たちをみすみす見殺しにしてしまった監督の責任はあまりにも重いです。

 札幌のいるこのグループの展望を考えれば、おそらく磐田は1位で突き抜けるでしょうから、残るはグループ2位の枠1つだけです。予選グループを突破して決勝トーナメントに進むためには、いい方は悪いですが磐田戦は捨てるとしても当面のライバルである柏と仙台には優位に立っておかなければならないはず。それなのに、この柏戦で監督が本気で勝ちに行っているようには見えませんでした。
 いやね、別にナビスコカップ自体はリーグ戦より優先されるものではありませんから、是が非でも勝たなければいけないというわけではないんですよ。ただ、監督自身が「予選突破が目標」とした以上は、自分の言葉に責任を持ってその目標に向けてベストを尽くすべきです。「予選突破」という言葉が単なるイデオロギーにしか過ぎないのならば、最初から言ってもらいたくないですそんなの。

 そんな感じで怒り心頭のため完璧に観戦記を書く気を失っていたのですが、現地に見に行ったものとしてテレビ中継がなく試合を見られなかったサポーターにどんな試合だったかを伝えなければならないと勝手に使命感を燃やし、とりあえず柏戦観戦記ざっと書いてみました。

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